概要
緑色の血を持っている。
宇宙帝国ザンギャック公認の私掠船「フリージョーカー」の船長で、ゴーカイジャー達と同じく宇宙最大のお宝を狙っている。
かつては赤き海賊団としてアカレッドとマーベラスと共に旅していたが、お宝を独占する為に二人を裏切り赤き海賊団を壊滅させた。
その為マーベラスとは因縁の仲である。
第48話で、「アカレッドが、レンジャーキーを集めているのは宇宙最大のお宝の為ではなく地球を守る為だと騙していた」という発言があったが、それについての真偽の程や、それが他人を信用しない理由になっているかについては不明である。
また、ザンギャックとは、ゴーカイジャーと敵対する点では利害が一致する為、情報の提供はし合っているものの、互いに信用はしていない。
実際、第42話ではダマラスに強制協力させられたものの、ある戦隊の大いなる力をゴーカイジャーに入手させる為に、次の第43話ではダマラスを裏切った(倒せるはずなのに、何度かゴーカイジャーの面々を見逃していたのはその為だった)。
そしてザンギャックと完全に決別した結果、1000万ザギンの懸賞金が付けられた賞金首の海賊扱いに戻ってしまうが、全く意に介することなく、第47話で大いなる力の総取りの為ゴーカイジャーに最後の戦いを挑む。
人物像
「何かを得る為には何かを捨てなきゃ」が口癖で、目的の為には手段を選ばない上に、自分自身とその目的以外何も大切でない彼にとって、その言葉は他人を切り捨てている事へのお為ごかしでしかない。
マーベラスのことを「マベちゃん」と呼ぶなどノリはかなり軽い。但し、第48話でのマーベラスとの一騎打ちでは「マーベラス」と呼んでいた。そのマーベラスからは「アンタ」と呼ばれることがあり、年齢はバスコの方が年上のようだ。
だが本性は腹黒く、他人を一切信用しない。但し、相棒の宇宙猿サリーだけは別で、第39話でサリーがゴーカイジャーに倒されようとした時は、常に余裕腰な態度からは想像できない程の声色と表情になり、本気でサリーを心配していた。
しかし、第47話で巨大戦闘疑似生命体が全滅すると(作戦とはいえ)サリーを銃で傷つけ、更にゴーカイジャー側に寝返るのも計算ずくで、お守りと称したペンダントに仕込んでいた爆弾を起動させ、マーベラスを巻き添えにした上で爆死させた。
一方で、普段は格下扱いしつつも、マーベラスの事は自分なりに一目置き、会遇・交戦を重ねる毎に船長として成長していく彼を素直に評価・賞賛する一面もある。
また、ゴーカイジャーの中でもっとも戦闘力が低いハカセに対しては「弱っちい奴」と称しているものの、だからという理由でダマラスのように「どうでもいい」と見下し、侮らないなど、自身の強さに自惚れ、過信、油断せず、自身の邪魔する敵と認めている一面も。(実際ザンギャックを裏切った後のゴーカイジャーとの決戦でもバスコはハカセに対しても一切手を抜かず容赦のない攻撃をしていた。)
後述の戦い方や主人公との因縁、さらに毎回一行を追っかけ回す(?)様に現れる所を含めると、若干あの人に似てなくもない・・・。
ちなみに名前の由来はバスコ・タ→タバスコ、ジョロキア→トウガラシ属シネンセ種の唐辛子「ブート・ジョロキア」の名前であり、スパイスにちなんでいる。そのため、「辛」「激辛」などという俗称で呼ばれることも多い。なおジョロキアは生の実を触るだけで皮膚が炎症を起こすほど辛く、2007年にはギネス世界記録にも認定された。
また15〜16世紀に実在したポルトガルの探検家ヴァスコ・ダ・ガマの名にもかけてある。
この史実のガマは香辛料(当時のヨーロッパで需要が高かった)の取引のためにインドヘ航海しており、航海の途中に要求を拒んだ現地民に発砲して殺害したり、通りがかりの他船を略奪し、乗員を惨殺するなどエグいこともやっている。
容姿
巻毛にした黒髪に黒い海賊帽、深緑のシャツに赤いショール、首に白いふわふわを巻くなどかなり派手な格好。
所持品
モバイレーツ?(正式名称不明)
作中でバスコがマーベラスに電話をかける際に使用している通信機器で名称は不明。
デザインはモバイレーツに酷似しているのだが、配色はモバイレーツとは異なり着信音も比べて低音であり、レンジャーキーを挿す為の穴(ゴーカイシリンダー?)が塞がっている。
ラッパラッター
後述の真の姿を披露するまでの間のバスコの戦闘の要。
詳細は個別記事を参照。
カリブラスター
作中でバスコが使用する銃(↑のイラストでバスコが右手に持ってる銃)で、バスコ自らが(不意打ちのような形で)攻撃する場合はこの銃を使用している。
カリブレード
作中でバスコが使用するカトラス風の片手剣(↑のイラストでバスコが左手に持ってる剣)…なのだがバスコは自らが前に出て戦うことはあまりないため、後述の真の姿になった時にしか使わない。
フリージョーカー
バスコが所有する宇宙戦艦で、ザンギャックの艦隊が所有する宇宙戦艦の色違いなデザインをしている。詳細は個別記事を参照。
戦闘能力
地球にやってきた当初は、本人は戦わず、ラッパラッターというトランペット状のツールにレンジャーキーを挿して吹き鳴らし、戦士たちを実体化させて戦わせていた。
所有しているレンジャーキーは、シルバーやゴールドなど追加戦士15人のもの。
16話ではマーベラスたちにそれらを奪われてしまったが、まだ他にも番外戦士10人のレンジャーキーを所有していた。しかしそれらも第20話と第31話でゴーカイジャーに奪われた。
相棒である宇宙猿サリーの腹部に隠した、巨大戦闘疑似生命体を使う事もある。
恐怖の正体
第31話でついにその恐怖の正体が明かされ、ゴーカイジャーを圧倒的な力で蹂躙した。それまでゴーカイジャーが必殺技として数多くの敵怪人を倒してきたファイナルウェーブを片手で軽く受け止めてゴーカイジャーに向かって跳ね返す。
彼は既にチェンジマン・フラッシュマン・マスクマンの大いなる力を手に入れていた。
第39話での再戦では、ゴーカイジャーの攻撃を受けても無傷でいるなど、防御力の強さも見せつけた。しかし、ダマラスにはこの姿でも一蹴されている。
また、第43話ではサンバルカン・ファイブマンの大いなる力を入手していることが判明した。
これが、彼の「アカレッドも恐れた真の姿」であり、かつて300万ザギンの賞金がつけられていたのは、この姿のためらしい。↓
なお、実質彼を倒す目的で製作されたゴーカイガレオンバスターでの攻撃も流石にファイナルウェーブよりは手ごたえを感じていたようだが、ギリギリでダメージを受けなかった。
最期
マーベラスとの一騎討ちに臨み、互いに死力を尽くして戦う。
『バスコの足を踏みつけてその上からカリブレードを深く突き刺し、互いの足を縫い付けることでバスコの高速移動を封じる』というゴーカイレッドの捨て身の戦法によって動きを封じられてしまい、そこから至近距離からのゴーカイサーベルでの一閃を受けて敗北。このとき、バスコの血は緑色であった。
バスコもその際に同時にゴーカイレッドの心臓に銃弾を直撃させていたが、捨て駒にしたサリーのペンダントの破片によって食い止められるという皮肉な結果となり、そのことを「なるほどねぇ...」と自嘲しながら、絶命し、遺体は粒子と化した。
その後、ゴーカイジャーは第50話にて、「宇宙を自在に改変する(何かを得る)代償として34のスーパー戦隊の存在を消滅させる(何かを犠牲にする)」ことを要求する宇宙最大のお宝を破壊。
自分たちの手で夢を掴み、ザンギャックの打倒を決意・成功させる。
こうして、バスコは全てにおいて、ゴーカイジャーに敗北することとなるが、
その際に使われたのが、バスコの形見のフリージョーカーであり、ゴーカイレッドとゴーカイシルバーが乗り込んで、ギガントホースへの特攻に役立つこととなった。
余談
- その劇中の行動からバスコ役の細貝圭氏はイベントなどで当時の子供達に怖がられ、泣かれてしまう事も多く、自身の甥からも第31話が放映されてからは、しばらくの間家に出入りする事すら拒絶されてしまった。
尚、細貝氏は、その年の甥の誕生日にゴーカイジャー関連の玩具をプレゼントしたり、撮影の合間にゴーカイジャー役の俳優陣と仲良くしている様子を写真に撮って見せながら説得するなどして、なんとか甥に機嫌を直してもらおうと色々と苦慮していたと語っている。
- そのうちレジェンド戦隊に対する暴虐行為の中で、かつてゴーピンク(救急戦隊ゴーゴーファイブ)だった巽マツリが登場した23話において、バスコがマツリ(実はマジピンクにゴーカイチェンジして魔法『マージ・マジーロ』で化けたゴーカイピンクだった)を蹴り飛ばすシーンがあり、これについては実際にBPOに注意される事態に。
以下原文。
特撮ものの番組で、大の男が女性に暴力を振るうシーンがあった。作戦とはいえ、着ぐるみならともかく生身の人間でこのようなシーンを流すのは不愉快だ。子どもが見る時間帯の番組として相応しくない。 |
流石に一度ならず二度までもやらかしている東映には厳しかったのだと思われる。
- またバスコがマーベラスを騙し討ちで生死不明に追いやると同時に相棒サリーを捨て駒にした第47話の放映日(2012年1月22日)には、都内で細貝氏の写真集販売記念イベントが行われ、会場では細貝氏の姿を見つけた子供達が泣き叫んだり、罵倒するなどして一時大騒ぎとなり、細貝は身の置き場のない中でイベントを行う羽目になった。
- 上記の様に、バスコを演じた為にプライベートで色々と散々な目に遭い、マーベラス役の小澤亮太からも相当心配されていた細貝氏だったが、当人はある程度子供達に嫌われる覚悟はしていた様で、後にあるインタビューで「毎回、子供から石を投げつけられるつもりで、バスコを演じていた」と述べている(尤も、その後に「流石にここまで嫌われるとは思わなかった…」と苦笑混じりに補足していた。また、バスコの先輩と言えるラディゲを演じていた舘大介とはゴーカイジャーのクランクアップ記念も兼ねたスーパー戦隊シリーズ35周年の祝賀会にて対面し、お互いに視聴者(特に子供達)からの風評被害に悩まされたというシンパシーあってか、労いの言葉をかけられ、激励されたという。
- 一応、メイン脚本の荒川稔久はバスコについて「残忍で卑怯な奴だけど、相手が先に裏切らない限り、こちらは絶対に裏切らないという信念も持っている」とフォローしている。それによると、赤き海賊団を裏切ったのはアカレッドがマーベラスとバスコにレンジャーキーを持ち主に返すという本来の目的を隠していた事を知ったためであり、サリーを切り捨てたのはサリーがバスコに切り捨てられたと思いこんでマーベラスの後ろに隠れた行為がバスコの地雷を踏んでしまったからで、その直前までは切り捨てるつもりではなかったという(そのわりには、しっかり爆弾を仕組ませていたのはどう説明するつもりなのだろうか?)。つまり、実際にバスコを裏切ったかどうかではなくバスコが裏切られたと感じた事が重要で、しかも本人の性格があの通りなので、端から見ると自分以外の者を捨て駒としか見ていないように見えるとの事である。
- バスコの反省からなのかどうかは不明だが、次作の『特命戦隊ゴーバスターズ』のエンター以降の顔出しの男性幹部は憎めない悪役または哀しき悪役として描かれており、視聴者が同情しやすく好感を持ちやすいキャラクターが比較的多い。
- ゴーカイジャーの海外版パワーレンジャー・スーパーメガフォースでは何故かバスコに相当する敵は存在しない。そのためバスコ初登場回や、決戦回、そしてバスコに関する回であるゴーゴーファイブやメガレンジャー回等は丸々カットされてしまった。一方で、その時はまだ登場させるかどうか決まっていなかったのか、秘密基地には追加戦士のレンジャーキー型のオブジェはメガフォース時には並んでおらず、最終的に最初からレンジャー達の下にある扱いになった模様。
- 『特命戦隊ゴーバスターズVSゴーカイジャー』にもエンターがデータを再現したアバターが登場しているが、データが最終決戦前の物だったのか、呼び捨てではなく再びマーベラスを愛称で呼んでいる。また、戦闘力までは再現できなかったのかマーベラス、ジョー、ルカの3人に倒される程に弱体化していた。
- そして、歴代怪人が集まる『機界戦隊ゼンカイジャー』の映画「赤い戦い!オール戦隊大集会!!」に彼も登場している。
関連タグ
アカレッド・キャプテン・マーベラス:バスコがかつて所属していた赤き海賊団のメンバー。
宇宙猿サリー バスコ・タ・ギル フリージョーカー 宇宙帝国ザンギャック 美形悪役
ザミーゴ・デルマ:赤い戦士と深い因縁を持つ、人間態持ち幹部繋がり。10年後に共演した。
イグニス:中の人繋がり。こちらは普段は飄々としてはいるが過去にヒュドラムに故郷を滅ぼされており、その反動から人を蹴落とす行為に手を染める者には嫌悪を示す&故郷を復活させたいのはやまやまだがそのために別の星を犠牲にすることはしない等、バスコとはほぼ真逆のスタンス。また、後半手に入れた力でトリガーダークに変身できるようになっても力に飲み込まれそうになって暴走してしまった時以外はトリガー達に協力することも厭わないなど、主人公達とは若干距離を置きながらも味方する善玉ポジションである。なお、偶然にも放送年である2021年は『ゴーカイジャー』放送10周年でもある。
そして3年後のウルトラマン総集編番組においてまさかのMCに起用された。