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「濁り腐った水よ!わらわ、害水大臣ケガレシア!!」(GP-08)

「か弱い攻撃でおじゃるなぁ...!たとえ女性でも、戦士は強くなければならんでおじゃるよ...。お手本を見せるでおじゃる!」


演:及川奈央


概要でおじゃる編集

蛮機族ガイアークの三大臣の紅一点。汚染された水を好む害水大臣

見た目は美しい人間の女性だがれっきとした機械生命体である。

一人称は「妾(わらわ)」で、語尾に「おじゃる」と付け、ムチに変化するケガレスティックが武器。他にもバルブから蒸気や汚水を噴射することもできる。


蛮機族はきれいな環境が苦手なはずだが、彼女は(汚染してもいない)温泉に入ったことがある。「体を温める」程度であれば大丈夫なのだろうか。

人間に変装するときは汚石冷奈(けがいし・れな)という名前を使う。

変装時に城範人から惚れられ「美しい清らかな女性」と言われたが、人間とは逆に「汚らわしい」とか「醜い」といった表現が褒め言葉になる(ただし、「かっこいい」などは普通に褒め言葉として使用される)ため美しいだの清らかだのと言われて侮辱されたと勘違い。さらに「おばさん」と言われ怒りの余り巨大化してしまうなど大人気ない一面も見せており、老いや年齢に関する感性は人間と変わらない模様。

ゴーオンイエローゴーオングリーンと交戦した他、ゴーオンシルバーやゴーオンイエローを蛮機獣を使って苦しめたこともある。


終盤ではヨゴシマクリタインに最終的に反旗を翻すも害気大臣キタネイダスと共に粛清されてしまい、最期はキタネイダスと共に眠るような悲しい最期を遂げる。

悪役でありながら憎めないキャラとして慕われていただけに、その死はヨゴシマクリタインの為に仲間が次々と異次元に飛ばされて初期の3人の状態だったゴーオンジャーは勿論、視聴者までも悲しませたという。


それから

その後ケガレシアは死後、『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー』や『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』にて頭に天冠を付ける形でヨゴシュタインやキタネイダスと一緒にゲストとして再登場することになった。


まさかの復活

Vシネマ『炎神戦隊ゴーオンジャー 10 YEARS GRANDPRIX』では再度復活。その際には何故か天冠が無くなっており、かつての宿敵・ゴーオンジャーとジャンクワールドで再会を果たす。

ヒューマンワールドからゴミが減ってきたことを理由に既に悪事から手を引いており、3年前に電子ゴミを集めていたら、そこからエレ機族ゾンタークが生まれ、そのままジャンクワールドを乗っ取られたらしい。共通の敵であるゾンターク打倒という利害の一致でゴーオンジャーと共闘することになった。

そして、訳ありで仲間たちと袂を分かち、ノイーズンの仮の姿である野泉の側に付いたふりをしたものの、彼の策略で無理やり野泉チルドレン1号にされた楼山早輝に代わって、なんと頭にバルブを付けたケガイエローに変身。野泉チルドレン1号を牽制することで、4人のゴーオンジャーとゴーオンウイングスが早輝を野泉チルドレン1号から引き出して救出するよう後押しし、最終的に完全に復活したゴーオンジャーとゴーオンウイングスがノイーズンを倒すよう導いたのであった。


余談でおじゃる編集

  • ケガレシアのデザインは、配役決定以前から及川奈央をイメージして描かれていたとはデザイナー談。
  • 前述の性格に変化したことで及川はファミリー層を中心とした新たなファン層を開拓できた。その為、及川本人にとってケガレシア役の経験は宝物となっているという。
    • また、及川は最初スタッフから「石を投げられる覚悟でいてください」と言われていた(実際に『鳥人戦隊ジェットマン』でラディゲを演じた舘正貴が子供に石をぶつけられる等の風評被害を受けていた)が、最終的に憎めない悪役に路線変更してもらった事が理由の一つでもある。
  • 当初、G3プリンセスメンバー入りに関しては他二人との年齢差と、劇中でケガレシアがおばさん扱いされて激怒したことから「私が入っていいのか?」と思い、一度は辞退したとか。
  • オンエア中は及川がレギュラー出演している番組、「怒りオヤジ」との相互パロディを実施するといった、局の垣根を越えたお遊びを実施。他にも及川絡みのパロディもちらほら…。

素面女幹部についてでおじゃる編集

ケガレシアのケガレ編集

この作品の後、数年間素面女幹部が途絶えたことから、AV女優はまずかったんじゃないかというのはたまに話題になる。


ケガレシア以降素面女幹部が数年間途絶え、その後もあまり多くない理由は定かではないが、2000年代に起こった『イケメンヒーローブーム』の影響で主婦層の視聴者が増えた事が指摘されている。

2010年代以降では、ネットやSNSの普及によってちょっと前は許容されていたはずの表現を今のテレビでやったら炎上沙汰になるケースが相次いでおり、さらにそれに便乗するかのように過激派フェミニスト団体による糾弾運動が活発化している(実際にF1でのグリッドガールがフェミニスト団体から抗議があったため、2018年に廃止となった)。

「セクシータレント出身女優の起用」や「露出度の高いコスチューム」が子供達も見る時間帯の関係上、糾弾の対象かつ炎上沙汰になる事は既に目に見えているため、当時みたいにセクシー女優をシリーズに起用したらどうなるかは分からない。


特撮ではセクシー女優起用というのは昭和からの伝統で特に驚くことでもなかったのだが、かつてのピンク映画等の「ピンク女優」に対して「AV女優」は格下、卑猥、放送禁止というような差別的イメージがあったためか、結構話題となった。


かつて特撮における素面タイプの女幹部といえば「胸等を強調した露出度が高いコスチュームを着ている」・しばしば「セクシー女優グラビアアイドルを起用している」というイメージが強い点で成人男性層を魅了していた。

反面、イケメンヒーロー目当てで子供たちと一緒に視聴する主婦層からは青少年の健全育成と女の女嫌いという点から批判を受けやすい。

他にも戦隊ヒロインはともかく男性戦士のみが素面タイプの女幹部に向かって攻撃するのもどうか」という思考も過去にあったようだが、実際に怪人タイプでも敵の女幹部との戦闘は戦隊ヒロインが居ないとあまり安心して見てられない人も中にはいるだろう…と思われる。


起用の背景編集

一方でシリーズを通して数多くの作品のプロデューサーを務めた鈴木武幸氏が東映を退社後に出版した書籍『夢(ヒーロー)を追い続ける男』の中で「(素面タイプの女幹部は)成人男性層へのサービスと思われがちだが、それは違う」と断言している他、さらにシリーズを通していくつかの作品にデザイナーとして参加した事がある野口竜氏も、素面タイプの女幹部目当てに成人男性層の視聴が増えたのは『電子戦隊デンジマン』からであり、しかもそれはあまりにも予想外だったと語っている事から、当時の『素面タイプの女幹部の存在がシリーズの人気取りである』という風評をとても気にしていたことが窺える。

鈴木氏は書籍『夢を追い続ける男』の中で、時たまセクシー女優を素面タイプの女幹部役に起用しているのは、セクシー女優が職業上の関係から露出度の高いコスチュームを平気で着こなすことができる上、堂々と体を張った演技ができるほどの強いメンタルを持っており、一般女優ほど子供番組を見下していないからだと語っている。


戦隊での素面悪役史編集

戦隊では超力戦隊オーレンジャー以降何故か素面悪役が減少(予算説とかパワーレンジャーに映像流用できないから説とかいろいろあるが不明)。電磁戦隊メガレンジャー鮫島博士を最後に素面男幹部が一時消えてしまった。

その次作以降、男性は着ぐるみだが、女性だけ顔出しという不思議な状態が轟轟戦隊ボウケンジャーまで続く。別にセクシー女優だけというわけではなく、この頃の女幹部の中にはTBS夕方の顔もいたことで有名。


その後、ゴーオンジャーの次作以降は着ぐるみと女性声優のアフレコによる怪人タイプに変更し、女優の代わりにその声には特撮に出たことがなく、当時からアイドル的な活動をしていた女性声優を起用するという方針になった。


素面女幹部はこのケガレシアから約4年間途絶え、その後に特命戦隊ゴーバスターズに登場したエスケイプ以降、ヨドンナが登場するまでの数年間TV本編には一切登場しなかった。(獣電戦隊キョウリュウジャーキャンデリラは劇中で人間態になる事があるが、あくまでも怪人タイプの女幹部が変身したパターンである。キャンデリラ役の戸松遥はアイドル声優でありコンセプトとしてはやはりファンサービスなのだろうか)。

ただし、映画やVシネマ、1年間放送では無いTV作品には登場している。

逆に素面の男性幹部は復活し、素面タイプの敵幹部のポジションは腑破十臓バスコ・タ・ジョロキアエンター闇の皇帝ゼットザミーゴ・デルマといった、普段は人間の姿をしているが戦闘時には怪人態に変身する男性幹部がたまに登場するようになった。


まさかの素面女幹部復活編集

前述のとおりシリーズにおける素面タイプの女幹部は近年、映画やVシネマ(スピンオフ系、後日談等)、クロスオーバー系(VSシリーズスペース・スクワッドシリーズ等)に出す程度に留められ、さらに『手裏剣戦隊ニンニンジャー』以降の戦隊シリーズの長期低迷により「もはや顔出し幹部なんて出す余裕無いだろう」と散々言われ、復活は無いと思われていた。


そんな中、2019年2月17日から3月10日までの4週連続で放送された特別番組『スーパー戦隊最強バトル!!』において、一連の黒幕という形でリタという、TV本編においては実に約7年ぶりの素面タイプの女幹部が登場した。彼女の場合は元アイドルグループ出身。

『悪になったのには理由があった』事と、最終的には倒されずに逮捕されるという結末を迎えている(女性戦士も彼女の暗躍の阻止に加わったが、変身した彼女を撃破して変身を解除させたのは実質男性戦士であるものの、それは気にしないこと)。

さらに2020年、上記の通り『魔進戦隊キラメイジャー』にて敵女幹部・ヨドンナが登場。通年のシリーズ作品としては、エスケイプから8年ぶりの素面タイプの女幹部となる。こちらは本職は看護師兼コスプレイヤー兼グラビアアイドル兼モデル。

2022年の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』では初期メンバーとしてはケガレシア以来14年ぶりの素面タイプの女幹部(全員怪人態は持っている)となるソノニソノゴが登場した。


関連タグでおじゃる編集

炎神戦隊ゴーオンジャー 蛮機族ガイアーク ヨゴシュタイン キタネイダス 女幹部


ダークヒーロー:Vシネマでのケガレシアの立ち位置。


カー将軍バンドーラ:敵幹部でありながら愛された者の大先輩にあたる。

ウェンディーヌ:怒りで巨大化する能力を持つ、女幹部の先輩。

梅盛源太:『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー銀幕BANG!』の劇中において出会った侍戦隊シンケンジャーシンケンゴールド

ドン・ドッコイヤー(通称・ハカセ):『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』の劇中において、魔空監獄で出会った海賊戦隊ゴーカイジャーゴーカイグリーン。ケガレシアは彼に好意を持っていたらしい。

風のシズカ:『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』にて魔空監獄に収監される形で共演した素面女幹部の先輩。先述のハカセを巡って彼女と言い争っていた。

氷見川琴美:中の人が同じ特撮悪役。ケガレシアとは逆に「美」に執着している。

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