概要
2002年1月から9月まで全26話が放送された。
2003年には『ラーゼフォン 多元変奏曲』として劇場映画化されている。
SF小説の大家、神林長平によって小説版『ラーゼフォン 時間調律師』が執筆された。こちらは原作とは接点のないオリジナルストーリーで、エジプト神話と並行世界、時間といった概念を扱う重厚なSFストーリーとなっている。
『新世紀エヴァンゲリオン』オマージュ系アニメ、所謂セカイ系作品のひとつ。作品世界を構成する重要な設定の多くが劇中では直接的には語られず謎めいた展開をみせるなどかなり意識をしているが、公式では元ネタは小松左京の作品としている。
また、放送前の『NewType』のインタビューにて今作および主役メカのラーゼフォンは頭部のデザインや武装などから「勇者ライディーン」のオマージュ(ゴッドブレイカー・ゴッドゴーガン・ゴッドボイス)であると監督の出渕裕から語られている。
ストーリー
2012年、突如として地球各地の上空に現れたそれは自らを「MU」(ムウ)と名乗り、姿を決して見せず、人類の呼び掛けに対して何も答えることなく沈黙をただ守り続けた。翌年、業を煮やした在日米軍がMUに対して攻撃を仕掛けたが、彼らの圧倒的な軍事力と反撃の前に世界各地の主要軍隊は壊滅状態に追い込まれた。
人類の命運も尽きたかと思われたその時、MUは日本の首都、東京に木星表面の模様によく似た半球状の隔絶した空間(TOKYO JUPITER ‹東京ジュピター›) を創造し、内部に立てこもり再び沈黙を守り続けた。
それから数年後、東京に暮らす神名綾人は、模試会場へ向かう途中で電車事故に遭う。助けを呼ぼうとした綾人はその途中で神秘的な少女・美嶋玲香と出会い、彼女に導かれるまま、東京の地下神殿にたどり着く。
その時、突如東京上空に現れた巨大な「何か」が放つ「歌」に共鳴した綾人は神殿内で倒れてしまう。混濁した意識の中、綾人が囁いた言葉、「ラーゼフォン」。その時、何者かが覚醒した……!
登場キャラクター
- 神名綾人(CV:下野紘)
- 美嶋玲香(CV:坂本真綾)
- 如月久遠(CV:桑島法子)
- 紫東遙(CV:久川綾)
- 紫東恵(CV:川澄綾子)
- キム・ホタル(CV:折笠富美子)
- 八雲総一(CV:宮田幸季)
- 五味勝(CV:田坂秀樹)
- 四方田洋平(CV:原沢勝広)
- 如月樹(CV:宮本充)
- 七森小夜子(CV:田中敦子)
- 功刀仁(CV:中田譲治)
- 六道翔吾(CV:大塚周夫)
- エルフィ・ハディヤット(CV:杉本ゆう)
- キャシー・マクマホン(CV:荒木香恵)
- ドニー・ウォン(CV:松本大)
- ジャン・パトリック・シャプラン(CV:ふみおき)
- 一色真(CV:関俊彦)
- 朝比奈浩子(CV:かかずゆみ)
- 鳥飼守(CV:野島裕史)
- 神名麻弥(CV:橋本一子)
- ヘレナ・バーベム(CV:兵藤まこ)
- 九鬼正義(CV:大塚芳忠)
- 三輪忍(CV:浅川悠)
- ブチ
- 亘理士郎(CV:内海賢二)
- 弐神譲二(CV:堀勝之祐)
- エルンスト・フォン・バーベム(CV:家弓家正)
主題歌
オープニングテーマ
「ヘミソフィア」
作詞 - 岩里祐穂 / 作曲・編曲 - 菅野よう子 / 歌 - 坂本真綾
エンディングテーマ
「夢の卵」「yume no tamago」(English Version)
作詞・作曲・編曲 - 橋本一子 / 歌 - 橋本一子・橋本まゆみ(現:橋本眞由己)
挿入歌
「カトゥンのさだめ」
作詞・作曲・編曲・歌 - 橋本一子
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1楽章 | 首都侵攻- OVER LORD - |
第2楽章 | 神人(しんじん)目覚める- AWAKENING - |
第3楽章 | 二人の街- Welcome to our town - |
第4楽章 | 自分の時計- Watch the year hand - |
第5楽章 | ニライカナイ- On Earth As It Is In Heaven - |
第6楽章 | 消滅都市- Lost Songs Forgotten Melodies - |
第7楽章 | 集まる日- Phantom In The Cloud - |
第8楽章 | 凍る聖夜- The Dreaming Stone - |
第9楽章 | 時の祠- SANCTUARY - |
特別編集版 | 翼の記憶- Memory - |
第10楽章 | 追憶のソナタ- War In The rememberance - |
第11楽章 | 虚邪回路- NightMare - |
第12楽章 | 黒い卵- Resonance - |
第13楽章 | 人間標本第1号- Sleeping Beauty - |
第14楽章 | 鏡の中の少年- Time After Time - |
第15楽章 | 子供たちの夜- Child Hood's End - |
第16楽章 | 他人の島- The Moon Princess - |
第17楽章 | 迷宮への帰還- Ground Zero - |
第18楽章 | 蒼き血の絆- The Memory Of A Lost City - |
第19楽章 | ブルーフレンド- Ticket to Nowhere - |
第20楽章 | 綾なす人の戦い- Interested Parties - |
第21楽章 | ゼフォンの刻印- Good Bye My Friend - |
第22楽章 | 木星消滅作戦- Down Fall - |
第23楽章 | ここより永遠(とわ)に- Where The Sweet Bird Song - |
第24楽章 | 調律への扉- Twin Music - |
第25楽章 | 神の不確かな音- Deus Ex Machina - |
最終楽章 | 遙か久遠の彼方- Time Enough For Love - |
余談
ラーゼフォンは関東ローカルでは当初平日夕方に放送されていたが、02年4月以後は深夜放送となり、折しもフジテレビのデジタル波関連工事の影響で、後半1クールにもかかわらず放送に半年掛かってしまった。なお、そのデジタル波関連工事の特別編成が後のフジテレビ深夜アニメが一時壊滅した遠因となってしまう。
また、東海テレビでは逆に深夜で始まり、平日夕方に移動した。
関西地区では関西テレビではなく、KBS京都・サンテレビ・びわ湖放送・テレビ和歌山が放送を請け負っている。
ついでに言えばテレビ西日本や北海道文化放送および石川テレビなどのごく一部のフジテレビ系列局でも放送されたが、北海道文化放送のみ深夜アニメとして放送されたのに対しそれ以外は平日夕方のプログラムとして放送された。
スーパーロボット大戦にも参戦している。しかしながら、いわゆるスパロボ補正と言われる救済補正はほとんどされておらず、特に「ブルーフレンド」やラストの主人公とヒロインの展開は原作のままであまり救いがない。ただし、参戦した作品には全てストーリー設定の根幹から関わっており、一見の価値ありな程の原作再現、クロスオーバーがされているのでそういう意味では原作ファンなら複雑ながらも嬉しくもある。
特にオマージュ元であるライディーンと互いにセカイ系であるエヴァンゲリオンとの絡みは非常に強く、MXでは、シナリオで「歌いなさいライディーン」とオマージュなセリフがボイス付きで収録されており、スーパーロボット大戦SC2ではライディーンとの二重奏を奏でるイベントが存在。
また、「調律」の力はラスボスによって崩壊してしまった次元世界を修復する為に使われる形となっている。
関連タグ
勇者ライディーン REIDEEN ロボット SF ブルーフレンド
メタリックルージュ:出渕氏+ボンズという組み合わせ、フジテレビ系放送で類似するオリジナルアニメ作品。