概要
2022年1月29日から放送されたウルトラシリーズの再編集番組。クロニクル系が下旬に放送開始されるのは本作が初めてである。
今作では放送25周年を迎える『ウルトラマンダイナ』と、直近作『ウルトラマントリガー』をフィーチャーしつつ、ダイナとトリガーを初めとした歴代ウルトラ戦士のダイナミックな戦いを振り返る。
メインビジュアルに映っているのは、ダイナとトリガー以外では、6兄弟、コスモス、ゼロ、ギンガ、ビクトリー、エックス、オーブ、ジード、ルーブ兄妹、トライスクワッド、ゼットである。
放送前に宣伝された通り前回ほどではないものの、『ダイナ』『トリガー』とは全く関係のない作品が扱われることも多く、エックス、ジード、ルーブ兄弟、トライスクワッドに至っては2022年の時点で、別次元の存在を含め、どちらとも同じ作品に登場したことすらない。また、初代を除く5兄弟、ギンガ、ビクトリーも共演こそあれど劇中では全くと言っていいほど絡みがなく、実際に正史のダイナと共演したと言えるほどに関わったのは、初代、コスモス、ゼロ、オーブのわずか4人のみという現状であり、特に、『ウルトラギャラクシーファイト』シリーズにおいて、ダイナもトリガーも一切関係ないどころか、どちらかと共演歴があるのがゼロとオーブ、リブットのみということになっている。一方、トリガーに関係があるのも、『トリガー』本編に客演したゼットのみである。
もともとダイナをフィーチャーする予定ではなかったという発言から、これらの面子のチョイスについては、時期や下記の放送内容を考えると、恐らくツブラヤイマジネーション及び同年4月29日から公開された『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』の宣伝も兼ねているものと思われる。
一方で放送中に公開された『シン・ウルトラマン』に関しては放映会社や対象層の違いからか番組内の宣伝やCMなどは一切行われなかった。
ナビゲーターは、『ウルトラマントリガー』からメトロン星人マルゥルとデバンが担当。それ故にノリは同じく宇宙人&怪獣コンビであるペガッサ星人ペガとブースカがナビゲーターを担当した『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』に近い(片方がニュージェネ作品が初出のキャラ、もう片方がニュージェネ以前の作品が初出で直近の番組で再登場したキャラという点も共通している。厳密にはデバンの再登場は作品のエピソードに含まれない回ではあるが)。
新型コロナウイルスと緊急事態宣言の影響で小芝居パートが『ZERO&GEED』第19話から『ウルクロZ』に至るまで無くなってしまっていたがそれが久々に復活することになった。
「ZERO&GEED」や「ウルクロZ」で指摘されがちだった再編集中心という部分(各作品の共通点の薄さや一部の過去作品の扱い)はトリガーとダイナが比較的に共通点が多く、劇場版の公開が近くトリガーの題材的にもまとめやすく、ギャラクシーファイトの再放送もありクロニクルシリーズでは比較的「列伝シリーズ」に近い構成に戻っている。
また『トリガー』本編ではあまり掘り下げられなかったマルゥルのキャラクターの掘り下げも行われるなど、これまでのクロニクルシリーズには見られなかった意欲的一面もある。
なお、今回の舞台は(紆余曲折を経て念願の「ちょっとひなびた」一軒家を手に入れた)マルゥルの自宅へ居候に来たデバンが「デバンチャンネル」を配信する設定になっている。
時折ゲストも出演し、第3・4話ではハネジローとモコ、第8・9話のケンゴや第10〜16話のペガッサ星人ペガ(14~16話ではリクも登場)、17,18話のハルキが登場する。
公式Twitterではウルトラマンリブットが広報大使として次回の見どころを宣伝。青年リブット役の土屋神葉氏の公式Instagramではボイスメッセージを聴く事が出来る。
キャスト
- メトロン星人マルゥル(CV:M・A・O)
- デバン(CV:松田利冴)
スタッフ
- 監修:塚越隆行
- 企画:黒澤桂、古澤圭亮、春山ゆきお
- プロデューサー:石井卓爾
- 構成/脚本:皐月彩
- 演出:中山剛平
- 映像監修:池田遼
- 音響効果:矢崎大貴
- ラインプロデューサー:福田一博
- アシスタントプロデューサー:古川貴裕
- 撮影:倉島健一
- 制作協力:ヌーベルアージュ、Fps Progress
- 編集:岩田博之
- MA:江島早紀
- 番組担当:大石淳子(テレビ東京)、嵯峨隼人
- 番組宣伝:徳田良平
- 番宣担当:大江繭子(テレビ東京)
- 音楽協力:テレビ東京ミュージック
- 製作:円谷プロダクション
主題歌
「君だけを守りたい」
作詞・作曲:高見沢俊彦
編曲:小西貴雄
歌:ボイジャー
原曲は『ダイナ』第1期ED曲で、『サーガ』でも使用されたほか、『ダイナ』で主演を務めたつるの剛士氏もカバーアルバムでカバーしたこともある。『ウルクロZ』に続き、(オリジナル版とカバー版という違いはあるが)過去の主題歌が採用されたことになる。
放送リスト
話数 | サブタイトル | 使用話 | 内容 | 放送日 |
---|---|---|---|---|
#1 | 出番だ!ウルトラマン | 『ダイナ』第1話・劇場版『ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』 『Z』第1話、『トリガー』第1話 | 新世代ヒーローズ以降のウルトラマン、そしてトリガーと火星繋がりでダイナのデビュー戦を紹介 | 1月29日 |
#2 | タイプチェンジヒーロー | 『ダイナ』第4・6・18話、『劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』、『トリガー』第2・3話 | トリガー・ティガ・ダイナのタイプチェンジを特集 | 2月5日 |
#3 | 帰ってきた!ハネジロー | 『ウルトラマンダイナ 帰ってきたハネジロー』 | ハネジロー&モコ登場回前編、ダイナにおけるマスコット怪獣ハネジローについて紹介 | 2月12日 |
#4 | 親愛なる仲間達 | 『ダイナ』第11話、『ジード』第1・24・25話、『Z』第2話、『トリガー』第2・15・16話 | ハネジローとモコ登場回後編、ハネジローやマルゥルのようにウルトラマンと力を合わせて戦うマスコットキャラたちを紹介 | 2月19日 |
#5 | 悪?のウルトラマン | 『ティガ』第44話、『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』、『トリガー』第11・12・16・17話 | 本来は悪だったが、最終的に正義となったウルトラマンや逆に正義の力に溺れ悪へと落ちたウルトラマンや完全悪なる存在など、ティガやトリガーに関連する悪トラマンたちを紹介 | 2月26日 |
#6 | 共に戦うウルトラマン | 『ウルトラマンサーガ』、『Z』第7話、『トリガー』第8話 | ウルトラマンになって悩む新人たちの悩みを振り切るために次元を超えて現れた大先輩ウルトラマンたちの共闘を紹介 | 3月5日 |
#7 | それぞれの想い | 『トリガー』第4〜7・9・10・13・20・21話 | 闇の巨人や怪獣達などトリガーの中における立ち位置と戦いの中で見せていく関係性を紹介 | 3月12日 |
#8 | 駆けつける救世主 | 『ティガ』第49話、『トリガー』第19話 | マナカ・ケンゴ登場回前編。トリガーとティガの危機を救うべく時空を超えて助けにきた2人のウルトラマンとの共演を紹介 | 3月19日 |
#9 | 光と闇のその先へ | 『トリガー』第22〜25話 | マナカ・ケンゴ登場回後編。トリガーの最終決戦を紹介 | 3月26日 |
#10 | 宇宙警備隊からの指令 | 『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』 | ペガッサ星人ペガ登場、『ギャラファイ1』の分割放送。なおこの回の終了提供クレジットに『デッカー』の情報解禁 | 4月2日 |
#11 | ニュージェネレーションヒーローズ | 『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』 | 同上 | 4月9日 |
#12 | 新たなる試練 | 『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』 | 『ギャラファイ1』『ギャラファイ2』の分割放送 | 4月16日 |
#13 | 大いなる陰謀 | 『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』 | 『ギャラファイ2』分割放送。 | 4月23日 |
#14 | 運命に導かれたウルトラマン | 『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』 | 同上、朝倉リク登場前編 | 4月30日 |
#15 | ウルトラ戦士の絆 | 『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』、 | 朝倉リク登場中編。 | 5月7日 |
#16 | 燃え上れ!仲間と共に | 『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』、『トリガー』第14・15話 | 同上、朝倉リク登場後編 | 5月14日 |
#17 | 解説!特空機 | 『Z』第3・4・12・22〜25話、『トリガー』第7話 | ナツカワ・ハルキ登場回前編。ウルトラマンゼットと力を合わせて戦う心強い仲間ロボット、特空機を紹介 | 5月21日 |
#18 | 教えて!メカ怪獣 | 『ダイナ』第13・42話 | ナツカワ・ハルキ登場回後編。特空機に合わせる形でダイナに登場するロボット怪獣などを紹介 | 5月28日 |
#19 | ウルトラマンの正体は? | 『ダイナ』第2・31・35・36話 | ハネジロー再登場。なぜウルトラマンになった者が自身がウルトラマンである正体を隠す理由について考察する。 | 6月4日 |
#20 | 君だけを守りたい | 『ダイナ』最終三部作(第49~最終51話) | ダイナ&スーパーGUTS最後の戦いを紹介。 | 6月11日 |
#21 | 受けつがれる光 | 『ウルトラマンサーガ』 | マナカ・ケンゴ再登場。最終決戦後、消息を絶ったダイナは何をしていたかを紹介。 | 6月18日 |
#22(終) | 立ち上がる光の勇者 | 『ウルトラマンサーガ』 | ゼロ、コスモス、そしてダイナと侵略者が生み出した最強最悪の怪獣との地球の命運をかけた最後の戦いを紹介。 | 6月25日 |
余談
前作『ウルクロZ』がティガを取り上げていたことから『ティガ』をベースとした『ウルトラマントリガー』が製作されたように、本作の後番組は『ダイナ』に関連した作品ではないかという声が挙がっていた。ただし『トリガー』も『ダイナ』の関連要素が含まれている。そして3月31日に最新作『ウルトラマンデッカー』が発表された(主役ヒーローのデッカーのデザインはダイナとよく似ている)。
なお主題歌がこれまでのシリーズで使用された楽曲の完全カバーなのはこれまでのクロニクル系では例がない。また、前年からTDG25周年が大々的にフィーチャーされており、『トリガー』『デッカー』と『ティガ』『ダイナ』をオマージュした作品が続いていることから、『デッカー』の次回作は『ウルトラマンガイア』に関連した作品になるのではないかという声が挙がっていたが、実際には『ガイア』に関連した作品ではなかった。
本番組の開始時期が年明けになった遠因として「本編の話数に含まれない総集編として『デバンチャンネル』が3度も放送された」ということもあり(ただし『トリガー』本編の第13話はマルゥルのメイン回にして「正規の話数にカウントされた総集編」でもある)、一部ファンからは「(やや皮肉を込めて)デバンチャンネルは『ウルクロD』の『パイロット版』だったのでは?」と茶化されていた。
…もっとも「本編で『トリガーと客演したウルトラマン』にはゼロがいなかった」ことや「近年の『クロニクル』シリーズには何らかの形でゼロが出ずっぱりだった」ことなどを踏まえて「正直『ウルトラマン抜きでの進行』が不安なだけで、マルゥルやデバンそのものが嫌という訳ではない」「ゼロが登板しなかったこと自体は納得はしてないが『代わりの人選』としては最善の選択だとは思う」などと一定の理解を示す視聴者も少なくない。
メインビジュアルにはウルトラマンサーガもおり、変身者はタイガ・ノゾムとなっているが、近くにはタイガと同名のウルトラマンもいる。また2022年は『ウルトラマンサーガ』公開されてから10周年の節目でもある。
今作で中心的に取り上げられるダイナとトリガーは、「最終回で仲間たちの前から姿を消したウルトラマン」という共通点がある。
なお前作のクロニクルにおいて第16話まで未登場だったアスカ・シンだったが、今回では(ダイナがテーマに取り上げられているためか)第1話早々に出演している。
とはいえ、前回が前回だったので放送開始前までは「アスカ(演者:つるの剛士)はちゃんと映るのか」という不安を抱いていた視聴者も少なくなかった。
第1話放送と同日の午前10時からはウルトラマン公式Youtubeチャンネル「ウルトラチャンネル」登録者200万人突破イベント「ウルトラマンコネクションLIVE」が行われる予定だったが、COVID-19感染拡大防止のため、第4話放送の2月19日に延期されることとなり、無事開催された。
過去の『ウルトラマン列伝』やクロニクルシリーズはVISTA、ニュージェネレーションクロニクルからは千代田ビデオが製作会社だったが、今作からは変わっている。そのため列伝初期以来の円谷プロ単独製作になっていると思われる。
奇しくも本作の最終回の6年前は『新ウルトラマン列伝』最終回が放送されていた。
「ウルトラマンクロニクル」の主題とロゴの使用は前々回の再編集番組である「ZERO&GEED」から続いていたものだったが、次回作のタイトルは「ウルトラマン ニュージェネレーションスターズ」であり、本作がの最後の使用となった。
動画
関連項目
ウルトラマンティガ ウルトラマンX ウルトラマンタイガ ウルトラマンZ
THE FINAL ODYSSEY 帰ってきたハネジロー きたぞ!われらのウルトラマン ニュージェネクライマックス ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀
ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル:上述した通りナビゲーターのチョイスや新撮パートの作風が本作に踏襲されていることがうかがえる。
ウルトラマンクロニクルZ ヒーローズオデッセイ → (ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA) → 今作 → (ウルトラマンデッカー)→ウルトラマン ニュージェネレーションスターズ