※タイトル部の末尾は音楽記号の「𝄇」を表すが、制約上「:‖」の表記とする。
「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」
我々は三度、何を作ろうとしていたのか?
本作は初期のプリプロダクションスタートから11年、
本格的なプロダクションスタートから4年の制作時間を費やし、莫大な製作費を注ぎ込んで、
アニメーション映像の持つ様々な感覚的・技術的を凝らした面白さを、可能な限り詰め込んでいます。
デザイン、画面・構図、手書きの絵や動き、3DCGの画面や動き、色彩、美術背景、撮影、カット割り、カット変わり、編集、声の芝居、音楽や効果音、音響配置やバランス、これらを統治する演出の面白さ。
加えて、『:破』の頃から試みていた特撮映像の手法と感覚を取り入れた、『:破』の頃から願っていた実写映像の方法論と技術論を取り込んだアニメ映像の面白さ。
そして、映画としての面白さ、即ち脚本や物語が僅かでも面白くなる様に、
作品にとって何がベストなのかを常に模索し続け、時間ギリギリまで自分の持てる全ての感性と技術と経験を費やしました。
結果、完成したのが本作です。
観客の皆様に、アニメーション映画の面白さと魅力と心地よさをエンターテイメントとして少しでも楽しみ、堪能して頂ければ幸いです。
最後に、「エヴァンゲリオン」という作品を三度完成へと導いてくれた全てのスタッフ、キャスト、ファンの皆様、
そして公私に渡り作品と自分を支えてくれた妻に感謝致します。
ありがとうございました。
原作・脚本・総監督等 庵野秀明
(劇場用パンフレット 庵野秀明コメントから文章を一部修正・加筆して抜粋)
概要
『新世紀エヴァンゲリオン』をリビルド(再構築)し、2007年より展開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの『序』『破』『Q』に続く第4作目であり最終作・完結編。また、四半世紀(25年間)続いた『エヴァンゲリオン』シリーズの完結作でもある。
サブタイトル・英題は『 EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME 』。作品のイメージカラーは白。略称は「シン・エヴァ」「シンエヴァ」等。キャッチコピーは「続、そして終。非、そして反。(英語版:After that, and THE END. NOT and ANTI.)」(2017年~)、「さらば、全てのエヴァンゲリオン。(英語版:Bye-bye, all of EVANGELION.)」(2020年~)「さようなら、全てのエヴァンゲリオン。(英語版:Good bye, all of EVANGELION)」(2021年~)。
公開日は2021年3月8日。本来は2020年6月27日に公開予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響と、これに伴う緊急事態宣言発令により公開が延期され、一時は2021年1月23日に決定するも、再度の宣言発令により再延期。最終的に同年3月8日に公開され、同年7月21日に一部劇場を除き終映を迎えた。
本作はIMAX版と4D(4DX・MX4D)版が同時上映、後にドルビーシネマ版も上映された。上映時間は2時間35分(155分)。冒頭3分41秒が過去3作のダイジェスト映像『これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版』であり、本編は151分となる。劇場内で配布される入場特典については、下記の「入場特典」の項を参照。
主題歌は宇多田ヒカルの「One Last Kiss」、「Beautiful World (Da Capo Version)」。
2021年6月12日からは『 EVANGELION:3.0+1.01 』が公開、カットに細かな修正が加え差し替えられた新バージョンである。ただし、ストーリー等に変化はなく、IMAX・4D、同日から本作の上映が開始されるドルビーシネマでの上映は対象外。
2021年8月13日からはAmazon Prime Videoでの世界独占配信が開始。配信されるのは上記の『3.0+1.01』バージョンとなり、28言語の字幕版と10言語の吹き替え版が収録されている。これについて庵野秀明は、コロナ禍の影響下で劇場公開での提供が困難な国もある為、熟慮を重ねた結果、ファンに出来るだけ早く作品を届ける最善の方法として、この形式になったと説明している。同年8月17日には、Prime Video日本国内サービス開始から全作品の中で「配信初日視聴数歴代1位」という新記録を打ち立てたことが発表された。
映画公開から2年後の2023年3月8日にDVD&Blu-rayが発売された。
特徴
エヴァ特有のエンタメSFであり私小説的かつ衒学的映画で、また、美麗で壮大に映像と戦闘・アクションを見せる作品ともなっている。
前作『Q』は、その衝撃と複雑怪奇が入り混じった展開で多くのファンが煙に巻いたが、本作では『新世紀エヴァンゲリオン』(TV版・旧劇場版)から通して四世紀半(25年)に渡り伸び切った伏線や問題を回収・解決している。
『新世紀~』の主題ともいえる「他人との関わり」を、本作でも同じ主題の物語として締められている。その一方で作中・本編では庵野秀明の心境や状態を模倣・投影した表現などが含まれているが、様々なキャラクター達の事情や心境もしっかりと描き、シンジの内面で、TV版と旧劇に相当する心理的変化と成長が描かれているシーンが存在する。そういった過去2回のラストを包含しつつ、更にその先に歩みを進めて、物語は「終劇」と完結を迎えた。
そしてこの作品では、『エヴァンゲリオン』という作品の全てに決着を付ける内容にもなっている。
終盤ではエヴァに囚われていた登場人物達が解放されていく展開を見せ、作品内の世界に対してもそれは同じであり、シンジと庵野秀明や制作陣のエヴァからの解放を描いたとされる。
登場人物
EVAパイロット
- 碇シンジ(声:緒方恵美 / ???)
- アヤナミレイ(仮称)(声:林原めぐみ)
- 式波・アスカ・ラングレー(声:宮村優子)
- 真希波・マリ・イラストリアス(声:坂本真綾)
WILLE(ヴィレ)
- 葛城ミサト(声:三石琴乃)
- 赤木リツコ(声:山口由里子)
- 伊吹マヤ(声:長沢美樹)
- 北上ミドリ(声:伊瀬茉莉也)
- 鈴原サクラ(声:沢城みゆき)
- 青葉シゲル(声:子安武人)
- 日向マコト(声:優希比呂)
- 高雄コウジ(声:大塚明夫)
- 長良スミレ(声:大原さやか)
- 多摩ヒデキ(声:勝杏里)
NERV(ネルフ)
第3村
その他
作品設定
関連用語
- エヴァの用語一覧を参照
エヴァンゲリオン
スタッフ
- 企画・原作・脚本・総監督:庵野秀明
- 監督:鶴巻和哉 / 中山勝一 / 前田真宏
- コンセプトアートディレクター:前田真宏
- エグゼクティブ・プロデューサー:庵野秀明 / 緒方智幸
- 総作画監督:錦織敦史
- 作画監督:井関修一 / 金世俊 / 浅野直之 / 田中将賀 / 新井浩一
- 副監督:谷田部透湖 / 小松田大全
- デザインワークス:山下いくと / 渭原敏明 / コヤマシゲト / 安野モヨコ / 高倉武史 / 渡部隆
- CGIアートディレクター:小林浩康
- 2DCGIディレクター:座間香代子
- CGI監督:鬼塚大輔
- CGIアニメーションディレクター:松井祐亮
- CGIモデリングディレクター:小林学
- CGIテクニカルディレクター:鈴木貴志
- CGIルックデヴディレクター:岩里昌則
- 動画検査:村田康人
- 色彩設計:菊地和子(Wish)
- 美術監督:串田達也(でほぎゃらり)
- 撮影監督:福士享(T2 studio)
- 特技監督:山田豊徳
- 編集:辻田恵美
- テーマソング:「One Last Kiss」宇多田ヒカル(ソニー・ミュージックレーベルズ)
- 音楽:鷺巣詩郎
- 音響効果:野口透
- 録音:住谷真
- 台詞演出:山田陽(サウンドチーム・ドンファン)
- 総監督助手:轟木一騎
- 制作統括プロデューサー:岡島隆敏
- アニメーションプロデューサー:杉谷勇樹
- 設定制作:田中隼人
- プリヴィズ制作:川島正規
- 制作:スタジオカラー
- 配給:東宝 / 東映 / カラー
- 宣伝:カラー / 東映
- 製作:カラー
制作経緯
~2016年
新劇場版発表時のタイトルは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:?』であった。2008年初夏に第3作『急(後のQ)』と同時上映される予定だったが、やがて「公開日予定」に変更された。
2009年公開の『破』のポストクレジットでの『Q』予告で、同時上映ではなくなることが判明。やがて『Q』の情報が開示されていく中で、『?』も2013年単独公開予定と発表された。2012年には、『Q』のポストクレジットで初めて初めて予告映像が公開され、本作の制作及び正式タイトルの発表が行われた。
しかしそれ以降、再び公開日が未定となり、公開予定年とされていた2013年を迎えても本編に関する続報はなかった(加えて総監督の庵野秀明も、当年にスタジオジブリの『風立ちぬ』の主人公堀越二郎の担当声優を務めていた)。新情報と言えば、『Q』が2014年9月5日の金曜ロードSHOWで放映された際、終了後の予告映像の副題・英題表記が「FINAL」から「3.0+1.0」に変更されていたことぐらいだった。
続報がないのは当然で、シリーズの原作・脚本・総監督を務める庵野秀明は、実は『Q』完成直後に酷いうつ病にかかっており、療養と休業を余儀なくされていた。2014年初頭に何とかスタジオに復帰したものの、アニメの制作開始作業には更に1年以上のリハビリを要した。この事実は、2015年~2016年に総監督を務める映画『シン・ゴジラ』制作発表の際に明らかにしており(制作を担ったのも、もはや一旦エヴァ以外の作品を取り入れないと前に進めない程煮詰まっていたことが一因しているとのこと)、当然ながら本作の制作は総監督が制作から離れている為、ほとんどストップしていたと思われる。
2017~2019年
その後、詳細な時期は不明だが制作は再開され(遅くとも『シン・ゴジラ』周りが落ち着いた2017年初頭頃とみられる)、2017年7月29日に「続、そして終。非、そして反。」と書かれた串田達也が描いたイメージボードが掲載され、共に「鋭意制作中」であることが明かされた。
そして2018年7月20日に新規映像となる特報が公開され、2020年に公開予定であると発表された。当初の公開予定からこの時点で実に12年もずれこんだ(ただし前述通り、2012年秋以降から2016年夏頃までの約4年程度は庵野のうつ病とそのリハビリ、その一環を兼ねての『シン・ゴジラ』の制作等に費やされている)形となり、この時点ではファンから「どうせまた延期されるのでは」と少なからず思われていたが、2019年に打ち入り(作品の本製作開始を記念して行う催し)が行われ、打ち合わせやアフレコが行われていることがエヴァの公式Twitterなどで報告されるなど、以前より制作が進んでいる様子が見られた。
2019年7月6日には、「0706作戦」と称されたイベントで『シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT1(冒頭10分40秒00コマ)0706版』と題された冒頭10分40秒が公開。その後も冒頭の舞台フランスのパリにあるエッフェル塔がモチーフとなった最新のイメージビジュアルが公開された。
同月19日、この日劇場公開された『天気の子』に合わせ特報2が公開、公開時期が2020年6月であると発表された。そして同年12月27日に、公開時期が2020年6月27日であると発表された。
度重なる延期から半ば諦めの境地に至っていた一部のファンも、新規映像の公開や封切日の発表などを受けて、「今度こそはよほどのことがない限り延期されないだろう」と期待をかけるようになった。しかし2020年初頭にその”よほどのこと”が勃発する。
2020~2021年
2020年初頭、新型コロナウイルス感染症によるコロナ禍が勃発。各地の映画館での上映が不可能となり、同年4月17日に庵野秀明監督の直筆メッセージにて、同理由で公開が延期されることが告知された。また同日にスタッフの情報と、「さらば、全てのエヴァンゲリオン」とのキャッチコピーが記載された最新のイメージビジュアルが公開。英題サブタイトルも「THRICE UPON A TIME」であることが公表された。
その後、新型コロナウイルス対策の見通しが立たないこともあってしばらく公開日未定の状態が続いたが、同年10月16日に『劇場版鬼滅の刃無限列車編』公開に合わせて第3弾特報が公開され、改めて2021年1月23日に公開予定であることが発表された。そして同年12月9日に主題歌が宇多田ヒカルの「One Last Kiss」に決まったと発表。同月25日には主題歌の一部が収録された本予告が公開。また同日に、総作画監督の錦織敦史による劇場用ポスターが公開された。
しかし、公開直前の2021年1月14日に、年末からの新型コロナウイルスの感染者急増を受けた緊急事態宣言再発令の影響で、またしても公開延期。ただし映画そのものは既に完成済みであり(この時点で初号試写も実施済み)、スクリーンさえ確保でき、状況が許せばいつでも上映可能であった(購入済みムビチケカードも公開日再設定後に改めて買い直す必要はなく、そのまま使用可能とされた)。しかし一方で、2021年初頭にかけて国内でのウイルス新規感染者数はそれまでと比べ物にならない多さであり、感染拡大阻止の先行きが不透明であったこと、また映画館のスクリーンを1から確保し直す相応の時間が必要であったことから、今度も相当な期間の延期になるとファンから予想されていた。
ちなみに、『シン・ゴジラ』に続き庵野が再び手掛ける実写特撮映画『シン・ウルトラマン』の特報も、本来であればこの1月の公開に合わせて、本作の上映前に流れる形で大々的に発表される予定だった(こちらは、既に玩具の製造・流通が進められていたため延期できず、YouTubeでの発表に切り替えられた)。
2021年2月26日に、継続的に各劇場で有効な感染対策がなされており、感染リスクを軽減する新たな鑑賞マナーが定着していることを鑑みて、新公開日が3月8日に決定された。これは再発令された緊急事態宣言の解除日の翌日であったが、関連は不明。この発表後、東京都を含む1都3県の緊急事態宣言がさらに延長されることが決定されたものの、延期はされずついに公開となった。
公開同日には『これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版+シン・エヴァンゲリオン劇場版 冒頭12分10秒10コマ』が、YouTubeのAmazon Prime Video公式チャンネル内にて、序・破・Qの同時視聴イベントが行われた際に、2021年3月7日開催分にて改めてこの時点で初公開となる本編映像を含んだ冒頭部分が公開された。特筆すべき事項として、2019年開催の冒頭上映イベント「0706作戦」で公開されたものからブラッシュアップが図られており、主観的な違いを除いても、各メカニック等にマーキングの類が追加、エフェクトの修正が行われ、このうち前者の方は新しい情報の追加ともいえる変更も確認された。
楽曲
主題歌
挿入歌
- 「真実一路のマーチ」
- 「世界は二人のために」
- 「人生を語らず」
※1984年公開のSF邦画「さよならジュピター」劇中歌。本作「シン・エヴァンゲリオン劇場版」では「碇シンジが存在する無数の並行世界のひとつ」として(小松左京著・小説版『さよならジュピター』における)月軌道上のL4,L5,L6に構築された宇宙工場にて建造された「EX計画:太陽系脱出計画」の「EXF:脱出船団」(エクソダス・フリート)の第一次恒星間宇宙移民船団『EXF-M001』の発進シーンが本曲伴奏途中にワンカット挿入されている。
挿入曲
- 「激突!轟天対大魔艦」
作曲:津島利章(『惑星大戦争』の楽曲。)
- その他楽曲
興行収入・観客動員数
日付 | 興行収入(累計) | 観客動員数(累計) |
---|---|---|
3月8日(初日) | 8億277万4200円 | 53万9623人 |
3月15日(7日間) | 33億3842万2400円 | 219万4533人 |
3月22日(14日間) | 49億3499万6800円 | 322万2873人 |
3月28日(21日間) | 60億7821万1750円 | 396万1480人 |
4月5日(28日間) | 68億9861万3200円 | 451万3374人 |
4月12日(35日間) | 74億2624万3700円 | 484万8041人 |
4月19日(42日間) | 77億9931万4050円 | 508万8007人 |
4月26日(49日間) | 80億円 | 523万人 |
5月6日(59日間) | 82億8229万8700円 | 542万3475人 |
5月10日(63日間) | 83億円 | 546万人 |
5月17日(70日間) | 84.6億円 | |
5月24日(77日間) | 85.4億円 | 559万人 |
5月31日(84日間) | 86.1億円 | 563万人 |
6月7日(91日間) | 86.7億円 | 567万人 |
6月14日(98日間) | 89億6530万6780円 | 586万7510人 |
6月21日(105日間) | 93.3億円 | 611万人 |
6月28日(112日間) | 95億円 | 626万人 |
7月5日(119日間) | 97.5億円 | 639.3万人 |
7月12日(126日間) | 99.9億円 | 654万人 |
7月19日(133日間) | 101.5億円 | 664万人 |
日付(各週末) | 興行収入 | 観客動員数 |
3月13・14日 | 11億7744万5400円 | 76万1000人 |
3月20・21日 | 6億7900万200円 | 42万3000人 |
3月27・28日 | 5億2800万7500円 | 32万9999人 |
4月3・4日 | 3億2054万7250円 | 19万6321人 |
4月10・11日 | 2億6520万3150円 | 16万0807人 |
終映日(一部劇場を除く)時の観客動員数は669万人、興行収入は102.2億円。
公開初日は、前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』初日の興行対比123.8%、観客動員対比121.7%というスタートを切った。東映によるとシリーズ作品の興行成績において「公開からの成績は常に最高記録を更新中」と説明している。そして公開18日後の3月26日に、シリーズ最高記録の『Q』最終興収53億を越えた54.1億円を記録し、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの過去最高の興収を突破した。
国内の全国週末興行成績と映画ランキングは、5週間とも堂々の1位を獲得している。公開28日後の4月3日には68.95億円を記録し、歴代興収ランキングベスト100にランクインを果たした(現在35位)。公開58日後の5月4日には82.7億円を記録し、『シン・ゴジラ』の82.5億円を越え、庵野監督として史上最高の興行成績を更新している。
その後、勢いは徐々に落ちていったが、公開97日後の6月12日には全国100万名に『シンエヴァの薄い本』と通称された『EVA-EXTRA-EXTRA』の配布を開始。映画本編映像のカットの一部差し替えを行った新バージョン「EVANGELION:3.0+1.01」も公開されて、売上も急激な右肩上がりとなった。
そして公開127日後の7月12日は興収が100億1582万円を記録し、興行収入は100億の突破を達成、エヴァンゲリオンシリーズ・庵野秀明監督作品・東映としても初の100億円突破作品となった。2021年度映画興行収入ベスト10にはベスト1に輝いた(2021年11月までの作品が対象)。
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入場特典
- 第一弾
総作画監督の錦織敦史による「式波・アスカ・ラングレー」描き下ろしのイラストチラシ(B6サイズ・二つ折り)。作中で装着する白の新型プラグスーツを身にまとったアスカが描かれている。内容は作中の関連用語がまとめられたものとなっており、もちろんネタバレとなる為鑑賞後の閲覧が推奨されている。公開日から鑑賞した一人に1枚ずつの配布となり、全国合計で300万枚配布された。
- 第二弾
前回と同じく総作画監督の錦織敦史による登場人物14人が描かれた描き下ろしの「シン・ポスタービジュアルカード」(A5サイズ)。青い海に面した砂浜にシンジ・レイ・アスカ・マリ・カヲル・ゲンドウ・ユイ・冬月・ミサト・リツコ・加持・トウジ・ケンスケ・ヒカリの14人が描かれている。2021年3月27日から鑑賞した一人に1枚ずつの配布となり、全国合計で300万枚配布された。
- 第三弾
前回と同じく総作画監督の錦織敦史による「アヤナミレイ(仮称)」「式波・アスカ・ラングレー」描きおろしのキャストサイン入りリバーシブルミニポスター(A4サイズ)。アスカのイラストは第一弾のイラストチラシと同じものとなる。またキャラクター担当声優の林原めぐみ・宮村優子によるキャストサインとメッセージが書かれている。2021年5月15日から6月25日まで鑑賞した一人に1枚ずつの配布となり、全国合計で100万枚配布された。
- 第四弾
小冊子「EVA-EXTRA-EXTRA」(A4サイズ、36ページ)が、2021年6月12日から鑑賞した一人に1枚ずつの配布となり、全国合計で100万人に配布された。
表紙は総作画監督の錦織敦史による「碇シンジ」「葛城ミサト」描き下ろし。小冊子には、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のこれまで語られなかった前日譚を描く漫画『EVANGELION:3.0(-120min.)』が掲載されており、企画・原作・監修は庵野秀明、脚本・監督は鶴巻和哉、漫画は松原秀典と前田真宏が担当している。他にも、庵野秀明による特別寄稿、浅野直之 / 井関修一 / 金世俊 / 田中将賀 / 新井浩一 / 錦織敦史 / 前田真宏 / 鶴巻和哉 / 松井祐亮(カラーデジタル部)/ 岩里昌則(カラーデジタル部)による描き下ろし寄稿が掲載されている。
TwitterやInstagramでは、配布日以降から映画半券とEVA-EXTRA-EXTRAを一緒に撮影し、ハッシュタグ「#シン・エヴァの薄い本」を付けて投稿した人の中から合計100人にB2サイズの劇場用ポスターをプレゼントするキャンペーンが行われた。
- 第五弾
総作画監督の錦織敦史による「真希波・マリ・イラストリアス」、または作画監督の田中将賀による「渚カヲル」の描き下ろしキャストサイン入りミニポスター(A4サイズ)。またキャラクター担当声優の坂本真綾・石田彰によるキャストサインとメッセージが書かれている。
両名50万枚ずつ用意され、全国合計で100万人に配布される予定となっている。2021年6月26日から鑑賞した一人に1枚ずつの配布となるが、コロナ禍によるスケジュール変更により、配布はどちらか1枚のランダムとなり、絵柄を選ぶことはできない。また、今回で最後の入場特典となる。
劇場用パンフレット
キャストインタビュー・前田真宏監督、鶴巻和哉監督インタビュー・本作の場面写真及び設定資料を多数掲載した内容となる。A4サイズのオールカラー、全80ページ。また、ネタバレ防止の為、封印袋入り仕様となっている。執筆は氷川竜介・木俣冬が行った。
元々は2021年1月27日発売だったが、公開延期に伴い同年3月8日に発売が延期された。同月15日18時より通販販売を開始。
サウンドトラック
『新世紀エヴァンゲリオン』から楽曲を手掛けた鷺巣詩郎による「Shiro SAGISU Music from “SHIN EVANGELION”」が2021年3月17日に発売。
主題歌・EP「One Last Kiss」
- 詳細はOne Last Kissを参照
前売り券のコラボ
グッズ付きのムビチケカードの予約が行われた。
CD「EVANGELION FINALLY ムビチケカード付き数量限定・期間限定盤」が発売。『新世紀エヴァンゲリオン』及び『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の、高橋洋子や林原めぐみなどによるヴォーカル楽曲が収録されている。価格は5390円(税込)。
- エヴァンゲリオンストア
庵野秀明監督のサインをプリントした「ヴィレの青いパンダナ」がセットになったムビチケカードが発売された。価格は3300円(税込)。
- セブンイレブン〈セブンネット限定〉
- 「海洋堂 特報版 エヴァンゲリオン新2号機 フィギュア」
- 最先端の成型技術の融合により、複雑な形状を再現した全長約48cmのフィギュア。セブンネット限定、価格は36000円(税込)。
- 「海洋堂 特報版 エヴァンゲリオン新2号機 フィギュア」
- 「ジオラマアクリルスタンド(5人のパイロット)」
- プラグスーツ姿のエヴァチルドレン5人が映ったアクリルスタンド。サイズは約235×150×厚み4mm、価格は4650円(税込)。
- 「ジオラマアクリルスタンド(5人のパイロット)」
・「OUTDOOR PRODUCTSコラボポーチ」(価格6200円(税込))と「初号機クッション」(価格6200円(税込))が発売された。
DVD・Blu-ray
公開から2年後となる2023年3月8日に発売予定。初回限定版(Blu-ray2枚+4K Ultra HD Blu-ray1枚)と通常版(Blu-ray2枚またはDVD2枚)の3形態で発売となる。
DISC1は、映像本編として「3.0+1.01」バージョンからさらに一部調整作業が施された「3.0+1.11」バージョンを収録。またDISC2は、特典映像として新作特典映像「EVANGELION:3.0(-46h)」ほかも収録予定。
2022年10月4日に発表、また各店舗での予約が開始された。タペストリーやアクリルブロック、ポストカードなど、店舗別のグッズ付き限定版・店舗別オリジナル特典も存在し、EVANGELION STOREでは庵野秀明総監督実使用表紙複製台本、キンクリ堂ではオリジナルサウンドトラック(仮)CD2枚組が限定グッズ付きとして販売される。
余談
タイトル表記についてとその謎
本作は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の系列作品であるが、タイトル表記が「ヱヴァンゲリヲン」からTVシリーズ版・旧劇場版で使われた旧来と同じ「エヴァンゲリオン」に戻されており、新劇場版という表記もない。
「シン・」という表記は、以降庵野秀明監督が携わっている『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』等にも使われており、「新」「真」「神」などの幾つもの意味や解釈ができるようになっている(『シン・ゴジラ』のエグゼクティブ・プロデューサーを務めた山内章弘からは、「これは、庵野総監督のアイディア」「正解があるわけではありません」と言及されている)。
接続語の段落表記も、序→破→急(Q)と序破急から取られたものを経て、本作では「𝄇」となっている。「𝄇」は音楽記号のミュージカルシンボル右の繰り返し記号(正式名称はリピート記号)で、「反復記号、反復の終了」を意味する。
これまで英題に含まれていた数字も「1.0」→「2.0」→「3.0」などと順当に数字を重ねていたのに対し、今作は元々「FINAL」だったが「3.0+1.0」になっており、その後に公開された新バージョンでは「3.0+1.01」と、3.0に変化はなく1.0のみが変化している。
副題も、これまで「YOU 〇〇〇 (NOT) 〇〇〇.」の形式であったのに対し、本作は「THRICE UPON A TIME」となる。またこれは、ジェイムズ・P・ホーガンのSF小説『未来からのホットライン』の原題から採られている(ちなみに、カヨコ・アン・パタースンを初めとする『シン・ゴジラ』の外国人キャラクターの名前も『未来からのホットライン』が元ネタとなっている)。
pixivでの動き
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの完結編ということもあり、pixivでの作品投稿数も多く、公開後にはタグの付いた作品とその閲覧数が急増した。記念絵・感想絵なども増え、一種の二次創作作品も既に出来ている。また、公開を記念した公式企画第一弾として「『エヴァンゲリオン』バトルイラストコンテスト」が開催されている(詳細はエヴァンゲリオンバトルイラコンを参照)。
ピクシブ百科事典においては、作中で新たに登場したキャラクターや用語、または既登場のキャラクターに関する新たな関連情報や真実に関する様々な関連記事が作られている。
そういった人気の高さから、pixivisionでも少なくとも3度に渡って特集が組まれ、現在2つの特集が閲覧できる。
全てはゼーレのシナリオ通り?
公開から約一週間後の3月16日、中東にて2000年前に書かれたと思われる死海文書の一部分が発掘された(死海文書の発見自体は65年ぶり)。
死海文書と言えばエヴァでも物語のキーとなっている関連アイテムの一つであり、エヴァの劇場公開そのものが延期によって3月にずれ込んだことが偶然にしては奇妙な一致であったことから、SNSでも「ゼーレのシナリオ通り」など関連ワードがトレンド入りした。
このニュースにはシンジやゲンドウの中の人も反応しており、こちらも注目を集めた。
また、死海文書発見の一カ月前には南極で未知の生物を発見したというニュースがあったが、こちらもエヴァに関連する場所で発見されたことから「もしやアダムではないのか?」と死海文書のトレンド化に合わせて話題になった。
Twitter封印
鑑賞前のネタバレを恐れたファンの反応となる。これらは鑑賞を終えたファンによる内容のネタバレを含む投稿がタイムラインに溢れること・エヴァ関連のワードがトレンド入りすることを恐れたユーザーからのもので、3月8日午前にTwitterにて「ネタバレ」「Twitter封印」等のワードがトレンド入りした。
もちろん穏やかなワードではないので、大袈裟な反応だと見受けるものや、ネタバレ回避に必死になるファンに共感したネット民も少なくなかった。実際に、Twiiterから距離を置くファンも一定数いることが窺える。ただし、ネタバレを回避したいものの諸事情で利用を止められないユーザーも存在する為、ネタバレが含まれそうな投稿をミュート(非表示)したり、タイムラインを薄めで見るというアナログな対応など、対策は様々となる。
しかし、普段Twitterを利用するユーザーがそれを封印できる訳がないという指摘もあり、生活の一部とも化したTwitterと距離を置くことの難しさを実感したコメントや、多少ネタバレされたとしてもという気持ちで挑むなどの諦め気味なコメントも存在する。
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キャラクタープロモーションリール
2021年4月5日~4月10日の6日間連続で各日の12:00時に、6人のキャラクター別映像「Character Promotion Reel(キャラクタープロモーションリール)」が公開。音楽は宇多田ヒカルによる主題歌「Beautiful World (Da Capo Version)」となる。
日付 | キャラクター | リンク(YouTube) |
---|---|---|
4月5日 | 碇シンジ | こちら |
4月6日 | 綾波レイ / アヤナミレイ(仮称) | こちら |
4月7日 | 式波・アスカ・ラングレー | こちら |
4月8日 | 真希波・マリ・イラストリアス | こちら |
4月9日 | 渚カヲル | こちら |
4月10日 | 葛城ミサト | こちら |
Blu-ray&DVD PR&CMSPOT
- 『3.0+1.11 Promotion Reel』
- 『シン・エヴァンゲリオン劇場版 EVANGELION:3.0+1.11 THRICE UPON A TIME』Blu-ray&DVD CMSPOT
これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版
- 【公式】『これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版』【庵野秀明構成】
現在のエヴァンゲリオン
- 【公式】『現在のエヴァンゲリオン』
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版(序・破・Q)
シン・ゴジラ、シン・ウルトラマン、シン・仮面ライダー:同じく庵野秀明が参加している「シン・」が付いた作品。
シン・シリーズ、シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース:本作と上記三作品を合わせた便宜上の総称とそれらのコラボプロジェクト。
表記揺れ:シン・エヴァンゲリオン劇場版 / シン・エヴァ / シンエヴァ / シン・エヴァンゲリオン / シンエヴァンゲリオン
外部リンク
終劇