データ
概要
『ウルトラマンX』に第12話から登場した新キャラクターで、『ウルトラ超伝説』及び『アンドロメロス』に登場したギナのリメイクキャラクター。モルド・スペクターは実兄、ジュダ・スペクターは実弟に当たる。
蛇(コブラ)のレリーフの刻まれた衣装を身に纏っているなど原典の特徴を抑えつつも、メドゥーサそのものといった禍々しい容姿であった『アンドロメロス』版と異なり、若い人間の女性の姿をしている(その為、グア3兄弟の中では唯一ソフビやサイバーカードが発売されておらず、公式サイトでも紹介が怪獣ではなく登場人物のコーナーで行われている)。これが本来の姿なのか、それとも単なる人間態なのかは不明である(劇中の回想シーンではモルド・スペクターと共に復活した時点で既に人間の姿だった。ブルーレイの解説書ではグア・スペクターのバットキャリバーに現れたレリーフの形状から、オリジナルのギナと同様の姿を隠し持っていると推測されている。そして後述の通り、後に怪人態としての姿が判明している)。
また、キレやすくヒステリー気味だった原典と比べると、比較的落ち着きのある性格をしている(作戦が失敗すると悔しそうに舌打ちをしたり、失態を犯した部下を兄の制止を受けるまで縛り上げてムチで滅多打ちにするなど、喜怒哀楽のはっきりとした性格ではあるようだが)。
格闘能力は高く、バットウィップスというムチや優れた足技を駆使した戦闘を得意とする。劇中ではアリサ、アスナ、ショウらと対決しているが、終始互角以上に戦い、等身大での戦いでは最後まで敗北することはなかった。
本編での活動
第12話
地球への侵攻を開始。手始めに、"実験"と称してデマーガの別個体を謎の闇のエネルギーを使ってツルギデマーガへと変貌させ、一度はエックスを消滅に追い込む。また、デマーガ再出現を受け、周辺地域の調査を行っていたXioのラボチームとアスナ隊員の前に立ちはだかり、アスナ隊員と一戦交えた後、彼女らを妨害する為にザラガスのスパークドールズを実体化させて襲撃させるも、アスナ隊員がリアライズさせたサイバーゴモラの奮戦によりザラガスは撃退される。
第13話
ツルギデマーガが敗れた後、シャプレー星人とマグマ星人をグア軍団傘下に加え、ギンガの世界からやってきたモルドと人質として連れて来られたショウを出迎える。終盤の戦いではUPGのアリサ隊員とXioのアスナ隊員との2対1の対決に臨み、互角以上の戦いを繰り広げた。
第14話
3人のウルトラマンの攻撃に圧倒されるモルド・スペクターに撤退を進言した後、自らもシャプレー星人と共に撤退。シャプレー星人に呼び出されたマーキンド星人からメカゴモラのスパークドールズを受け取る。そしてシャプレー星人に銃殺されたマーキンド星人が持っていたカプセルの情報を元に、Xio基地のスパークドールズを目覚めさせる為にメカゴモラを放ち、変身しようとした礼堂ヒカルとショウをシャプレー星人と共に妨害する。しかしショウにシャプレー星人を倒され、モルド・スペクターと魂を融合させ、グア・スペクターの一部となった。
ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突
前作に登場した兄弟に続き、今作から参戦。
人間型だった『X』時とは異なり、原典のギナに近いマスクとなっている巨大形態が初登場。
衣装も恐らく人間態の時に着ていたものを流用していると思われるが、肌だった部分は上半身はマゼンタ色の、下半身は銀色のタイツで構成されており、ブーツも上半身に合わせてかマゼンタ色のものに変更されていて、兄と弟が原典より禍々しい姿となっていたのに対し、彼女の方は逆にかなりスッキリしたシンプルな姿となっている。
蛇型の電磁ムチを使い、敵を容赦なく痛めつける冷酷な性格だが、兄のモルド、弟のジュダに対しては愛情を持っている。
モルドとジュダがアブソリュートタルタロスに強引に誘われた際、ギナだけが取り残されており、予期せぬ形で二人を欠いてしまったグア軍団はアンドロ警備隊に敗北。彼女も撃破されていたが、レイバトスの能力でバット星人の時と同様に蘇生される。二人を連れ去り死の原因を作ったタルタロスに激昂するが、デビルスプリンターの回収を兄弟を復活させる条件として呑まされ、そのまま本編の時間軸に来訪。未来の自分達に引導を渡したニュージェネレーションヒーローズとデビルスプリンター争奪戦を繰り広げる事になる。
そして、怪獣墓場でデビルスプリンターを発見したウルトラマンゼアス、ウルトラマンナイス、ウルトラマンボーイ、ウルトラウーマングリージョと交戦。4対1でありながらその高い体術で圧倒するも、同じ兄弟を持つ立場であるグリージョから兄弟を想う気持ちに理解を示された上に、デビルスプリンターに頼るのが間違いであると説得される。それに心が揺らぐが、振り払う様に戦闘を続行し、彼女を羽交締めにしていたところをタルタロスとレイバトス、バット星人が現れてグリージョを拘束。そして、バット星人によって闇に染まったグリージョが誕生してしまう。そこへ駆け付けたニュージェネレーションヒーローズ達と戦闘になるが、デビルスプリンターでギガバトルナイザーを復元させたレイバトスによってモルドとジュダの魂と強引に融合させられ、不本意な形でグア・スペクターと化してしまった。
その後、グア・スペクターが倒された事で解放され、グリージョから再度説得されるものの、既に一度死んだ身である為にグリージョチアチャージが効果を示さなかった。自らの運命を悟ったギナはそれを受け入れ、最後は自分を救おうとしてくれたグリージョの名と彼女への感謝を口にしながら消滅し、二度目の死を遂げた。
それは、正史において怨みと憎しみを抱いたまま消滅する末路を辿る筈だったギナの運命が決定的に変わった瞬間であった。
しかし、またしても目の前で救えなかった命が散っていく様を目の当たりにした事でグリージョは悲しみに暮れるが、同時に「もっと強くなる」と寄り添ってくれた兄達と共に決意を新たにするのだった。
余談
- 派手で奇抜な格好をしている為か、高田ルイからは「コスプレのお姉さん」呼ばわりされてしまった。今で言えばギナをモチーフにした怪獣娘である(残念ながら実際に怪獣娘になったのは彼女の弟の方だったが)。なお、コスチュームはペダン星人ハーランの改造である。
- 演じる佃井氏は過去にスーパー戦隊シリーズ(獣拳戦隊ゲキレンジャー)や仮面ライダーシリーズ(ホッパー・ドーパント/イナゴの女(仮面ライダーW)、湊耀子/仮面ライダーマリカ(仮面ライダー鎧武))に出演経験があるが、ウルトラシリーズへの出演は本作が初。また、これにより日本の三大特撮全てに出演するという快挙を達成した。
- 始終人間態という着ぐるみではない事情から『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』では唯一登場せず、モルドの言葉を借りれば今回も「兄弟揃って」の登場が叶わなかった。一応、モルドが「妹ギナが、我ら兄弟の恨みを必ず…!!」という断末魔の言葉を残していた事から、あくまで登場しなかっただけで設定上は存在している事は示唆されていた。
- その後、続編の『運命の衝突』での登場に合わせてマスク有りのスーツが作られた為、今後の展開次第では三人揃って登場する機会もあり得るかもしれない。
- 『運命の衝突』で使っていた鞭もハーランの物を流用している。
- 新たにギナを担当した七瀬彩夏氏は、過去にトライスクワッドボイスドラマで様々な役を兼任した若手声優であり、意外な事に佃井氏がブシロード作品に関わった事がきっかけでアサルトリリィで共演もしている。さらに後のシリーズにも出演した伊藤美来氏ともアサルトリリィのアニメで共演している。