「さぁ、ショータイムだ!」
「俺が最後の希望だ!」
「勝てる可能性が1パーセントでもあるなら俺はそれに賭ける」
演:白石隼也
変身する仮面ライダー
概要
本編開始半年前の日食の日に起きた謎の儀式=サバトでコヨミとともに生き残った青年で22歳。
その儀式に生き残ったことで魔法使いとしての資格を得て、白い魔法使いからウィザードライバーとウィザードリングを授けられた。
その後、ウィザードとして敵であるファントムと戦うことを決意する。
ぱっと見言動からクールで気取ったお調子者のように見えるが、実際は自らの本心を見せないようにするためで、本来は使命感、責任感が強い性格。特に序盤はファントムに対抗できる存在が彼一人だったという事もあり、常にゲートがファントムになってしまうかもしれないという恐怖に苛まれ、弱音を吐く事もあった。第二の魔法使いである仁藤攻介が登場してからはメンタルも落ち着いてきたのかツッコミ役も多い。
彼にとってファントムと戦うことは日常茶飯事であり、生活の基本となっている。
自身がウィザード及び魔法使いであることは公言しており、作中では一般人相手でも堂々と魔法を使っている。しかし魔法の行使には魔力を使うため、非常に疲れてしまい戦闘後は長時間眠ってしまうらしい。物語序盤では「プリーズ」の魔法を使った直後の戦闘で変身を維持できなくなるなど窮地に陥ることもあったが、物語が進むにつれて魔力量が増えたため、魔力切れに陥ることはほとんどなくなった(メデューサなどファントムに魔力を吸収された時はさすがに魔力切れになったが)。
移動手段も魔法に頼っているが、通信のみは現代の科学技術の結晶である「携帯」に頼っている(所持していないだけで「電話」に相当する魔法は別に存在するが、魔法を使えるのが序盤は晴人しかいない為、ただの一方通行になってしまう)。
生身でもファントムと戦う事が可能でアクロバティックな足技やウィザーソードガンを巧みに操ってグールを蹴散らす。
店長の話によると、新作の味が発売されてもプレーンシュガーしか買わないという拘り派である。
しかも幼少の頃からプレーンシュガー好きだったようだ。プレーンシュガーしか食べない理由は生まれて初めて両親から与えられたフレーバーであり、美味しそうに食べる晴人の顔を嬉しそうに見つめる両親の笑顔が記憶に焼き付いている為で、ここら辺の事情は小説版にて明らかとなった。
劇中では他に紅茶、コーヒーに砂糖を沢山入れる描写があることから、ドーナツ以外でも甘いものを好む甘党であると思われる。
戦闘が終わると「ふぃ〜」と息を吐くのが特徴。
過去
第8話にて、幼少の頃に交通事故で両親を亡くしたという過去が明かされ、この時のトラウマから人と関わるのを避けるようになってしまい、そんな折にそんな悲しみを忘れて夢中になれるサッカーに出会ったとされる。
サバトに巻き込まれる前はプロサッカー選手を目指していたが、セレクションでチームメイトである友人・篠崎和也の足を壊してしまい、和也の恋人から激しく非難されたこともあり過ちを悔いて辞めてしまった。その和也とは疎遠になってしまったが、物語中に和解している。
天下分け目の戦国MOVIE大合戦ではサッカーボールを普通に蹴れていた。
演じる白石氏もサッカーを特技及び趣味としている。
希望
「俺が最後の希望だ」という言葉を多用。彼の理念となっている。
これは両親が今際の際に投げかけた「晴人が生きててくれる事が俺たちの希望だ」という言葉に起因し、サバトでもただ一人生き残ってしまった彼は大切な人をもう二度と失いたくないという思いからファントムに奪われそうになっているゲートの希望を守るために戦う。つまり自分自身を「最後の希望」と称するのは文字通りの意味だったのである。
そして絶望させられ、ファントムを生み出しそうになったゲートの希望となる(奈良瞬平、大門凛子など)ことを約束する。そのため、表面上は平気なそぶりをしながら無理をすることも多く、コヨミたち面影堂の仲間からは心配されている。
故にアンダーワールドに映し出される心象風景は両親と死別した病室となっており、第11話ではフェニックスによって両親の担当看護師であった伊藤美紀子とその夫が重傷を負わされて、息子であるゲートの洋樹が希望を失いかけていた際には自分の過去と重なって見えてしまい、自分に言い聞かせるように「希望を捨てるな」と鼓舞していた。
フェニックスとの戦いで更なる力を求める晴人に対し、彼の中に巣食うドラゴンがこの光景を見せて絶望させようとするが、トラウマであると同時に両親から「希望」を与えられた時間という事もあり、却って彼のメンタルと能力を強化してしまった。
その力を行使すれば絶望に近づくとまで言われたドラゴンの力も「俺の希望」とまで称した彼のあり方は、本来は人間の事など意に介さないファントムである彼さえも徐々に惹きつけて行く。その言葉を体現するかのように彼はドラゴンの力を暴走させる事なく使いこなしている。
見方を変えれば絶望しそうになっても絶望できない強固な呪いとも取れるが、だからこそ彼は折れる事なく最後まで戦い続ける事が出来たのである。
「魔法が使えるから絶望しないんじゃない。絶望しなかったから、魔法を手に入れることができたんだ」という言葉が晴人そしてウィザードというライダーの在り方を端的に表していると言える。
一方で「誰かの希望になる事が晴人の希望」とも受け取れ、それが強迫観念になっている節がある。
事実としてレギオンにウィザードラゴンを倒されて魔法使いでなくなった際にはパニックに陥り、そのままの状態でレギオンを倒しに行こうとして仁藤に止められている。
ここで「魔法が使えなければ自分は何もできない存在」である事を思い知らされるが、魔法を披露した兄妹の兄やコヨミの言葉で魔法ではなく、自分の「心」が人々の希望になってきた事を実感する。
レギオンに叩きのめされてもなお、希望を諦めなかった事で奇跡が起き、名実ともに「希望の魔法使い」として新生する事が出来た(まさしく、上述の発言通りである)。
まさに「希望」こそが彼の使える最大の「魔法」と言っても過言ではないだろう。
真相
劇中における1回目のサバトは、白い魔法使いこと笛木奏が意図的に起こした結果、本来の目的を達成できなかったものだった。
しかし、サバトで絶望せずに魔法使いになる資格を得た晴人を見つけた笛木は、「魔法使いをサバトに使う」事を企て、晴人にコヨミとウィザードドライバーを託した。
それには、ファントムにゲートを襲わせて絶望に追い込み、晴人にそのゲートを守らせ、絶望を乗り越えさせて魔法使いとして覚醒させることで「魔法使いを増やす」意図があった。
つまり、晴人やファントム達は笛木に利用されて戦いを強いられていたことになる。
仁藤によって2回目のサバトが阻止された後、晴人は笛木との対決に臨みほぼ相打ちに近い形となるが、現れたグレムリンによって笛木は殺害され、コヨミは賢者の石を奪われ消失してしまう。
しかしコヨミの今際の際の願いを叶えることでコヨミの心を救うと決意した晴人は、街で暴れるグレムリンと対決。渾身のパンチで賢者の石をつかみ出し、晴人とコヨミの想いで賢者の石が変化したホープリングの力もありグレムリンを倒す。
戦いが終わった後は「静かに眠りたい」というコヨミの願いを叶えるため、ホープの指輪を安置できる場所を求めて旅立った。
最終話では後日談として、13人の平成ライダー、そして次代のライダーである仮面ライダー鎧武と出会っている。この鎧武こと葛葉紘汰とは後に『戦国MOVIE大合戦』などで再び共闘する事になる。ただし、お互いに変身前の姿で対面する機会に恵まれなかった為、彼の事をライダー名で呼ぶ。ちなみに演者がサッカーが得意という繋がりもある。
客演
- 『仮面ライダー大戦』
自らの迷いが生んだ事件の事を語り、乾巧を叱咤激励する。その後は巧や神敬介と共に巨悪の根城・バダンシティを3人で完全に破壊し尽くした。
中盤から登場。Dr.パックマンのアジトに突入しようとしていた警官隊(その中には進ノ介もいた)をテレポート魔法で強制避難させた後、Dr.パックマンに取り入るフリをする事で天空寺タケルと宝生永夢をアジトに潜入させる事に成功。最終決戦ではドラゴンモチーフの怪人であるドラルバグスターと対決した。
今作での出演で、ディケイド~エグゼイドまでの全ての主人公ライダーとの共演を果たした。
- 『仮面ライダージオウ』第8話
白石氏が海外ロケなどの都合で参加出来なかった為、代役による後ろ姿での出演。
本編第16話のフェニックスとの激闘の最中、アナザーウィザード誕生による歴史改変の影響で変身能力を失う。
その後の行方は不明。(だが、ウィザードの歴史が消えた以上、魔法使いでなくなっている事はほぼ確実)
経緯のほどは定かではないが、仁藤にウィザードライドウォッチを託している事から、改変後の歴史でも彼と何かしらの交流があったと思われる。
先行登場
仮面ライダーフォーゼの劇場版、小説版、最終回の計三回登場。
劇場版『みんなで宇宙キターッ!』ではホロスコープスのコピー体に苦戦するフォーゼの援護にウィザードの姿のみで参戦。「おせっかいな魔法使い」を名乗るウィザードのその姿やあり方から弦太朗に「仮面ライダー」ではないのかと問われ、それが「人知れず悪と戦う正義の名」であることを教えられた晴人は、(その場のノリで)「仮面ライダーウィザード」と名乗る。(その場でフォーゼと共に戦っていたメテオこと流星からは「適当に名乗るな」と怒られている)
その後はフォーゼ達の代わりにホロスコープスのコピー達の相手を引き受け、コピーによる『分身ストライクウィザード』によってサジタリウス達を葬った。
この時点ではその場のノリで「仮面ライダー」を名乗っていた彼が本当の意味で「仮面ライダー」の名と向き合うのはもう少し先の話となる。
※このウィザードはおそらく、第1話以前のウィザードか、序盤(少なくともハリケーンドラゴン入手時がアルティメイタムの時間軸に相当)のウィザードと思われる。
フォーゼ最終回では通りすがりの人物として晴人本人が登場。美羽が後ろ姿を目撃。その際には大文字隼にプロポーズで渡された指輪よりも晴人が身に付けるウィザードリングの方が気になっていた。
その後、MOVIE大戦アルティメイタムの前日談兼フォーゼ後日談となる小説版フォーゼでは変身前の状態で登場。
フォーゼドライバーを過去の弦太朗に返却し、フォーゼエンゲージリングも手渡した。なお、劇中では謎の男名義となっている(※)。
これはアルティメイタムのエピローグで同じシーンが描かれているため、アルティメイタムを見た人にとっては謎の男の正体が晴人であるとわかるだろう。
※この時が素顔での初対面となるため、弦太朗はまだ晴人が劇場版で出会ったウィザードその人であることを知らない(というか変身前の姿は弦太朗以外では美羽と隼しか知らない)。さらに言うとこの時点でウィザードの存在を知っているのはメテオとフォーゼだけである。ディレクターズカット版では、この辺を汲んだ両者のやり取りがもう少し長く描かれている。
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平成ライダー主人公