※本項目は『ウルトラマンデッカー』本編に関する重大なネタバレが含まれています。
「花……木々……空……風……雲……太陽……
虹……海……浜辺……森……石……砂……大地……」
概要
プロフィール
年齢: | 31歳(表面上) |
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出身 | バズド星 |
所属: | TPU・技術部(GUTS-SELECT出向扱い)→離反 |
演: | 小柳友 |
TPU技術局に所属する科学者、アサカゲ・ユウイチロウの正体。
テラフェイザーが登場してから不穏な要素が目立ち始めたアサカゲ博士だったが、第14話「魔神誕生」にて驚愕の事実が判明。
その正体は、数百年後の未来から時空を越えてやってきた異星人種族バズド星人であった。
テラフェイザーを私の希望と語っていたのは、ウルトラマンデッカーを倒すための兵器という意味であり、このテラフェイザーと再生したスフィアザウルスが揃ったタイミングで遂に本性を表す。また、デッカー・アスミとの間に因縁があることも判明した。
未来人デッカーが現れた際のセリフから見た目以上の年齢であることが窺え、時空移動システムやゴモラ、エレキングといったモンスディメンションカードを開発するなど、高い技術力と明晰な頭脳を持つ。
また、一人称は変わらず「私」を用いているものの、激昂すると一人称が「俺」に変わる、敬語口調から一転して高圧的かつ砕けた喋り方をする、自身の大切な存在のことに触れられると激昂する、第15話ラストではその大切な存在のことを思い浮かべ絶叫するなど、アサカゲを演じていた頃と比較するとより直情的な一面も見せるようになった。
アガムスのいた未来では、故郷であるバズド星はスフィアのバリアに覆われるという危機的状況にあり、その原因が地球が宇宙進出したことによるものであるという理由から地球に復讐心を持つようになり、自ら開発した時空移動システムにて時間遡行できる限界であった『デッカー』本編の地球に侵入、自分の元いた未来の世界からスフィアを呼び寄せ、過去の時点で地球を滅ぼさせるべく暗躍を開始した。
すなわち、彼こそが本作の物語におけるスフィア襲来の黒幕だったのである(正確にはこの時代におけるスフィア襲来の原因)。
未来人デッカーによれば、他のバズド星人達はまだ勝利を諦めずに(恐らく地球人やウルトラマンとも協力しながら)戦っているとのことであるが、アガムスは「どうやって勝つのだ!?スフィアは宇宙の摂理…勝利することなどできない!」と故郷の同胞達の行動を真っ向から否定する発言までしている。つまるところ、故郷の復讐を謳いながら、その一方でもはやどう足掻いても故郷は助からないと諦めているということでもあり、彼の行いは皮肉にも必死の抵抗を続けている同胞達に対する裏切りも同然のものであった。
また仮に彼の企みが成就したとしても、アブソリューティアンの過去への介入と同じく、「バズド星が地球と遭遇しないもう1つの未来」が生まれるだけで、アガムスの元いた次元のバズド星が救われるわけではなく、彼の行為は純粋な復讐、もしくは完全な逆恨みに過ぎない。
そもそも、未来から来たスフィアは(地球人がいるとはいえ)火星など地球圏外にも侵攻しており、本編の次元のバズド星がスフィアに襲撃されない保証がない。さらに言えば、アガムスの攻撃している対象がきっかけを作った未来の地球人や、直接手を下して復讐鬼に駆り立てたスフィアそのものでもなく、過去の時代の地球人であるのは、もはや復讐というには筋違いであり、八つ当たりや憂さ晴らしに近いとも言える。
本人もこのことは承知しているらしく、未来人デッカーにこのことを指摘された際には、自嘲気味に笑いながら「ただの復讐だよ。私の過ちと共に地球を宇宙から消し去る。この命に代えても…」と述べるなど、復讐心に囚われているというよりは、全てに絶望した果てに自殺願望を含めた自暴自棄に陥っているかのようにも見える。
また、アガムス自身の言動や回想からして、彼がこれほどまでに暴走するに至ったのは、バズド星だけではなく“レリア”という人物が関係していることが示唆されており、未来人デッカーもその辺りの事情を細部まで把握した上で、敵対している立場でありながらも憐憫の情を寄せているのか、過去の地球をカナタに託す際には「アガムスを救ってやってくれ」と頼んでいる。
なお、カナタはアサカゲの正体とスフィアの目的に関する事実を(未来人デッカーの詳細は除いて)皆に洗いざらい報告しており、GUTS-SELECTだけでなくTPUもその情報を既に把握済みであるが、(またしても)まんまと敵性宇宙人の組織内への侵入を許した上に、重要な計画を乗っ取られてしまった失態を上層部は憂慮し、後にムラホシ・タイジや技術部・特務3課のホッタ・マサミチなど、アサカゲと何度も接触していた者達が内部調査局から共謀の嫌疑をかけられる事態となってしまった。
現状ではどのような経緯でアサカゲとしてTPUに入り込んだのかは不明だが、上述のようにスフィアを呼び寄せたのが彼であると明かされている以上、少なくとも『エピソードZ』から本編第1話の間である可能性が高い。
劇中での動向
第14話
復活したスフィアザウルスと交戦中のデッカーとテラフェイザーの現場に突然現れ、テラフェイザーに似たデバイス・フェイズライザーで強制停止させると、テラフェイザーのウルトラディメンションカードで自らをテラフェイザーと生体結合させ、デッカーに襲い掛かる。
エネルギー吸収を続けるスフィアザウルスをサポートすることでデッカーを苦しめ、TRメガバスターで変身解除に追い込む。
その後、テラフェイザーから降りてカナタに迫り、「君に宿る光が目障りなんだよ」と宣告し、フェイズライザーを撃とうとした瞬間、未来から追跡してきた謎の男に邪魔される。何やら彼と因縁があるようで、彼の発した“レリア”という人名を耳にするや、「貴様がァァァ!その名を呼ぶなァァァッ!!」と激しい怒りを剥き出しにして、再びテラフェイザーに乗り込む。そしてスフィアザウルスとともに男が変身したデッカーと交戦するが、必殺技の打ち合いの末生じた爆発に巻き込まれ、戦いは痛み分けに終わる。
第15話
「俺の故郷はバズド星!お前達地球人のせいで滅んだ星だ!」
「お前達が、宇宙に進出などしなければ…!!」
再びデッカーとカナタの前に現れ、デッカーとのやり取りの中で自身の正体と目的を明かす。
当然、今まで自分のことを慕い、信用していたカナタからは激しい怒りをぶつけられるが、「…純粋だな……君のその純粋さには…虫酸が走るッ!!」と吐き捨てると、カナタを銃撃。
それをデッカーが庇って負傷するのを見るや、再びテラフェイザーを呼び出して搭乗し、2人を追い詰める。
その後、カナタが変身したウルトラマンデッカーの再戦を受けるが、圧倒的な戦闘力でこれをねじ伏せ、TRメガバスターでトドメを刺そうとする。しかし、デッカーに活を入れられたカナタが奮起したことで耐え抜かれ、直後に新たな形態であるダイナミックタイプに変身したことで形勢が逆転。
TRメガバスターを含む攻撃を悉く裁かれ、最後は必殺技の打ち合いにも競り負け、テラフェイザーは大破・炎上。自身の最大の戦力を失ってしまう。
しかし、それでもなおしぶとく生き延びており(デッカーもアガムスが死んではいないことを察しており、カナタに忠告している)、どこかの森の中で、レリアのことを思い出しながら1人絶叫するのだった…。
第18話
「君は、実に危険で邪魔な存在だ。カナタ君」
ダメージが回復し切れていない状態で、逃亡を続けていたがTPU偵察部隊に発見され、拘束されそうになるも、同じくウルトラマンを憎む異次元の悪魔・ヤプールに助けられ、ウルトラマンデッカーを倒すべく取引を持掛けられる。
しばらくして、超獣アリブンタでカナタたちを誘い出し、カナタを異空間に拉致。自分にとっての予想外だったダイナミックタイプの獲得と、カナタ自身がここまで耐え切ったことから本格的にカナタを邪魔な存在と見なして抹殺しようとしたが、カナタの「(アガムスを)救いたい」という真っ直ぐ過ぎる発言が却って彼を逆撫でする結果となり逆上。怒りを顕にして揉み合いとなり、その勢いで異空間から2人とも飛び出し、その場から一時逃走する。
その後、アリブンタの出現と共に登場したデッカーを倒すべく、フェイズライザーでテラフェイザーを召喚して乗り込み、アリブンタと共にデッカーを追い詰める。しかしミラクルタイプの反撃で圧倒され、テラフェイザーから強制退出される。
その後、振り落とされた場所で動けなくなっていたと思われたが、実はそれはヤプールが化けた偽者であり、アリブンタ死亡後にデッカーの隙を突いて異次元に飛ばしてしまう。
本物は別の場所でその光景を見ながら、デッカーのいない地球を本格的に滅ぼすことを明言し、その場から去るのだった…。
「君がいなくなった地球は…簡単に滅ぼせそうだよ」
今回の作戦は、カナタのことをよく知るアガムスがヤプールに提案したものと思われ、人間やウルトラマンの心を利用するヤプールとは相性が良過ぎたとも言える。
しかし、続く第19話ではヤプールが倒され、自身も目立った行動を起こす前にデッカーが地球に戻ってきてしまったため、結局地球を滅ぼすには至らなかった。
そもそも第19話ではデッカー不在にもかかわらず地球で特に何かした様子すらなく(しかも回想以外で画面にすら映っていない)、何らかの理由で(デッカー不在の間に)行動できなかったか、あるいは敢えて何もしなかったのか、はたまた画面に映っていないところで何か暗躍していたのかは現状不明。
第21話
スフィアの死骸から莫大なエネルギーを生み出すSプラズマ増殖炉のある施設に潜入。スフィアの危険性を鑑みずにSプラズマの研究を中止しないヒヤマ会長に憤るカナタを余所に、何か思うところのあるような表情を浮かべる。
その後、増殖炉から蘇生・誕生したスフィアジオモスと、それによって呼び出されたスフィアザウルスとの戦闘で、地上からGUTSファルコンとナースデッセイ号を銃で援護していたカナタが弾切れのため装填し直すために一度隠れた際に、「弾切れか?」と予備の弾が入ったマガジンを手渡す形で接触。
アガムスにとってもスフィアジオモスの出現は予想外だったようであるが、「何も理解しないままスフィアを利用しようなどとしたから、この事態は起きた…違うか?」「破滅を呼ぶ力を欲望のままに利用する。お前(カナタ)達地球人が綿々と繰り返してきた愚行だ」と痛烈に罵り、カナタに「スフィアを使うのは危険だっていうのは、俺達だって…!」と反論されても「お前達もそのスフィアの力(Sプラズマ)を利用してアレ(スフィアジオモス)を倒そうとしているんだろう?」と皮肉を浴びせた。
そしてカナタに、「繁栄の先で何が起こるか想像もできない…そんな愚かな生命体が宇宙に進出などするから、バズドは滅びの道を辿ったのだ」「未来のバズドにスフィアを連れてきたのは…お前達、地球人だ!」という激しい憎悪と共に、地球人の身勝手が未来のバズド星人を滅ぼすという衝撃の事実を明かした。
さらに、倒されてもなお再びスフィアザウルスを呼び出そうとするスフィアジオモスを倒すためにカナタがデッカーに変身しようとする際も、「お前がどれだけ頑張ろうとも、未来で待ってるのは『地球人が宇宙に厄災をもたらす』という現実だ。それを知った上でも戦うというのか?」と嘲笑い、その影響で生まれた心の迷いによりフラッシャーが起動しないカナタに対し、「お前自身が未来に絶望した証拠だ」と蔑んだ。
するとその直後、スフィアジオモスが開けた時空の穴から、未来で戦うもう一人のウルトラマン、ウルトラマンダイナが現れると忌々しそうに顔を歪め、テラフェイザーを召喚して参戦。
「邪魔はさせんぞ、ダイナァッ!!」
ダイナを後ろから攻撃し、スフィアジオモスと共闘して2対1で追い詰めるが、ストロングタイプにタイプチェンジしたダイナの反撃を食らう(ちなみに、ダイナ・ストロングタイプはかつてテラフェイザーの原典であるデスフェイサーを破った形態であり、因縁の対決となった)。
それでもダイナの首を掴んで優位に立つが、GUTS-SELECT隊員達に右足の膝関節を銃撃された隙に拘束を外されてしまう。その後、迷いを振り切ったカナタの変身したデッカーが足元から登場し、後ろに倒れてしまう。
向かってくるダイナとダイナミックタイプにタイプチェンジしたデッカーに対して、スフィアジオモスとと共に光線を繰り出すが、怯まず向かってきた2人の強烈なパンチを受け、スフィアジオモス共々後ろに倒れる。さらにスフィアジオモスと交戦するデッカーにTRメガバスターを放とうとするも、野球のモーションで放たれたダイナのウルトラフォークの光弾が主砲を直撃し、発射をキャンセルされてしまう。
それでもなお戦闘を続けようとするが、対デッカー用に強化するためテラフェイザー内部に組み込んでいたスフィアのエネルギーがコクピット内に逆流されてしまい、苦痛の中やむなくテラフェイザー共々紫色の亜空間の中に撤退した(スフィアを利用し破滅を辿る地球人を皮肉っていたアガムス自身も、同様にスフィアを利用したことで苦しむことになる"皮肉"な結果となった)。
今回は、以前まで「君」と呼んでいたカナタをはっきり「お前」呼ばわりするなど、以前にも増して激情を顕にしていた。
第22話
逃亡中にGUTS-SELECTとコンタクトを取り、ムラホシ隊長と接触。
ムラホシに呼び出した真意について問われ、目的である「新生GUTS-SELECTの排除及び地球人類の滅亡」を語ると共に、未来での顛末や“地球人の罪”について語り始めた。
…彼の故郷であるバズド星は優れた科学力を持つ星であり、栄華を極めていた。そこに、ウルトラマン達と共にスフィアと闘っていた未来の地球人の船が墜落し、宇宙で襲撃を受けたスフィアの脅威からの救出及び協力を頼まれた。バズド星は「自分達の科学力が地球人を救うためになるのなら」と快く地球人への援助を了承、彼らもスフィアとの戦いに身を投じることとなる。
しかし、その選択が裏目に出てしまい、スフィアはバズド星へと標的を変更し襲撃。その最中で、アガムスは妻であるレリアを喪ってしまった。
その結果、アガムスは「愛する妻を失う原因を作ってしまった地球人の罪」、そして「自分達の故郷の科学力を過信し過ぎた自分自身への罪」を清算するために過去の地球へ来訪。現生地球人の滅亡によるこの次元のバズド星の存続に、一縷の望みを賭けることとなった…。
全てを語り終えた後…かつてシゲナガ・マキが所持し、カイザキ・サワ副隊長によって破壊されたはずのペンダント型のコントロール装置を使って有翼怪獣チャンドラーを呼び寄せ、新生GUTS-SELECTの抹殺を企てたが、カイザキ副隊長が装備していた新兵器とGUTSグリフォンに手も足も出ずにチャンドラーは撃破。自身も前回逆流したエネルギーによって、スフィアを取り込んでいたことで同化が進行し苦しみ始めたため、不利だと悟ったアガムスはアジトの崩壊に紛れる形で撤退した。
その後、スフィア侵食による苦痛に追い詰められる中、直接GUTS-SELECTに手を下すため(そして自分自身が"マザー"なる存在を呼び寄せるため)にテラフェイザーに搭乗してマサトシティ市街地に出現。
今度はスフィアソルジャーをテラフェイザーに大量に取り込んだ上で強化し、自身もスフィア侵食が進行して心身共に苦しみ段々と記憶が失われかけていくが、レリアへの想いを胸に持ち堪えデッカーと交戦した。カナタから必死に説得されるもなお自身の主張を曲げずに互角の闘いを繰り広げ、一気に決着を着けるべくTRメガバスターを最大出力で発射。デッカーストロングダイナミックと相殺する形で強大なエネルギー同士の衝突による街を巻き込む程の大爆発を引き起こし、大規模な地盤沈下を起こしてしまう。そして、燃え盛る瓦礫まみれのクレーターのような地下空洞を生じさせるという、さながら地獄絵図のような光景と事態になった。
それでもなお攻撃の手を緩めず自らの主張を曲げずに闘い続け、そしてデッカーを持ち上げたままTR粒子による飛行で岩壁に擦り付けながら上空まで飛行した末、エネルギー切れにより力尽きてデッカー共々落下し、相打ちとなった(デッカーは高度からの墜落による衝撃を和らげるために、頭を少し浮かせていたが、テラフェイザーはずんぐりとした造型の関係上頭を浮かせることができないため、中にいるアガムスは高度からの墜落による衝撃をダイレクトに受けてしまっている)。
その後、気を失ったカナタの近くで起き上がったところをリュウモン隊員に見つかり、彼に銃口を突き付けられるが…
「…何ですかあなた?」
リュウモン「どういうつもりだ…!掌を見せて、両膝を付け!!」
「あっ、ちょちょちょっちょっと待って!?え…ここは、どこなんですか?バズド星ではないんですか!?」
アガムスはリュウモンの顔を知らないどころか、今の事態を全く把握できず、ただ困惑していた。
彼は、スフィアによる同化の代償と落下時の衝撃により、自分がこの地球に来た目的、そして復讐心もろとも記憶喪失に陥ってしまったのだ…。
第21話で危険性を理解しないでスフィアを利用しようとした地球人を批判していたアガムスだが、この回で明確化されたように、結局のところ彼自身も自分の欲望(復讐)のままにスフィアを利用していたという、自分のことを棚に上げた発言であった(彼の言い分を含めれば地球を滅ぼすために地球人と同じ愚行を犯すようなものである)。
また、第21話でテラフェイザーからスフィア反応が出ていたのもアガムスがスフィアの力でテラフェイザーを強化していたことが明らかになり(この話の際に最初の稼働試験でスフィアを恐れ警戒していたであろう怪獣に襲撃されたのも言及されている)、地球人を殲滅するために毒を以て毒を制すどころか毒に侵される哀れな結末となり、ムラホシを呼び出して話をした時点で顔のあちこちにスフィアに同化された痕が出ている。記事冒頭の台詞を度々呟いていたのも、自我を奪っていくスフィアの侵食に抵抗する(あるいは自我を保てているか確かめる)ためのものだったようだ。
第22話の夢の中の回想シーンでは、アガムスとレリアの生活の一部が映し出され、2人で飼っている愛犬・ファスティと一緒に戯れているレリアをアガムスがカメラで撮影するという、元々はごく普通の幸せな夫婦だったことが分かる。
また、以前アサカゲ博士としてアガムスがカナタに投げかけた「当てのない善意というものは、時に人を傷付けることもある」という言葉は、かつてアガムスが「地球人を手助けする」という善意のつもりで取った行動が引き起こしてしまった結果から来るものだったことが判明した。同時に、この言葉はカナタへの忠告のみならず、過ちを犯したアガムス自身を自虐する言葉だったという解釈もできる。
アガムスは、上記にあるように妻を亡くす一因を作った地球人を倒すためにスフィアをカナタ達の時代に連れてきたと語っているが、実際のところカナタ達の時代では地球だけではなく先代GUTS-SELECTがいる火星もスフィアの襲撃に遭っているため、仮に地球人を受け入れなくともバズド星はスフィアのターゲットにされていた可能性は高いと思われる。
そして、本作の世界には出入り口こそ消失したが、未だにエタニティコアが地球内部に存在している。ケンゴの記憶と接触したスフィアはその事実を把握しているようだが、劇中の台詞を総括するとアガムスの方は肝心な(宇宙を消滅させる程のエネルギーなど)情報を一切知らずにスフィアを地球へ導いてしまった可能性が高い。
ちなみに、今回アガムスのアジトでの生活の一部が写し出され、アガムスが横になっていたソファーの近くにあるテーブルには飯盒飯や小さいコンロと鍋が置かれており、それなりの生活用品は賄えていることが判明した。
第23話
前回の一件の後、自分自身のことはきちんと認識しているが地球に来た目的などは忘れて記憶が混乱しており、徒に刺激を与えると症状が悪化する危険性から要注意人物としてTPUに拘束される。記憶喪失状態で誰にも心を開かないでいたが、カナタの要望(とリュウモンの助言)により、彼との面会が実現。
カナタと面会した際には、地球人への憎悪や復讐心はレリアの死の記憶と共に完全に失っており、バズド星におけるスフィアとの戦い、その性質について真摯に語ったり、「地球への来訪」がレリアの夢であったことを語ると共に自身も地球や地球人の素晴らしさを絶賛したり、カナタが自分を救おうとしていると悟って心を通わせたりと、まるでアサカゲになりすましていた時の如く、憑き物の取れたように本来のものであろう穏やかな様子を見せていた。
…だが、面会直後にスフィアソルジャーが襲来し、窓から見えたスフィアの大群を見て記憶が戻ってしまい、警備員を振り切って外に逃亡。スフィアによって破壊される街を見て、カナタの言葉を思い出してかやけっぱちの高笑いを上げた。
「"守る"…守るか……何が守るだ…!?そんなこと…誰にもできはしない!……私は…守れなかった…そうだ……」
「"守る力がある"などと、愚かな妄想を抱かなければ…!」
最愛の人を守り切れなかった悲劇から来る、"守る"ことへの失望……それこそが彼の復讐心の根幹であった。
そのまま呼び出したフェイズライザーで拘束を解いた後、テラフェイザーを召喚して乗り込むと大量のスフィアソルジャーを吸収。さらに"マザー"召喚の最終段階としてスフィアを合体させて「スフィアオベリスク」を生成、地球のエネルギーを吸い取り始めた。
しかし、立て続けにスフィアを大量に取り込んで無事で済むはずもなく、より一層スフィアの侵食が進行しレリアに纏わる記憶も徐々に消え始める。
そして、再生された3体のスフィア合成獣をデッカーが倒した直後に放ったTRメガバスターの一撃でデッカーを変身解除させたが、この時には目がスフィア合成獣の如く青白くなっているなど、既にスフィアに意識を完全に取り込まれてしまっていた…。
そして時を同じくして、宇宙空間で異変を察知したウルトラマントリガーの前に、彼によって呼び寄せられたスフィアのマザーたる怪獣がその姿を顕にしていたのだった…。
第24話
スフィアに意識をほとんど乗っ取られ、もはやスフィアオベリスクの番人と化していたアガムス。GUTS-SELECTの奮戦によりオベリスクを2本破壊されるも、すぐさまテラフェイザーでナースデッセイ号に大ダメージを与えて反撃。
その直後カナタがデッカーに変身し、ダイナミックタイプとの戦闘になる中…
カナタ「お前本当にそれでいいのか!?大切な人を守れなかった自分が、許せないだけじゃないのかよ!!」
カナタ「いろんな星の人達と、友達になりたいんじゃなかったのかよ!!」
という、カナタの声で自我が戻り始めたのか、表情を歪めて動揺し始める。
カナタ「宇宙中の沢山の仲間と、幸せな未来を作る……それが、レリアさんの願いじゃなかったのかよぉぉぉッ!!」
そして互いの想いをぶつけ合うかのようにTRメガバスターとダイミュード光線の撃ち合いになった時、遂にスフィアの支配を抜け出し、レリアの幻影を見た。
涙を流して見つめる視線の先…レリアがいつも言っていた言葉。
それは、愛するレリアが初めて覚えた、地球の言語だったのだ。
レリア『花……木々……空……風……雲……太陽……虹……海……浜辺……森……石……砂……大地……』
「だいぶ覚えたね…地球の言葉…」
レリア『いつか、きっと……!』
直後、ダイミュード光線が押し勝ち、テラフェイザーは倒された。
そしてスフィアの侵食により、立っているのがやっとな状態にもかかわらず、スフィアオベリスクに接近するデッカー。
そしてその背後で再び立ち上がり、TRメガバスターの構えに入るテラフェイザー。
身構えるデッカーだが…その光は彼の横をすり抜け、スフィアオベリスクに命中した。
我に返ったアガムスの標的は既にデッカーではなく、カナタ達の本来の目標であったスフィアオベリスクだったのである。
スフィアオベリスクαを完全に破壊し、倒れそうになるデッカーを支えるテラフェイザー。
ボロボロのカナタを支えるアガムスは、涙いっぱいの視線と笑顔を向けて、「ありがとう」と言葉を発する。
そしてカナタもまた、そんなアガムスの姿を嬉しそうに見つめる。
これまで何度も激しくぶつかり合い、互いに命を削る熾烈な戦いを繰り広げてきた、カナタとアガムス。
しかし最後はカナタの真っ直ぐな想いが実を結び、復讐に囚われ続けていたアガムスの心を遂に救い出したのであった。
……が、そんな2人の目の前に、大気圏外でマザーと戦っていたウルトラマントリガーが、カラータイマーを点滅させた状態で墜落してきた。
そして立て続けに、緑色の輝きを纏ったスフィアのマザー=マザースフィアザウルスが降臨したことで事態は一変。
アガムスは「マザーが星に降り立つなどあり得ない」と驚愕、先程の戦いのダメージが残っているカナタを援護するため、テラフェイザーで攻撃を仕掛けるも、マザーには全く通用せず、逆に(おそらく吸収していたスフィアの)エネルギーを吸い尽くされ、弾き飛ばされてしまう。
その後、マザーがトリガーを完封し胸部から破壊光線を発射して撃破、デッカーにも光線を放ち、ギリギリ耐えたデッカーは三度目に放たれる一撃に襲われそうになる。
…だが次の瞬間、アガムスは自身を救ってくれたカナタを庇うかのように、テラフェイザーでデッカーを弾き飛ばし、彼の代わりに光線を食らった。
マザーの攻撃を受け止め、火花が散る操縦室の中…今際の際のアガムスは、かつてレリアの語った夢を思い出す。
レリア『いつか、きっと…宇宙中の、たくさんの、たくさんのお友達と、幸せな未来を…!』
「作れるさ、きっと……!!」
自らを復讐心から解放してくれたカナタを見て確信したその言葉を最期に、アガムスはテラフェイザー諸共光線に貫かれ、爆発四散した。
カナタ「アガムスぅぅぅぅぅッ!!!」
自らが今まで犯した罪に対するせめてもの償い、罪滅ぼしのつもりだったのか…あるいは分かり合えた恩人をただ救いたかったからなのか…。
一つ確かだと言えるのは、アガムスの善意による捨て身の行動によって、この時代の友―――デッカー=カナタは守られた という事実であった。
第25話
最終決戦の末、マザースフィアザウルスを撃破しスフィアを全滅させ宇宙を救ったカナタの前に、レリアと共に幻となって現れ笑顔を浮かべていた。また、現代でスフィアを倒した事から恐らくスフィアがバズド星を襲撃すると言う未来も変わる可能性があり、アガムスとレリアは夢を叶え幸せな未来を得られるだろう。
そして、歪んだ想いから解放されたテラフェイザーは、これからも平和の守り手として戦っていく事になる。
総括:たった一人の孤独なテロリスト
雑誌『フィギュア王』に掲載されていた特集によると、アガムスの計画は元々、スフィアが地球を襲来したその日に終わるはずだったらしい。しかし、よりによってその日に未来からDフラッシャーが齎され、それを手にしたのが未来のデッカーの先祖であるカナタだったのは、アガムスにとっては皮肉かつ最も想定外の事態だった。故に、彼は計画を大幅に修正せざるを得なかった。テラフェイザーの建造も、元々は計画には無かったらしい。論理的に見えて、支離滅裂で破綻した思考で動いていたアガムス。それは愛する妻を喪った事で生じてしまった『愛情の暴走』だった。そして12話のスフィアネオメガス戦後に回収したハネジローの戦闘データの解析をしてる最中に開いたシークレットファイルにあるカナタとハネジローの極秘通信を見てしまい、計画を実行に移した。自分がいた未来は変わらずとも、愛する妻が生きている世界を創りたいという願い。その為には地球が邪魔だった。本当の元凶はスフィアだと分かっていても、情動は止められなかった。元々はとても理知的で、とても優しく愛情深い人だったアガムス。だからこそ、その思いが反転して『地球を巻き込んだ壮大な自殺』に繋がってしまった。やってしまった事は許されないが、とても哀れで悲しいヴィランであった事は間違いないだろう。だからこそ、変わった未来で愛する妻・レリアと共に幸せになってもらいたいと願わずにはいられない。
余談
科学者で防衛組織側に属しながらも裏切り、逆恨みによる暴走などから、『デッカー』のモチーフ作品である『ウルトラマンダイナ』に登場するヤマザキ・ヒロユキを意識したキャラクターと思われる。
彼が裏切る前にも、既に暴走する恩師と部下の関係性ではカイザキとシゲナガでオマージュがなされていたが、こちらは大事な人物を喪ったことによる逆恨みによる悪行という部分が強調されており、その他にもかつて怪獣を操った博士の技術を使う、異質な存在を体に取り込むなど、ヤマザキのオマージュ要素が見られる。
演者の小柳氏は、過去に『ウルトラマンゼロTHE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』にてウルトラマンゼロの変身者ランを演じており、過去にウルトラマンの変身者/主人公を演じた俳優が(その偽者ではない)ヴィランとしてレギュラー出演するという非常に珍しいケースとなっている。また、ランも強大な侵略者によって故郷の星を襲われていたが、戦うことを諦めたアガムスに対し、最後まで屈せず戦うことを諦めてはいなかったという違いがあり、ある意味ではアガムスはランのIFとも呼べる人物なのかもしれない。
ちなみに、『ベリアル銀河帝国』で小柳氏が演じたランの弟のナオを演じた濱田龍臣氏は、後にウルトラマンジードこと朝倉リクを演じており、サブキャラクター→主役ウルトラマンを演じるという、小柳氏とは逆転現象が起こっている(ただしあちらはどちらも善玉)。
この他にも、ナオもテラフェイザー同様にオート操縦も可能な巨大ロボットを操縦している、テラフェイザーの操縦方法がナオが操縦したロボットの弟機(の並行同位体)と同じく銃型デバイスによる操縦である、テラフェイザーの元ネタのスーツを改造したロボットとゼロが交戦しているなど、ゼロ関連ではいろんなところで奇妙な繋がりがある。
ゼロとも関わりの深い『ウルトラマンジード』の作中作「コズモクロニクル」には、主人公として勇者アガムが登場するが、名前の元ネタかは不明。
なお、このコズモクロニクルの内容の一部は上記の『ベリアル銀河帝国』での展開が元となっており、アガムはゼロの宿敵ウルトラマンベリアルのことを指している。一方、小柳氏が人間体を演じたゼロは、コズモクロニクルでは悪役の「輝きの騎士ゾーラ」として登場する。
また、第15話について小柳氏は「やっと裏切れた」と語り、反応を見ても「役者冥利に尽きる」と語っている。
『デッカー』第19話の見逃し配信後に、YouTubeウルトラマン公式チャンネルにてレギュラーキャストと武居正能監督を交えた事前収録のオンライン座談会では、アガムスが口癖のように言っている「花……木……空……風……雲……太陽……虹……海……浜辺……森……石……砂……大地」という台詞の雲を武居監督から順にレギュラーキャストがそれぞれ言ってテラフェイザーに乗り込み、生体結合するシーンの再現をしていた(なお、小柳氏は「大地」のところだけ「大地伸永!」と共演者であるリュウモン役の大地氏の名前を言っていた)。
さらには同座談会のミニゲームコーナーにて、第15話のデッカーシールドカリバーの再現をデッカーとカナタ役の松本大輝氏が採点をするというコーナーでは、他の人が2点とか3点だったのに対し、小柳氏がウルトラマンに変身していたからなのか「ゼロ」と点数を付けると、小柳氏が「超決戦!ベリアル銀河帝国」とタイトルを噛まずに言うと、聞き慣れた掛け声が出るという中の人ネタを見せた。
この時の小柳氏に関して、カナタ役の松本氏もTwitterで言及している。
上記の小柳氏が監督とキャストにどんどん振っていったアガムスの口癖は、小柳氏が0点を宣言され「後ろの方でずっと練習してたよ!」「0です」「0じゃない!」「0です!」×2「0!」「アッタマきたぁぁぁッ!!」と言い争った後にシールドカリバーを見つめて「未来の力にはない、デッカーのこの力」とフェイスライザーを取り出し、カナタ役の松本氏に向けるという茶番劇を行った流れで行われた。
また、DXテラフェイザーのアームを使って怪獣ソフビ人形をタイムアタックで別の箱に移し替え、最高タイムを出した人にはソフビが貰えるというゲームでは、スフィアソルジャー(しかも2個)を掴むのに相当手間取り、「スフィアァァァ!お前さえいなければァァァッ!!」とスフィアへの恨み節をぶつけたり、「誰か俺を救ってくれ!」と発言したりしており、コメント欄では「本当はこういう気持ちでアガムス動いてるんじゃない?」などと言われている。
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- モネラ星人:テラフェイザーの元ネタを利用して地球侵略と人類抹殺を企んだ宇宙人であり、防衛組織を利用してロボット兵器を開発したアガムスは、ある意味彼らの立ち位置を担っている。正体が明らかになる以前は劇中での不審な言動から、アサカゲの正体は実はコイツである、もしくはモネラ星人に利用されていたキサラギ・ルイ同様、洗脳されているという可能性も考えられていた。なお、「特別総集編2 テラフェイザーの脅威」において元ネタとなったロボットの話をしていたマルゥルやホッタはテラフェイザーとの類似点から、アガムスとモネラ星人との関係性(「偶然の一致かどこかで情報を仕入れていたか?」)を憶測していた。もっとも、彼らが知らないだけで類似点のある事件はテラフェイザーの件以外にも多く発生しているのだが…。
- ナルチス星人:『デッカー』のモチーフ作品である『ダイナ』に登場する宇宙人。こちらは戦闘能力を持たず、軍備を保有している地球人が宇宙に進出していることを恐れ、正当防衛と称して地球人を利用して生み出した怪獣を使って地球を襲撃したという、アガムス同様に身勝手な理由で地球を滅ぼそうとした宇宙人。
- ゴンドウ・キハチ:『デッカー』のモチーフ作品である『ダイナ』に登場する防衛組織幹部で、テラフェイザーの元ネタのさらに元となった兵器の開発にも携わっている。こちらはれっきとした地球人だが、彼も劇中では問題点の多い人物でありつつも、最終的に自らの命を糧にした行動がウルトラマンの助けとなったという最期は、ある意味アガムスの末路のオマージュ元とも言える。
- 石堀光彦:防衛チームの一員(それもそれまで劇中ではあまり目立たない存在)でありながら、その正体は物語における元凶的存在として巧みに糸を引いて暗躍していた、地球人と非なる存在。こちらの演者である加藤厚成氏は下記の蛭川役を経て、善人(光堕ちキャラ)のペダン星人ダイル役に回帰している。
- 蛭川光彦:アガムスとは対照的に、こちらはウルトラマンを含む宇宙人に対して強い敵愾心と憎悪を寄せる地球人。アガムス同様に自身の目的のためにヤプールの味方に与したが、アガムスと違って彼がウルトラマンを憎んでいる理由は最後まで明らかになることはなかった。
- レイオニクスハンター:未来から来訪し主人公達を狙うペダン星人の一団で、前述したダイルもこの一員だった。ただし、その目的は歴史改変によって滅びた故郷を救うためであり、アガムスと違ってただの復讐が目的というわけではない(もっとも、一部の上層部に関してはアガムス以上に救いようのない輩もいるが)。
- ジャグラスジャグラー:前々作に登場した際は防衛チームの隊長を装い、密かに暗躍していた宇宙人。また、アガムスのようなタイプのヴィランの火付け役とも言うべきキャラクターで、初登場作品ではウルトラマンに対して狂気的なまでに敵愾心を向けていた(ただし、劇場版以降の作品では味方寄りになっている)。彼が闇に堕ちたきっかけも、自身と関わりのあった女性の死去が少なからず関係している。ちなみに、彼のライバルもかつてアガムスと同じく大切な女性を喪った悲劇に苛まされていたが、彼女の場合は後に生存して子孫を残していたことが判明し、当人もトラウマから立ち直っている。
- 伏井出ケイ:『デッカー』の5年前の作品に登場するヴィラン。彼も自らの大切な故郷を失うという悲劇に見舞われており、こちらは復讐心こそ抱いていないものの、強大な力を持つ存在の前に屈服する道を選ぶという、アガムスと同様全てを諦め自暴自棄になった節がある。また、アガムスと同じく劇中で一時的に記憶喪失になったことがある。こちらは最後まで主人公達と敵対し続け、和解することはなかった。
- イグニス:前作に登場したGUTS-SELECTの周囲で暗躍していた異星人。こちらも当初は自らの故郷を滅ぼした存在に対して憎悪と復讐心を抱いていた。彼は最終的に主人公達と和解し、ジャグラー同様に頼れる味方となり、トリガーの頼れる戦友となった。
- 愛染マコト:当初は主人公達にも友好的に接していたが、中盤で自らの戦力の準備が整ったのをきっかけに、突如として主人公達に宣戦布告して立ちはだかった。生配信イベントでの小柳氏の発言から、「アサカゲも愛染のようなタイプのヴィランではないか」と放送前から推察していた視聴者もいたが、その推察は見事的中することとなった(愛染の場合は別の存在に憑依されており、彼自身は真っ当な地球人であるという違いがあるが)。
- 美剣サキ:性別の違いはあれど、アガムス同様に見た目以上の年齢と思われるヒューマノイド型の宇宙人。敵対した経緯としては、兄達の死の原因となった存在への復讐心に囚われるあまり、周りの迷惑を考えずに暴走した挙げ句、自らの命すら捨てる覚悟で地球ごと滅ぼそうとしたという、アガムスと似たような運命を辿っている。彼女の場合は、心の底からサキに寄り添おうとした者との交流や主人公達の必死の説得により、彼らを庇う形でラスボスの攻撃を食らって致命傷を負ってしまうものの、最後の最後でその心を救われる結果となった。アガムスもまた、本気で自身を救おうとしたカナタの必死の説得によって復讐の呪縛から解かれ、和解へと至ったが、最終的にサキと同じような結末を辿ってしまうこととなった。
- ザビル:『トリガー』の時代で戦いを裏から操っていた黒幕。アサカゲ/アガムス同様、最初はTPUに属する良識的な人物を装っていたものの、劇中で突如その本性を顕にして、ウルトラマンやGUTS-SELECTに牙を剥いた。こちらも敵対した理由の根底には、「人間は自らの手で人類を守れるようにならなければならない」という考えがあり、元は善良であったことが窺い知れるが、自分自身の中の闇に呑まれてしまい、原典の『ウルトラマンティガ』及び『ダイナ』で度々登場した心の闇を解放して大事件を引き起こした人間達と同様の姿を晒した。
マコト、サキ、ザビルの3名は、出演作のメイン監督が同じという共通点を持つヴィランである。
- 高見沢アリサ:『デッカー』と同時期に放映されていたアニメに登場したキャラクター。彼女もまた、地球人への援助を了承しスフィアとの戦いに身を投じることとなったアガムスと同じく、過去に苦しめられていた第三者を助けるために身を投じるも、その『当てのない善意』が第三者を更に苦しめるだけでなく自らの首を絞める原因になってしまうという共通点があり、アガムスがアサカゲとしてカナタに投げかけた『当てのない善意』を体現した存在でもある。ただ、アリサの場合はアガムスと違いそれを恨もうとはせず、むしろその第三者と後に和解しているためその点ではアガムスよりはマシだといえる。
- スレッタ・マーキュリー:同じく『デッカー』と同時期に放映されていたアニメに登場したキャラクター。地球人への援助を了承し、スフィアとの戦いに身を投じることとなったアガムスと同じく、大切な人を助けるために身を投じた結果逆にその人物を苦しませてしまい、それどころか自分の首を絞める結果に終わってしまうという共通点があり、こちらもアガムスの『当てのない善意』を体現した存在でもある。質の悪さなどで言えばアガムスの方がまだマシなのだが(アガムスが自身の行為を自覚しているのに対しあちらの場合はそういった罪悪感などがなかった)。
円谷プロダクション作品ライバルリンク
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宇宙浮遊物体スフィア/バズド星人アガムス
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NEXT RIVAL……
未見の方はネタバレ注意
旅立ちの彼方へ…にて直接の登場は無いものの
イチカのセリフにて、少し出ている。
プロフェッサー・ギベルスの軍団によってTPU本部とナースデッセイ号が占拠され、セレクトハイパーガンといった装備がなくなり、彼らに協力してたディナスがイカルス星人との戦いからの連戦で消耗してる所をギガロガイザにやられ、リュウモン達が森の小屋で体制を建て直したさいにアガムスの事を思い出すとほんとに宇宙に行っていいのかなとカナタとの会話にて悩んでいる。