データ
概要
『ウルトラマンアーク』第14話『過去の瞬き』から登場する、氷のように凍て付いた美貌を持つ謎のヒューマノイド型宇宙人。
宇宙獣ザディーメを操って星元市を襲撃する他、精神波で他者を操ったり、心を覗く能力を持つ。またザディーメ同様に透明化(あるいは認識の阻害)も可能(人間には目視も気配の感知さえも不可能だが、ユピーは違和感を覚えてからセンサー類をチューニングしたのか、以降は彼女を感知できるようになった)。
その正体はウルトラマンアーク/ルティオンと同じ銀河系の出身であり、彼らの故郷にいる指導者の1人〈ゼ・ズー〉の腹心。
ルティオンと違い地球人と同様の姿をしているが、これはあくまで地球で活動するための仮初めの姿に過ぎず、ところどころ表情や所作などに人間離れした不気味さを垣間見せるのが特徴(本来の姿については後述)。
ゼ・ズー以外の指導者の命を受けたルティオンにより、地球に封印された〈ゼ・ズーゲート〉の解放が目的であり、同時にゲートを封印したルティオンを「裏切り者」と呼んで敵視し、ユウマからルティオンを引きずり出そうと付け狙っている。
人物像
自分達の母星(に加えて、同じく恒星ソニアの衛星たる星々も含む)が滅亡の危機に瀕している状況なのは理解できる一方、その代わりに地球が滅亡しかねない決定に対して、何の感情も抱いていない節がある。
それどころか地球人を見下しているのか何とも思っていないらしく、石堂シュウの記憶を読み取った際には冷酷な笑みを浮かべ、目当ての情報がないと分かるとぞんざいに扱うなど、自己中心的な態度やサディスティックな一面が垣間見える。
また、ゼ・ズーの計画のみを絶対視している立場からか、上記の通りゼ・ズー以外の指導者の指示を受けたルティオンを「裏切り者」と糾弾する姿は、ある種の思考停止に陥っている節もある(客観的には、他の指導者の意見を無視し独断専行したゼ・ズーの方が裏切り者に見える)。
その一方、根底には「川の流れを元に戻し、上流の岸を救う」のが自分の役割だと自覚しており、目的である『ゼ・ズーゲートの解放』は地球で超新星爆発を起こす=事実上の生け贄を命じられているにもかかわらず、故郷を守るためならば我が身の犠牲を厭わない狂気とも強固とも見える覚悟を秘め持っており、ザディーメを守るために自ら2度もアークの攻撃を防ぐ盾になる。
また、冷徹一辺倒なわけでもないようで、ユピーに地球人には見えないはずの自身の気配に気付かれた際には「何だこいつは!?」と激しく動揺する、意外な一面を見せてもいる。
星人態
正式名称は『暗黒宇宙戦士スイード』。
ウルトラマンに似たヒューマノイドタイプだが、目や胸は凹んでおり、まさにアーク/ルティオンのアンチテーゼとも評せる姿となっている。
星人態では、人間態の時以上の驚異的な格闘戦術でアークを圧倒、更に両肩の無数の突起から青白い光弾『スイード光弾』を発射し最後の最後までアークを翻弄した。
動向
第14話
冒頭でモノホーンに干渉して〈ゼ・ズーゲート〉の情報を読み取っていた。
それにより変調を見せたモノホーンの調査に向かうユウマと石堂の元へ、キューブ状のエネルギー体に包まれた状態で襲来する(その際、ユウマ達を逃がさぬよう地面を削りながら、環状に囲みつつ迫った)スイード。
その後、ユウマを言葉巧みに煽りルティオンとの信頼を揺らがせると、ルティオンから〈ゼ・ズーゲート〉の場所を読み取り出現させ、市街にザディーメを召喚しアークと戦闘を開始、上記の通り2人の信頼を揺るがせたのもあって終始優勢に立ち回り、アークを打ち倒し変身を解除させるのだった。
第15話
前話の倒れて入院したユウマの精神を強引に肉体から分離して連れ出すと、SKIP星元市分署に来訪。
そこでスイードはユウマに防衛隊の機密を聞かせるが、不意にユピーに感付かれてしまい思わず動揺する。
その後、一瞬の隙を突いたルティオンにユウマの精神を奪還されてしまうが、スイードは即座に居場所を掴むとルティオンの行為を「無駄な努力」と侮ってか、2人の遣り取りを見逃すように聞いていた(スイードがユウマに機密を聞かせたのは、それによりルティオンへの信頼感を失わせ、アークに変身できなくさせる算段だった)。
ルティオンのユウマの遣り取りが終えたタイミングで、予想通りユウマが変身不能だと確信したスイードは再びザディーメを召喚し〈ゼ・ズーゲート〉の解放を行うが、ユウマとルティオンが信頼を取り戻し変身した為、精神波でアークと再戦するも、ユピーに完全に自身を感知されてSKIPに横槍を入れられてしまい、アークが〈ゼ・ズーゲート〉に封じられた力を取り込み新たなる力〈ギャラクシーアーマー〉を得る等々のアクシデントも重なり、次第に劣勢に追いやられてしまう。
スイードはSKIPの横槍を避けつつザディーメを守るべく、2度目のバリアを展開したがアークの新たなる必殺光線『ギャラクサーファイナライズ』にそれを突破された末、ザディーメ共々敗北を喫した。
「ルティオーン!」
ただし、彼女の生死そのものは判明しておらず……
第24話
やはりとすべきか、スイードは悪運強く生存していたが、全くの無傷では済まなかったようで、片目に着けた眼帯から痛々しいケロイドが漏れ見えている姿と化していた。
トリゲロスの自爆で気を失ったユウマの無意識下に対し、虎の子のギルバグの能力で籠絡せんとしたが、因縁深いシュウの介入で失敗してしまう。
だが、既にウルトラマンアークが死に体になっていたのもあってか、スイードはギルバグと共にSKIPの面々の前に姿を見せ、そのままユウマに攻撃をしたがユピー(の電子脳をジャックしたビオルノ)の介入により、こちらも失敗してしまい撤退した。
その後、ゼ・ズーに中間報告を行うが失敗続きなのもあり、ゼ・ズーに「ことと次第では我らの銀河を守るためお前の『鍵』を開くことになるだろう」と(自身の命を引き換えとすると思われる、最終手段を示される形で)釘を刺されてしまい、スイードは焦燥感を覚えつつもユウマとルティオンの分断のためギルバグを再出現させた。
そして、再びウルトラマンアークが現れるもゼ・ズーによる汚染物質の介入による弱体化が深刻化しており、ギルバグの能力を受けて動けなくなったため、スイードは不敵な笑みを浮かべた……。
「よい夢を……」
第25話
「全く……お前達下等生物が羨ましい。その単純さ故、時に想像力が現実を形作ってしまう。さぁ、下等である幸福を受け入れるがいい……」
夢の中でユウマを戦意喪失させ、ゼ・ズーゲートの解放を目論むスイード。ユウマも折れかけ「さよなら アーク」と口にしかけるが、ユウマの意思の中にいたテツヤに引き止められて失敗。ギルバグもSKIPや防衛隊の協力により、アークに倒された。しかし……
「しぶとい奴だ……だが、いくら足掻いても、お前に勝ち目はない。オニキス無き今、私自らがゼ・ズーゲートとなる……!」
スイードはまだ諦めておらず、真の姿である星人態に戻ると、自らの手でアークを排除すべく最後の戦いを始める。
「見届けろ! お前が守ろうとした星が消える様を!」
アークを高い戦闘能力で圧倒し、モノホーンのある獅子尾山まで蹴り飛ばすと、胸部のゼ・ズーゲートを開放し、地球を消し去ろうとする。
しかし、アークはこのタイミングでアークトリッキーテクニックを発動。
大量のアークエクサスラッシュを放ち真っ向から突っ込んでくるアークに、スイードはエクサスラッシュの撃墜で対抗する。
しかしスイードは気付かなかった。エクサスラッシュと共に飛んできたモノホーンが隠されたアークギガバリアーキューブに。
モノホーンはスイードの胸部のゼ・ズーゲートに見事突き刺さり、アークはそれを手刀でスレスレに切断、取り出せない程精密な〈栓〉でゲートを閉ざされてしまう。
「貴ッ様ァァァァァ!!!!」
成す術がなくなったスイードに対し、アークは至近距離からアークファイナライズを撃ち込むもスイードは両腕で防ぎ、均衡状態になるが、アークは光線を打ったまま後方に吹き飛び、そのまま地球を一周し尚も耐えるスイードと背中合わせの状態になる。
するとアークは嘗てのディゲロス戦のように、アークファイナライズをムチのようにしならせて軌道を頭部に変更。光線を防ぐのに手一杯で背後のアークの挙動に気付かないスイードは、光線の軌道変更に対処できず頭部に直撃、貫通。
「勝敗は決した」と確信しその場を去るアークを目の当たりにしたスイードは、即座に追おうとするもダメージが限界に達し断末魔の悲鳴を上げながら遂に爆散。ゼ・ズーの野望はユウマ/アークの想像力の前に打ち砕かれるのだった。
余談
- 登場話数こそ少なかったが、『ウルトラマンオーブ』のジャグラスジャグラー以来、新世代ヒーローシリーズでほぼ恒例となっている、人間若しくはそれに近い姿をしたスーパーヴィランである。
- 演者の佐藤女史は、かつて庵野秀明氏が監督を務めた映画『キューティーハニー』で如月ハニー/キューティーハニーの主演で有名であり、本作で初のTV特撮作品出演となる。
- 佐藤女史は “「息子と一緒に『ウルトラマンZ』を見てウルトラシリーズのファンになった」” と語っている。
- 上記の不気味な所作や冷酷な態度については、佐藤女史の怪演によって非常にリアリティのあるものとなっている。
- そして『キューティー・ハニー』の監督を務めた庵野秀明氏もウルトラマンを演じ……じゃなくて、後にウルトラシリーズの映画である『シン・ウルトラマン』の制作に参画していたりする。
- 上記の通り生け贄にされたスイードだが、それを臆さずに受け入れている姿勢から、一部の視聴者から「ゼ・ズーに盲信的に傾倒しているからか?」や「母親の情愛による覚悟なのか?」と考えられている。
- しかし、再登場した第24話~第25話に渡って、万が一の時には彼女自らが犠牲となる形で作戦を完遂するよう命じられていた実態が明らかとなったため、ゼ・ズーから脅迫されていた(あるいは死刑相当の虜囚だった)可能性が浮上した。
- アーク/ルティオンと同じ星系出身なので「彼女にもウルトラマンに相当する巨大形態があるのではないか?」 と予想した視聴者も一部いたようだが、最終話で現実となった。
- ウルトラマンと同じ星出身の者が地球を破壊しかねない道具関係で敵対し、地球人とウルトラマンが協力して対処した事例は前にもあったが、あちらは地球人を評価し目的を諦めたが、スイードは諦めなかった。地球に歩み寄るか否かの末で真逆の結果になったのである。
関連タグ
- バズド星人アガムス:故郷を救うために地球の滅亡を厭わなかった宇宙人繋がり。スイードの場合は一応理に適った動機があったのに対し、こちらは完全に逆恨みで地球を滅ぼそうとした。ただし、こちらは最後の最後で改心した点は異なる。
- ドラキュラス、バット星人:ウルトラ戦士(それもアークに似ている)を「裏切り者」呼ばわりした侵略宇宙人。ただしコイツらはスイードや上記のアガムス以上に逆恨みに近く、同情する余地は皆無に等しい(バット星人に至っては「自分達に逆らった」だけで裏切り者と見なした)。
- ゼッガー、アレクシス・ケリヴ:近年の作品で最終章の前後編で、それぞれで登場した最後の怪獣とラスボス(因みにユピーの中の人が出演しており、ギルバグが倒された際に世界が元に戻ると、その作品を連想させる描写も見られる)。