概要
「コズミックエナジー」を利用した変身システム・フォーゼシステムの中核を成す、ベルト型管制用コンソール。
アストロスイッチと併用することで装着者をフォーゼ改め"仮面ライダーフォーゼ"に変身させる。
製作者は歌星緑郎で、本来ならば彼の息子である歌星賢吾が使用するはずだったのだが、病弱な賢吾では使いこなせなかったためクラスメイトの如月弦太朗が代わりにフォーゼへの変身及びゾディアーツとの戦闘を担当することとなった。
普段はバックルのみの状態で腹部に当てるとベルト部分「パワーハーネス」が伸びて腰に巻きつく構造になっている。
機能・外見
まず目に入るのはバックル中央にあるディスプレイ「ステイタスモニター」。フォーゼシステムの稼働状況や各アストロスイッチのオン、オフの状態がフォーゼのシルエットとして表示されている。真下には「AXS-4000」というコンピューターが内蔵されており、これによりフォーゼのシステム全体を管理し、強大な力を安定して運用することが可能となっている。
モニターの左右には2つずつ、合計4つの「スイッチソケット」が左右対称に配置されており、アストロスイッチを4つ装填する事ができる。このソケットは正面左側から順に右腕、右脚、左脚、左腕に対応しており、ソケットの形状(○、×、△、□)に一致するアストロスイッチのみ装填する事が可能。なお変身のために取り出した時点で、スイッチはすでに装填されている。
右手側には変身シークエンスの開始や必殺技発動時に使用する認証用ハンドルレバー「エンターレバー」が張り出している。
ハンドルレバーやモニター周りが黒。一部赤や金も使われているが、大部分はクリアホワイトの外装「ピットコントロールベース」が覆っている。
運用
変身
ソケット手前にある赤い4つのスイッチ「トランスイッチ」を全て押し下げてドライバーとスイッチの回路を接続すると「3・2・1」のカウントダウンが鳴り、それに合わせて右手のレバーを引くことで仮面ライダーフォーゼへと変身する。
基本的に10、20、30&31、40番以外のアストロスイッチが装填されていた場合はベースステイツ。該当スイッチの場合は別の形態へとステイツチェンジする。
必殺技
リミットブレイク
変身後に再度「エンターレバー」を操作すると発動。ドライバーとスイッチ両方に発動許可が送信され、ONになっているスイッチ名を右腕、右脚、左脚、左腕の順に読み上げた後に「Limit Break!」のコールと共にアストロスイッチのパワーを最大限まで引き出した必殺技を放つ。
例:右脚以外をONして発動/「Rocket・Drill・Radar」「Limit Break!」
連続でレバー操作することでリミットブレイクを重ねた、より強力な二段リミットブレイクも存在するが、発動したアストロスイッチはコズミックエナジーの再チャージが完了するまで使用不能となってしまう。
玩具版
2011年9月3日に「変身ベルト DXフォーゼドライバー」が発売。
付属スイッチはロケット、ランチャー、ドリル、レーダーの4つ。ピンによるアストロスイッチの識別や中央のフォーゼが多色発光するなどの機能を備えている。
使用電池は単4電池三本。
発売当初から大人気を博し、とんでもない品薄が続いていた。
2021年11月27日に「レジェンド変身ベルトシリーズ フォーゼドライバー」が一般販売。
一番右の赤いスイッチとレバー操作で変身音と必殺技音が鳴る簡易版で、発光ギミックとアストロスイッチの着脱や連動要素がオミットされている。
2024年2月現在、CSM版やver.20th、スーパーベストなどの再販はされていない。
開発者ブログによると、フォーゼドライバーは歴代の変身ベルトの中でもドライブドライバーと並んで特にスペックが高く(検出スイッチが25個、LEDが5個搭載)10年前の製造コストで大量に生産していた当時はまだしも、現在の製造コストで放映時のような大量生産ができない状態で再販しようとすると値段が1万円を超えるという。
ver.20thやスーパーベスト版が発売されていないのはこれが原因と思われ、採算が取れない理由から再販・CSM化されていない。
本編後
TV本編及び小説版の後日談である映画作品で、教え子であるサナギマン/風田三郎への激励の為になんとベルトを溶鉱炉に投げ捨て破棄。
これによりフォーゼへの変身が不能となった。アクマイザー一味との決戦では5年前の自分から借りに行くという形になった。
しかし健吾曰く、「フォーゼドライバーは“弦太朗のダチ”だ。必要な時にはいつでも弦太朗の元にやって来る」との事なのでいずれまた戻ってくるかもしれないことが示唆され、本作の台本にはその台詞後に「溶鉱炉から浮き上がるドライバーのイメージ。」という記載もある。
この時の時間軸は『MOVIE大戦アルティメイタム』より前なので弦太朗がドライバーを所持していた。
余談
- アストロスイッチが小型なのもあるが、(正規の使用方法で)4つの変身アイテムと同時に連動できるライダーベルトは後にも先にも例が無い。
- 珍しく特別な資質な持ち主でなくとも使用でき、かつこれといったデメリットなども無い変身ベルトである。と言うか主役ライダーに限って言えば初と思われる(まぁ弦太朗のフィジカルは"特別な資質"の範疇な気がしないでもないが…)。
関連タグ
なでしこドライバー:リデコ先。
オーズドライバー → フォーゼドライバー → ウィザードライバー
真の目的(本編ネタバレ注意)
開発者・歌星緑郎博士が想定した「フォーゼシステム」の本来の使い方。
それは宇宙の果てにいるとされる未知の存在、「コアスイッチ」と呼ばれるツールの送り主『プレゼンター』」との接触する事である。そのために必要な移動手段=安全なワープ航法、これを実現するために開発されたのがフォーゼドライバーである。
- 「コアスイッチ」にはその惑星で接触した知的生命体を模した存在・コアチャイルドを生み出す機能があり、コアチャイルドは「その惑星で吸収した文化・文明を『プレゼンター』の待つ母星に持ち帰る」という使命を負っている。
- 「フォーゼシステム」という移動手段は確立したものの、人類にとっては長過ぎる航路になる事を予見した歌星博士は人間のコアチャイルドである歌星賢吾に「フォーゼシステム」を使わせることを構想。いずれコアチャイルドとして覚醒し、自ずと『プレゼンター』の元へ向かう事になる賢吾がフォーゼドライバーを使用することで、プレゼンターのもとへと繋がるワープゲートが開く仕組みを作り上げ、血の繋がらない息子に、人類として『プレゼンター』に会う夢を託したのである。当初賢吾に使えなかったのは病弱だからではなくコアチャイルドとして未熟だったからである。
- このため本来は変身アイテムでは無いとも言え、世にも珍しい「変身することを目的として作られていない変身ベルト」である。事実、コアチャイルドとして覚醒した賢吾が使った際はフォーゼ変身時と同じエフェクトは発生したものの変身しなかった(ただしサジタリウス・ゾディアーツによって中断されたので全容ではない)。