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葛城ミサト

かつらぎみさと

葛城ミサトとは、『新世紀エヴァンゲリオン』及び『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の登場人物。
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「行きなさいシンジくん!」

「誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために!!」


CV:三石琴乃

概要編集

年齢29歳。特務機関NERV戦術作戦部作戦局第一課所属で、階級は一尉(第拾弐話で三佐に昇進)。背中まで伸びるやや紫掛った黒髪(たまにポニーテール状にも結う)と、タイトミニを基調としたボディコン風の服装が主たる外見的特徴。仕事中は、その上からNERVの官給品と思わしき赤いジャケットを羽織っていることが多い。

本作の主人公・碇シンジの直属の上司にして保護者代わりであり、彼を(半ば強引に)自宅のマンションに住まわせている。第九話以降はEVA弐号機パイロット・惣流・アスカ・ラングレーも同居人に加わり、彼等と疑似家族のような関係を構築していた。また、ペンペンという新種の温泉ペンギンを飼育している。

EVAを「エバー」と発音する。また、「ちょっち」「パーペキ」等の死語も使う。


EVAを用いた使徒殲滅作戦における、戦術作戦の立案および戦闘の直接指揮を一手に担う野戦指揮官であり、時に独自の判断で国連軍や戦略自衛隊の戦力を徴用するなど、有事下においてはかなりの権限を持つ。

彼女の立案する作戦は「日本中の電力を掻き集めて陽電子砲で超長距離から狙撃を行う(ヤシマ作戦)」「大気圏外から落下してくる爆弾型使徒をEVAの素手で直接受け止める」……etc、無茶で突拍子もないものばかりだが(実際、裏を掻かれて失敗することもあった)、使徒という人間の常識を超えた敵との戦いにおいては、逆にそうしたセオリーに縛られない発想がプラスに働くことも多かったようである。

なお自身の戦闘能力も相当高く、旧劇場版ではシンジを射殺しようとした戦自武装隊員数名を拳銃H&K USP)一丁で撃退してみせた程。漫画版ではギャグ描写かもしれないがパンチ一発で壁を凹ませている。


一方、作戦時の凛々しさとは裏腹に私生活はズボラであり、家事能力はほぼ皆無。特に料理の腕は壊滅的でありレトルトカレーをマズく作れるほど。シンジとリツコは一口食べた瞬間に絶句し、ペンペンはそのまま横倒しになって気絶している。ミサト本人のみが妙に水っぽいそれをカップラーメンに「どっぶわぁ~っと」注いだものを美味そうに食べていた(ただしばらく後、シンジが味噌汁のダシを変えた事に気づくという描写もあり、完全に味音痴というわけでもないと思われる※)。

また大の好きで、朝起きがけから缶ビールを煽ってはシンジに呆れられる様がしばしば見受けられた。


※だったら普通にカレー味のカップ麺を食え、と思われるだろうが本人曰く「最初からカレー味のカップ麺だとこの味はでない」らしい。つまり味の違いを分かった上で好んで食べているので味音痴というより「ゲテモノ食い」「悪食」と言った方が近いと思われる。


NERV技術開発部所属のEVA開発責任者・赤木リツコとは大学時代からの親友同士。特殊監査部所属の加持リョウジとは元恋人同士であり、再会後は紆余曲折を経て次第にヨリを戻していった(劇中では彼と明確な肉体関係を持っている描写もあり、漫画版では当時の赤面ものの回想をリョウジの口から話されている)。また、職場での人望も厚かったようで、同じ戦術作戦部の部下・日向マコトからも密かに想いを寄せられている。


アスカと並び当作品のムードメーカー的存在であるが、物語後半へ向けて戦局が悪化するに従い(特に加持綾波レイ(※二人目)の死亡以降)、EVA人類補完計画を巡る陰謀の真相に迫る役割を担ってゆく。それに合わせて、性格も次第にハードな一面が強調されるようになっていった。

旧劇場版『Air/まごころを、君に』にて、NERV本部を襲撃した戦略自衛隊からシンジを庇い被弾、最後の力を振り絞ってシンジをEVA初号機の元に送り届け、直後に戦自の区画爆破によって戦死漫画版では、所持していた手榴弾を用いて戦自隊員を道連れに自爆)。

今際の際には、シンジの母親にはなれなかった旨をつぶやいていた。



経歴編集

15年前、父「ヒデアキ」が隊長を務める葛城調査隊と南極まで同行した際にセカンドインパクトに遭遇。父の捨て身の救助によりただ一人奇跡的に生還するも、精神的外傷から失語症に陥り、以後数年間に渡り隔離施設下で育てられたという過去を持つ(なおその際重傷を負い、現在も胸の谷間から右脇腹にかけて大きな裂傷痕が残っている)。

研究者肌で家庭を顧みなかった父をミサトは長らく恨んでいたが、その父に身を呈して助けられたことから父親に対して愛憎入り混じった非常に複雑な感情を抱くようになり、以降彼女はその整理し切れぬ気持ちに悩まされ続ける事になる。

大学時代に付き合っていた恋人・加持とも「無意識の内に父に似た男を求めてしまった自分が怖くなった」という理由から一度別れてしまうなど、この一件はその後の彼女の人生に暗い影を落としている。また、シンジを同居人として引き取った理由についても、単なる同情心だけではなく、碇ゲンドウという父親との確執を抱える彼の姿がかつての自分と(無意識に)重なった事が大きく関係していると思われる。

セカンドインパクトの原因とされる使徒に対してはその後激しい復讐心を抱くようになり、作戦時においてもそれを露わにすることが少なくなかった。なお彼女が普段首から下げている十字架型のペンダントは、南極からの脱出直前に瀕死の父から託された形見の品である。


性格編集

職務中は軍人として厳格に振る舞っているが、プライベートでは一転、誰に対しても明るく社交的に接する、いわゆる“気さくなお姉さん”キャラを貫いている。そのため、組織内外を問わず彼女を慕う人間は多い。

だが、それはあくまで表面上の性格であり、本当は他者とあまり深く関わるのを避け、表層的で無難な付き合いに逃げ込もうとするタイプ。自身の心の奥底を曝け出す事を極端に恐れているフシがあり、それを侵害されるような事態に直面すると激しく動揺し、時には防衛本能から攻撃的な態度を見せることも。彼女のこうした本性を知るのは、親友のリツコや元恋人の加持など限られた人間のみだったが、やがてシンジに対しても仲が密になってゆくにつれ、その一端を垣間見せる機会が増えていった。

また上記のような苛酷な体験に見舞われた影響か、精神年齢についても実年齢よりかなり幼い部分が散見され、その立場にもかかわらず大人として余裕を持った態度でシンジに接する事は少ない。劇中では、反抗するシンジに対しても同じ目線からストレートに感情的な言葉・辛辣な台詞をぶつけ、かえって険悪な事態を招いてしまうような場面も多々見受けられた。


このように指揮官や保護者としての資質にはいささか疑問符の付く、アクの強い性格の持ち主ではあるのだが、その一方で心の底では他者の温もりに飢えている部分もあり、共に暮らすシンジ達には何だかんだで家族同然の愛情を抱いていたようである(特にシンジ個人に対しての思い入れは、かなり特別なものがあった模様。詳しくは後述)。彼等がEVAでの戦闘で危機に晒されると時に激しく取り乱し、生還の際には脇目も憚らず涙を流して抱きつくといった人間臭い一面も見受けられた。

また正義感も人一倍強く、事態収束のために身の安全を顧みず自ら危機へ飛び込んで行動することも多い。


主人公・シンジとの関係編集

図らずもこうした彼女の性格や経歴由来のトラウマシンジのそれと酷似しており、物語が進むにつれ、二人は互いにある種のシンパシーを抱くようになっていった感がある。年齢も立場も大きく異なるものの、いつしか“他人恐怖症”という互いの持つ独特の悩みや苦しみについてかなり深い部分まで妙に理解し合えてしまうような、不思議な関係を構築していた(逆に、互いの弱さ・狡さ・醜さまでもが良く理解できてしまうが故に、激しく衝突する事も多かった)。

こうした中、少なくともミサトの側は、最終的に単なる主従関係や疑似家族関係を超えた別の感情が芽生えていたらしく、それは彼女の最期のシーンにおけるやり取りからも垣間見る事が出来る(旧劇場版パンフレットや『エヴァンゲリオンクロニクル』の記述では、二人の関係を「母と子、姉と弟、上司と部下、恋人同士といった多面的な側面があり、一言では言い表せない複雑なもの」であるとしている)。


余談ではあるが、加持はこうしたこの二人の持つ奇妙な関係性をかなり早い時点から見抜いていたフシがあり、シンジとの会話の節々でそれとなくミサトとの関係について探りを入れたり、場合によっては彼に牽制(?)を掛けているような描写が見受けられる。

新劇場版二作目では、それが一層顕著に描かれている。


ファンの評価等編集

「14歳の少年主人公を指揮監督する29歳の女上司」という立ち位置でありながら、主役のシンジに勝るとも劣らぬほど繊細で複雑な背景と綿密な心理描写を与えられ、彼と並び「他者との触れ合いと内面葛藤」をテーマに据えた『新世紀エヴァンゲリオン』という作品を最も象徴する人物の一人として扱われているという、非常に特異なキャラクター。通常のアニメにおいて、こうしたポジションの人物は端役として描かれることが多く、その活躍や内面描写がここまで掘り下げて描かれるというのは他作品でもあまり類を見ない。劇中での出番も非常に多く、物語上でも重要な役処を担っているといえる。

実際、原作者の庵野秀明にとっても並ならぬ思いを込めて生み出したキャラであるらしく、企画開始当初には「彼ら(シンジとミサト)を主人公としました」と明言していた(コミックス第一巻巻末より。ただし、その方針が目論見通り最後まで貫かれたかどうかは不明)。


……が、如何せん年齢が年齢なためか、本作品の二大美少女ヒロインである綾波レイおよび惣流・アスカ・ラングレーと比べると、ファン人気には大分差をつけられているようであるそもそも版権元自身が、彼女をヒロイン格としてアピールする事にあまり熱心では無いようにも見える)。

また、彼女が二次創作物やスピンオフ作品において取り扱われる際は、あくまで“気さくなお姉さん”という表面上の性格のみが取り沙汰されて描かれる事が多く、過去のトラウマや他人恐怖症の本性、シンジとの共通性といった複雑な内面部分に焦点が当たる事は滅多にない(酷いケースになると胸の傷痕の存在まで忘れ去られる事も…)。野戦指揮官としての資質の面でも、劇中における機転や決断力等はあまり評価されず、逆に運頼みの無能さのみが強調して描かれるようなケースが多い。


ANIMA編集

本作における年齢:32歳

様々なイレギュラーが重なった結果、旧劇場版での最終決戦でNERVがゼーレに勝利した並行世界の3年後を描いた本作では、人類補完計画の再発動を阻止するために、マヤ達旧NERV本部職員と共にその武力を背景にして、世界各国と軋轢を重ねながらもNERV本部を各国支部から切り離し、独立した組織 「NERV JAPAN」として新たに立ち上げる。


最初は「NERV JAPAN」の司令代理だったが、後に司令に就任。戦略自衛隊での階級は将補。

後述する『スーパーロボット大戦』シリーズにおけるミサトと同様にちゃんと大人をやっているが、本作の敵がトンデモ過ぎるのであまり戦術面では役に立っていない。


進化した初号機に「スーパーエヴァンゲリオン」の名を与えた張本人。

また、そのスーパーエヴァンゲリオンがゲンドウやリツコによって改修されたエヴァに、「これ以上エヴァの建造を必要とすることの無い世界」を願い、「最終号機」の名を命名している。


新劇場版編集

新劇場版:序、新劇場版:破編集

』・『』でも基本的なキャラクター造形や立ち位置は変わらないが、階級が初めから二佐(『』にて一佐に昇進)になっていたり、性格が旧作(TV版および旧劇場版)の頃と比べてやや大人びて描かれていたりと、いくつかの変更が加えられている。


特に性格面の変更に伴う影響は大きく、劇中では「不貞腐れるシンジを前にしても感情的にならず、あくまで冷静に戦闘の必要性を説く」「シンジのゲンドウに対して抱いている本音を先読みし、母ユイの墓参りへ父と一緒に参加することを促す」等々、当時とは打って変わり大人の余裕を見せる言動が増えており、彼女に対する印象を当時とは大分異にさせている。


旧作のアスカとは後半ギクシャクした関係になっていたが、新劇場版のアスカとは友好的な関係を構築しており、彼女からも終始全幅の信頼を寄せられている。


シンジに対して自分の境遇や期待を重ね、上司としての必要以上に思い入れを抱いてしまう点は旧作と同様だったが、『破』終盤でレイを救うべく初号機擬似シン化第1覚醒形態へと覚醒させたシンジの姿を見て彼の心を理解、彼に「誰かの為じゃない、あなた自身の願いの為に」戦う事を望み、叫んだ。


だが、このシンジの行動は、やがて彼女が予想だにしなかった結果を引き起こす―――。


新劇場版:Q編集

かっこいいぞ!ミサトさん

Q』では『』終了時点より14年の歳月が経過しているため、彼女も43歳となっている。

NERV職員を中心に結成された反ネルフ組織「Will-Eヴィレ)」の幹部として空中戦艦AAAヴンダー」の艦長を務めており、階級は大佐


往年の明るさは微塵も感じさせない厳格冷徹な人物へと豹変してしまっており、14年ぶりに目を覚ましたシンジに対しては、状況も十分に説明しようとせず、「あなたは何もしないで」と突き放した挙句、彼の首に爆弾付きチョーカーをセットして監禁するなど一貫して冷酷な態度を取り続ける。しかし、アヤナミレイ(仮称)のヴンダー襲撃時に彼が付いていってしまった際、チョーカーの起爆リモコンに手をかけながら結局押せず仕舞いなど、内心情は残っているようにも見受けられる。


一方、無茶とも思える作戦を敢行する点は相変わらずで、試験飛行すら十分でないヴンダーをいきなり発進させて敵を倒す等していた(その際も、発進準備に携わるスタッフ達を犠牲にする事をも厭わず強引に推し進めており、同じく14年の歳月を共に経たアスカからは「目的優先、人命軽視は大佐のモットーだしね」と皮肉交じりに評されていた)。


前作までの彼女が何故このような変貌を遂げたのか、『破』~『Q』の空白の14年間に一体何が起こっていたのか、現段階では詳しくは語られていないが、破のラストにおいて、結果として世界を滅ぼすことになってしまったシンジの行動を後押ししてしまったことや、当時ネルフにおいてパイロットを指揮する立場にあったことに対する責任がその一因であると考えられる。


シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇編集

前作に引き続き、AAAヴンダーの艦長として登場。


以下、原作公開中の最新作の内容を含むため、ネタバレ注意






















前々作、『:破』終了後の時点で、加持リョウジとの間に子供を身篭っていたことが判明。出産後、母親として何もしてあげられないからと、一切子供には会わず、我が子の世界を守ることに心血を注ぐ。アスカシンジ第3村から回収した際には、ケンスケを通して息子とシンジが仲睦まじく写った様子の写真を受け取っている。

シンジに対しては、彼に重荷を背負わせてしまったことをかなり後悔しており、前作での対応もそのような感情から来たものであった。親友のリツコからも、本当は戻ってきてくれて嬉しかったのではと指摘されており、前作とは打って代わり、シンジを思いやる描写が格段に増えた。

最終決戦で、シンジエヴァ初号機に乗る覚悟をした際にはそれを了承。しかし、彼にエヴァに乗らせまいとしたサクラが放った銃弾から彼を庇い、腹部にその銃弾を受けてしまう。それでも「14年前シンジがエヴァに乗らなければ滅びていたのは自分たちの方だった事」「シンジが現在でも自分の保護管理下にある事」を根拠に「今のシンジ君に全てを託してみたい」とヴィレクルーを説得。これによってヴィレクルー達の誤解を解くことになったうえに残された可能性を賭けるため、自ら重傷を負いながらも、シンジを笑顔で送り出す。

AAAヴンダーはボロボロ、主機も補機も失ったまま、浮いているだけでもやっとの状態だったが、予備動力が尽きる前に更なる奇跡を起こすため、ヴィレクルーとともに最後の仕事に赴く。

その過程で、ゲンドウアディショナルインパクト発動のために槍を二本とも使い捨てる可能性を示唆したリツコの発言を受け、先のインパクト発動時にAAAヴンダーを含むNHGら四隻の船が黒き月を素材に見知らぬ槍を生成した光景をヒントに、AAAヴンダーでも同様のことができるのではと提案。

人の意志を宿らせたヴンダーで新たな槍を創り出し、シンジの元へ届ける』ことを決断するのだった。

リツコの言葉を借りると「無茶」な作戦だったが、彼女に全幅の信頼を寄せていたミサトは作業の責任者を任せ、リツコもまたミサトの想いに応えるため、他のヴィレクルーとともにAAAヴンダーの脊髄結合システムでの作業に取り掛かる。

作業は成功し、ミサトは確実にシンジの元へ槍を届けるために、他のヴィレクルーを全員退避させ、ただ一人AAAヴンダーに残る。長きに渡る親友のリツコに生き残った命、子供たちの未来を託し、本艦を離れていく脱出筒を艦橋で見送ったミサトは、傍らに二人の子供の写真を置いて結んでいた髪を解き、これまでの全ての呪縛や重荷を取り払ったかのような、かつての明朗な頃の彼女と変わらぬ表情を見せた。

「最後に頼るのは昔からの反動推進型エンジンね」

最後の出撃をするAAAヴンダー

そして…






















発動しかけたアディショナルインパクトを阻止するため、エヴァンゲリオンイマジナリーへ特攻を掛けるAAAヴンダー。艦を損傷しながらも、眼球に取り付いたミサトは新たに創り出された『ガイウスの槍=ヴィレの槍』をシンジの元へ送り出す。

激しく揺れ、火花が散る艦橋の中、シンジを必ず連れて帰ることをマリに託し、エヴァンゲリオンイマジナリーに飛び込むガイウスの槍8号機を見送った。

やがて、AAAヴンダーのエンジンが止まり、ミサトは穏やかながらも悔いを残した様な表情を浮かべ、赤ん坊の時の我が子の顔を思い出しながら呟いた。


「お母さん、これしかあなたに出来なかった。ごめんね、リョウジ……」


爆炎に包まれる艦橋。最期まで人の持つ奇跡の力を信じた彼女は、その名を冠する船と運命を共にし、その生涯を閉じた……。

その想いと新たに届けられた槍を受け取り、シンジは感謝の言葉を呟き、優しく握りしめるのだった。


その他編集

二次創作作品等における扱い編集

スーパーロボット大戦』シリーズにてエヴァが参戦した際は、シンジ達のみならず他作品のキャラ達をも含めた主人公部隊を直接指揮する現場指揮官役として描かれる事が多い。かなりの権限を持つ立場ながらも、その気さくな人柄と他作品とのクロスオーバーに伴って次々に発生する非常事態に対し、自軍部隊の人間の立場や感情を尊重しつつ柔軟に対処していこうとする姿勢から、若いパイロット達から“話の分かる良きお姉さん”として慕われる姿が見受けられる。そのため、後半(特に加持の死後)に見せたような負の部分はあまり見られない。

スーパーロボット大戦SC』では、オリジナル主人公が登場せず、実質ミサトが主人公とさえ言われている。

近年では傭兵の飲み仲間妹分の様な弟子が出来た。

また声優ネタから、アムロ・レイ地場衛と同一CV〉(機動戦士ガンダムシリーズ)やマリュー・ラミアス〈ミサトと同一CV〉(機動戦士ガンダムSEED)・ベガ〈ミサトと同一CV〉(GEAR戦士電童)・紫東遙水野亜美と同一CV〉(ラーゼフォン)と絡むことが多く、その仲も悪くない。一方で、ノーベルガンダム機動武闘伝Gガンダム)に執着する姿を見せるのも同様の声優ネタである。

だが、本質的には復讐鬼とも言うべきダークな側面もある人物でもあり、『第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-』では、ザフトによって殺されて、復讐のために同じコーディネイターキラを、(彼が自分に好意を寄せているのを良い事に)偽りの愛情と甘言で唆して、さらには自分の身体を使って篭絡し、復讐に利用するなどしたフレイを、自分の同類と認識し、彼女の悪女的な本質の部分をいち早く見抜くなどしている。

ちなみに、ミサトの方はシンジに拒絶されて失敗したが、第23話『涙』で綾波レイアルミサエルと共にEVA零号機を自爆させ、悲しみのあまり涙も出なくなったシンジを、自分も加持を喪って自暴自棄になっていたため、彼を(身体を使って)慰めようと思い、ミサトもシンジを誘惑するシーンがある。

ファン評価についての別記考察編集

同作品の登場人物の中でも、ミサトは特にファン毎の評価の落差が激しいことで知られる。

シンジおよび周囲への接し方を「不器用で時に迷惑ながらも真摯、一途」と好意的に捉える向きもある一方、その癖の強い性格故の言動やそこから生じる軋轢への対応を「無神経で身勝手・あるいは冷淡で卑劣」であるとし不快に感じるファンも少なくない。また軍人としての資質についても、「通常の軍事上の概念が通用しない使徒やEVAを前にして、その中で型破りながらも最大限堅実な指揮を行った」と評価する者もあれば「指揮は幼稚で無茶苦茶、勝利はあくまでシンジ達やEVAの能力・時の運任せ」「そうやって命を賭して闘ったチルドレン達のアフターケアも杜撰」と酷評する声もまた多い。

エヴァWeb小説界隈ではそうしたミサトの劇中における言動の数々を一方的に悪く解釈した上で、彼女を徹底して悪辣・無能な人物として描く「ミサトヘイト物」が一ジャンルを築いてしまっている程である。


元々視聴者の感情移入の難しいポジションであるのに加え、その良くも悪くも不器用で破天荒、そして複雑過ぎる性格が、見る者の捉え方を兎角まちまちにさせてしまっている一因なのかもしれない。


なお上述のような『Q』での豹変ぶりを受け、彼女を巡る評価は更に不安定さに拍車がかかってしまった(主に悪い方向に)。

尤も以下に掲げる通り、『Q』における彼女の言動に対するファンの批判には誤解や偏見も多い。確かに彼女はどちらかというと本作の嫌われポジションではあるものの、批判の際は注意が必要。

  • 「前作『破』での『行きなさいシンジくん!』発言によって、自身もシンジを焚き付けサードインパクト発動を後押ししていた」という説があるが、そもそもこの発言は当のシンジ本人の耳には全く聞こえていないので、これについては冤罪といえる(尤も、横で聞いていたリツコ達からは後で白い目で見られたかもしれないが…)。
  • 「シンジを一方的に突き放すだけでなく、適切な状況説明を行っていればその後の事件は未然に防げた」という説については、「サードインパクトによって多くを失ったWill-Eの隊員達の手前、甘い顔を見せるわけにはいかなかった」「そもそも説明する間もなくNERVに連れ去られてしまった」「仮に説明できたとしても、現実を受け止めきれないシンジの暴走を余計に助長し、逆にNERV側に付く可能性を高めていた」……etc.といった意見もあり、彼女の態度が問題であるかどうかについては視聴者によってかなり意見の分かれる所であると思われる(中には、むしろシンジが連れ去られた際に彼を殺せなかった事でWill-E側から弾劾されないことの方が納得いかない、という意見も)。
  • 「ミサトが起爆リモコンを押してカヲルを爆殺した」という説は、その後のリツコの「誰のおかげか分からないけど、フォースは止まった」という台詞から考えても不自然であり(リモコンでEVA13号機のパイロットを殺してフォースインパクト発動を止めたのが分かっているのなら、そもそもこんな台詞は出ない)、あれはあくまでカヲル自身の意思での起爆であったと考えられる。

中学生であるにもかかわらずエヴァに乗って使徒と戦い世界を守ってきたが、皮肉にも「綾波を救いたい」という純粋な想いが利用され、結果的に世界を滅ぼす手助けをしてしまったシンジ。

NERVの真の野望を知って反旗を翻し、サードインパクトの生き残りの人類を束ね、その滅亡を防ぐべく心を鬼にして戦い続けるミサト。

いずれの立場で『Q』を観るかによって、彼女への評価は真っ二つに割れてくるだろうと思われる。

『シン』ではまさにそれらの見方に対するアンサーとしてのミサトの在り方が描かれることになった。


紅白では編集

2021年12月31日『第72回NHK紅白歌合戦』で突如サキエルが襲来したことに伴い、

遅れたシンジに代わってゲンドウやレイ、アスカらと共に一方的に名台詞ラッシュで大泉洋にエヴァに乗ることを強要する。

その際、「エヴァに乗りなさい!!大泉!!」と発言した。

ミサトさんマジミサトさん


トリビア編集

キャラクターデザインについて編集

キャラクターデザインを担当した貞本義行によれば、ミサトの髪型はTVアニメ『美少女戦士セーラームーン』の主人公(月野うさぎ)の髪型を意識したもの。また監督の庵野秀明曰く、その性格については、彼が同作品の打ち上げ飲み会の席で見たうさぎ役の声優・三石琴乃の姿が一つのモチーフになっているらしい。

しかしその後、本当に中の人が一緒になったのはあくまで声優オーディションの結果であり、単なる偶然とか(もっとも、モデルとなった人物に役が付いてきたのだから必然とは言えるのかもしれないが……)。


声優のこぼれ話編集

「声優グランプリweb」にて掲載されたインタビュー記事『声優道』によれば、葛城ミサトは三石琴乃氏にとって、「思い入れの役」と語ると同時に、「初めて演じた自分の実年齢よりも年上のキャラクターだった」と語っている。(ミサトが29歳だったのに対し、『新世紀エヴァンゲリオン』がテレビで放送されていた1995年当時、三石氏は27~28歳だった)。


また、三石氏にとって声優としてブレイクするきっかけとなった出世作のテレビアニメ美少女戦士セーラームーン』の主人公月野うさぎのイメージを脱却できたきっかけとなったのが、ミサトを演じた事だったと語っている。


『セーラームーン』が社会化現象を起こし、視聴者からも国民的アニメと認知されるほどの記録的なスマッシュヒットを叩き出し、うさぎの声を担当した三石氏をはじめ、他のセーラー戦士を演じた水野亜美役の久川綾氏、火野レイ役の富沢美智恵氏、木野まこと役の篠原恵美氏、愛野美奈子役の深見梨加氏と共に売れっ子の超人気声優の仲間入りを果たしたが、それは決して良い事ばかりではなく、三石氏はその後はどこの仕事場へ行っても「『セーラームーン』のうさぎ役の三石琴乃」というイメージが付いて回ってしまい、『金髪バカお姫様』といった要素を含んだうさぎと似たような役柄の仕事しか貰えず、そのイメージを中々払拭できない辛い時期があったと語っている。(ちなみに、プライベートでは三石氏の親友で『セーラームーン』では、水野亜美/セーラーマーキュリーを演じた久川氏も、同じ時期に似たような苦境を味わっており、一時期は亜美のようなお行儀の良い知的なキャラクターしか演じさせてもらえず、ストレスが溜まっていたと供述している)。


そんな中、『セーラームーン』に原画として参加し、セーラーウラヌスセーラーネプチューン変身バンク演出した庵野秀明氏が、『新世紀エヴァンゲリオン』を監督する運びとなり、ミサトに抜擢された事で、ようやくうさぎ役のイメージを脱却する事に成功したという。


ミサトの「エバー」の発音は真相を尋ねた中村悠一氏曰く無意識のもの。放送後の収録では直そうとしたこともあったようだがディレクションでは今更訂正することも許されず、結局終始「エバー」で通すことになった。


ちなみに『新世紀エヴァンゲリオン』以降に収録した『機動新世紀ガンダムX』において三石氏が演じたトニヤ・マームティファのことをエバー同様終始「ティファー」と呼んでおり、居合わせた中井和哉氏(同作でウィッツ・スー役で共演)曰く「何か特別な指示を受けているのかと思った」とのこと。


そのためか、『新世紀エヴァンゲリオン』も参戦した2004年に発売されたPS2ゲームソフトスーパーロボット大戦MX』では、同じく三石氏が演じた『GEAR戦士電童』のベガが、まだNERV本部から戻っておらず、不在のミサトに代わって「EVA初号機、発進!」と、発進コールを声付きで行う(所謂、声優ネタ)場面があるが、ミサトとの演じ分けから、よく聞いてみると「エバー」と語尾を伸ばしていたミサトと違って、ベガは「エヴァ」とちゃんと言い切って喋っている。


なお、先述のTV版の加持リョウジとのオトナなシーンでの一部セリフ(?)の部分は収録の時は三石氏はすっごく恥ずかしかったらしい。


関連イラスト編集

ミサトさんミサト

愛と正義のミサトムーン💋

関連動画編集

関連タグ編集

新世紀エヴァンゲリオン

葛城 ミサト

碇シンジ 綾波レイ 惣流・アスカ・ラングレー 加持リョウジ

LMS(エヴァ) ミサシン 加持ミサ

EVA初号機 EVA弐号機 EVA零号機


葛城ミサト(シンカリオン)シンカリオン世界の葛城ミサト


お色気1998年に公開されたアニメ映画クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦』に登場するゲストキャラ。中の人繋がり。これは、アニメーション監督原恵一氏が、当時『エヴァ』にハマっていた事が原因であり、お色気もミサトのキャラ設定を意識したものとなっており、ミサトを演じた事で三石氏はお色気に抜擢されたとも言える。

ただ、ミサトとの相違点として、ミサトが疑似家族の母親役を務めた未婚女性だったのに対し、お色気は結婚歴があり(ただし、今は筋肉浮気が原因で離婚しており、バツイチである)、出産経験もある子持ちシングルマザーである点がある。また、『エヴァ』でミサトの恋人の加持を演じた山寺宏一氏も、ブタのヒヅメの幹部のバレルを演じているが、こちらはお色気とは敵対関係である。


眼鏡キャサリン…演者が同じで恋人がCV山寺宏一繋がり。


皇帝ペンギンのペンペン-彼女が飼っているペンギンと同名のペンギンが主人公。

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