影を継ぐもの、光を繋ぐもの
概要
『ウルトラマントリガー』の劇場版作品。2022年3月18日公開。ウルトラシリーズの劇場作品は2020年公開の『ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』以来2年ぶり。また、初の試みとして公開日同日より「TSUBURAYAIMAGINATION」での独占配信も行われている(そのため、「TSUBURAYAIMAGINATIONオリジナル映画」とも題されている)。
これまで『セブンガーファイト』『マルっとナビ』『ナースデッセイ開発秘話』等の短編作品を手掛けてきたTSUBURAYA IMAGINATIONの企画において、「これまでの劇場版に相当する本格的な長編を配信したい」というオファーがあり作成された。
テレビシリーズの作成中に製作が決定しており、内容に関しても「トリガーとゼットの共演」以外の条件はない自由なものだったとのこと。
時系列としては、『トリガー』TV本編の最終決戦から2年後とされている。
本作は『トリガー』本編の後日談であると同時に完結編でもあり、テレビシリーズでは明かされなかった超古代の謎の一端が明らかとなる。
本作の目玉として、影の巨人・イーヴィルトリガーが登場する。
またタイトルからも分かる通り、本作は劇場版が制作されなかった『ウルトラマンZ』の劇場作品的な面も含んでおり、『トリガー』本編にも客演したハルキとゼットが再び登場する他、現状確認されている本作の登場怪獣も、『トリガー』と『Z』の本編に登場した怪獣からセレクトされている。
さらに、左目が赤くなったゼットの暴走という衝撃の展開も注目を集める理由となっている。
なお、TV本編の最終回でトリガートゥルースが登場していた関係か、今作ではこれまでの劇場版作品で恒例となっていた所謂劇場版限定タイプに当たるものは登場しない。
なので劇場上映もパンフレット販売無しの小規模公開であったが、その規模としては大ヒット記録。
次第に上映場所が追加されていき、4月から5月にかけてイーヴィルトリガー劇場グリーティングが緊急決定する程となった。
配信版は、エンドクレジット後にちょっとしたサプライズがあるので、本編終了後も最後の最後まで映像を鑑賞することを強く推奨する。
なお、タイトルロゴにはTVシリーズ同様「NEW GENERATION TIGA」が含まれているためか一部通販サイトやニュース記事などでは「ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA エピソードZ」とも表記されている。(BD特装限定版のケースも英語でこの表記になっている)
2020年からの新型コロナ流行が落ち着いて久しぶりの劇場版放映、アジア圏のウルトラシリーズの好調もあり、例年のニュージェネ作品劇場版に比べ連動や宣伝も強化されている。
劇場公開直前『ウルトラマンクロニクルD』や『ウルトラマンフュージョンファイト!』、『バトルスピリッツ』コラボでトリガーTV本編の最終決戦がフューチャーされ、キッズステーションでは本作公開と同年の『シン・ウルトラマン』宣伝も合わせる形でトリガーTV本編が放送される等幅広い宣伝がされた。
Blu-rayおよびDVDは2022年8月26日(金)に発売。
登場人物
GUTS-SELECT
- マナカ・ケンゴ/ウルトラマントリガー(演:寺坂頼我)
- シズマ・ユナ(演:豊田ルナ)
- ヒジリ・アキト(演:金子隼也)
- サクマ・テッシン(演:水野直)
- ナナセ・ヒマリ(演:春川芽生)
- タツミ・セイヤ(演:高木勝也)
- メトロン星人マルゥル(CV:M・A・O)
その他
『ウルトラマンZ』より
本作初登場のゲストキャラクター
- トキオカ・リュウイチ(演:中村優一)
- ライラーイブラ(演:安藤彰則)
関連用語
組織
劇場版に登場する謎の集団。
登場怪獣・巨人
「影を継ぐ最悪の巨人」とされる謎の存在。
TV本編から2年後、闇の三巨人亡き後の地球で頻出し始めた怪獣達。
ウルトラマン達や新生GUTS-SELECTと死闘を繰り広げる。
- 殲滅機甲獣デストルドス
かつて『ウルトラマンZ』の世界で未曾有の危機をもたらし、破壊された筈の「死と破壊の王」。
何故か『トリガー』の世界に出現し、牙を剥く。
その後の作品での扱い
ウルトラマンデッカー
特別総集編1においてホッタとマルゥルの会話の流れの中で本作の事件の話題になりトリガーダークとトリガー達の戦いが紹介されている。
ウルトラマンニュージェネレーションスターズ
第8話においてセレブロの暗躍の数々を紹介する中で本作でのデストルドスとトリガー達の戦いが使われている。
22話では、前作のニュージェネレーションウルトラマン達の最終決戦と共にトリガーとゼットトリガーダークの最終決戦が使われている。
スタッフ
余談
登場怪獣にゲネガーグが含まれているのは、恐らく原典『ウルトラマンティガ』におけるゲオザークのオマージュと思われる。
新世代ヒーローズでは珍しく本編のメイン監督と別の人物が監督を担当する。これは『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャルウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』以来の事となる。おそらくメイン監督の坂本浩一氏が2022年に配信された『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』を担当する事による都合と思われるが、武居氏のインタビューによるとTVシリーズ放送途中に決まったと語っているので、本来であれば製作予定はなかったと思われる。
最終回後の物語というのもあって、最終回の台本を渡されての製作になっている。
『ティガ』本編でイーヴィルティガ、劇場版で闇の巨人が登場したのに対して、トリガーでは本編に闇の三巨人、今作にイーヴィルトリガーと逆になっている。また劇場版でウルトラマンと闇の巨人が共闘するのは、シリーズ全体を通しても非常に珍しい。
TSUBURAYAIMAGINATIONでの配信が行われたのは、前作『ニュージェネクライマックス』の公開がCOVID-19の影響で大幅に延期になった事を受けての反省と思われる。
『ウルトラマンギンガS』以降、TVシリーズの劇場版は毎作”劇場版”の文字がタイトルに含まれていたが本作はそれが含まれる事はなく、『ウルトラ銀河伝説』以来(劇場作品自体でなら『ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦』以来)となる"劇場版"がタイトルにつかない作品となった。これは上に述べている通り、公開同日からTSUBURAYAIMAGINATIONでの配信をする都合上オリジナルビデオとしての側面も生まれるためと思われる(くくりも「特別編」とクレジットされている)。このため、映画館でもパンフレットの販売などは行われていない。
それに伴ってか、これまでウルトラシリーズの劇場版を配給していた松竹が関わっておらず、バンダイナムコアーツと円谷プロダクションでの独自配給となる(これ以外の理由として、『シン・ウルトラマン』の配給が松竹ではなく東宝なのもあるかもしれないが信憑性は不明。)その影響からか、例年より公開される映画館数があまりにも少なく、ツブイマ未登録の人にとってはわざわざ遠出しなければならないなど非常に辛い事態となっている。
予告でパゴスが横浜みなとみらいを襲っているが、みなとみらいが劇場版で登場するのは『大決戦!超ウルトラ8兄弟』以来13年半ぶりである。
本作で客演するゼットと同名で別作品においても「紛らわしい名前」と言われたキャラとして宇宙恐魔人ゼットがいるが、実は彼が初登場したウルトラマンフェスティバル2016のライブステージのサブタイトルも「episode Z」である(フルタイトルは「episode Z ~驚異のゼットン軍団~」)。本作のサブタイトルと同じなのは同名ネタなのかもしれない。
エピソードZとあるようにこの映画は昨今の事情もあり作られなかったウルトラマンZの映画という側面もありメイキング映像による武居監督のインタビューによると、武居組は今まで『トリガー』第11話、第12話のトリガーの出生やデスドラゴの回といった重要回を担当しており、その中で武居監督はトリガーの物語のキーアイテムでアキトのラボにもあったあの石版を書いた人はいるからその掘り下げをしようということで今回はその石版に関する物語を作ったと語られている。さらに今回は本作で『Z』の映画という側面があるため、トリガーがゼットのペースに乗せられるというシーンを作るため、劇中に登場したゲネガーグ・デスドラゴとの対決でトリガーが自然とZのペースに乗せられるためにこの2体とトリガーのゼットをプロレスにしたらしい(ご丁寧に2人共パワー特化の形態である)。
ちなみにそのプロレスシーンだが、武居氏がプロレスにとても詳しいため、かなりガチでプロレスをしており、金網を模した電線に電流を流したりしている。
さらに今回は『1人では輝けなくて誰かと一緒にいないと輝けない』という話のコンセプトを持っていくために終盤のシーンにカタルシスを持っていたとも語られている。
特撮パートでも3つのテーマを決めた上で撮られており、
冒頭のパゴス戦は、実景合成をメインとした地上から見た怪獣と人間の戦い その後のウルトラマンゼットの登場シーンはオーソドックスな特撮。 中盤のガゾート戦は空中戦メイン、
デスドラゴとゲネガーグはゼットとトリガーの本格的な共闘を描くためにパワータイプ同士でプロレスをするというコメディパート。
終盤はウルトラマン同士の共闘と 明確なテーマを持って決められてる。
公開2週間前にTSUBURAYAIMAGINATIONで配信された尊哉の部屋に出演したトリガーメイン監督の坂本監督によるとエピソードZが撮影の途中で決まったのもあって、全部武居監督にお任せしたと語っている。
また、冒頭のパゴスがみなとみらいの橋を壊すところは、武居監督によると、今までのウルトラマンでビルや商業施設を壊してるから、なにか違ったものを壊したいなあと思い、みなとみらいにロケに行った際に運河にかかってる橋を壊したら面白そうだなあと思い壊したと語っている。
更にパワーとスカイタイプの変身シーンは新録で撮られており武居監督によるとやりたかったところと話している。
関連動画
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ニュージェネクライマックス←ウルトラマントリガーエピソードZ/シン・ウルトラマン→旅立ちの彼方へ…
25年前
新たなる光へと受け継がれた
そして2022年
『ULTRA DIMENSION!!』
???「輝け、フラッシュ!
『ULTRAMAN DECKER! FLASH TYPE!!』