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ウルトラマンフーマ

53

うるとらまんふーま

『ウルトラマンタイガ』に登場するウルトラ戦士。惑星O-50の戦士の一人で、トライスクワッドの「風の覇者」。

『カモン!』

ヒロユキ「風の覇者、フーマ!」

ヒロユキ「バディィィィ…ゴー!!」

『ウルトラマンフーマ!』

「セェヤッ!!」

「俺の名はフーマ…銀河の風と共に参上ッ!」

概要

トライスクワッドの一員で、タイガタイタス同様、主人公の工藤ヒロユキフーマキーホルダーを使用する事で変身する。

オーブロッソブルと同じく惑星O-50出身のウルトラ戦士で、「風の覇者」の二つ名を持つ。

トライスクワッドに加入したきっかけは、宇宙人連合によってO-50の「戦士の頂」が破壊されそうになり、それをタイガ、タイタスと共に阻止した事(ボイスドラマより、EXPO THE LIVEではより詳細な内容が語られており、更にこの時点でオーブとは顔見知りであった)。

ウルトラマントレギアに敗れて肉体を消失して以降はペンダントに変化し、金になるとして宇宙人の間で売り買いされてしまっていたらしい。様々な宇宙人の手元を転々とした末ホマレの元舎弟・ヴォルクの手に渡っていたが、タイガたちのデアボリックとの戦いの最中に復活、12年ぶりにトライスクワッドに再合流した。

O-50出身ということもあり、ガイグリージョの兄たちのように、彼も人間(若しくはそれに極めて近い種族)としての姿が存在していたが、初めて変身させられた際、フーマはある理由で人間態を取ることをやめている(後述)。

もしかしたらタイガスパークでは無い本来の変身アイテムも存在するのかもしれないが、人間態に戻らないと決めている以上恐らく使った事はなく、これからも使うことはないと思われる(下手をすると自分でもどういう物なのか知らない可能性もある)。そのため基本的にはフーマはウルトラマンの姿のまま大きさを伸縮させて対応させている。

いずれにしても、O-50出身のウルトラ戦士が地球人と直接一体化するのは初めてである。

データ

身長49m
体重2万5000t
年齢5000歳
飛行速度マッハ15
走行速度マッハ6
水中速度200ノット
地中速度マッハ3
ジャンプ力900m
腕力4万t
握力2万8000t
出身地惑星O-50
CV葉山翔太
スーツアクター岡部暁
デザイン後藤正行

人物像

性格は荒っぽいが義理堅い。

タイガとほぼ同世代ということもあり若者らしくどこか軽い調子の雰囲気

タイタスの事を「旦那」と呼び、ヒロユキの事は当初「兄ちゃん」と呼んでいたがすぐに名前呼びになった。歳の近いタイガのことも呼び捨てにしている。

戦闘の際、宣言した秒数内でトドメを刺す、スピードの速い相手に「俺の方が速い」と言い放つ、撹乱させた相手に対しお尻ペンペンするなど敵を挑発する事も多い。

一方で彼自身も喧嘩っ早く、頭に血が上ると冷静さを欠く所もあり、トレギアの挑発にあっさり乗って怒りに任せて攻撃を加え、タイタスに「もっと考えて行動してもらわんと」と注意されてしまったりもしている。

ただし脳筋というわけではなく、世界を構成する四大元素(火・水・風・土)について難なく答えられるなど、それなりの教養があることが分かる他、むしろ切れ者としての側面も垣間見える。実際、彼が駆使するトリッキーな技も柔軟な思考がなければ生み出せないものである。頭が切れるようになったのは彼が生まれ育った環境故か。

チーム結成当時よりタイガとの衝突が絶えなかったようで、曰く、「初めて会った時はいけ好かねぇ野郎だと思っていた」とのこと。タイタスもそんな二人の仲裁には苦労していたようだ。

そして再会後も口論になるのは変わらず、タイガの「ペンダントになっても神秘性がない」という皮肉に「表出ろコラ!」と突っかかっている。もっとも、ボイスドラマ第4話にて、フーマとまだ再会できていなかったタイガは彼の身を案じており、タイタスの励ましを受けて自信を取り戻したときは「あいつは簡単にくたばるようなタマじゃない」と語っていることから、お互いにとって大切な仲間だと思っていることは間違いないようだ。

戦闘中でも言い争いはせずしっかり連携は取れている事からもわかるように、険悪な仲ではなく、むしろ"ケンカするほど仲が良い"関係であることが分かる。

また、全く遠慮がない訳ではなく、タイガがタイタスの体の色について聞いた時は「見た目の話ってのはデリケートなんだよ」と注意しており、彼なりの配慮は弁えている模様。なお、フーマが見た目の話についてデリケートなのは、彼の過去が関係していると思われる。

良くも悪くもボンボン気質で若さが際立つタイガや、真面目さが一周して筋肉バカとも呼ばれるタイタスがメンバーにいるためか、トライスクワッド内において、特に常識人かつツッコミ役の立場になることも多いようだ。

ただし彼も無意識にボケることはあるようで、ボイスドラマ第12回では手裏剣部の話でタイタスと盛り上がってしまい、タイガにツッコミを入れられていた。

口巧者という意外な一面があり、自身の過去について語ったときには、タイガからは「話し方上手いな!」と言われ、タイタスからも「(話に)ぐっと引き込まれてしまったぞ」「意外な才能だな」と絶賛されていた(タイタスもかなりの雄弁だが)。

ただ、彼自身は褒められたことが恥ずかしいようで、露骨に照れ隠しをしていた。

登場の際はオーブのような名乗りを上げる(その文句もオーブのフレーズを合わせたようなもの)。

着地の際は左腕を背中に回す忍者っぽいポーズを取る。また、飛行するときの姿勢はオーブなどと同様に両手を頭の前でピタリと合わせるもの。

逆に地上から飛び立つ際は、ウルトラマンの代名詞でもある「シュワッチ!」を彼なりにアレンジしたと思われる「セイヤッチ!」という掛け声を発する。

なお、同郷の先輩であるオーブ、ロッソ、ブルやあのグリージョの事も知っているようで、グリージョについてはボイスドラマ内で「かわいい」とコメントしている。なお、グリージョ以外の先輩戦士たちとは第1話のトレギアとの戦いの際に実際に対面しており、グリージョとも後に映画で共演を果たした(このときは会話をしていない)。

反面、ガイアについて「誰だっけ?」と言ったり「一口にウルトラマンと言ってもいろいろいるんだな」と告げたりと、過去のウルトラ戦士の事を勉強していたガイたちに比べるとそちらの方向の知識は浅い様子である。

次回作の主人公であるウルトラマンゼットと年齢が同じであるが、今のところ両者に接点はない(ゼットはボイスドラマにてゼロからトライスクワッドの話を聞いており、フーマの存在自体は知っている)。

忍者という和風モチーフ故か、「粋」というものを大切にしているらしく、オーブに後押しされてタイガ達に続いて名乗りを上げたり、「O-50を救った英雄」であるタイガ達の頼みを承諾し、トライスクワッド最後のメンバーとなった。

オーブの事を呼び捨てにしているものの、偉大な先達ということもあって、あまり強く出られない様子。

容姿

アグルコスモスのような青い体を持つ。

他の2人と比べると全体的にシンプルなデザインで、既存のウルトラ戦士と比べても比較的オーソドックスな外見をしている。一方、所々に忍び装束を彷彿とさせる要素が取り入れられており、シンプルでありながらも忍者らしさを感じられるデザインとなっている。

初代ウルトラマンBタイプに似たスマートな顔付き。後輩に当たるゼットもよく似た顔立ちをしている。

出身および力の起源が同一であるためか、頭部はオーブオリジンと似ている。トサカがやや長く、後方に突き出ているのが特徴。

一方肩の装甲やカラータイマーは同じくO-50出身のロッソやブル、体の模様はグルーブに似ている。

このように今までのO-50由来の戦士達を思わせる要素がちりばめられた容姿をしているが、胸部のプロテクターはダイナに似た独特のもの。

体重は2万5千トンとウルトラ戦士としてはかなり軽く、ウルトラウーマンであるグリージョを下回り、タイタスの半分しかない。

なおガピヤ星人アベルにゴリマッチョと呼ばれたタイタスに対して、フーマは細マッチョと呼ばれていた。

変身バンク

ぐんぐんカットはブルと同様、左腕を挙げるタイプ(途中でポーズを変えるため、特にブルフレイムのバンクが近い)。

親指以外手は握らず手刀に似た平手(薬指と小指が若干曲がっているため、タイガが『パー』、タイタスが『グー』である事もあってか、見ようによっては『チョキ』に見えなくもない)であるため、体色も相まってコスモスの変身バンクに似ている。

背景はオーブオリジン、あるいはO-50の戦士の頂を思わせるエフェクトとなっている他、風の覇者の二つ名に相応しく疾風が吹き荒れる演出がある。

能力

既存のタイプチェンジで言えば、ウルトラマンティガ・スカイタイプオーブ・ハリケーンスラッシュ等に該当する、軽量級のスピードファイター

従来のスピード形態を優に超えるほどの飛行・走行速度を持ち(フーマを超える速さを持つのはオーブトリニティくらいしかいない)、残像が見えるほどの素早い身のこなしで敵を翻弄する戦法を得意とし、光の手裏剣を駆使する。

トレギアには当初こそ「君のスピードなど私には通用しない」とおちょくられていたが、最終話ではダメージこそほとんど与えられはせずともスピードで完全に翻弄していた。

機動力以外の能力も相応に高く、デアボリックとの戦いでは高速飛行で砲撃をかわしつつ弱点を探す戦略を見せたかと思えば、佐々木カナたちを庇ってアベルの銃撃をまともにくらっても(さすがにカラータイマーは鳴ったものの)「痛ってぇなぁ!」で済まして即座に反撃する等、スピードタイプのウルトラ戦士にしてはかなり防御力が高い。

スピード特化の反面、腕力・握力のスペックはトライスクワッドの中では最低…の筈なのだが、火力不足で苦戦を強いられることは少なく、むしろ現状はデアボリックの放ったレーザーを真正面から受け止めて突撃しそのままレーザー砲を破壊したり、ババルウ星人の斬撃を両腕でガードしたりといった、スピード型にしてはかなりパワフルな面が目立つ。アベルに細マッチョ呼ばわりされるのもむべなるかな。

また、近年のスピード型にしては珍しく特殊能力も有しておりセグメゲルとの戦闘で敵の尻尾により首を絞められた際には、煙幕とともに瞬間移動して距離を取るという忍者さながらの技を披露している。その際にはわざわざ印のようなものを組んで「にん!」とまで叫んでいる。

ちなみにここまで凄まじい高速戦闘が可能なのはメタ的な事情も大きい。

というのは、タイタスどころかタイガでさえも下手なスピードタイプと同等以上の速さを持っているため、フーマがスピードタイプであることを強調するには数値設定ではなく実際のシーンでそれ以上の速度を描写しなければならなかったのである。

必殺技

忍者を思わせるトリッキーかつ持ち前のスピードを活かした技で相手を翻弄しながら戦う戦法を得意とする。

ウルトラシリーズでは珍しく必殺技は漢字のみの名称である(ウルトラ戦士ではないが、O-50にまつわる彼は使っている)。

光線技

  • 極星光波手裏剣(きょくせいこうはしゅりけん)

タイガスパークで形成した光の手裏剣を投げつける。

手裏剣という独自の形状だが八つ裂き光輪の系譜の技とおもわれる。

マジャッパ戦では、行方マイコに向けられた水流に対する盾として使用し、攻撃をせき止めつつ手裏剣が分裂してマジャッパを攻撃するという芸当を見せた。

  • 七星光波手裏剣(しちせいこうはしゅりけん)

ギンガレットで発動。

七色に光る光の手裏剣を投げつける。第4話では技名を叫ばずに使用していたが、

第14話で初めて叫ばれた。

  • 鋭星光波手裏剣(えいせいこうはしゅりけん)

ビクトリーレットで発動。

右腕に発生させた光の手裏剣をV字型の矢尻のような形に変化させ、弓矢を放つ要領で打ち出す。

また、右腕に発生させたまま敵めがけてダッシュし、すれ違いざまに切り裂く、という使用法もできる。

その特徴や使用後の描写から、を思い出した視聴者は少なくないことだろう。

使い勝手が良いのか、現時点では使用頻度はこちらの方が多い。

彼に力を授けたのは同郷のオーブ、ロッソ、ブルではなくギンガとビクトリー(O-50組の力はタイガが授かった)。

O-50組はいずれもギンガとビクトリーの力を借りていることから、今回も力をお借りした、ということかもしれない。

ボイスドラマ第11回によるとタイガがO-50組の力を授かった事に、流石に一瞬疑問に思ったとの事。

なお彼からブレスレットの交換を提案されるも、自身の過去話をした事もあってか「ギンガとビクトリーのブレスレット使いやすいし」と誤魔化し気味に断っている。

  • 光波手裏剣(こうはしゅりけん)

小型の手裏剣を複数飛ばす技。

また、鋭利な刃状にして発射する「光波手裏剣・斬波の型(ざんぱのかた)」というものもある。第23話ではニセウルトラマンベリアルにはダメージを与えたものの、そのベリアルが引き千切って盾にしたビルには傷一つつけられなかったため、ビルの耐久力の高さが若干話題になった。

「大いなる陰謀」ではリブットのリモートカッターと同時に放ち、複製体ゼットン3体のバリアをまとめて破壊し、そのまま撃破する大金星を上げた。

  • 光波剣・大蛇(スラッシュ・ソード/こうはけん・おろち)

多数の光波を出し、蛇腹剣のように一つにまとめて敵を切り裂く技。

名前(読みの方)は葉山氏のツイッターで公開された

フーマの必殺技でもリーチや破壊力がかなり優秀な必殺技である。そのため、下手をすると極星光波手裏剣よりも強いのでは?という意見も聞かれるが、マジャッパ戦の描写を見る限り極星光波手裏剣の方が応用が効くと思われる。作中での印象的な使われ方から、pixiv内でもこの技イラストは割と多い。

『大いなる陰謀』では、一つにまとめずムチのように振るうことでゼットン軍団を一掃した(ちなみにその時は平仮名の方の読みで使用していた)。

青いウルトラマンはコスモスを除き、剣を使用しているが、前作のブルは実体化した武器を使用しているため、ウルトラマンヒカリ以来となる、光の剣を使用する青トラマンである。

  • 疾風光波脚(しっぷうこうはきゃく)

キックと同時にエネルギー波を撃ち込む技。

劇中未使用。

格闘技

  • 疾風蹴撃(しっぷうしゅうげき)

高速で回転キックを繰り出す技。フーマの得意技でもある。

  • 迅雷蹴撃(じんらいしゅうげき)

上空から放つ強烈なかかと落とし。

  • 列蹴撃(ストライクスマッシュ)

タイガスパークから形成した光のエネルギーを右脚に纏って放つ回し蹴り。

元々は「ウルトラマンフェスティバル」のコンテストで、『てれびくん』の読者が考案した技。

  • 烈火蹴撃(れっかしゅうげき)

超スピードでストレートキックを浴びせる技。

劇中未使用。

  • 垂直落下式弾丸拳(すいちょくらっかしきだんがんけん)

上空から急降下して、強力な頭突きを放つ技。

第4話で使用し、デアボリックの攻撃を防ぎつつダメージを与えた。

その他

  • 神速残像(しんそくざんぞう)

超高速で移動し、発生した自身の残像で相手の目を惑わせる技。いわゆる[影分身。

  • 幻煙の術(げんえんのじゅつ)

印を結んで、煙と共に瞬間移動する技。

  • 轟波動(ごうはどう)

腕から放つ波動で宙に舞い、敵の攻撃をかわす技。

  • 嵐風竜巻(らんぷうたつまき)

竜巻をまとって、敵の攻撃をはね返す技。

  • 超波動探知(ウルトラソナー)

音波を駆使して姿を隠した敵を見つける技。

技を使用する際、耳が青く発光し左手から音波のようなものを発する。

フーマの過去(※ボイスドラマのネタバレあり)

  • 『負け犬の子』(ボイスドラマ第9〜11回)

フーマの親は過去にO-50の戦士の頂に挑むも、その過酷さからリタイアし逃げ帰ってきた者であった。

しかし、挫折したために母星に帰ることもできず、そのままO-50に残り続け、やがてフーマが誕生した。

つまり、フーマはO-50出身でありながら全く別の宇宙人の血を引いていたイレギュラーな存在、ということになる(また初期設定もあり曖昧なガイとジャグラーや惑星サンジャ出身のロッソ、ブル、グリージョと違い、初の本人が正真正銘惑星O-50出身ということになる)。

常に「生き物には器がある…自分の器の大きさを見極めるのも、一つの才能だ」と言い聞かされて育ってきたという。

だが、その出自故に彼自身「負け犬の子」と呼ばれ、生まれてからずっと周囲から蔑まされてきたという、奇しくもタイガ、タイタスと同じく、生まれながらの血筋に悩まされた過去を持っていた。

そんなこともあって過去の彼はすっかりやさぐれてしまっており、(家庭環境も決して恵まれたものでは無かったらしいこともあって)戦士の頂の案内人を装って挑戦者をカモにして「装備を調達する」と偽って金品を巻き上げては、山に取り残して逃げ去るという詐欺まがいの手口を繰り返す、コソ泥のような生活を送っていた(口巧者なところもこうした生活を送るうちに培われたものと思われる)。そのため、ある種の同業者でもある山賊から恨みを買うこともあったようだ。

日陰者からウルトラマンになったことを考えると、先代のロッソやブルと同じようにある意味光落ちしたともいえなくもない。

このような環境で育ったにもかかわずボイスドラマ第4回では、しっかり故郷自慢をしている(当然というべきか視聴者はタイタスの過去話同様に、第4回での自慢からは想像できないレベルの世紀末っぷりに驚く事となった)。

そんな彼だったが、ある日「ゲルグ」という宇宙人と出会う。

最初は都合のいいカモとしか考えていなかったが、途中で山賊から助けてもらった後にこう誘われる。

怪物は何処までも怪物なのか、負け犬の子は何処までも負け犬の子なのか、試したくは無いか?

ここから彼の運命は大きく動き出すのだった。

彼はゲルグに修行と教育を施され、その後は「光に選ばれるには善行を積むべき」という考えのもとに二人で万屋を開業し、その珍妙なコンビから一躍有名になった。

時が過ぎ、遂にゲルグが戦士の頂に挑むのを見送ったが、彼が戻ってくることは無かった。

それからしばらくして、星間連盟から戦士の頂の挑戦者達に襲いかかる謎の怪物の処分を依頼される。

フーマが予見していた通り、怪物の正体はゲルグだった。

吹雪が吹き荒れる雪原の中で熾烈な戦いを繰り広げる両者であったが、全ては両者をまとめて抹殺しようとする連盟の罠であり、途中で横槍を食らい、ゲルグ共々撃ち殺されかけてしまう。

何とか巨大化したゲルグに救われ、光の戦士に選ばれれば命が救われると信じる彼に運ばれて戦士の頂に到達するが、オーブの光に選ばれることはなかった。

しかしフーマはそのことを悲観せず、今まで蔑まされてきた者が自分の意志だけでここまで辿り着いたことに喜んだ。

だがそこに連盟の砲撃を受け、赤い光の中、自らの体が溶けていくのを自覚しながらフーマは意識を失った。

気が付くと、そこには巨大化し、青い体に変わった自分だけがいた。

ゲルグではなく自分が選ばれたのは人間だからかもしれないと疑うフーマは、これ以降この姿のままで、“ゲルグから教わった技”を“教わったのと逆の自己主張の激しい言葉”を持って技を叫びながら生き続けることを決めた。

師匠の様な異形の者達の希望となる為に…

  • 『風と花』(ボイスドラマ第21回〜)

ウルトラマンになった以降も光の輪からの指令を受けて様々な場所を訪れていたようである。その中で金色に光る青い目の美しい鳥と出会ったり、蜂のような巨大昆虫怪獣と戦ったり、宇宙を旅する白い髪の恋人たちを助けたり、遊園地のように輝く宇宙船と遭遇したりするなど、色々な冒険をしたらしい。

風の覇者』と言う異名の由来は、とある惑星で怪獣退治をした事で始まった「若気の至りでやらかした恥ずかしい話」がきっかけである。

それはその惑星で怪獣に襲われている所を助けたイリヤと言う少女とその父バルトとの出会いから始まる。

病弱であるイリヤは家から出た事が無かった為、それ以来、彼は指令の合間をぬって上記のそれまで経験した事を話していった。

そんなある日、フーマは調子が良くなったイリヤを連れてこっそりと宇宙旅行へ出発した。そして立ち寄った自然あふれる惑星(映像は遊星ジュラン)のジャングルでとんでもない事実を知ってしまう。イリヤから毒ガスが発生し、小動物が死亡してしまっていた。その後、すぐに惑星へ帰還したがそこでバルトから残酷な真実を知ってしまう。イリヤやバルト達種族が発する香りは母星の空気から離れると毒ガスに代わってしまうと言うものだった。

それを知ったフーマは彼女の希望を奪ったとショックを受け、イリヤの前から去って行ってしまう。

それから月日が流れ、フーマはこなした指令の数を数えなくなった頃、宇宙の片隅で「風の覇者」と言うタイトルの絵本を見つける。それは風のように素早く青い身体の英雄が困った人々を助ける冒険譚でそこにはフーマがイリヤに話した事が沢山描かれていた。

それがイリヤの描いたものなのかは不明だがフーマはそれを見て心が救われたようになった。

その時からフーマは「風の覇者」と名乗るようになったと言う。いつかその名が彼女に届く事を信じて。

客演

UGF 大いなる陰謀

グリムドとの激闘の後では筋力増加に最適な重力バランスを持つ惑星マイジーにてタイガ、タイタスと共に鍛練に励んでいたが、突如ウルトラ一族の抹殺に現れた宇宙恐魔人ゼットが率いる人工ゼットン軍団と熾烈な戦いを繰り広げることになる。

複製体とはいえゼットン軍団には2体のハイパーゼットンを相手に持ち前のスピードを駆使して奮戦するも瞬間移動により苦戦し数の違いに追い詰められるが、ここで救援に駆けつけたギャラクシーレスキューフォースアンドロメロスリブットの助けもあり難を逃れた。当然ギャラクシーレスキューフォースに加勢する形ゼットン軍団と再び対決、自身もEXゼットンとハイパーゼットンを光波剣・大蛇で斬り裂き撃破した。

その後タロウ達に呼び出される形で光の国に召集され、アブソリュートタルタロスの情報を聞きつけた後はきたるべき戦いの為にタイガ、タイタスと一旦別れて自身のルーツであるO-50へ帰還して更に鍛え直すことになった。

ここでトレーニング中に現れたグリージョと初めて一対一で対面。映画ではまともに会話もしていなかった相手の突然の来訪に、動転のあまり会話もしどろもどろになり、うぶな中学生みたいな反応になっていた(このとき、彼女のことを「O-50組のアイドル」と言っている。グリージョには照れられたものの「そんなことより」と一刀両断されて話題を変えられたが)。そしてフーマもゼロからスカウトの任務を授かったグリージョに誘われる形で特殊チームの一員となることに…?

惑星エビルにてゼットン軍団に苦戦するウルトラ戦士達にゼロ率いるウルトラリーグの一員として加勢する。スピードを駆使して翻弄させリブットのリモートカッターに光波手裏剣の同時攻撃でゼットンのシャッターを突き破り撃破した。

他のウルトラマン達がそれぞれ、ウルトラ兄弟息子繋がりU40同士、ウルトラウーマンと関連性がある組み合わせの中で共闘した中、フーマとリブットは一見余り物の様な組み合わせに見えるが、フーマは名の由来が「風魔小太郎」、リブットはマレーシア語で「嵐」という意味なので二人には風関連の共通点がある

その後はタイガとタイタスと合流してトライストリウムへと合体しゼットと共に恐魔人ゼットに挑み撃破に成功する。

しかしワームホールから吹き飛ばされたゼロに近づき、ユリアンを再び拉致したタルタロスを追おうとしたが、ベリアルトレギアの光線により足止めされて逃げられてしまう。

その直後、光の国へ奇襲してきたゲネガーグによりウルトラメダルを強奪される事件が起こったことをヒカリからのウルトラサインで確認し、ゲネガーグ追跡をゼロとゼットに任せ、ウルトラリーグのメンバー集めはギャラクシーレスキューフォースとトライスクワッドに一任された。

UGF 運命の衝突

今回はタイガたちと一旦別行動でニュージェネレーションの面々を探してた時デビルスプリンターで凶暴化したペスターの襲撃を受けるも特に苦戦することなく一瞬でカタを付けた…が、突然現れたギナ・スペクターの襲撃を受けてしまうが、オーブやロッソたちO-50組の加勢により何とか乗り切るが、デビルズプリンターを奪われてしまいギナを追って怪獣墓場へ急行、バット星人を得意のスピードで翻弄した後にトライストリウムレインボーへと変身した。

惑星ブリザードの最終決戦では、増援の別働隊としてトレギアと戦うタイガにタイタス共々加勢しようとするも待ったをかけられ、必死にトレギアを説得しようとするのを見守ることに。結局「お前らエリートには分からない」と一蹴され落ち込むタイガの元にタイタスと共に寄り添った。

『ウルサマ2022 ボイスドラマ』

第5話「帰ってきたトライスクワッドボイスドラマ」に登場。開幕早々、タイガが軽いメタ発言をしたのに戸惑うも3人でトライスクワッドボイスドラマでのやり取りを振り返っていたが、ヘルベロスナイトファングテレスドンが突如として出現。3体を各々の必殺技で撃破するが、そこにレイブラッド星人が現れ、自らの復活を告げ、ギマイラバラバを差し向ける。フーマは応戦しようとするタイガに宇宙警備隊に知らせるように進言したタイタスに賛成し(この時、強豪2体を雑魚呼ばわりするという相変わらずな強気発言をしている)、タイガに戦線を離脱させて光の国に向かわせ、2人でギマイラとバラバに向かっていった所でボイスドラマが終了した。

なお、未だに3人とも自分がトライスクワッドのリーダーだと主張している。

キャラクターソング

  • 覇道を往く風の如し

和要素を取り入れた効果音とテクノミュージックを融合させた、忍者らしいスピード感のある楽曲。

歌の合間にラップパートが挿入されており、必聴の価値あり。

歌詞、特にラップパートの内容はかなりイケメン。また、一部の歌詞は彼の過去を暗示させるものとなっている。

本編第13話では、この曲をバックにフーマの活躍を振り返っている。

余談

前作はダブル主人公、こちらは一人の人間が複数のウルトラマンに変身するという形になるが、二年連続で主役ウルトラマンの一人にO-50出身の青トラマンが選ばれたことになる。

光の手裏剣が武器、戦闘BGMやキャラクターソングが和風、素早い身のこなしを得意とする等忍者を思わせる特徴・描写が多々見受けられることや、異名に“風”が入っていること等から、名前の由来は恐らく風魔小太郎と思われる。

これまでのウルトラシリーズにおいては、敵サイドではあのバルタン星人を筆頭に忍者をモチーフとしたキャラクターはそれなりに登場していたものの、意外にもウルトラ戦士で明確に忍者をモチーフとしたキャラ付けがなされたのはこのフーマが初。さらに、明確に“和”をモチーフと各種演出に取り入れたのもフーマが初である。

外見こそ既存のシリーズを踏襲したオーソドックスなデザインとなっているが、演出面ではそれまでのウルトラマンではありそうでなかった要素が目白押しであり、そういった意味では、彼もまた新時代のウルトラマンに相応しい存在と言えよう。

ちなみにアベル戦で彼の長剣を奪い取り斬り付ける時は、時代劇さながらの斬撃音が用いられていた。

前述の通りフーマがウルトラマンとなったきっかけは「重傷を負った自らの身をゲルグによって戦士の頂に運ばれフーマに力を授け助けるようオーブの光に嘆願するゲルグの姿を見届けたきり気を失い、気が付くとウルトラマンの姿で一人戦士の頂に立っていた」ことしかフーマ自身の口からは語られておらず、フーマがウルトラマンの姿になる間どうなっていたのか、姿を消したゲルグがどうなったのかは現状定かではないため「実はウルトラマンフーマの正体は『瀕死のフーマとゲルグが融合し延命した姿』なのではないか?」と解釈するファンの声も上がっている。

現状非公式の解釈ではあるものの、ボイスドラマの挿絵で描かれたフーマの後ろ姿のトサカが背中の部分で長く突き出た背びれのように見える形に描かれているのが水かきやエラ、ウロコなど水棲生物の特徴が強く表われたゲルグの容姿をどことなく思わせるのが一因かもしれない。

先立って過去の秘密が判明していたタイタスに続き、フーマの壮絶な過去の出来事も明らかになり、タイガ・タイタスそして視聴者を驚かすこととなった。

彼の過去の話を聞いたタイガとタイタスはその壮絶さに号泣し、タイタスに至っては「てっきりノリで生きてる奴なんだと思っていた」とカミングアウトして謝罪したほど。タイタスの過去の話ではフーマが号泣していたが、こちらでは立場が逆転することとなった。

フーマとしては辛い出来事ではあり、二人も彼に気を遣っていたものの、「自分(とゲルグ)の過去を誰かに知っておいてほしい」との理由で二人に自身の過去を打ち明けた。

また、この話によりO-50のブラックっぷりにますます拍車が掛かることとなったが、ボイスドラマにてO-50出身の戦士について自慢していたことや戦士の頂を守ろうとしていたこと等から、彼は今でも故郷でもあり自身がウルトラマンに覚醒したO-50には強い思い入れがあるのだろう。

ウルトラマンは戦いが終了すると空に飛び立っていくのが通例だが、初登場回ではトレギアに足を引っ張られて失敗するという一幕が描かれ、帰ってくれと言われた同郷の先輩に倣って『帰らせてもらえないウルトラマン』とネタにされる事も。

声を担当する葉山翔太氏は特撮作品への出演は本作が初となる。また、氏はウルトラマンタイガを演じる寺島拓篤氏およびウルトラマンタイタスを演じる日野聡氏の所属事務所後輩にあたる。

企画段階では、クールな忍者と熱血不良忍者の2案が検討され、前者は既存のキャラクターとの重複を回避するために後者が選ばれた。

デザインはスピード系のためシンプルにまとめられており、トサカの形状もスピード感をイメージしている。カラータイマーは、O-50出身という設定からロッソブルと同様の周囲に模様のあるデザインとなった。造形段階でも他のウルトラヒーローに比べて少しでも長くなるように調整されている。また、顔は片目に傷を入れるという案も存在したが、シンプルさを追求するためオミットされた。ブルーとシルバーを反転させたものや、忍者っぽさを強調するため黒の分量が多いものも描かれた。

初登場の第4話では、『ウルトラマンX』でも取り入れられた逆光とスパイラル着地によるスペシャル着地とし、「セイヤ!」という言葉を使ったり、走る際に『Dr.スランプアラレちゃん』の則巻アラレのキーンでおなじみの両手を広げるポーズをしたり、ダサくなるギリギリのところまで演出することで濃い目のキャラにし、スピードや風のキャラを映像として表現している。敵の周囲を旋回しながら手裏剣を放ち続けるのは、敵の攻撃を縫って相手の弱点を探っていると想定している。ちなみに『アラレちゃん』の作者の鳥山明氏はウルトラマンシリーズの大ファンであり、好きなウルトラマンは初代ウルトラマンが好きだと語っている。

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