概要
仏教で、人が死後7日目に渡るとされる川。 呼び方は俗称で、本来は葬頭河(そうずか)。三瀬川(みつせかわ)、渡り川とも呼ばれる。
三途の川の河原は「賽の河原」と呼ばれる。
名前の由来は、三つの途(みち)があるということから。
ギリシャ神話のステュクスとはしばしば同等の存在とされる。
三途の川の渡り方は三つある。
1.善人は金銀七宝で造られた橋を渡る。
2.罪の軽い悪人は、山水瀬と呼ばれる水が膝の下までの浅瀬を渡る。
3.罪の重い極悪人は、川の流れが速く、波は山のように高く、川底には大蛇が潜んでいる強深瀬(江深淵)と呼ばれる深瀬を渡る。
平安時代の末期頃までは前記のように橋を渡ったが、室町時代以降からは船に乗って渡ることになっている。現代なら新交通システムとかで渡るのかもしれない。
また、三途の川には懸衣翁、奪衣婆という老夫婦の係員がおり、六文銭を持たない死者が来た場合に渡し賃の代わりに衣類を剥ぎ取ることになっていた。
因みに、群馬県甘楽郡甘楽町を流れる三途川は、仏教の三途の川にちなみ行基が名付けたものであると言われている。他にも「三途川」と呼ばれる川が各地にある。
また三途の川は人間が死後誰もが通る道でもあり、三途の川を渡る者によっては穏やかで静かな事もあれば波が荒れて濁流のように酷くなる事もある。
女神転生シリーズ
女神転生Ⅱ、真・女神転生、真・女神転生Ⅱ、真・女神転生If...、真・女神転生Ⅳ、デビルサマナーに登場。
詳しいメッセージなどは女神転生シリーズの死亡シーン集を参照。
侍戦隊シンケンジャー
一般的な三途の川とは根本的に異なり、この世とあの世の狭間に存在する異空間とされる。
生者も亡者も渡れないこの"川"はどこまでも続く淀んだ流れと賽の河原が広がるだけで、昼も夜もなく全てが血のように紅く染まっている。そして河の水は人間の嘆き苦しみによって赤く穢れて濁っており、またそれらによって水嵩を増減させる。
ただし、三途の水は100人の単純な悲しみよりもたった1人のより濃く深い悲しみの方が多く増水する傾向にあるようで、ただ暴れまわるだけではなく、中には凶悪な精神攻撃を仕掛けたヤツもいる。またその人間の悲しみが止まって解消された場合は、増えた分の水が減って元通りの水位になってしまう。
この三途の川の“穢れ”から自然発生的に生まれる異形の物の怪こそアヤカシであり、彼らは生者でも亡者でもないはみ出し者であるが故。
元々この世の物質ではないからか、現世の水とは相反する性質を持っており、それ故に現世の水の中ではアヤカシが使う妖術は効果が弱まる。特に志葉家と池波家が清めて祀っている「猩々の谷」の水はアヤカシの妖術を遠ざける作用が強く、さらにアヤカシの毒を浄化する作用もある。
※腑破十臓曰く「聖なる水(≒この世の水)は外道の毒を洗い流す」とのこと。ヤミオロロの猛毒は舵木折神による海水の浄化作用によって、また骨のシタリに毒を盛られた丈瑠を見かねた十臓が「猩々の谷」の水を飲ませ解毒する、風呂に潜っている間気配が弱まることでイサギツネの妖術「狐映し」が通用しなくなるなどいくつかそれを裏付ける描写がある。
他にも、三途の川は夏になると活性化する性質があり、それによって血祭ドウコクやアヤカシ達の力も増幅し、一時的に大きく増水する。これらの現象が、作中世界でのお盆や彼岸などの日本の風習のルーツになったらしい。
本作における敵。詳しくは該当記事参照。
「三途の川が存在する限り」生まれ続ける存在であることから、その三途の川を消滅させれば完全に根絶やしにできるのだが、それはこの世を“裏返す”ような大異変でも起こさなければならず、そもそも「人々の嘆き・苦しみによって"楔"を打ち込み、はぐれ外道が中心地を切り裂く」という条件の時点でシンケンジャーでは不可能。ましてこれを実行すればこの世そのものが崩壊・消滅する事は避けられないため、確かに外道衆は滅びるが、守るべきものまで失う本末転倒な事態になってしまう。
ならばと三途の川に直接攻め込むこともできない為、この世に出てきたところを討つしかなく、アヤカシの方も現世には長くは留まれないので、互いに決して根絶はできないまさにいたちごっこの状態が続いている。
- その他
生者も亡者も渡れないとされるこの川だが、「VS」シリーズでは明らかに死者であるヨゴシュタイン、キタネイダス、ケガレシアの3人や、そもそも訪問時には死んでない害統領バッチードやブレドランが三途の川に辿り着いていたり、現世の水と相反する性質と語られた川の水がバッチードによってガスになっていたりと本編の設定との矛盾点が目立つ。
まあ、あくまでVSシリーズ時空の話なので、この辺は深く考えるようなところでもないのだろう。
東方Project
妖怪の山の裏側に位置する川。
幻想郷といえども三途の川が此岸(この世)と彼岸(あの世)の境にあるのは変わらないようだ。川を渡りきったら当然あの世の住人となり、次の生を受けるまで戻って来られない。
深い霧に覆われ、昼も夜もなく、生き物の音は一切聞こえてこない静かな場所。時々、暢気な死神の歌声が聞こえてくる程度。
この川には絶滅した魚や首長竜などが棲んでいるが、すでに滅びた存在故か全て幽霊なので釣り上げる事ができないらしい。しかし漁業を営んでる者もいる為、全く捕れないという訳ではないようだ。
流れは少ないが、体が水に浮かばないので泳ぐのは不可能。また死神の保護無しに渡ろうとすれば超巨大魚や首長竜に襲われる。そのため渡るには死神に賃金を渡すしかないのだが高価格。
ちなみに死神は生前その者に他者がいくら使ってくれたかという金額の多寡で善悪を判断する。
関連タグ
侍戦隊シンケンジャー 閻魔あい 小野塚小町 女神転生 半熟英雄 幽遊白書 外道衆
聖闘士星矢:ハーデス編にて星矢が三途の川を泳いで渡ろうとしたが亡者達に妨害され川底に引きずりこまれそうになる。
天の川/ミルキーウェイ…こちらは男女(カップル)を引き離す川。
参考文献
三途川(Wikipedia)
三途の川(やさしい仏教入門)
東方求聞史紀(東方Project)