概要
製鉄を行う際に、原料となる鉄鉱石またはスクラップなどで発生した屑鉄を溶融させるために使用する炉を指す。
基本的には鉄鉱石とコークスなどを巨大な筒に入れて下から高温の燃焼ガスを当てて還元・融解させる「高炉」と、屑鉄などを耐熱容器に入れて強力な電気火花で溶かす「電気炉」の2種類に分かれる。
(溶鉱炉は文字通り鉱石を溶かすものであるため、厳密には「高炉」のみを指し、後者は「溶解炉」と区別されることが多い)
ここで得られた鉄(銑鉄)は転炉で不純物を取り除かれた後、耐火レンガで内部を覆われた「取鍋」と呼ばれる容器に納められ、鋼として鋳造される前に一旦受け皿に流されるが、この「溶けた鉄で満たされた受け皿」を、多くの人は「溶鉱炉」として認識(つまりは誤用)しているものと思われる。
ネット上、またはpixiv上における扱い
用途1
ネット上では、映画「ターミネーター2」のラストシーンでT-800が親指を立てながらいわゆる"溶鉱炉"に沈んでいくシーン(→溶鉱炉サムズアップ)を元ネタに、
「○○は感動した。特にラストシーンで××が親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくシーンは涙無しには見られなかった」のように使用されることが多い。なおこの手の感想を投稿した人の大半はその作品を真面目に見ていない。もしくは明らかに嘘だとわかるようにしたネタバレジョークである。2021年だとこの映画関係のツイート等で話題になった。
またあまりにも酷い作品にまともな感想を送るフリをしてその実大喜利のネタにしてしまう時も大抵溶鉱炉ネタが使われる。
近年、あの戦隊シリーズでどう考えてもこのシーンを連想するような超展開が起きた。ネット上でも、その反応は……。
ちなみに、実際に人が溶融した鉄に落ちても沈むことはなく(T-800は金属が主な構成要素と思われる)、鉄などの金属より体の主な構成成分である酸素や炭素、水素の比重が軽いため逆に浮き、高温のため悶え苦しみながら炭化、炎上し、やがて骨などの無機質だけが残されるがそれらも全て崩れてしまうといわれている。
用途2
DMM.comのブラウザゲーム『艦隊これくしょん』では、大型建造に挑むことを指すユーザー間でのスラングとして使われる。
(例)
「大和かわいい……でも艦隊にいません(半ギレ」
「そこに溶鉱炉があるじゃろう」