概要
ダンダダンの登場人物の一人。
通称「ズマ」。
不良高校として知られる連雀高校の生徒で、金の玉の所持者。
素の実力も1年生ながら最強と謳われており、その実力とカリスマ性から彼を慕う舎弟も多い。
唐傘を自在に操る力を持っており、人を取り込む呪いのジオラマボードゲーム内では、本来封じられるはずの能力を金の玉の力で解禁することで生き残っていた。
名前の元ネタは1995年公開のアメリカ映画ジュマンジからだと思われる。
能力
「アンブレボーイ」という妖怪、通称唐傘お化けがかつての雲児の祈りに応え、彼に取り憑き霊力を貸し与えている。
アンブレボーイは、傲岸不遜で自信家のターボババアをして、「心優しいが一度戦い出せば手がつけられない」と戦慄させる慈悲深くも畏るべき豪傑。
雲児は霊力の塊である唐傘を出現させ、開くことで強力な衝撃波を発射したり高速で飛行することができる。ただし生身の人間が扱うには強力過ぎるため、一日一度の変身で使える傘は2本までとリミッターが設けられており、それ以上の過剰使用は雲児の生命にかかわる。
過去
単行本ネタバレ注意
頭間家は、お世辞にも普通の環境とは言い難かった。
過労死により父が亡くなり、母親と弟の3人暮らしをしていた。十分に暮らせる金もなく家賃滞納に追われる毎日で、そんな環境で唯一、弟の風太だけが純粋なままだった。
風太は絵本の影響で傘で空を飛ぶことを夢見ており、晴れた日にも傘をさしていた。しかし、そのせいで学校ではいじめられており、その度に雲児がいじめっ子達をこらしめて助けていた。
しかし、豪雨のある日、風太の大切にしていた傘が飛ばされてしまい、川に水没。風太は傘を取り戻すために氾濫する川に飛び込んでしまい、命を落としてしまう。そのショックから後を追うように、母も自分と無理心中しようとし電車に轢かれ事故死、遂に雲児は孤独になってしまった。
養護施設に預けられ、そこでもいじめを受けた雲児はいつしかグレて、不良グループのトップに上り詰める。破壊衝動に突き動かされるままに活動していた雲児だったが、妙に強い警官に取り押さえられ、少年院に入れられてしまう。しかしその後、少年院に件の警官、「鬼の部賀(ベガ)」が現れ、彼に引き取られる。これが、雲児を変えた運命の出会いだった。
それからというもの、部賀の言いなりになるのが嫌だった雲児が、部賀をボコそうとして返り討ちに遭う日々が続いた。
そんなある日、部賀の家族の写真を見つけ、家族はどうしたのか問いかけると、部賀の家族だった妻と娘のみーちゃんは通り魔に刺し殺されてしまい、クソみたいな世の中に絶望し今でもその男に復讐して自分も死のうと考えているのだと言う。しかし、その度に今は亡き娘の顔が浮かび、「このクソみたいな世界に負けたくねぇ」という気持ちが沸き立ち、雲児を引き取ったという。
しかし、壮絶な幼少期を送った雲児には、部賀の声は届かなかった。
雨の河川敷を歩いていた雲児は、かつての弟のように園児が氾濫する川に流される現場に居合わせてしまう。あの悲劇がフラッシュバックし立ち尽くす中、現れたのは、共に暮らしていた部賀だった。彼は園児を救うために川に飛び込むが、川の流れは強く、このままでは間違いなく部賀も園児も溺死してしまう最悪の状況だった。
「やめろ‼︎やめてくれ‼︎もうこれ以上 殺さないでくれ‼︎」
もうこれ以上大切な人を喪いたくない。その一心で河川敷に走り出す雲児の前に、死んだはずの弟、風太が現れ、弟の姿が傘の怪物に変貌する。
「ボクの傘 かしてあげる」
こうして雲児はアンブレボーイの力を手に入れ、その力で部賀と園児を助け出し、雲児は部賀が息を吹き返したことに、部賀は園児を無事に助け出せたことに安堵するのだった。
その後、部賀が建てた頭間一家の墓にやってきた。そこで雲児は、風太が家族を支えていた存在であること、自分が死ねば母も死なずに済んだと心に秘めていた思いを涙ながらに口にする。
しかし部賀は「ダメだ 絶対に死んじゃダメだ わかったな」と静かに雲児を絆し、共にその場を後にした。