概要
漫画「ダンダダン」においてオカルン達は様々な怪異と対峙することとなる。作中では妖怪や幽霊、さらには宇宙人やUMAなど古今東西の怪異が登場し、現実においても都市伝説等で語られている怪異も登場する。ここでは、それらをまとめていく。
(人間キャラクターについてはダンダダンの登場人物一覧を参照。)
怪異は都市伝説やオカルトが実在しているという前提のもと、大きく分けてSFよりの怪異と、妖怪よりの怪異とに分かれる。
オカルンは「地球の幽霊や妖怪が、宇宙人などの侵略から守っている」と言う仮説を立てており、実際に概ねそう言う形で落ち着いているが、作中での関係性はかなり複雑で、宇宙人同士で対立していたり、妖怪も人間の味方とは言いがたい状態であったりと、決して一筋縄ではいかない。
アニメでは各怪異のイメージカラーが存在し、現れるとそれ一色に染まる演出は印象的。例外はあるが妖怪系は暖色、SF系は寒色がベースになっているとの事。ラジオでは綾瀬桃演じる若山詩音氏曰く、「怪異の周りをイメージカラーにすることでそいつが空間を支配している感じになることを(監督は)意識していた」らしい。
- 一覧
- ターボババア&地縛霊 → 赤
- セルポ星人 → 青
- フラットウッズモンスター → 黒
- アクロバティックさらさら → ピンク
- ドーバーデーモン → 黄
- カミッシー → 緑
- 邪視 → 紫
- モンゴリアンデスワーム → 土色
宇宙人・UMA系怪異
主に未知の科学技術や特殊能力を持って襲って来る怪異。基本的には「地球外から来た侵略者」という立ち位置になるが、地底人やUMAなどは出自が不明な為、必ずしも地球外からの侵略者とは限らない。
また、地球に来る理由も必ずしも侵略とは言いがたいところもあり、状況や関係性によっては友好的な関係を築ける者も多く、殲滅すべき敵とは言い切れない。
「性器(バナナ)をください」
桃が出会った七三分けの男性型宇宙人。
クローンによって個体数を増やし、全員が雄の同性同型。その結果、進化も出来ず、感情も無くなってしまい、生殖機能を取り戻すため攫った人間の性器の研究を企てる。
男性の姿はいわゆる擬態でその正体はダダを思わせる怪物然とした姿。
「六根」と呼ばれる念能力で壁を抉り、「セルポ式測量法」で相手を捉える。
- フラットウッズモンスター(CV:大友龍三郎)
「あなた方は悪いヒト達だ。約束を破ったでしょ」
オカルンの性器を奪うべく現れた、顔のエラが特徴の3メートルの体躯を持つとされる宇宙人。
華奢な腕とスカート状の下半身を持つよく知られている姿と異なり、3mどころか10mはありそうな巨躯と屈強な四肢の持ち主で、何故か「大漁」と書かれた化粧まわしを締めた力士の恰好をしている。
コンクリで出来た壁のような結界で獲物を閉じ込め、口から放たれる黒い霧で獲物の体力を奪い、四股を踏むだけで強烈な地割れを起こせる。
その恰好や戦法に違わず弱点も「地についた手が弾け飛ぶ」という相撲らしいものだが、胴体から新たな脚を生やし食い下がる往生際の悪い一面も。
- ドーバーデーモン(シャコ)(CV:関智一)
「チキチータ~♪ ユメナイカ~♪」
シャコのような身体特徴を持った戦闘宇宙人。一応ドーバーデーモンという名称だがそれで呼ばれたのは1回のみで基本的には「シャコ」と呼ばれてる(セルポ星人はギグワーカーと呼んでいた)。
ただでさえ強力なパンチを繰り出せるが、よりシャコらしい見た目となると能力が大幅に上昇し、水中ではパンチ力が10倍になる。ただし24秒しか変身できずおまけに肺呼吸なので息継ぎが必要。
セルポ星人が連れてきた巨大な首長竜のUMA。神越市にて目撃された個体なのでネッシーと神越市を合わせて「カミッシー」と呼ばれた。
一目瞭然で凶暴だと分かる外見通り、性質はかなり凶暴で高い攻撃力を持ち、口から圧縮した水のレーザーを発射する。一方で知能は低く、敵味方の区別なく攻撃してくる。
- ツチノコ
太く短い胴体を持つ謎の毒蛇。かつては懸賞金目当てによく探索されていたという。
星子の弟子の満次郎が神職を務める、火山の麓のツチノコ神社で祀られてるが、あんまり一般的に知られているツチノコっぽくはない。
伝説ではゴビ砂漠に住んでいるとされる巨大なミミズのUMA。体躯には斑模様が浮かび上がっており、目に見えるものは見境なく喰らおうとする。
本来は1.5〜2mくらいの大きさだが、この個体は数千mもの巨体を誇る。
「地底人(オレ達)を敵に回したな!!」
200年間姿変わらず生き続けている地底人。
ある事件をきっかけに桃達は彼らの恨みを買うことになる。外見は恐らくヒッポリト星人が元ネタになっている。
「トゥンム トゥンム」
シャコの友人である宇宙人。「トゥンムトゥンム」としか話せない。
使用者のイメージによって形を変える物質「ナノスキン」を所持している。セルポ星人の話によれば、宇宙でもトップクラスの技術力と文明を有する全知全能の超有名宇宙人らしい。元ネタはマインクラフトだと思われる。
「モモ!タコヤキ‼」
小さな触角の生えた美少女の姿をした宇宙人。透明になれる怪獣の着ぐるみを着用して桃達の前に現れ、オカルンの金の玉を取ろうと襲って来たが、倒されるとオカルンにキスをして求婚を迫るという突拍子も無い行動をして皆を驚かせることに。
名前と着ぐるみの元ネタはウルトラマンのゴモラだと思われる。
詳しい内容は当該項目を参照。
「お前の物はオレの物 オレの物もオレの物」
数多の星を侵略してきた残虐な宇宙人集団。セルポ星人曰く、自分達の住む銀河系のどの宇宙人にも当てはまらない「別の銀河からやって来た」存在。命名はセルポ星人で、クトゥルフから来ている。
本体はタコのような軟体生物を思わせる外見をしており、地球の重力圏内で活動できないほど貧弱だが、特徴的な外見をした頑丈なスーツに身を包むことで自由に身動きができる。
先遣隊メンバーなど詳しい内容は当該項目を参照。
- 北海道の怪異
星子が北海道に出張してグルメ巡りのついでに倒した怪異。
腹部のマーク等からモデルはウンモ星人だと思われる。
「我はなんでこんなに天才なんだガアアイ!!」
特別読み切り版に登場。どこかで見たような顔のついたステッキを所持しており、ジャージを着たマンドリルのような姿をしている。因みにIQは300らしい。「〜ガイ」が口癖。
テリトリーに巨大な缶を仕掛けることで周囲の人間を缶に変える能力を持つ。
幽霊・妖怪系怪異
明確に地球原産の怪異。概ね、死者の怨念や強烈な未練がそのまま超常現象という形に落ち着いた存在。
宇宙からの侵略者が来れば迎え撃ち撃滅するため、その点で地球人類の守護者ではあるのだが、実態としては「自分のナワバリに入ってきたから殺す」と言う行動原理を宇宙人相手に惑星規模で適用しているだけな者がほとんど。
もちろん人間相手にも普通に適用してくる為、「人類」の敵ではなくても、付近に生きる「人」にとっては危険な存在である。
「イチモツしゃぶらせろやあ」
オカルンが心霊スポットのトンネルの中で遭遇した、高速で走る老婆の妖怪。「100キロババア」とも呼ばれる。
彼女に鬼ごっこで追い抜かれ負けたことでオカルンはイチモツを奪われ、憑りつかれてしまった。その後は紆余曲折あって桃の家にある招き猫の置物に取り憑き、利害の一致で自らが無くしたオカルンの金の「タマ」探しに協力する事になる。
詳しくは当該項目を参照。
「ババアを返せ!!」
オカルンが訪れたトンネル内に潜んでいた地縛霊。
連続殺人事件の犠牲者である少女たちの集合体でバラバラにされて殺されたことが判明している。
甲羅に大量の人の顔が浮かび上がった巨大なカニのような姿をしているが、これは死んだ人が三途の川を渡る為にサワガニの姿になることが所以とのこと。ターボババアと合体することも可能。
- アクロバティックさらさら(CV:井上喜久子)
「おかあさんですよおおお」
赤いワンピースを着た異形の妖怪。「おどんだけ」「お場所」など丁寧過ぎて却っておかしな言葉遣いが特徴的。福島の都市伝説がモデル。
その名の通り、アクロバティックな動きをし、変身したオカルンのスピードにも対応できるほど。
なぜか愛羅に目を付けており、彼女が自分を視認できるようになるまで待っていたらしいが……
「そこどかんかあああい!!誰もオレを止められねええええ!!」
まるで生きているかのように動き回る人体模型(画像右)。体を内臓ごとバラバラにする事が出来る。
初恋相手である人体模型「花」(画像左上 CV:平野文)を探しており、彼女のためならば何があっても止まらない。
話やキャラのモデルは漫画「スカタン野郎」から。
「許せない 殺してやる」
異様に長い手足とほとんど縦になるほど吊り上がった目を持つブリーフ一丁の妖怪。モデルには掲示板の都市伝説のくねくねと邪視を掛け合わせていると思われる。
「俺を見ろ」「こっちを見ろ」と掛け声をかけて来て、目を見た相手を発狂させ自殺に追い込むという極めて危険な能力を持つ。
何かを訴えかけるようにジジの前に現れるが……
- 音楽室の肖像画
バンベン「ヘタクソおおおお!!!私のオーケストラで汚ぇ音を出すやつはどいつだぁぁぁぁ!!!」
音楽室の肖像画に対する恐怖の念が集まり具現化した存在。バンベン(ベートーベン)、もっさん(モーツァルト)、ばばあ(バッハ)、メガネ(シューベルト)、おとてつ(ドヴォルザーク)、だいく(カラヤン)の計6体で構成されている。全員結構キャラが濃ゆい。
演奏することで爆発する音符を生み出して攻撃し、休符に当たると動きが止まってしまう。交響曲を演奏する事で田んぼや劇場等の空間を生成することも可能で、劇場内では大集団「わくわく100万人の第九」が合唱しながら襲いかかってくる。
「私キレイ?」
とある廃墟に棲みついていた女性の妖怪。カシマレイコをベースに口裂け女と八尺様の要素がミックスされた、ある種の作中オリジナル怪異。
戦闘能力は間違いなく作中最強クラスであり、星子ですら手に負えなかったほど。凄まじい身体能力を持ち、さらに鏡の中に相手を閉じ込めることができる。一週間身を潜めれば逃げ切れるが、その間にも精神攻撃を仕掛けてくる。
背中を丸めた巨大な赤ん坊の姿をした怪異。亡くなった幼子の霊が悪霊化し、愛情を求めて人の背中に乗っかってくる。愛を持って接してやれば成仏するが、遠ざけようとすると憎悪が膨れ上がって憑いた相手を最終的に潰してしまう。別名を子泣きジジイ。
委員長の佐脇凛に取り憑き、彼女を押し潰そうとする。
- コウシャイン
学校の七不思議が集合・合体した巨大な地縛霊。元ネタはキン肉マンのサンシャインだと思われる。
オンブスマンに全校内の悪霊が引き寄せられて巨大化し、共に凛を押し潰そうと襲ってくる。
コウシャイン本人の攻撃は結界で比較的防ぎやすいが、その巨躯の中に集団でいる小さい悪霊の「二宮デスロード金次郎」が厄介で、四方八方から降り注ぐ攻撃に桃達は苦戦を強いられることに。
ボードゲームの形をした呪物。
ボードゲームに触れるとゲームの中に吸い込まれてしまい、一度入ってしまえばクリアするまで出られない。中は広大なファンタジー世界となっており、入った者は自身の元の能力がかなり制限されてしまうようで、基本的にはゲーム内の武器で応戦するしかない。
この手のものにありがちな「ゲームをクリアすれば脱出できる」と当初は思われたが…。
後に星子の知り合いのパヤセに譲られた。
「あなた様のおかげでやっと出ることが出来ました。とても愛しています」
カルタのような姿をした悪魔。顔の部位が描かれた札が付いており、札を見た者は身体を乗っ取られてしまうという。
元ネタはおそらく都市伝説の悪夢のメルヘンカルタ。
詳しくは当該項目を参照。
- アンブレボーイ
「ボクの傘、かしてあげる」
溺れかけた警官の部賀達を助けようとした頭間雲児に取り憑いた妖怪。別名を唐傘お化け。
本来は優しい妖怪らしいが実力は高位にあたり、一度暴れ出すと手がつけられなくなるという。頭間の願いに応えて自身の能力を彼に貸した。
- 小人
「ムー ムー」
一頭身の身体に仮面を被った、「ムー」としか喋れない小人たち。手のひらに収まるほど小さく、部屋を埋め尽くすほどに沢山いる(画像奥)が、特定の人間にしか見えない。知能が高く手先が器用で何でも作り、また非常にすばしっこい。
仮面を外すとヒゲと丸い鼻が特徴的な可愛らしい顔があらわになる。彼らを視認できる雪白幸姫のことを慕っており、彼女に協力したり励ましてくれる。
都市伝説の小さいおじさんが元ネタと思われる。
- キョンシー
「ホワッ」「ワチャ」
道士の服を着た唇のない中国のゾンビ達。誰かに操られることで動き出す。
餃子店で桃を元に戻す手段を探していた星子らの前にいきなり出現し、星子とカンフーバトルを繰り広げる。
ちなみに原作者は過去にキョンシーの漫画をジャンプSQに持ち込んだことがある。
- 牛の魔人(仮名)
「私は“鉄”です!!鉄は打てば打つほど強くなる!!」
水牛頭で複乳のミノタウロスのような怪異。ブリーフ一丁姿で現れ「ホッツ ホッツ!!」という掛け声を上げながら、キョンシーらとともに星子達に攻撃をけしかけた。
筋骨隆々とした肉体は鉄と同じ性質で、攻撃を受ければ受けるほど硬くなり攻撃力が増す。星子やパヤセからカチカチやないかと突っ込まれるほどの固さであるが、冷やす事で水素が入り脆くなる。
???怪異
「私、“オカルトコレクター”なので」
ヨーロッパ中世の伯爵の様な服装をした謎の男で自称“オカルトコレクター”。好青年な容貌をしており、腰には日本刀の様な大剣を構えている。
宇宙人の間でかなり認知されている存在のようだが…?