「地球は狙われている。今、宇宙に漂う幾千の星から侵略の魔の手が…!」
曖昧さ回避
キャラクターとしてのウルトラセブン→ウルトラセブン(キャラクター)
概要
円谷プロダクション制作による空想特撮シリーズ第3弾にして、ウルトラシリーズ第3作目(『キャプテンウルトラ』は制作会社の違いからウルトラシリーズには含まれない)。
1967年(昭和42年)10月1日から1968年(昭和43年)9月8日まで、TBS系で毎週日曜日19:00~19:30に全49話が放映された特撮テレビ番組。
宇宙の侵略者から地球を守るウルトラ警備隊及び、地球人に協力するヒーロー・ウルトラセブンの活躍を描いた物語である。
現在では大半の人が『ウルトラマン』の続編として制作されたと思っているだろうが、実際は『ウルトラマン』とは物語上の繋がりはない独立した作品というスタンスで制作されており、放映当時は視聴者の子供たちもそういうものだという認識で見ていた。
しかし次作の『帰ってきたウルトラマン』で「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」が同一世界の話である設定が強調され、その後にウルトラ兄弟の設定が後付けで構築された。
その後のウルトラシリーズからみると独自性の強い要素が目立つ。具体的にはウルトラマンと大きく異なるウルトラセブンのデザイン、「ぐんぐんカット」(巨大化シーン)が存在しない変身シーン、自然現象の一部としての怪獣ではなく明確な侵略の意図を持った宇宙人が敵となる軍事色が強いストーリー、巨大化したウルトラセブンが宇宙船団を相手に戦う展開など。また、個々のエピソードもドラマ性が重視され、今なおウルトラシリーズ最高傑作との評価も高い。
反面、宇宙人や怪獣との戦闘シーンに関しては予算の都合もあってか敵が巨大化しない、直接戦わない、円盤としか戦わない、大した格闘もなくあっさり決着がつくなど迫力に欠けるものが多く、番組後半になるにつれて視聴率は低下してしまった。
これは『ウルトラマン』が特撮に力を入れ過ぎて予算やスケジュール不足で打ち切りになったが故の反省とされる。
なお、時代設定も『円谷プロ検定公式テキスト2013』(ホビージャパン)などで1980年代と記載されているが(第43話では2000年という設定になっている)、同じく近未来の設定であった前作同様に後の作品と繋げるに当たって設定が放送当時の1960年代ということにされている(似たような例に『超力戦隊オーレンジャー』やレスキューポリスシリーズなどがある)。
放映終了後も根強い人気があることから、最終回より後の時代を描いた後日談シリーズ(俗に平成ウルトラセブンと呼ばれる)がTVスペシャルやオリジナルビデオとして制作され続けた。この後日談シリーズは「他のウルトラシリーズとは繋がっていない世界」と言う放映当時の設定を踏襲しており、既存のウルトラシリーズとは繋がらないパラレルワールドとされる。
さらに、2007年には深夜番組として『ULTRASEVEN X』が放送。
2022年では、生誕55周年記念として新プロジェクトの始動が発表されている。
なお、元々は『ウルトラ警備隊』が主役にした内容であり、セブンの登場は想定されていなかったが、『諸星弾』が変身するヒーローを登場させる路線にシフトし、現在のウルトラセブンの企画が完成した。
変身アイテムのウルトラアイは変身ヒーローを登場させる企画に発展した際のタイトルを(アイスラッガーも同様)、『ウルトラセブン』というタイトルは原始時代を舞台にしたコメディ番組のタイトルを流用している。劇中ではウルトラ警備隊7人目の戦士という意味合いで名付けられるという展開が第1話に存在していたが、この下りはお蔵入りとなった(出典:『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ/2009〜2011)『トピックインフォメーション SERIES3「ウルトラセブン」SHEET01』より)。
また、『週刊少年マガジン』史上では公募企画も行われ、テペトとガイロスは同企画にて採用されたデザインをブラッシュアップしたものである(出典:『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ/2009〜2011)『トピックインフォメーション SERIES3「ウルトラセブン」SHEET10』より)。
ヒーロー・怪獣デザインは成田亨氏が務めていたが、第31話以降は池谷仙克氏が担当。
本作で音楽を担当した冬木透氏は『ウルトラマンタロウ』を除いた第2期ウルトラシリーズ、『ウルトラマンコスモス』などの作品でも音楽を担当している。
前作同様にスポンサーは『武田薬品』であり、第14話・第15話の1週間にも及ぶ神戸ロケは大阪に本社を置いていた武田薬品が協力により実現したものである。また、同話に登場するポインターは満田かずほ監督が証言するところによれば、自走で神戸に辿り着いたという。(出典:『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ/2009〜2011)『トピックインフォメーション SERIES3「ウルトラセブン」SHEET05』より)。
海外展開
1975年7月からはハワイの放送局KNHONにて英語吹き替え版が放送。
タイトルシーンは日本版のものを流用しつつ、『ファイヤーマン』のものと思しき映像も流用されている。
OPを含めた楽曲は子門真人氏が担当している。放送コードに引っかかるため、アイスラッガーの切断シーンはカットされている。
アメリカでは1994年にTNTにて放送。OPにはウルトラ警備隊のロゴが回転してウルトラホークが飛び去り、ダンがセブンに変身する新規アニメーションが挿入された。また、こちらでは日本で諸事情によりお蔵入りとなった第12話も放送されている。
あらすじ
人類が宇宙への進出を始めた近未来。宇宙では遊星間侵略戦争が激化し、地球侵略を企む宇宙人が次々と地球に飛来した。人類は国際組織「地球防衛軍」を結成し、宇宙からの侵略者と戦い始めた。
日本にも地球防衛軍極東基地が建設され、富士山麓の広大な地下基地で300名の隊員が日夜、宇宙からの侵略に目を光らせていた。この極東基地には各部署から選抜された精鋭隊員による特殊部隊「ウルトラ警備隊」が置かれ、地球防衛の最前線に立っていた。
クール星人による人間蒸発事件と、それに続く京浜工業地帯爆撃事件で、モロボシ・ダンと名乗る風来坊の青年がウルトラ警備隊に協力し、事件解決の功績を認められてウルトラ警備隊に入隊する。
ダンの正体こそ、M78星雲からやってきた正義の宇宙人ウルトラセブンであった。彼は侵略の危機に晒される地球を守るため、超能力を駆使して侵略宇宙人やその刺客である宇宙怪獣と戦っていく。
登場人物
モロボシ・ダン/ウルトラセブン
友里アンヌ隊員
以下の人物についてはウルトラ警備隊の記事を参照のこと。
フルハシ・シゲル隊員
ソガ隊員
アマギ隊員
クラタ隊長
ヤマオカ長官
タケナカ参謀
マナベ参謀
放映リストと登場した怪獣、宇宙人
詳細はセブン怪獣を参照。
主題歌
作詞:東京一/作曲・編曲:冬木透/歌:みすず児童合唱団、ジ・エコーズ
NG版は満田かずほ監督作品にてBGMとして採用され、『ウルトラマンレジェンド・ソング・コレクション』では「ウルトラセブンの歌 パートⅡ」表記で収録された(俗にゾフィーのテーマとして知られているのはこの曲のインスト版)。
なお、OPの背景は地球防衛軍基地が海底にあるという想定で作られたものである(出典:『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ/2009〜2011)『トピックインフォメーション SERIES3「ウルトラセブン」SHEET07』)。
科楽特奏隊「ウルトラセブンの歌」(動画は『TOKUMAJAPAN』公式YouTubeチャンネルより転載)
『ウルトラセブンの歌』
作詞:東京一 作曲:冬木透
©︎1967 NICHION, INC. & Tsuburaya Music Publishing Co., Ltd.
- 監修:田口清隆
- 原案・脚本・監督:タカハシヒョウリ
- 撮影:水島英樹(七五三デーズ)
- 編集:矢澤美希(七五三デーズ)
- 音響・OP制作:川崎雄太
- 撮影助手:根本剛
- 制作:切田円
- 美術:タカハシヒョウリ、市川正浩
- スチール:勝永裕介
- ロゴデザイン:中村遼
出演
- 科楽特奏隊
- 市川りお
- 内野惣次郎
- 福田裕彦
- イッチの谷博士
- タカユ機01
- 川副良太
- 神門実里(ノーメイクス)
- 柳杏奈(ノーメイクス)
- 上埜すみれ(ノーメイクス)
- 声の出演:谷口洋行
- 撮影協力:松井建設、cafe field、新大久保支部
協力
- 円谷プロダクション
- 日本映像クリエイティブ株式会社
製作
- 科楽特奏隊
- 徳間ジャパンコミュニケーションズ
※オリジナルを尊重するため、本動画の音声はモノラル処理をしております。
挿入歌/イメージソング
- ウルトラ警備隊の歌
作詞:東京一/作曲・編曲:冬木透/歌:東京マイスタージンガー
ウルトラ警備隊のテーマソング。劇中ではインストゥルメンタル版を使用。
- ULTRA SEVEN
作詞:東京一/作曲・編曲:冬木透/歌:ジ・エコーズ
ウルトラセブンのテーマソングだが、実質的にウルトラ警備隊のテーマソングでもある。
- ウルトラ少年の歌
作詞:東京一/作曲・編曲:冬木透/歌:みすず児童合唱団
劇中未使用。
関連イラスト
関連タグ
ウルトラマン ウルトラマンゼロ ウルトラマンレオ ULTRASEVENX
ウルトラマン→ウルトラセブン→帰ってきたウルトラマン
ウルトラマンタイガ - “異星人との交流or攻防”というストーリー展開が本作と共通する(さすがに軍事色はそこまで強くはないが)。
セブンきゅ~ぶ - 2012年のウルトラセブン45周年のタイアップ企画として円谷プロの公認漫画。
ゲゲゲの鬼太郎 - 主人公や敵キャラの設定に影響を与えたと思われる。
ポケットモンスター - 本作に登場するカプセル怪獣の影響を受けたと言われている。
主なゲスト出演者
穂積隆信(第8話)
町田政則(第16話) ※ノンクレジット
山口奈々(第24話)※フルハシ隊員の妹・マナ役。
外部リンク
ネタ
タイトル
13話までは砂絵を使ったものが(砂絵を揺らし、逆再生したものを使用した)、第14話以降のものはウルトラQやウルトラマンのような撹拌タイプを使用している(粘土絵を撹拌している様子を逆再生したものを使用。実は前作のタイトルも同様の手法で撮影している)。
(出典:『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ/2009〜2011)『トピックインフォメーション SERIES3「ウルトラセブン」SHEET06』より)
ウルトラアイ
よく盗難にあう。油断して奪われたのが4回、なくしたのが1回、ポインターに置き忘れたのが1回。合計6回も命の次に大事な変身アイテムを紛失しているのは……。マンや以降のウルトラマンも変身アイテムを敵に奪われたりして不所持となることがあったが、ここまでではない。しかも奪われるときは女性絡みなど、大変アレな理由である。
最近息子も同型の変身アイテムを得たが、アイテムは普段ブレスレットに収納しているため、親父と比べて紛失するリスクは低くなっている(ただし『ベリ銀』ではとある事情からアイテムを奪われたことがあった)。
ウルトラマンセブン
興味のない人が、だいたい4分の1の割合で言い間違える。ネット上でこれを言い間違えると指摘されることもある。興味のない皆様も覚えておきましょう。
ウルトラセブンです!
ウルトラファイト
ウルトラファイトで怪獣達と喧嘩している。そのファイトスタイルははっきり言ってヒール。
大人の事情によりスーツもアレなので異様さが際立つ(元々本編でもカプセル怪獣をわざと不利な相手にぶつけて敗北させた後勝って調子に乗っている相手を叩き潰したりしていたようにも見えるが)。
……だがこれが後にウルトラ熱を再燃させるきっかけになったのだった。
ゾフィーのことなんかいいよ
※当該項目を参照。
親馬鹿
2009年の『ウルトラ銀河伝説』にて、実の息子ウルトラマンゼロが登場した。情報公開当初は「セブンの息子」という設定に激しく賛否が分かれたが、「セブンの息子」に恥じない活躍ぶりやゼロ自身のキャラの良さもあり、結果として「セブンの息子」は受け入れられ、セブンにも父親属性が加わることとなった。父と似ているが目つきが鋭い容姿からして、「『ULTRASEVENX』時代につくった子ではないか?」とネタにされることもあった(ゼロとセブンXのデザインはどちらも後藤正行氏が担当)。
なお、母親はアンヌではなく、彼女を演じたひし美ゆり子氏も否定している。実際はブルー族の女性科学者とのことだが、詳細は未だ不明らしい。ゼロが活躍している時期は『メビウス』から数千年が経過しており、すでに地球人はいくつもの惑星を開拓し、(『キラーザビートスター』では)リゾート地まで築くほどの文明を築いている。従って、すでにアンヌはこの時代には存在していない。前述のセブンX本編が他の作品とどうつながっているかも不明である。
平成セブンのDVD-BOX同梱のブックレットでは、5900歳であるゼロとアンヌが同じ時代に生きていたような文面がされており、『アンヌとは結ばれなくて正解だったのでは?』と語る記述があるが、ゼロが活躍する大怪獣バトル以降の時代背景から考えると無理がある。また、この記述だとセブンがガチの浮気者みたいになってしまうので、正しい情報ではないと見るべき。
ちなみに平成セブンでは、アンヌはセブンが去った後に地球人の男性と結婚してダンという名前の子供を儲かっている。
ちなみに女難の相は本編でも出ているとの声も。
四月馬鹿では親馬鹿が炸裂。ゾフィーの危機も完全無視で息子とのBBQに夢中。ゾフィーのことなんか(ry とにかく息子が可愛くて仕方がないようだ。その優しさの万分の一でも弟子に向けてやれないものだろうか。
四月馬鹿ではその他にもけいおん!好きやダーマ好きなど、お茶目な面を見せてくれる。
4Kリマスター化
ウルトラQに続き(ウルトラマンを差し置いて)、4KHDR映像にデジタルリマスター化されて2020年9月よりNHKBS4Kにて放送された。DVD・ブルーレイでデジタルリマスター化された際よりもさらにアップグレードしており、宇宙空間の星の数、怪獣の質感、メカの描写など今までは見られなかった部分がより精細な映像で見られるようになった。…一方でブルーレイリマスターの際に操演の糸まで更に見えるようになってしまっているなどの弊害も出ているが(円谷英二監督ら昔のスタッフ達は、操演の糸が見えないように色を塗ったり、映像を上下反転するなど様々な工夫をしてきたのだから、そこら編はデジタル処理で消せば良かったのでは?という声もある)。
NHKBSプレミアムでは、2021年4月4日から2022年3月6日まで毎週日曜日8:00 - 8:30に放送された。
最後に
…因みに全くの余談だがウルトラセブン全49話と平成ウルトラセブン全16話とULTRASEVENX全12話を合計すると丁度77話になる。