「人の体には、未知の力が秘められている。鍛えれば鍛えるほど、それは無限の力を発揮する!!」(OPナレーション)
光るオーラだマスクマン!!(スーパー戦隊ヒーローゲッター)
概要
1987年2月~1988年2月放送のスーパー戦隊シリーズ第11作目の作品。全51話。
- テーマは気功。人体に秘められた可能性として設定されたオーラパワーを力の源とし、5人のメンバーは全員東洋武術や格闘技の達人という設定。
- 戦隊版『ロミオとジュリエット』的な内容である。マスクマンのリーダーであるレッドマスクと敵幹部の妹のラブロマンスが、戦いと並ぶもう一つのストーリーの軸とされた。
- ブルーマスクは当初から女性人気が高く、終盤には数話にわたりブルーマスクが洗脳を受け、敵の戦士として顔出しでマスクマンと戦った。前述のラブロマンスも含めて女性視聴者層の開拓に一役買った戦隊である。
- 前半のロボットグレートファイブはシリーズ初の5体合体である。
- 時期に合わせてF1と地下鉄(TUBE)の要素が取り入れられている。地底と地底人に焦点が当たった珍しいファンタジー作品である。
- 企画段階では『ザ・ファイブマン』というタイトルであり、スーツの首元に五角形で"5"と読める意匠があることや、1号ロボの名称が戦隊名の「マスク」ではなく「ファイブ」と付くといった点がその名残。
- 1話限定だが、マスクマンのプロトタイプという設定でシリーズ初の6人目の戦士、X1マスクが登場。
あらすじ
地上とは別の進化をたどったもう一つの人間が住む「地底世界」。混沌としながらも歴史を紡いでいた世界は地帝王ゼーバの下で「地底帝国チューブ」に統一され、ゼーバは次の目標として地上侵略を開始。とある地底の娘をスパイとして地上に派遣するが、それがもう一つの始まりでもあった。
その頃地上では「姿レーシングクラブ」というチームにレーサー・タケルとその恋人の美緒という一組のカップルの姿があった。しかし、美緒はチューブの存在をタケルに警告した直後に突如現れた地割れに飲み込まれてしまう。彼女の本当の名はイアル。チューブが地上の動静を探るために派遣したスパイであると共にかつての地帝王の娘=王女だったが、彼を愛したためにチューブから離反していた。
地上に猛威を振るおうとするチューブの前に、5人の戦士が立ちふさがる。彼等こそ、レーシングチームの代表・姿三十郎が、チューブの存在と侵攻を察知し、これを倒す目的で結成された「光戦隊マスクマン」、姿長官にオーラパワーの素質を見出されてスカウトされたタケルとレーシングチームのスタッフ4人。初戦に辛くも勝利したマスクマンだったが、地帝城の浮上によって苦戦を強いられてしまう。この脅威に打ち勝つにはオーラパワーしかない。苦労の末オーラパワーを発動させた5人はチューブの地帝城作戦を打ち砕いた。だが戦いはまだ始まったばかり、そして美緒の行方は…。
登場人物
マスクマン
地底帝国チューブ
マスクマンの関係者
武器/共通・合同技
マスクマンの標準装備であるレーザーガン。厚さ10センチメートルの鉄板を撃ち抜く威力がある。
グリップには剣が収納されていて、近接戦での武器となる。ブルーはブラックから剣を借り受けて二刀流を披露することも。二刀流での必殺技は「マスキースラッシュ」。
序盤の必殺武器となる巨大バズーカ。
レッドがエネルギータンクを背負うことでエネルギーを充填させて5色のビームを発射する。
ベームドグラーが加勢した盗賊騎士キロスのクレセントスクリューを受けて大破してしまう(※)。
のちにショットボンバーを超えうる武器として試作バズーカが制作されるも、失敗に終わる。
玩具版は水鉄砲であり、CMでの「手応えあり!」というフレーズをあのカズレーザーがすこぶる気に入り、ネタに取り入れている。
(※)マスクマンは命のオーラという捨て身の気功波を放ってベームドグラーを倒した。
全長2.43m、重量98kg。
中盤から新たに必殺バズーカとして導入された小型飛行機型バズーカで、光戦隊の技術者たちが作った本体にタケルのオーラパワーを加える事で完成した。
威力は実にレーザーマグナムの45倍。また、上に乗る事で移動手段としても使用可能(飛行速度は800km/h)。
- メディテーション
瞑想する事でオーラパワーを高め、様々な奇跡を起こす。
浮遊や、衝撃波、バリア、氷の溶解、捕縛、移動用の縄ばしごを作り出すなど非常に用途の幅が広い。
- ファイブアタック
4人を踏み台にして連続で飛び上がったイエローがレッドとブラックの援護射撃と共にマスキーローターとパンチを繰り出す戦法。
ブルー不在時には派生技であるダブルアタックを披露。
メカニック
スーパー戦隊初の5体合体ロボ。武器は腰に装備されたグレートガン(マスキードリルの主砲)と長剣『光電子ライザー』。必殺技は光電子ライザーを使った斬撃『ファイナルオーラバースト』。
ストーリー後半にメイン戦力となる巨大ロボ。意志を持つような描写があり、座禅してオーラパワーを使いこなす。2丁の銃を合体させた『ギャラクシーバズーカ』と徒手空拳を使って戦う。必殺技は、右手の手刀にマスクマンのオーラパワーを纏わせたチョップ『鉄拳オーラーギャラクシー』。戦隊ロボでは初の格闘系必殺技で、勝利を収めると合掌する。
- ターボランジャー
グレートファイブやランドギャラクシーを格納する巨大母艦。
左右二基のミサイルが武器で、巨大な滝(ナイアガラの滝)に隠された格納庫から発進する。
- スピンクルーザー
最高時速470km/hを誇るレッドマスク専用バギー。
二問の機銃クルーザーバルカンを装備。
- マスクローダー
最高時速470km/hを誇るレッド以外に支給されたスーパーバイク。
各話リスト
音楽
主題歌
作詞:売野雅勇/作曲:井上大輔/編曲:藤田大土/歌:影山ヒロノブ
OPテーマ。
作詞:売野雅勇/作曲:井上大輔/編曲:藤田大土/歌:影山ヒロノブ
EDテーマ。
- ショットボンバー全力集中
作詞:園部和範/作曲:池毅/編曲:藤田大土/歌:影山ヒロノブ、こおろぎ'73、SHINES
劇場版用に製作された新規OP。
挿入歌
- 燃えるぜファイアー
作詞:冬杜花代子/作曲・編曲:田中公平/歌:影山ヒロノブ、SHINES
- 俺たちアングラー
作詞:園部和範/作曲・編曲:淡海悟郎/歌:ジ・アングラーズ
- アクション・ファンタジー
作詞:園部和範/作曲・編曲:藤田大土/歌:ミラクル・ボンバーズ
- オーラに輝け! グレートファイブ
作詞:八手三郎/作曲・編曲:田中公平/歌:影山ヒロノブ
- テレパサイズしてくれ
作詞:冬杜花代子/作曲:池毅/編曲:田中公平/歌:三浦克也
- レディアクションきめたらおしゃれ
作詞:冬杜花代子/作曲・編曲:淡海悟郎/歌:山野さと子
- テン・アイズ 〜5人の瞳〜
作詞:長石多可男/作曲:池毅/編曲:藤田大土/歌:影山ヒロノブ、こおろぎ'73、SHINES
- 出してみようぜ!オーラパワー
作詞:八手三郎/作曲:影山ヒロノブ/編曲:淡海悟郎/歌:影山ヒロノブ
関連作品
1987年7月18日公開。東映まんがまつりの一編として上映された本作の劇場版作品。
余談
- 使用BGMは放送回によってまちまちであり、決め技のBGMが何パターンもある。
- オーラマスクでの変身時は半裸になる(女性陣は下着姿)。戦隊超全集では何故か、変身プロセスがオーラマスクではなく、瞑想しつつ炎の中で半裸で変身するというシーンのものになっている。
- 後半からグレートファイブが使われなくなったのは大人の事情だ!
- ナレーターは『タモリ倶楽部』や『アド街ック天国』でお馴染み武田広が担当している。
- オープニングでメカの仏画をバックに姿長官が座禅を組み空中浮遊を披露する姿は、放送の数年後にさまざまな事件を起こした某尊師を彷彿とさせるとして、ネタ気味にではあるが風評被害を食うことになってしまった。当時一部の若者の間で空中浮揚するおじさんとして話題になり始めていた時期であり、何らかの影響を与えた可能性も無くはない…?
- 第29話「友情の新必殺武器」では次回作『超獣戦隊ライブマン』の大原丈/イエローライオン役でお馴染みの西村和彦がゲスト出演している。
- 電撃戦隊チェンジマンと同様、OP&EDは影山ヒロノブ氏が担当した(その後、影山氏は様々な戦隊ソングを担当することに)。OPのサビは「危機!危機!」でも「キック!キック!」でもなく「気!気!」で、光戦隊の読みは「ひか“る”せんたい」ではなく「ひか“り”せんたい」である。
関連イラスト
関連タグ
超新星フラッシュマン←光戦隊マスクマン→超獣戦隊ライブマン
五星戦隊ダイレンジャー、獣拳戦隊ゲキレンジャー:同じく拳法戦隊。
海賊戦隊ゴーカイジャー 第49話でアキラが登場。バスコから奪還した大いなる力を使っていいのか悩むゴーカイジャーの前に現れ、改めて大いなる力を託した。
主なゲスト出演者
金尾哲夫(第4話)
ひし美ゆり子(第6話)⇒ウルトラセブンのアンヌ隊員役で有名。
伴直弥(第11話)⇒戦隊作品で秘密戦隊ゴレンジャー、バトルフィーバーJ(2代目バトルコサック)、超獣戦隊ライブマン、鳥人戦隊ジェットマンに出演。
曽我町子(第30話)⇒戦隊作品でへドリアン女王・魔女バンドーラ・天空大聖者マジエル等を演じた。
柴田時江(第33話)⇒戦隊作品でメカ人間ミキ、リゲル星人ナナを演じた。