所属組織・変身者・ライダーの親記事設定について
現在これらの親子記事設定について意見が割れてる状態です。
一旦記事リクのコメント欄にて、他の作品ではどうすべきか議論中です。仮面ライダー関連の記事編集を現在も続けている方はご協力お願い致します。
概要
一般的には、TV番組として放映された仮面ライダーシリーズの作品で、2000年の『仮面ライダークウガ』から2018年の『仮面ライダージオウ』までのニチアサ枠で放送された20作が属するものとされている。「平成に放映されたライダー」を指す言葉ではない。
また、平成ライダーに対して『クウガ』より前の仮面ライダーを「昭和ライダー」と呼ぶ(当該記事参照)。どちらも元々ファンが使用していた通称を公式が取り入れたものである。
仮面ライダー全体とは別に、平成ライダー独自のファンも多い。
日本の元号は2019年に令和に改元され、平成ライダーはピッタリ20作目の『ジオウ』で完結することになった。
平成の昭和ライダー(?)の扱い
実は厳密に言うと『仮面ライダーBLACKRX』が放送途中に元号が昭和から平成に変わったため本来であればこちらが最初の平成ライダーとなるのが正しいと思われるが、この呼び方では平成ライダーとしては扱われず昭和ライダーの一員とされているという区分になっている。
また更に問題になるのが、『クウガ』放送開始前に製作されたビデオオリジナル作品『真』、劇場版オリジナル作品『ZO』と『J』である。これはそもそも平成になってから登場しているため分け方が曖昧なRXと違ってれっきとした平成ライダーなのだが、何故かカウントされず昭和ライダーに含まれる。浮いた扱いであるその3人を指して代わりに「ネオライダー」と呼ばれることもある。
このようなチグハグさはそもそも、当時のファンが仮面ライダーシリーズをJ以前とクウガ以降での下記に挙げる仮面ライダーに関する設定の変化の違いや、石ノ森氏が関与しているかいないかでファンが二つに区別し、前者を「昭和ライダー」、後者を「平成ライダー」としたのがこれらの呼称の始まりであることに起因していると思われる。
つまり本来放送年とは特に関係なくファンが区別するための分類であるが故に、放送中に平成となったRX、平成に登場したネオライダーも昭和ライダー扱いという奇妙な分け方にされているのである。
『クウガ』が2001年放送だったら21世紀ライダーと言えたのだが1年早かった。ややこしいのと、ネット配信ライダーが出てきたので令和も含んで「テレ朝ライダー」「ニチアサライダー」といわれることもある。
さらにややこしいのが『仮面ライダー』『V3』『アマゾン』の劇場版リメイク作品『THE FIRST』『THE NEXT』『アマゾンズ』。「昭和」のリメイクという扱いのためか昭和・平成のいずれにも含まれない。『ディケイド』の劇場版「オールライダー対大ショッカー」の”オールライダー”にも数えられていない。おそらく同名の昭和ライダーとの存在の兼ね合いだと思われる。
舞台『ジオウ』のファイナルステージでは彼らが助っ人として登場した際に「平成の昭和ライダー」を名乗った。
『仮面ライダーG』という生放送番組中のワンコーナーでの小品も存在するが、石森プロ公認ではあるものの、これもやはり別扱い。
「平成ライダー? 10年早えよ。」
平成ライダー10周年を記念した『ディケイド』のキャッチコピー。公式に「平成ライダー」の単語が使用された最初の例である。
これは別に挑発しているわけではなく、
「えっ、もう10年? 早いなあ」
という意味合いだと公式に発表された。
「平成ライダー」の特徴
前述の通り、平成シリーズには昭和シリーズとは異なった意欲的な新機軸が多々見られる。
以下に挙げる事例は、しばしばファンの間で話題になるものであるが、これはほんの一例であり数え上げればキリがない。
特徴① 世界観編
昭和ライダーとは異なる点として、基本的には作品同士では世界観や設定を共有しておらず、特に平成1期は各作品ごとに完全に独立した世界として描かれている。
このため、併存する並行世界の設定が取り入れられた『ディケイド』以前は他作品のライダーの客演はほとんど無かった。
一方で過去作との時系列上での整合性を取る必要がないことから、過去から続く因縁や伏線を張れるなど作劇上での自由度も高くなっているため、各作品ごとに独自の世界観を押し出した個性的なストーリーが描かれている。何よりも敵勢力が全滅しておらず今後も戦いが続くという終わり方をした作品もある事が昭和ライダーと大きく異なる点である(昭和ライダーでも組織の首領格を倒せず戦いが続く可能性を示した作品もあるが、当面の敵対組織は壊滅させている)。
平成2期(『W』以降)では、劇場版や最終話間近、あるいは後日談での客演で、交流や共闘が見られはするが、TV本編中に(あの男が登場する場合を除けば)別作品のライダーが登場することはまずない。(一応、『ゴースト』にて主人公・天空寺タケルの回想シーンという形で、前作『ドライブ』の主人公・泊進ノ介が登場したシーンは存在する。)とはいえ、客演作品での出来事がTV本編の重大な伏線になる事も多い為、1期の頃に比べると世界観の壁はかなり薄くなっている様子。
実際にとある関係者からも、「平成2期は世界観が繋がっている」という旨の発言もあり、彼が監督をした作品を始め、2017年に公開された劇場版でも、『ビルド』を除く平成2期のライダーは、全て同一世界に存在している事になっている。そんな『ビルド』の世界も、最終的には別の平行世界と融合した「新世界」と呼ばれる新たな世界になっているが、プロデューサーによると、『ビルド』の世界と融合した世界は『W』〜『エグゼイド』までの歴代平成ライダーがいる世界と想定していた模様。その為、 2022年に『ビルド』の登場人物がスピンオフ作品に登場した際も、新世界は彼らと同じ世界に統合されている様子だった。
その後、『ジオウ』でも当初こそ同一の世界観であったことかのように描写され、制作陣からも「ライダーの歴史が消えると新しいライダーが始まる」という発言があったが、
実際は門矢士やウォズの発言から、ライダーごとに世界観が独立していることがわかる(ただし、これは『ジオウ』独自の設定の可能性が高い)。
それでも前述の通り別作品同士の交流や共闘自体は何度もあり、仮に世界観が異なっていたとしても、一時的に世界が繋がる現象は特別大きな理由なくして起こるようである。
ちなみにこの辺りの話題は、30分前(後)のシリーズ作品にも言えることである。
特徴② 戦闘編
例外もあるが、多くの作品に言える共通項として、以下の点が挙げられる。
- ライダーに変身する人物は昭和ライダーとは違い、改造人間でない場合がほとんど(後述する「『改造人間』設定の喪失、その代替」を参照)。
- 基本的にはすぐ変身する
- 怪人と戦闘になっても、変身せずに格闘戦をすることがあった昭和ライダーと比べると、平成ライダーは敵と出くわすとすぐライダーに変身して戦う(戦術的にはこちらのほうが正しく、昭和ライダーのほうが特異。ただこれは、昭和ライダーの変身者が基本的に改造人間であり、変身前も1フォームと捉えられているためと思われる)。
- これには、時代の変化によって敵が軍事的な組織体系を持つ秘密結社が減り、変身前でも渡り合える戦闘員のような雑魚を出す必要性が減ったのが作劇上の要因。ちなみにこれに関しては既にBLACKでその傾向がある。また大人の事情としては、主役がアクション俳優でなくなった点があるかもしれない。なお平成2期からは昭和の路線に戻って戦闘員が登場する作品も増え、変身前の戦いも描写されるようになってはいる。
- 役者のアクション能力次第では、『仮面ライダーキバ』や『仮面ライダーW』、『仮面ライダードライブ』など、生身でも格闘するキャラが数多く登場する作品もある。
- 主役ライダーは戦況に応じて別の姿=フォームに変身し、それぞれの特長をうまく活かして戦いを有利に運ぶ(フォームチェンジ)。
- さらに中盤は「最強フォーム」と呼ばれる新形態に多段変身、より強力な必殺技を放つ。
- それもただ強いというだけでなく、ストーリーにおいても重要な意味を持っており、物語に深く絡んでくる。
- 『電王』のライナーフォームなど、劇中で最後に登場したからといって、最強とはいえないフォームも存在する。
- 特撮の情報誌である『てれびくん』の誌上通販DVD(ハイパーバトルビデオ)のみに登場する限定フォームも存在する。『カブト』のガタック・ハイパーフォームや、『フォーゼ』のロケットドリルステイツなどである。
- 主役級ライダーの「最強」を含めた強化フォームやその武器には、それまでに登場したフォームの特徴がひとつに混じり合った合体フォームもいくつか見受けられる。
- 2作目『アギト』以降はシリーズ初となる2人以上の仮面ライダーが登場。昭和の作品に登場するサブライダーは客演を除いて初代の2号だけで、他にも味方ポジションのキャラ(ライダーマン、電波人間タックル、がんがんじい)がいたが、ライダーではなかった。また平成では仮面ライダーの名を冠していても主人公の味方とは限らず、ライダー同士の戦いを主軸にした作品もあるのが特徴(その最たるものが『龍騎』)。なお、一応仮面ライダーの名を感じていないだけでライダーに近い見た目のライバルキャラは昭和でも存在する。(ライダーマン、シャドームーンの2名)
- 本編後半から勢力図が三つ巴になることも多く、そうなってからはバトルシーンが乱戦になることが多い。
- このような場合、それらの勢力にもライダーがいることが多く本編後半からは怪人との戦闘も極端に少なくなりもっぱらライダー同士の戦闘が多くなる。そのため、ビルドでは怪人のバリエーションがかなり少なく、エグゼイド以降、劇場版の敵もラスボスもライダーということがほとんどとなった。
特徴③ ストーリー編
- 昭和の頃の一部の作品であった連続ドラマの手法を『アギト』でメインとして取り入れたことでストーリーがいっそう重視されるようになり、目の肥えた大人でも楽しめる複雑な展開を見せることが多くなった。ただ『響鬼』からは、シリアスなメイン展開は続けつつコメディ要素を多分に含む傾向になってきている。
- 形は異なれど「“その後”の示唆」=いわゆる「オレたちの戦いはこれからだ!」的な最終回を迎えるパターンが多く見られる(昭和ライダーシリーズにもあるにはあったが、平成ライダーは顕著である)。ただし、主題そのものは完結しており、「オレたちの戦いはこれからだ!」はあくまでも演出的なものである。
- 敵が「世界征服」を明確な目的として活動している作品が少ない。世界征服という目的自体が現代では陳腐化していること、昭和ライダーで定番だったテロ作戦が放送コードにひっかかることも理由の一つではあるのだろう。そのため、歴史を変えるなどして「世界を破滅させる」と言う、より複雑な目的で行動する悪役が多く登場している。
- 仮面ライダー(及び変身者)の死が描かれるようになった。昭和ライダーでも『V3』や『スカイライダー』でのライダーの戦死を思わせる描写はあったが、後の復活の描写がなく完全に死亡退場したのは『アギト』におけるアナザーアギトが初であり、その後も悪の仮面ライダーが登場することによって、「敵に敗北して死亡する仮面ライダー」というショッキングな描写が度々為されている。中には後日談で死亡してしまうことも……。
- 平成第2期後半以降から、幹部でもない一般の敵怪人の撃破に2話以上など複数話かかることが多い。
- 昭和と違って理由が単純に相手のスペックが上回っていたり厄介な能力だったというのは意外に少なく、基本的に戦っているライダーの気持ちなどの問題が主である。そのため、抱えている問題が解決するなどすると一気に敵を圧倒したり、場合によっては新フォームに昇進するなどしてあっさり倒してしまう。
特徴④ 番外編
- 毎年の劇場版が恒例に。たいていは映画だけのオリジナルライダー「劇場版限定ライダー」や「最強フォーム」の顔見せが目玉となる。『ディケイド』以降は放送開始時期の変更により、冬の映画でいわゆる「中間フォーム」の顔見せになった。また、映画だけの特別なフォーム「劇場版限定フォーム」も出てきた。
- このような形で登場するライダーたちは大抵、映画の中で主役ライダーに倒される敵のボス的役回りが多い。…なのでその場合は「発表=死の宣告」という一種のフラグでもある。
- 白倉伸一郎プロデューサーの意向もあり、『アギト』以降は髙寺成紀がプロデュースした『響鬼』を除き通常話を一旦区切ってテロップを流すエンディングをなくし、本編を若干延長した。
- 基本的に仮面ライダーが名乗らない。名乗るライダーも皆無ではないが、シリーズ全体で見ても少数派。そもそも劇中で「仮面ライダー」という呼称や単語が使用されない作品もある。例えばカブトでは「マスクドライダー」、鎧武では「アーマードライダー」が作中での正式な呼称となっている。
- 技名・武器名・バイク名なども同様だが、こちらはベルトや武器、アイテムの音声が代わりにしていたりもする。
- (大幹部などはさておき)怪人が自己紹介しない。したがって、OPクレジットや公式サイト、怪人図鑑などを見ないと怪人名がわからない場合も多い。
- 『仮面ライダー』で人気が確立され、以降特撮作品のヒーローにとっては個性を表す重要な要素となっている変身ポーズが、大仰な振り付けをしていた昭和ライダーに比べて簡素化されていることが多い。後述のような設定の変遷によって「変身ベルト」を直接操作することで変身機能を起動する例が多く(クウガやアギトは昭和ライダーにならった変身ポーズを取っているが、ポーズの最後にベルト側面にあるスイッチを押す描写がある)、個性的な変身ポーズを披露するライダーも決して少なくはないが、毎回の変身の際に披露されるとは限らない。
- と言うか、玩具版のベルトに音声ギミックを仕込んだという理由が大きいだろう。ライダーキックを放つ前にもベルトを操作する必要が出たのである。
- またTCG人気に肖った『龍騎』の商業的成功以降、大量の小道具(アドベントカードなど)を用意して差し替えるギミックになったと言う理由もある。平成1期は『龍騎』と『剣』だけだったが、『ディケイド』以降のライダーはすべて当てはまる。
- 歌詞やタイトルにライダー名が直接入っている楽曲がある(クウガ、アギト、555、剣、響鬼、ディケイド、W、オーズ/OOO、フォーゼ、ドライブ)が、直接ライダーの名前ではなく、そのライダーに近い言葉を取り入れている曲も多く、実際に歌ってみると該当作品の主人公の名前に聞こえるという仕組みになっている(キバ、鎧武/ガイム、エグゼイド)。
- 特にオーズはそれが顕著で、各コンボに充てがわれたテーマソングのタイトルはすべてコンボ名をもじったもの。
- 昭和ライダーと比べて本編中にナレーションがほとんどなく、次回予告でキャッチコピーを読み上げるのがほとんど。
改造人間設定の喪失、その代替
番外的存在の『G』などを除く平成ライダーの変身者は、昭和ライダーとは異なり、力を得る手段は改造手術ではない。しかし、対象人物が潜在的に特別な資質を持っていたり、あるいは身体的には普通であっても身につけるベルトのほうにライダーとしての力が集約されているため、変身すれば遜色なく怪人と戦える。
それに伴い、変身についても肉体が変化するのではなく超科学や異種文明により作られた強化服を身に纏うといったケースもあり、変身ベルトが改造された身体の一部であるという設定であった昭和ライダーとは異なり、装着する変身アイテムという扱いに変わっていった(もちろん例外もある)。そういった設定の変遷から、作品によっては変身ベルトが特定の個人専用の物ではなく、その所有者が代わるか複数存在するといった理由によって、別の人間が同じライダーに変身するということもある。
敵を含めた「異形」を表す表現としても、古代からいる生物だとか外宇宙か別次元からの来訪者など、ストーリーの幅を大きく広げたことで世界観の選択肢も広がり、そこから作品ごとの差別化を強く意識していった関係で、改造人間を出すことに執着する理由がなくなったと考えられる。
また、これにより本編で仮面ライダーだった者たちは「ただの人間に戻る」という選択肢が得られ、最終回後は戦いから解放される=「仮面ライダーを辞める」パターンが可能になっている。
その意味では「喪失」というより改造人間設定からの「解放」ととれるかもしれない。
こうした設定の変更は、2000年代当時において人工臓器(血液、骨、筋肉、神経など)が発達しており、1970年代の時点では架空の存在と言っても差し支えなかった改造人間が現実的なものとなり、新しい差別問題の惹起が懸念されるという事情がある。
他にも、玩具開発の企画段階で変身アイテムなどにギミックを持たせるとき、ある程度メカニカルなもの=外部装置であるほうがデザインしやすく機能も埋め込みやすいという大人の事情も関係していると思われる。
逆に、特性が敵怪人と同じだったり、敵怪人と同じ力あるいは敵怪人の力そのものを使って変身したり、変身者の正体が怪人だったり、副作用などで怪人そのものに変貌してしまったりと、「ライダーが敵怪人と同じ力をルーツとする存在」という要素に関しては、昭和以上に徹底している(敵組織から改造を受けたわけではなく、そもそも力のルーツすらも異なる昭和ライダーはそれなりに存在するため)。
なお、先史超人類リントが作った霊石「アマダム」の力で肉体を変化させているクウガ、神の如き超存在(の半身)から与えられた超能力によって肉体が変化する『仮面ライダーアギト』のライダー(装着式のG3系列を除く)、修練の結果肉体を戦闘向けの状態に変化させる術を得た『仮面ライダー響鬼』のライダー、体内にオーメダルの力を取り込んで動物の力をミックスさせて戦う仮面ライダーオーズといったように、改造人間でこそないが変身で肉体が異質なものに変化しているライダーがいないわけではない。死亡した人間が変身する仮面ライダーゴーストのように、変身する前から肉体が異質なものに変化しているという例もある(明言はないがWも確実に、小説版によればフォーゼも該当する)。
そして、『仮面ライダービルド』では、主人公やその相棒をはじめ、ライダー変身者のほぼ全員に、敵に改造されたと思われる描写が存在している。改造された人間が仮面ライダーになったのは、『RX』以来28年ぶり(劇場版も含めれば1994年公開の映画『仮面ライダーJ』以来23年ぶり)で、平成ライダーシリーズでは初となる。もっとも、前述の事情に配慮してか、その「改造」の内容はあくまで「素質あるものへの変身能力の付与」で、ライダーとしての戦闘能力はベルトなどの変身アイテムに集約されており、昭和と平成の中間のような設定となっている。終盤ではサイボーグになった者が登場し「純粋な改造人間」としての仮面ライダーが平成ライダーで遂に登場することとなったが、やはり配慮もあってかサイボーグ化が判明した回にて退場となっている。
『仮面ライダー鎧武』は本編で改造人間設定は無かったが、舞台版『斬月』では仮面ライダー(アーマードライダー)が改造の途中経過とされており、オーバーロード化=成功作・一般インベス化=失敗作となっている。実行者の目的から改造人間ガチャと化しており、ある意味昭和以上に非人道的である。なお本編のオーバーロードには任意で怪人態と人間態を切り替えられる個体や、人間態を保った個体も居る。
そうした改造人間設定が使用されなくなってしまった傾向により、昭和ライダーと比べてあらゆる面で設定がかなり複雑で分かり難くなり過ぎていることから、取っつきにくく感じて苦手とする人もいるとされる。
クウガが放送された当時はそれに難色を示す人も多かったらしく、平成ライダーという分け方が作られる一因にもなっていると思われる。
全体的にメタリックな質感、武器を多用すること、JAC系のアクションなどから、昭和仮面ライダーよりどちらかといえばメタルヒーローが源流という見方もできる。なお、実際に平成ライダー1期の作品を多く担当した白倉Pはそちらの作品にも影響を受けているらしく、放送枠も特に関連性はないながら『燃えろ!!ロボコン』を間に挟みつつ継承している。
第1期と第2期
一部のファンやネット上では平成シリーズ10周年記念作品の『ディケイド』で一つの区切りとして、昭和ライダーシリーズに倣い『クウガ』~『ディケイド』までを「第1期シリーズ」、『W』以降の作品を「第2期シリーズ」と分ける動きがある。
公式の玩具サイトでもこのように呼ばれているため、半ば公認。詳しい違いはそれぞれの記事を参照。
スタッフ・役者陣について
制作スタッフには昭和末期のライダーやネオライダーを担当したスタッフ(仮面ライダーBLACKを担当した高寺P、真仮面ライダー序章の制作に関わった白倉Pなど)がおり、仮面ライダーの特徴は前述の理由で変化があったものの作風自体はそれらの作品と似ている。
またスーパー戦隊シリーズが長く放送されている理由もあってかそちらの経験者が多く、複数ライダーやアニメ調のデザインなど、ある程度スーパー戦隊の特徴が出ているとされる。
スーパー戦隊シリーズと同様、俳優の登竜門としても知られており、本シリーズからブレイクした主演俳優も多い(オダギリジョー、水嶋ヒロ、佐藤健、瀬戸康史、菅田将暉、福士蒼汰、竹内涼真など)。また、シリーズによっては主演以外のキャストも出世するケースがある(要潤、綾野剛、吉沢亮)など。
一方ジャニーズ事務所からは全く採用がないが、これは「若手俳優がジャニーズに偏っているからこそ他の事務所からも平成ライダーを通じて才能発掘の機会を与えたい」意図があったため。
(無論、過去にジャニーズ事務所に入っていた経験のある俳優も多かったり、かなり特殊な立ち位置で当時ジャニーズだった俳優が採用されたりした例はある)。このため2023年浮上した同事務所の性加害問題の影響は全く受けなかった。
なお、ジュノンスーパーボーイコンテストでグランプリなど賞をとった者、ファイナリストがライダーに選ばれいる事例がいくらかあり、西銘駿(ゴースト)、飯島寛騎(エグゼイド)、犬飼貴丈(ビルド)、奥野壮(ジオウ)と主役に4年連続出身者、西銘から犬飼まで3年連続グランプリ獲得者ということもあった。主役以外のライダー、非ライダーの主要人物も含めると平成一期では響鬼とディケイド以外にはジュノンボーイが出演している。
メインライダーたちに若手俳優を起用している一方で、ライダーのサポート役(いわゆるおやっさんポジ)はすでに名の知られている芸人や大御所俳優が演じることが多い。
その他
『平成ガメラパーフェクション』に掲載された長谷川圭一などの関係者へのインタビューによると、『ウルトラマンパワード』でできたコネと『ウルトラマン80』のノウハウが平成ガメラに活かされ、そして平成ガメラが後の特撮界に多大な影響を与え、平成以降のウルトラマンシリーズと仮面ライダーシリーズが特に大きな影響を平成ガメラから受けているとされる。なお、『ウルトラマン80』には湯浅憲明などのガメラ関係者も関わっていた。
- 平成ガメラの原案は「小中ガメラ」と呼ばれる物であり、そこに金子修介(『ウルトラマンマックス』に携わった)と伊藤和典が、自身が作ろうとしていた『ウルトラQ』の未完成作品(『ウルトラQザ・ムービー星の伝説』の前身の企画)のアイディアも取り入れたのが平成ガメラであった。そして、田崎竜太などウルトラマン・仮面ライダーの関係者たちが携わった『小さき勇者たち』は「小中ガメラ」を焼き直しした作品であり、『ウルトラマンティガ』と『デジモンテイマーズ』も「小中ガメラ」のコンセプトを受け継いでいるとされる。
作品タイトル
※キャストなどの詳細はリンク先参照。
テレビ作品一覧
年代 | 作品名(略称) | メインライター | 総話数 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2000 | 仮面ライダークウガ(クウガ) | 荒川稔久 | 全49話 | 平成ライダーシリーズ記念すべき第1作。 |
2001 | 仮面ライダーアギト(アギト) | 井上敏樹 | 全51話 | 仮面ライダー生誕30周年記念作品。 |
2002 | 仮面ライダー龍騎(龍騎) | 小林靖子 | 全50話 | 後年北米向けリメイク版を制作。 |
2003 | 仮面ライダー555(555/ファイズ) | 井上敏樹 | 全50話 | 全話および劇場版の脚本を井上敏樹が担当。 |
2004 | 仮面ライダー剣(剣/ブレイド) | 今井詔二(前期)、會川昇(後期) | 全49話 | 公式巡回済みオンドゥル語が有名。平成シリーズでは初となるメインライター交代。 |
2005 | 仮面ライダー響鬼(響鬼) | きだつよし、大石真司(前期)/井上敏樹(後期) | 全48話 | 途中でプロデューサーらスタッフが交代。 |
2006 | 仮面ライダーカブト(カブト) | 米村正二 | 全49話 | 仮面ライダー生誕35周年記念作品。 |
2007 | 仮面ライダー電王(電王) | 小林靖子 | 全49話 | 放送終了後も劇場版(『超電王』シリーズなど)として継続公開。 |
2008 | 仮面ライダーキバ(キバ) | 井上敏樹 | 全48話 | 石ノ森章太郎生誕70周年記念作品。 |
2009 | 仮面ライダーディケイド(ディケイド) | 會川昇(前期)、米村正二(後期) | 全31話(+1話)※1 | 平成ライダー10周年記念作品にして初のクロスオーバー作品。放送スケジュール調整のため、平成シリーズ最短作品※2 |
2009 | 仮面ライダーW(W/ダブル) | 三条陸 | 全49話 | 主役ライダーの変身者が2人というチャレンジ。以降しばらくライダー2人体制が続く。 |
2010 | 仮面ライダーオーズ/OOO(OOO/オーズ) | 小林靖子 | 全48話 | 第28話で仮面ライダーシリーズの話数が通算1000回に達した。 |
2011 | 仮面ライダーフォーゼ(フォーゼ) | 中島かずき | 全48話 | 仮面ライダー生誕40周年記念作品。 |
2012 | 仮面ライダーウィザード(ウィザード) | 香村純子、きだつよし | 本編51話+特別編2話 | 放送スケジュール調整のために平成ライダー最多話数。 |
2013 | 仮面ライダー鎧武/ガイム(鎧武/ガイム) | 虚淵玄 | 全47話 | 平成仮面ライダー15作目記念作品。ライダー2人体制から脱却し、多人数ライダーを採用。 |
2014 | 仮面ライダードライブ(ドライブ) | 三条陸 | 本編47話+特別編1話 | ライダー数は3人。これ以降「正義のライダーは3~4人」がデフォルトになる。 |
2015 | 仮面ライダーゴースト(ゴースト) | 福田卓郎 | 本編49話+特別編1話 | 春映画にて仮面ライダー1号=本郷猛と共演。 |
2016 | 仮面ライダーエグゼイド(エグゼイド) | 高橋悠也 | 全45話 | 全話および冬・夏の劇場版、Vシネマ3本の脚本を高橋悠也が担当。鎧武から始まった戦隊とのコラボはエグゼイドが最後。 |
2017 | 仮面ライダービルド(ビルド) | 武藤将吾 | 全49話 | W~エグゼイドとは別の世界線の物語であることを明言。全話および冬・夏の劇場版、Vシネマ2本の脚本を武藤将吾が担当。 |
2018 | 仮面ライダージオウ(ジオウ) | 下山健人 | 全49話 | 平成ライダー20作品記念作品にしてディケイド以来のクロスオーバー作品(20周年記念作品ではないことに注意)。 |
※1:『ディケイド』第31話は「本放送版」と「再放送・DVD等収録版」の2バージョンがあり、それぞれ終盤の展開と結末が異なっている。これは、本放送版が結末を劇場版に繋げるためのものになっているのに対し、再放送・DVD等収録版は本編のみで物語が完結するように変更が加わったものである。
似たような例として、TVアニメ版『steins;gate』の23話本放送版と、続編『0』に物語が繋がるよう最終回として編集された2016年再放送版(β)の違いなどがある。ちなみに、「ディケイドメインのエピソードである仮面ライダーウィザードの52・53話は実質ディケイドの32・33話」「ディケイドの放送回数はジオウに出た話数分を合わせて49話」というジョークがある。
※2:なお短かった理由は、以後の作品の開始時期をスーパー戦隊シリーズと半年ずらすことをバンダイから要求されたからとされている。つまり打ち切りではない。また『ジオウ』が「20周年記念作品」と名乗れなかったのもこれが理由だろう(19.5年)。
なお昭和ライダーを含めると『仮面ライダーアマゾン』が24話で最短。こちらも放送局変更(テレ朝→TBS)の影響であり、やはり打ち切りではない。
劇場版
年代 | 作品名 | 備考 |
---|---|---|
2009~2015 | MOVIE大戦シリーズ | 2009年からの恒例クロスオーバー |
2016~2018 | 平成ジェネレーションズ | 2017年からの恒例クロスオーバー |
主題歌
『アギト』までは、昭和ライダーのOPを始め数々のアニソン系音源等の販売権を日本コロムビアが長年保有していた。
ところが、日本コロムビアは経営不振でそれまで保有していた権利及び所属していた大物演歌歌手などの大規模なリストラを敢行して手放すこととなってしまった。
その結果、『龍騎』以降のライダーの音源等の独占販売権がエイベックスに譲渡され、エイベックスのレーベルに所属する形で継続されている。時代が令和へと移り変わり令和ライダーとなっても継続している。
エイベックスが1990年代のJ-POP全盛期の恩恵を大いに受けた企業のためか、平成1期は採用歌手の大半がミリオンセラー経験者というのも特徴である。2000年が遠くなった平成2期になると音楽バブル崩壊後のゼロ年代歌手の採用が増えたため経験者は激減している。
作品タイトル | タイトル | 歌手 |
---|---|---|
クウガ | 仮面ライダークウガ! | 田中昌之 |
アギト(前期) | 仮面ライダーAGITO | 石原慎一 |
アギト(後期) | 仮面ライダーAGITO 〜24.7 version〜 | 石原慎一 |
龍騎 | Alive A Life | 松本梨香 |
555 | Justiφ's | ISSA |
剣(前期) | Round ZERO ~ BLADE BRAVE | 相川七瀬 |
剣(後期) | ELEMENTS | RIDERCHIPS |
響鬼(前期) | 輝 | インストゥルメンタル楽曲 |
響鬼(後期) | 始まりの君へ | 布施明 |
カブト | NEXT LEVEL | YU-KI(TRF) |
電王 | Climax Jump | AAA(前期)、イマジンズ(後期) |
キバ | Break the Chain | Tourbillon |
ディケイド | Journey through the Decade | Gackt |
W | W-B-X ~W Boiled Extreme~ | 上木彩矢w TAKUYA |
OOO | Anything Goes! | 大黒摩季 |
フォーゼ | Switch On! | 土屋アンナ |
ウィザード | Life is SHOW TIME | 鬼龍院翔(ゴールデンボンバー) |
鎧武 | Just Live More | 鎧武乃風 |
ドライブ | Surprise-Drive | Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE |
ゴースト | 我ら思う、故に我らあり | 氣志團 |
エグゼイド | EXCITE | 三浦大知 |
ビルド | Be The One | PANDORA feat.Beverly |
ジオウ | Over"Quartzer" | Shuta Sueyoshi feat. ISSA |
関連作品
メインタイトルからのスピンオフ作品については、特筆すべき新ライダーが活躍しているものを記載している。
年代 | 作品名 | 概要 |
---|---|---|
1988~1989 | 仮面ライダーBLACKRX | TV放送で最後の昭和ライダーにして初めて平成時代に放映された作品。 |
1988~1990 | 仮面ノリダー | RXと同時期のバラエティパロディ。当時の東映から怒りを買った非公式。だったが…… |
1992 | 真・仮面ライダー 序章 | 仮面ライダー20周年記念Vシネマ。ネオライダー3部作の第1作で昭和扱い。 |
1993 | 仮面ライダーZO | 劇場版オリジナル作品。ネオライダー2作目にして昭和ライダー扱い。 |
1994 | 仮面ライダーJ | 劇場版オリジナル作品。ネオライダー3作目にして昭和ライダー扱い。 |
2001~ | 仮面ライダーSPIRITS | 漫画作品。仮面ライダーZXを中心に昭和ライダーシリーズの漫画独自の続編として描かれている。 |
2004 | 仮面ライダーEVE | 小説版における昭和ライダーのオリジナル続編。 |
2005 | 仮面ライダーTHE FIRST | 初代昭和ライダーのリメイク映画。キャラ設定が大幅に変更された。敵は当然SHOCKER(ショッカー)である。 |
2007 | 仮面ライダーTHE NEXT | 上記の続編。内容ゆえにPG-12指定を受けた。 |
2007 | 仮面ライダーしん王 | かすかべ町にデンライナーが!?仮面ライダー初のアニメ作品とのコラボ。後に「フォーゼ」もこの作品とのコラボを果たす。 |
2007 | 駈斗戦士仮面ライダーズ | 平成版仮面ライダーSD、コミカライズ版はまさに原作クラッシャー!? |
2009 | 仮面ライダーG | SMAPのショートフィルム。悪の組織シェードに改造されたソムリエ。東映公認で本格的に撮影された作品ではあるものの、別扱い。 |
2009 | KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT | 仮面ライダー龍騎の北米向けリメイク版。翌年日本でも放送された。新規の敵キャラゼイビアックス将軍が登場する。 |
2013 | 宇宙超人FLY | 台湾が製作したオリジナル特撮。造形の酷似性から問題視され日本公開ならずに有名になってしまった!? |
2015 | スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号 | ドライブメインのオールライダー系映画だが、石ノ森氏がかつて考案し没になっていた仮面ライダー3号がまさかの復活。 |
2015 | 仮面ライダー4号 | 上記の後日談Vシネマ。完全オリジナルの4号が登場。 |
2016 | 仮面ライダー1号 | 仮面ライダー45周年記念映画。初代から半世紀近い歳月を経て1号が強化され新たな姿に。ゴーストとも共演。 |
2016~2017 | 仮面ライダーアマゾンズ | アマゾンプライムでネット配信された仮面ライダーアマゾンのリブート作品。メインライターは小林靖子。 |
2017 | 仮面戦隊ゴライダー | 同時公開の映画超スーパーヒーロー大戦のスピンオフに相当。エグゼイドをメインに、5色のゴライダーが登場。 |
2018~ | 東島丹三郎は仮面ライダーになりたい | 仮面ライダーになりたい者達を描くバトル漫画。作品自体は昭和ライダーのファンを中心に描いているが、平成ライダーも放映されている現代に近い世界観である。 |
2019 | RIDER TIME 仮面ライダーシノビ | 2022年に放送される仮面ライダーシノビが時を超えて3年前に現れる……という設定のジオウスピンオフ。令和ライダーではない。 |
平成ライダーの仮面ライダー
『仮面ライダー一覧』参照
関連イラスト
別名・表記ゆれ
平成ライダーシリーズ 平成仮面ライダー 平成仮面ライダーシリーズ