「この地球に、宇宙人が密かに暮らしていることはあまり知られていない。これは、そんな星で出会った若者たちの奇跡の物語である──」
「タロウ」の息子の物語。
そして「タイガ」がここにいる!
行くぜ相棒! バディゴー!!
概要
2019年7月6日から放送されたウルトラシリーズの一作品。全26話(特別編含む)。(情報解禁自体は実は4月18日とギリギリ平成であるが)放送開始が令和改元後となった、令和ウルトラマン最初の作品である。
ウルトラシリーズの放送局がテレビ東京系列になって初めて、新世代ヒーローズ開始から7年連続の新作登場となり、『ウルトラマンタイガ&ニュージェネレーションぴあ超大全』にて元号が変わった後の本作も新世代ヒーローズに含まれていることが明言されている。ただし、作風には後述のようにこれまでの新世代ヒーローズとは異なる点が多い。
主人公・工藤ヒロユキがウルトラマンタロウの息子ウルトラマンタイガの他、U40出身のウルトラマンタイタス、惑星O-50出身のウルトラマンフーマの3人に変身するというシリーズ初の試みが行われる(これまでのタイプチェンジの要領で各々の力を使い分けている)。ちなみに当初は、あと2人のキャラクターが変身する案もあった。
出身が異なるウルトラ戦士たちが集いチームを組む一方で、これまでの新世代ヒーローズで見られた歴代戦士・怪獣の力を借りて変身という要素が現状では見当たらない(必殺技のみに使うが、それも回が進むごとに減ってきている)という点は、まさに新時代の第1作にふさわしい展開といえる。
メイン監督は今作が初のメインとなる市野龍一。その他監督、脚本にも新世代シリーズのスタッフが引き続き集決している。
さらに第1〜3話は、TVシリーズでは『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』以来となる監督と特技監督が別れるスタッフ構成となる。
『ウルトラマンマックス』以来13年ぶりにレギュラーでナレーターを起用している(『ウルトラマンネオス』のようにOPで毎回ナレーションが流れる)他、『ウルトラマンオーブ』以来3年ぶりに日産自動車が車両を提供する。
また、本年の劇場作品で登場したばかりのウルトラマントレギアがメインヴィランとして登場するほか、前作までと比べると野生怪獣や1話限りの破壊活動を目的とした宇宙人が登場する回が増えている。
ストーリーの内容は、タイガ&タロウ親子とトレギアの因縁を根幹としつつも、地球で暗躍する宇宙人が引き起こす事件を追うというものが多く、『ウルトラマンタロウ』よりかは『ウルトラセブン』に近い印象のものになっている(要素の面では『帰ってきたウルトラマン』関連のものも多い)。また、単に悪事を働く宇宙人を懲らしめる勧善懲悪ものだけではなく、母星を離れ地球で暮らす宇宙人たちの葛藤を主軸とした話も多く、放送当時国際的に問題になっていた移住・難民問題やそれに端を発する貧困や暴力の連鎖への風刺とも取れるエピソードも幾つか製作されている(『コスモス』や『X』が“人間と怪獣との共存”をテーマにしているとすれば、『タイガ』は“人間と宇宙人との共存”を描いた作品であると言える)。本編第6話、22話、23話ではBGMが歴代のウルトラシリーズのBGMが使用されており、その際にOPのクレジットではBGMを担当していた音楽家が表記されている。
本作品の企画は2018年春ごろから開始され、同年11月に監督の市野龍一が参加した際にはタイガがタロウの息子である設定やトレギアの登場、E.G.I.S.といった骨組みは決定していた。
新世代ヒーローズと同様の明るい要素こそあるものの、上記のように重い問題を扱っているエピソードが多いことからもわかるように、全体的にシリアスかつハード寄りの作風であり、善良な怪獣が卑劣な手段で殺害されたり、さらには新世代ヒーローズでは極力避けられていた地球人や善玉キャラの直接的な死も描写されるなど、グルーミーなストーリー展開も多い(もっとも、コミカルな作風の『タロウ』にもトラウマを誘発しかねないストーリーが存在していたが)。
これはコメディタッチだった前作の『ウルトラマンR/B』との差別化である。
その影響か登場人物が死亡する展開が多く(特に序盤に目立つ)、ファンからはゲストキャラクターがよく死ぬとの評価もあった。このような評価があったことはインタビューによれば製作陣も把握していた様子。
その反面、前述したとおり“人間と宇宙人との共存”という問題を主題としているが、そうした作品では必ず見受けられる生々しい差別・迫害描写は、決して皆無というわけではないが、割と抑え気味となっている。この手の描写に関しては過去に一度やらかしてしまっただけあって、慎重に取り扱う必要があったのかもしれない。
更にトライストリウム登場までは
『その話の怪獣に勝利してもトレギアが出て来てトライスクワッドを捩じ伏せて去っていく』という展開が多く爽快感に関してはニュージェネレーションでも最低レベルであり『ウルトラマンネクサスの姫矢編と並ぶ』とまで言われる事も。
身もふたもない事になるが総評としては
『トレギアを許容出来るかで評価がまるっきり変わってしまう作品』と言えるだろう。
また、これまでのニュージェネレーション作品と比べて1話完結を意識したともされている。
他にも、平成シリーズの定番となっていた本編終了後のミニコーナーが廃止されている。
近年のウルトラマンの変身アイテムは非常にゴツゴツしており、ギミックが多いのも特徴だが、本作に登場する変身アイテムのタイガスパークとトレギアアイはいずれも非常にシンプルなアイテムである。特にトレギアアイは喋らないことに加えて、顔の前にかざすだけという近年で最もシンプルと言っていいほどのものであった。
放送開始に先駆け、6月22日にはプロローグとなる「第0話・ウルトラマンタイガ物語」(構成:足木淳一郎、演出:中山剛平)が円谷プロ公式YouTubeチャンネル限定で無料公開された。
そのタイトルの通り、タロウが主人公の『ウルトラマン物語』を意識した、タイガが歴代戦士の活躍をタロウと振り返る構成となっている。
なお、これも含めて各話の同チャンネルでの公式配信期間は、これまでと異なり2週間となる。
あらすじ
ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマのトライスクワッドは、ウルトラマントレギアと戦うウルトラマンタロウやニュージェネレーションヒーローズに加勢するが、トレギアに敗北した上に消滅させられてしまう。
しかし、時空を超えて宇宙人が密かに暮らすパラレルアースの地球に辿り着いたタイガは、危険を顧みず怪獣の幼体を助けようとした少年・工藤ヒロユキと一体化。
それから12年後、民間の警備組織E.G.I.S.(イージス)に入社したヒロユキは怪獣ヘルベロス出現時、危機に直面するもタイガからタイガスパークを授かってタイガに変身。
やがて、タイタスやフーマも同じ時空にやって来て、ヒロユキと一体化。怪獣や宇宙人だけでなく、トレギアに立ち向かっていく。
登場キャラクター
E.G.I.S.
トライスクワッド
外事X課
- 佐倉(演:風見しんご)
敵
- 霧崎/ウルトラマントレギア(演:七瀬公/CV:内田雄馬)
- ヴィラン・ギルド
歴代ウルトラマン
- ウルトラマンジャック※シルエットとしての登場であり、明言はされていない
その他
スタッフ
監修: | 塚越隆行 |
---|---|
チーフプロデューサー: | 北浦嗣巳 |
音楽: | 森悠也、冬木透(第6話、22話)、川井憲次(第23話) |
シリーズ構成: | 林壮太郎、中野貴雄 |
脚本: | 林壮太郎、中野貴雄、皐月彩、足木淳一郎、柳井祥緒、三浦有為子、小林弘利、勝冶京子、森江美咲、池田 遼 |
監督: | 市野龍一、神谷誠、田口清隆、武居正能、辻本貴則、越知靖、中山剛平 |
主題歌
オープニング
歌・作詞:寺島拓篤
作曲・編曲:渡部チェル
エンディング
- 「ヒトツボシ」(第1話~13話)
歌・作詞:佐咲紗花
作曲・編曲:堀江晶太
- 「Sign」(第14話~)
歌:スフィア
作詞:松井洋平
作曲・編曲:本多友紀
挿入歌(キャラクターソング)
- 「覇道を往く風の如し」(第13・22話)
歌:ウルトラマンフーマ(CV.葉山翔太)
作詞:真崎エリカ
作曲・編曲:山本恭平
- 「WISE MAN’S PUNCH」(第13話)
歌:ウルトラマンタイタス(CV.日野聡)
作詞:真崎エリカ
作曲・編曲:原田篤
- 「超勇者BUDDY GO!」(第13話)
歌:ウルトラマンタイガ(CV.寺島拓篤)
作詞:真崎エリカ
作曲:本多友紀
編曲:脇眞富
本作の楽曲はランティス所属アーティストが担当し、このうち声優が歌唱するのは放送がテレビ東京に変わってから3人目でウルトラマンを演じる声優による歌唱は「ULTRAFLY」以来7年ぶりであり、テレビシリーズにおけるEDの変更は『ウルトラマンネクサス』以来14年ぶりである(テレビ媒体以外でなら『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』で行われている)。
スフィアのメンバーは当時ウルトラシリーズへの参加経験はなかったが、後に戸松遥は『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』にてユリアンの声を担当することになった。
オープニング主題歌「Buddy,steady,go!」の作曲を担当する渡部チェル氏は、過去に平成ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズの楽曲制作にも参加した経験を持ち、本作でウルトラシリーズに初参加したことで日本の3大特撮コンプリートを果たした。
あまり関係ないが、タイトルが「Buddy,steady,go!」と聞いて寺島と同じ事務所属のアーティストでもある水瀬いのりの「Ready Steady Go!」を連想した人も少なからずいる模様(こちらの作詞も仮面ライダーシリーズを手がけたことがある藤林聖子氏)。
なお、この年のアニメロサマーライブでは「Buddy,steady,go!」が歌われたと同時に「Ready Steady Go!」も歌われた珍事が起こっている。寺島氏と水瀬氏が同日だったがゆえに実現したと言える(アニサマ明けの水瀬自身のラジオにて、寺島氏はこちらの楽曲について熟知していたこともあり意図的なセトリだった模様)。ちなみにこのアニサマでは1日目がED担当の佐咲氏に加え、レム役の三森氏と『ウルトラマンR/B』のOP担当のオーイシマサヨシ氏、それと後期ED担当のスフィア、3日目がトレギア役の内田氏に加え、『SSSS.GRIDMAN』の主題歌を担当した姉の内田真礼氏にOxTと円谷プロに染め上がったライブイベントとなった(ついで寺島氏と内田氏はこれがソロとしては初のアニサマである)。もっと言えば、次回作『ウルトラマンZ』にてゼット役の畠中祐も出演していた(アニサマにおける畠中氏との絡みもランティス繋がりで寺島自身のブログで取り上げられている)。
放送日程
太字は新怪獣及び派生怪獣。斜字は回想。
前作までと比べると、ヒューマノイド型宇宙人も含め派生型ではない完全オリジナルの新規怪獣の登場数が増加している点が見受けられ、亜種を含めて本作で初登場した怪獣は10体を超えている。
また、それ以外の旧作から登場する怪獣は、劇場版が初出のもの(上述したようにトレギアも劇場版が初出である)や『X』同様、過去にウルトラ戦士を苦しめた強豪が多い他、ペロリンガ星人やパゴスなどといった、数十年ぶりに映像作品での登場となる怪獣が多いのも特徴。
1話ごとに登場する怪獣・宇宙人の数も前作までと比べるとかなり増加しており、画面に数秒程度映っただけの端役なども含めれば1話につき10体近く登場する回も多く存在する(特に、等身大の宇宙人がちょっとした端役などで登場するケースが非常に多い)。
これらは前々作『ウルトラマンジード』並及びもしくはそれ以上に多く、このため登場する面子がある程度固定化されていた前作までと比べると、かなり新鮮な感覚で番組が観れるとファンの間では比較的好評である。ただし、『ウルトラマンブレーザー』では更にそれ以上に怪獣や宇宙人が多く登場している
第14話以降、『80』や『マックス』のように、怪獣や宇宙人が登場する際にその怪獣・宇宙人の肩書と名前がテロップされるようになった(ただし『80』や『マックス』では名前は字幕で表記されていたが、肩書きは表記されていなかった)。
なお、このような演出は『レオ』以前のウルトラシリーズや『ミラーマン』などの円谷作品でも行われていたが、放送時に放送局でテロップ出しを行ういわゆる生テロップで処理されていたために原版には記録されておらず、現在では見る事ができない(テロップが原版に直接焼き付けられる様になるのは『ボーンフリー』以降)。
意外にも『タロウ』の怪獣・宇宙人の登場は少なく、ボイスドラマを含めればサメクジラとバードンのみ(名前だけを含めば第18話でマンダリン草などが登場している)で、タイガ本編の回でメインとなったタロウ怪獣は無い。
本作のサブタイトルはOPの終盤に表示される方式を採用しており、基本的にメインタイトルの直後や本編開始時での表示が多いウルトラシリーズではかなり珍しい。また、サブタイトルの出現はポーズを取るタイガの背後で巨大な爆発が起きるという、非常にダイナミックな演出となっている。ちなみにこれは坂本監督がよくやるオープンナパームを意識したものとのこと。
※その他媒体のまとめはタイガ怪獣にて。
No | サブタイトル | 登場怪獣・宇宙人 | 脚本 | 監督 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|
1 | バディゴー! | ウルトラマントレギア、ヘルベロス、ヤングマザーザンドリアス、ベビーザンドリアス、ゼガン、マーキンド星人、マグマ星人、セミ人間、クカラッチ星人、リヴァーズ星人河津 | 林壮太郎 | 市野龍一(本編)、神谷誠(特撮) | 2019年7月6日 |
2 | トレギア | ウルトラマントレギア、チビスケ→キングゲスラ、マーキンド星人、レキューム人 | 中野貴雄 | 市野龍一(本編)、神谷誠(特撮) | 7月13日 |
3 | 星の復讐者 | ウルトラマントレギア、ギャラクトロンMK2 | 林壮太郎 | 市野龍一(本編)、神谷誠(特撮) | 7月20日 |
4 | 群狼の挽歌 | ウルトラマントレギア、デアボリック(MB)、ファントン星人 、ゼットン星人ゾリン、ヴォルク、サーペント星人、ガルメス人、ヒュプナス(回想)、ペダン星人(回想)、チブロイド(回想) | 中野貴雄 | 田口清隆 | 7月27日 |
5 | きみの決める未来 | セグメゲル、セゲル星人葵、ダマーラ星人 | 皐月彩 | 田口清隆 | 8月3日 |
6 | 円盤が来ない | ウルトラマントレギア、ガピヤ星人アベル、ペロリンガ星人、セミ少女 | 足木淳一郎 | 田口清隆 | 8月10日 |
7 | 魔の山へ!! | ババルウ星人、フック星人、ナイトファング | 林壮太郎 | 神谷誠 | 8月17日 |
8 | 悪魔を討て! | ウルトラマントレギア、ナイトファング | 林壮太郎 | 神谷誠 | 8月24日 |
9 | それぞれの今 | マジャッパ、水獣の守り人 キール星人 ヒュプナス | 三浦有為子 | 武居正能 | 8月31日 |
10 | 夕映えの戦士 | ウルトラマントレギア、ナックル星人オデッサ、ブラックキング | 柳井祥緒 | 武居正能 | 9月7日 |
11 | 星の魔法が消えた午後 | パゴス、ギマイラ、ゼラン星人オショロ、サラサ星人麻璃亜 | 小林弘利 | 辻本貴則 | 9月14日 |
12 | それでも宇宙は夢を見る | ウルトラマントレギア、ギマイラ、ゼラン星人オショロ、サラサ星人麻璃亜 | 小林弘利 | 辻本貴則 | 9月21日 |
13 | イージス超会議 | ウルトラマントレギア、第1話~第12話の登場怪獣 | 足木淳一郎 | 越知靖 | 9月28日 |
14 | 護る力と闘う力 | ギガデロス、イルト | 勝治京子 | 市野龍一 | 10月5日 |
15 | キミの声が聞こえない | ウルトラマントレギア、モコ、スカルゴモラ、チブル星人マブゼ、チブロイド、サメクジラ(幼体)、リムエレキング、バデータ(幼体)、デスモン、ガロ星人、プラーナ | 中野貴雄 | 市野龍一 | 10月12日 |
16 | 我らは一つ | ウルトラマントレギア、ヘルべロス、ナイトファング | 林壮太郎 | 武居正能 | 10月19日 |
17 | ガーディアンエンジェル | ウルトラマントレギア、デマーガ、ペダン星人、クカラッチ星人 セモン星人ミード | 柳井祥緒 | 武居正能 | 10月26日 |
18 | 新しき世界のために | ゼットン、ベムラー、バット星人小森セイジ、ピット星人水野ヒトミ、フック星人 | 足木淳一郎 | 辻本貴則 | 11月2日 |
19 | 雷撃を跳ね返せ! | ウルトラマントレギア、ゴロサンダー、サーペント星人 | 森江美咲 | 辻本貴則 | 11月9日 |
20 | 砂のお城 | アリブンタ、ゼットン星人ゾリン、バド星人エル・レイ、ミスティ | 中野貴雄 | 武居正能 | 11月16日 |
21 | 地球(ほし)の友人 | ウルトラマントレギア、パンドン、ゴース星人、ゼットン | 小林弘利 | 武居正能 | 11月23日 |
22 | タッコングは謎だ | タッコング、ギーストロン | 柳井祥緒 | 辻本貴則 | 11月30日 |
23 | 激突!ウルトラビッグマッチ! | ウルトラマントレギア、ニセウルトラマンベリアル、チブル星人マブゼ、ザラブ星人、ゴドラ星人、スラン星人 | 皐月彩 | 辻本貴則 | 12月7日 |
24 | 私はピリカ | ウーラー、マーキンド星人、マグマ星人、ギャラクトロンMK2 | 中野貴雄 | 市野龍一 | 12月14日 |
25 | バディ ステディ ゴー! | ウルトラマントレギア、ウーラー、マーキンド星人、マグマ星人、ピット星人、ガルメス人 | 林壮太郎 | 市野龍一 | 12月21日 |
特別編 | そしてタイガがここにいる | 第1話~第25話の登場怪獣 | 池田遼 | 中山剛平 | 12月28日 |
特別編 | 劇場直前スペシャル 30分でわかるウルトラマンタイガ | 第1話~第25話の登場怪獣 | 林壮太郎 | 武居正能 | 2020年3月1日 |
劇場版
2020年8月7日、『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』が公開された。当初は2020年3月6日公開を予定していたが、新型コロナウイルスの影響を考慮し、公開日が延期されたことが3月2日に発表。
その後、8月7日に公開された。
スピンオフ
- トライスクワッドボイスドラマ
本編終了後の9時30分からYouTubeのウルトラチャンネルで配信されるボイスドラマ。
タイガ、タイタス、フーマの目線からこれまで3人の身に起きた知られざる過去が明かされる長編エピソードや、連動するTVシリーズの事件の裏側でトライスクワッドの面々が本音で語り合う短編エピソードが描かれる。また、後藤正行氏による描き下ろし挿絵イラストが登場する回もある。
その性質上、シリアスな空気感で登場人物の新たな事実が判明する回もあれば、メタネタ全開でギャグ気味なやり取りをやる回もあるなど、ギャップが激しくなることも。
また、長編エピソードにはヘラー軍団、グア軍団、アンドロ警備隊、ソーキン・モンスターなど歴代ウルトラマンや異世界の敵と味方たち、オリジナル怪獣が登場するなどこれまで語られなかったアニメ版ウルトラシリーズ(『ザ☆ウルトラマン』や『ウルトラマンUSA』)、スピンオフウルトラシリーズ(『アンドロメロス』)とトライスクワッドが関与したターニングストーリーを、シリアス調に描かれている。
キャラクターソングCDに収録の特別編やBlu-ray BOX特典の特別回ではウルトラシリーズ以外の円谷プロ作品(『恐竜大戦争アイゼンボーグ』や『恐竜戦隊コセイドン』)の敵役と同族のキャラクターが登場した。
前年に放送された『SSSS.GRIDMAN』でも同様のスピンオフ企画が行われたことがあるが、ウルトラシリーズでは初の試みとなった。
なお、次作『Z』でも引き続き採用。
話数 | タイトル | 登場人物 | 時系列 |
---|---|---|---|
01 | 未来の思い出 前編 | ウルトラマンタイガ、フィリス | トライスクワッド結成前 |
02 | 未来の思い出 後編 | ウルトラマンタイガ、フィリス | 同上 |
03 | タイタスの帰還 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス | 第3話の後 |
04 | リーダーは誰だ | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ | 第4話の後 |
05 | ザ★ウルトラマンタイタス 前編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、マティア | トライスクワッド結成前 |
06 | ザ★ウルトラマンタイタス 中編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、マティア、グリゴレオス | 同上 |
07 | ザ★ウルトラマンタイタス 後編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、マティア、グリゴレオス、キシアダー | 同上 |
08 | 次の機会に | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ | 第8話の後 |
09 | 負け犬の子 前編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、ゲルグ | トライスクワッド結成前 |
10 | 負け犬の子 中編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、ゲルグ | 同上 |
11 | 負け犬の子 後編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、ゲルグ | 同上 |
12 | もしも教師になったら | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ | 第12話の後 |
13 | その拳は誰が為に 前編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、アンドロアレス、イムビーザ、メカバードン、改造ブロッケン | トライスクワッド結成前、タイガの訓練生時代 |
14 | その拳は誰が為に 中編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、アンドロアレス、イムビーザ、ザビデン、ダクミラン、バゼリア、改造ザラガス、改造アイロス星人、改造ビーコン、改造ムルチ | 同上 |
15 | その拳は誰が為に 後編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、アンドロアレス、イムビーザ、ペストリア | 同上 |
16 | 次の機会にpart2 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ | 第16話の後 |
17 | 黄金惑星の激闘 前編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、ニックス、アウサル13世、ネフティ | トライスクワッド結成前、『ザ☆ウルトラマン』最終回後 |
18 | 黄金惑星の激闘 中編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、アウサル13世、ネフティ、パライダー | 同上 |
19 | 黄金惑星の激闘 後編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、パライダー、ニックス、アウサル13世、ネフティ、ダイラオー | 同上 |
20 | 超獣総進撃 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ | 第20話の後 |
21 | 風と花 前編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、イリヤ、バルト | トライスクワッド結成前 |
22 | 風と花 後編 | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、イリヤ、バルト | 同上 |
23 | 目上の人かの判断ってどこでする? | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ | 第23話の後 |
24 | ありがとな | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ | 第24話以前 |
特別編※1 | トライスクワッド始動! | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、ガザリヤ星人ダルゲン、恐竜デスレックス、襟巻翼竜ドゥーラン | トライスクワッド結成直後 |
特別回※2 | 奇跡はクリスマスの夜に | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、ラシュア人、芋虫怪獣(幼虫形態、成虫形態)、サンタクロース | トライスクワッド結成後 |
特別回※3 | ゴドメスを討て | ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマ、トキ、ヒムガシ、コセイドン、ハクアス、ゴドメス | トライスクワッド結成後 |
※1:キャラクターソングCDに収録
※2:Blu-ray BOX Ⅰ特典
※3:Blu-ray BOX Ⅱ特典
小説版
TSUBURAYA GALAXY Vol.6から配信
回 | タイトル |
---|---|
1 | 未来の思い出 |
2 | ザ★ウルトラマンタイタス |
3 | 負け犬の子 |
4 | 超伝説新章~ウルトラマンタイガは太陽のように~ |
5 | 黄金惑星の激闘 |
6 | 風と花 |
7 | トライスクワッド始動! |
『ウルトラマンタイガ超全集』掲載の小説。
本編では最後まで明かされなかったトレギアの過去を描いた物語。トレギアが光の国から去り、そして狂気に染まった理由などの詳細が判明内。
登場怪獣
ティカ=ドゥの怪物ガゴゼ
余談
タイプチェンジの要領で別々のウルトラマンに変身しその力を使い分けるという戦闘方法自体は、実を言うと今作が初めてではない。
タロウの息子というのはセブンの息子、ベリアルの息子の前例から、過去にもネット上などで予想されていたネタでもある。また、前作『R/B』の詳細が公開される前、ネット上では、(前々作のジードがベリアルの息子という設定だったこともあり)「主人公はタロウの息子ではないか」という推測もあった(実際にはタロウの力を使って戦っているだけだったが)。その他にもウルトラマン80の教え子が主人公ではないかという推測もあった。
ちなみに、『タイガ』の放送開始日の7月6日はタイガの父親が活躍していたシリーズの放送開始日とちょうど3ヶ月違いである他、『ウルトラマン列伝』放送開始から8周年でもある。
2019年は『ウルトラマンネクサス』が15周年であり、当時の役者に配慮したためか、『ウルトラマンギンガ』から登場してきたキングジョーとメカゴモラが登場せず、2体の連続参戦記録が途絶えた(『ネクサス』に参加していた役者はペダン星人とサロメ星人を演じていた)。ただし、ゴモラは同族が登場している。また、『ネクサス』とは関係が薄いがグビラも本作での登場はなかった。
各ウルトラマンの設定こそ過去作との絡みは強いものの、作風や戦闘面は新世代ヒーローズの中では比較的過去作要素は薄く、歴代戦士の力こそ借りるものの、それは必殺技に留まり、タイプチェンジも全て本作要素のみで行い、客演もほとんどなく、このことを「過去作頼みからの脱却」と評価する声もある。ゆえに次回作で逆戻りする形になったことに戸惑った声もあった。
本作は『ギンガ』以降第1話の放送開始日が7月で最終回の放送日が12月だったが、次回作の『Z』以降は変則的になっているため、往来の放送になったのは本作が最後である。
関連動画
関連イラスト
関連項目
ウルトラシリーズ関連
- ウルトラマンタロウ…父親の作品。本作のタイトルロゴは、こちらと同様にアルファベットの「T」の文字がタイトルに配されている。
- ザ☆ウルトラマン…タイタスと同じくU40出身のウルトラマンが活躍する作品。タイガの展開に合わせ、YouTubeでの公式配信が行われていた。
- ウルトラマンオーブ・ウルトラマンR/B…フーマと同じく惑星O-50出身のウルトラマンが活躍する作品。
- ウルトラギャラクシーファイトニュージェネレーションヒーローズ…同時期にYouTubeで独占配信されたオリジナル作品。時系列は『タイガ』第1話の前となる。
- ウルトラマン…昭和最初のテレビシリーズ1作目。
- ウルトラマンティガ…平成最初のテレビシリーズ1作目。「元号最初の作品」「シリアスな作風」「史上初となる3つの姿」という類似点がある。
- ウルトラマンUSA…ウルトラマン3人がチームを組んで戦う作品の先駆け。ただしこちらの出身は全員同じ。
- ウルトラマントリガー・ウルトラマンデッカー…タイガとは逆に、善玉宇宙人への接触が割とおおらかで防衛隊も彼らとの交流や福利厚生に積極的な作品。
- ウルトラマン超闘士激伝…OP歌詞の一節「超えていくのさ 誰もが闘士(ファイター)」の漢字を組み合わせると、『超闘士』の文字ができ上がる。闘士のルビも原作同様、"ファイター"となっている。OP歌詞を作詞した寺島氏は『声優グランプリ』のインタビューで、意識して歌詞に入れたことを明かしている。
その他関連
- 戦姫絶唱シンフォギアXV…同時期に放送を開始したシンフォギアシリーズの完結作。こちらも『タイガ』と同様、前作から作風がシリアスかつハード寄りの展開になったという共通点を持つ。さらに、各所で『タイガ』本編と類似する展開が各所に見られた。
ウルトラマンR/B → (ウルトラマン_ニュージェネレーションクロニクル) → 本作 → (ウルトラマンクロニクルZERO&GEED) → ウルトラマンZ