我々は再び、何を作ろうとしているのか?
「エヴァ」はくり返しの物語です。
主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく話です。
わずかでも前に進もうとする、意思の話です。
曖昧な孤独に耐え他者に触れるのが怖くても一緒にいたいと思う、覚悟の話です。
同じ物語からまた違うカタチへ変化していく4つの作品を、楽しんでいただければ幸いです。
原作/総監督 庵野監督
2009 09/28 晴れの日に 鎌倉にて
概要
リビルド - Rebuild 【動詞】
- 〇〇を建て替える、改築する、再建する、〈破損物を〉取り替える、補強する。
- 〈希望・自信・健康などを〉取り戻す。
- 〇〇を修正する、造り直す。
『新世紀エヴァンゲリオン』をリビルドした、10年ぶりの劇場版新シリーズ。
“新世紀のヱヴァンゲリヲン”として、全く新しい結末が用意されている。制作はスタジオカラー。
なおタイトルから「新世紀」が消えているのは、公開が2007年~のため、既にその“新世紀”(つまり21世紀)になっているからというのが理由。「ヱヴァンゲリヲン」の表記については、TV版の没タイトルを復活させたとの事。
『序』、『破』、『Q』、『シン・エヴァンゲリオン劇場版 :❘❙(音楽記号/終止線)』の全四部作。
製作発表時点では、第1作は2007年初夏、第2作は2008年初春、第3作・第4作(当初『急』『?』というタイトルで発表されていた)は2008年初夏に同時上映という形でそれぞれ公開予定とされており、1年のうちに終了するスケジュールだったが、最終的には実に13年半(2007年秋~2021年春)に渡って展開される長期シリーズとなった。
特に『Q』以降のずれ込みは大きく、『シン』に至っては、2012年に『Q』との同時上映ではなく2013年に独立上映されることが発表されたかと思いきやその後長らく音沙汰がなく、2020年公開と改めて発表されたのが2018年になってようやくのことであったが、今度は新型コロナ拡大防止のためにさらに延期され、最終的には2021年3月8日公開となった。
世界観や設定についてはほぼ旧作のものを踏襲しているが、旧作オンエア当時十分普及しきっていなかった携帯電話など時代の変化に伴う細かい小物等の描写は改められている。声優の配役も過去のTVシリーズと同じだが、主役メカのエヴァンゲリオンや敵である使徒のデザイン、ネルフやゼーレのロゴマーク等が一新された他、各登場キャラクター達についても、立場や性格などの描写に変化が見られ、ストーリー展開も『破』以降から徐々に旧作との差異が目立つようになっており、『Q』以降では完全な別展開を見せている。
劇中、『Ys』のキャラクターソングや『彼氏彼女の事情』、『ふしぎの海のナディア』の楽曲が使われたり、庵野監督の妻・安野モヨコの漫画『オチビサン』のキャラクターが登場したりと随所に小ネタが仕込まれている。
他作品とのコラボ要素として、2015年に発売されたRPG『テイルズオブゼスティリア』では本作の登場人物達のプラグスーツ衣装が有料DLCとして配信されている。
上述の声優の配役についてだが、この手のリメイク作品にありがちな声優交代は本当に全く行われておらず、始まりから完結に至るまで完全なTV版からのオリジナルキャストによる再編集というリメイクとしては最も理想的な形を成し遂げている。
最年長だったコウゾウ役の清川元夢が完結から一年半後に逝去したのもあり、長い制作期間ながらも一名もオリジナルキャストが欠けることなく物語完結を成し遂げたことにはファンからも称賛や安堵の声が多い。
清川氏のみならず宮村優子など年齢とは別の複雑な事情を抱えていたキャストがいたことからもそれらの問題を無事クリアさせた点においてもファンからは奇跡と呼ばれている。
作品
(副題・英題: EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE. )
第一作目。2007年9月1日公開。
(副題・英題: EVANGELION:2.0 YOU CAN (NOT) ADVANCE. )
第二作目。2009年6月27日公開。(初期公開予定は2008年初春)
(副題・英題: EVANGELION:3.0 YOU CAN (NOT) REDO. )
第三作目。2012年11月17日公開。発表当初の仮題は『急』。
(副題・英題: EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME )
第四作目。2021年3月8日公開。発表当初の仮題は『?』。
当初の公開予定年は2008年の初夏で、上記の『Q』と同時上映を予定していた。いったん2020年6月27日公開と決定されたものの、上記の通り新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2度の延期を経て2021年3月の公開になった。
メインタイトルの最後の記号は終止線であり、「:」と合わせるとリピート記号になる。
その他にもヱヴァンゲリヲンがエヴァンゲリオンに戻っているなど、タイトルの時点で謎が多い。
英語サブタイトルに関しても2014年9月5日『Q』の地上波初放送の後に「FINAL」から「3.0+1.0」になった。
登場キャラクター
エヴァパイロット
- 碇シンジ(CV:緒方恵美/???)
- 綾波レイ/アヤナミレイ(仮称)(CV:林原めぐみ)
- 式波・アスカ・ラングレー(CV:宮村優子)
- 真希波・マリ・イラストリアス(CV:坂本真綾)
- 渚カヲル(CV:石田彰)
シンジのクラスメイト
ネルフ関係者
- 碇ゲンドウ(CV:立木文彦)
- 冬月コウゾウ(CV:清川元夢)
- 葛城ミサト(CV:三石琴乃)
- 赤木リツコ(CV:山口由里子)
- 伊吹マヤ(CV:長沢美樹)
- 日向マコト(CV:結城比呂)
- 青葉シゲル(CV:子安武人)
- 加持リョウジ(CV:山寺宏一)
ヴィレ
※新劇場版『:Q』以降のネタバレ注意
その他
余談
- 本作の前に、TV版の総集編「DEATH」、難解な描写で議論を呼んだ弐拾五話・弐拾六話の内容をより丁寧に描く「REBIRTH」、そして「完全新作版」と呼ばれる三作の劇場版アニメの制作が予定されていた。しかし「REBIRTH」の制作が難航したことなどが原因で、「DEATH」は「シト新生」、「REBIRTH」は「THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に」というタイトルでそれぞれ公開される運びとなった。
- 予定されていた「完全新作版」に関しては、プロットこそ出来上がっていたものの、お蔵入りとなった。そのプロットは後の『進撃の巨人』に似ていたとしている。また、ギャオスやガイラなどの往年の人食い怪獣を意識した描写が取り入れられる予定だったという。
(旧劇場版にも同様の記述あり)
関連タグ
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
表記揺れ