「乾きひび割れた土よ!我、害地大臣ヨゴシュタイン!!」(GP-08)
概要ナリ
蛮機族ガイアークを束ねる三大臣の一人で総裏大臣ヨゴシマクリタインの息子。肩書は「害地大臣」。
本名はバロン・ヨゴレックス・ド・シュタイン。一人称は「我輩」(「我」と言っている事もあった)で、語尾は「ナリ」。
大地を汚す害地目の蛮機獣を作り出す。パワーに優れた武闘派で、巨大な槍「ヨゴシュピア」を使って戦闘する。ケガレシアほどではないが、前線に出ることもある。
部下や仲間、とりわけヒラメキメデスに対する信頼は篤く(とはいえ、中身が走輔とは知らずウガッツに手を出したハツデンバンキにはさすがに制裁しようとする一面はあったが)、彼を失った際には憎しみに囚われて仲間意識の感情を捨て去って戦いを挑んだこともあるが、結局は完全に捨てることができなかった。
しかしその後、古代ガイアークの神・ホロンデルタールがヒューマンワールドに封印されていることを知ると、その復活に執心するようになってしまう。
その異様な姿勢に危機感を抱いたキタネイダスやケガレシアからの忠言に聞く耳も持たず、再び単独で暴走。
ヒューマンワールドやゴーオンジャーをも窮地に陥れ、そして走輔を仮死状態にし、ホロンデルタールに打ち込んだパワーアップゼンマイを取り込み自身を強化。
あちこちにゼンマイネジミサイルを打ち込んで銅化させ、さらに復讐に駆けつけた残りメンバーも変身不能にして窮地に追い込むが、リスクを物ともしないゴーオンジャーとウイングスから決死の反撃を受け、連にヨゴシュピアを奪われ、胸部を貫かれる。
それでも意に介さずパワーアップゼンマイの力で巨大化、炎神達の総攻撃を受ける中、スピードルの追撃を受けて転倒。さらに巨大化したのが裏目に出て、先程の連の攻撃でできた胸部の傷からゴーオンジャーが体内に侵入、取り込んでいたチェンジソウルを奪回されて一気に形勢がひっくり返ってしまった。
勢いに乗るゴーオンジャーはそのままエンジンオーG12を出撃させ、間髪入れず放たれたG12グランプリの直撃を受けたヨゴシュタインは大爆発を起こして敗北、各地に打ち込んでいたミサイルも外れて銅化も解除された。
それでもまだ死には至らず、満身創痍のままパワーアップゼンマイを手に逃げ延びようと移動していたが、
「こ、これさえあれば……まだまだ……次は、必ず……!」
走輔「いいや……もうお前に次はねぇ!」
死の淵から帰還した走輔に追いつかれ、瀕死ながらもマントを脱ぎ捨て、今度こそゴーオンレッドを地獄に落とすために一騎打ちに臨む。
だがボロボロの状態では本調子が出るはずもなく、繰り出す攻撃悉くを見切られ、かわされ、最後にはヨゴシュピアの一閃をかわされ(辛うじてメットを吹き飛ばしたが)、胴体を薙ぎ払われてついに敗北。身体中からオイルを撒き散らしながら、
「きょ、今日は…ヒューマンワールドではなく…このヨゴシュタイン最期の日だったナリかぁぁぁ……!!」
と言い遺し、爆散した。
一度失敗し反省しながらも、懲りずに二度目の独断・暴走行為を起こした末の戦死という傍から見れば自業自得な顛末だったとはいえ、彼の死を仲間であったケガレシアやキタネイダスは言うまでもなく、戦闘員の蛮機兵ウガッツに至るまでひどく悲しみ、後日葬式まで上げている(そしてキタネイダスは復讐のために恐るべき蛮機獣を作り出した)。
顛末としては『仲間を想う気持ちを強く持ち過ぎていたが故に、ヒラメキメデスを倒したゴーオンジャーへの憎しみに囚われ、最終的に自身の破滅を招いた』と言え、反対に『腹心の部下さえも道具程度にしか思わない冷酷非情さが、最終的に自身の敗北の遠因になった』父親 ヨゴシマクリタインと対極的なものとなっている。
その後の顛末ナリ
かくして壮絶な死を遂げたヨゴシュタインであったが、映画『シンケンジャーVSゴーオンジャー』にて三途の川から引き揚げられ、他の二人共々ガイアークから逃走していたことが判明。
その後に『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』で三人まとめてマクーの作った魔空牢獄に投獄され、ついには『炎神戦隊ゴーオンジャー10YEARSGRANDPRIX』で機械のボディを修理する事で完全復活を遂げた。復活した悪役では珍しく、生き返った後は、同じく復活を遂げた他の二人の影響もあってか悪事を働かなくなっている。これはゴーカイジャーの別の劇場版で復活した父親とは異なる。
我輩の技ナリ
ヨゴシュピアグラエン怒(ド)
ヨゴシュピアの先端から雷を放つ。
ヨゴベルト
シートベルトのような見た目のベルトを操る。一度に数本(少なくとも8本)を同時に出せる。使い道が多く、原作ではレッドを除くゴーオンジャー全員を束縛したり(その際、解放時にチェンジソウルを絡め取り彼等を変身不能に追いやった)、素早く振り回すことでビルを糸のこぎりの要領で切断したりしていた。
ゼンマイネジミサイル
ヨゴシュタイン最強の必殺技にしてみんなのトラウマ。その名前の通り、ゼンマイ(ねじ巻き)の形をしたミサイルを発射する攻撃で、命中したものを銅化させ仮死状態に追い込む。走輔の仮死状態もこの技が引き起こしたもの。
しかしこの技の本当に恐ろしい点は、対象が人だろうと木だろうとビルだろうと、果てには水であろうと、当たったものが本当に全て銅化するところである。
GP-35「炎神のキズナ」では巨大戦から地上に放り出されたゴーオンレッドとの戦いで使用、隙をついて見事に命中させている。
当初は命中から銅化までにタイムラグがあった(走輔が受けた際も、銅化するまでに半日かかっている)が、ホロンデルタールのパワーを取り込んだ事で強化され、タイムラグが無くなった。
ちなみに銅には抗菌作用がある。まるで嫌味である⋯。
余談ナリ
先程も言った通り彼の最強必殺技であるゼンマイネジミサイルは当初タイムラグがあったため、物語の終了数秒前で主人公がなんの前触れもなくいきなり銅化して倒れるという衝撃的なラストシーンから当時トラウマになった者はとても多い。
時は流れて2022年、走輔を演じた古原氏のTwitterでバレンタインプレゼントという形で当時の写真が公開された
また同ツイートでは「まだ残ってるか」というツイートに対しスタッフの山口氏からは「あるとすれば撮影所かも」と語られている。
想像したら恐ろしい話である…
その翌年、2023年にもまた…
声を担当した梁田清之氏は『轟轟戦隊ボウケンジャー』にて邪悪竜ナーガの声を担当しており、スーパー戦隊シリーズへの出演は2年ぶり。GP-FINALでも須塔グループのパーティーに招待された客人として顔出し出演した(しかも語尾に彼の「〜ナリ」を付けている)。また、3年後の『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊 199ヒーロー大決戦』では父・ヨゴシマクリタインの声で出演。さらに5年後の『獣電戦隊キョウリュウジャー』ではデーボ・タイリョーンの声、さらに7年後の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』では西洋妖怪フランケンの声、さらに9年後の『宇宙戦隊キュウレンジャー』ではビッグベア総司令の声を担当した。
中の人の一人二役なせいか父親との共演シーンはないが、性格が異なっている事や、ヨゴシュタイン自身、生前父親の事をキタネイダスとケガレシアに全く話していなかった様子から、親子仲は最悪だったと思われる(本編中でもヨゴシュタインの事を話題に上げたケガレシア達に対し、ヨゴシマクリタインが「ゴーオンジャー如きに負けた役立たずの名など聞きたくないナリナ!」と一喝していることから、少なくとも父親からは良い感情を抱かれてなかった事が窺える)。
また、CVの梁田氏は2022年11月21日に死去されたことが、キタネイダス役の真殿光昭氏のツイッターにより明らかになったが、ある意味でGP-37のヨゴシュタイン弔い合戦を思い出した人もいたことだろう。『10 YEARS GRANDPRIX』が最後の特撮作品出演であった。
関連イラストナリ
関連タグナリ
毒親の被害者:父親との共演はなかったものの、余談にもあるように死後父親に「役立たず」と罵倒されていたことから、昔から父親との仲は最悪だったことが窺える。
破王バットバス:10年前の戦隊に登場した敵幹部。力押しの作戦を好み、且つ頭脳派の部下を持っている点が共通している。
ワルズ・ギル:3年後の戦隊の敵幹部。父親が組織のトップにしてラスボス、物語中盤で戦隊ロボの最強形態によって倒されて退場する点が共通している。