星まで届け、乙女のハッピー!
概要
劇場版『ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』にて初登場した女性ウルトラ戦士。
変身者は湊アサヒ。
『R/B』第24話で、美剣サキが致命傷を負った際に「私の名前はグリージョ」とアサヒに本名を明かして自分のルーブジャイロを託しているが、公式サイトによれば「ウルトラウーマングリージョ」はサキ=グリージョが自身の変身に力を貸してくれたことに感動したアサヒが、彼女にあやかって名乗っている名前とのこと。
初変身がグルジオレギーナから経由するという特殊なものである上に、変身後の姿で登場する作品が多い為、詳しい変身プロセスは謎に包まれていたが、ニュージェネライブステージを見るに、兄同様に美剣仕様のルーブジャイロのレバーを引く事で変身するようである(クリスタルは装填していないものと見られる)。変身口上は『星まで届け、乙女のハッピー!』。
データ
身長: | 43メートル |
---|---|
体重: | 3万トン |
最大飛行速度: | マッハ5 |
最大走力: | マッハ1 |
水中潜航速度: | 700ノット |
地中進行速度: | マッハ1 |
最大ジャンプ力: | 600メートル |
腕力: | 7万トン |
握力: | 3万5千トン |
人間体: | 湊アサヒ |
CV: | 其原有沙(湊アサヒ役と兼任) |
デザイン: | 後藤正行 |
劇中の描写から、実際のアサヒとカツミ達との身長差を反映してか、ロッソよりも頭一つ分小さく、腰を落としたブルとほぼ同じ身長で、全体的にウルトラマンボーイのような子供っぽい容姿になっている。
よって当然というべきか、従来のウルトラウーマンと比べて胸が控えめの体型となっている(まあ、大きくてもそれはそれで困るしね……)。
一見するとウルトラマンの中でも小さく見えるが、これでも初代、セブン、ジャック、エースよりかは身長が高い。
体色はメタリックオレンジと銀色、かなり少なめの黒と従来のウルトラマンに近いカラーリングとなっているが、胸周りや肩にアーマーがあり、ギンガやビクトリー等にも見られるクリスタルがあるなど、ニュージェネレーションヒーローらしさも持ち合わせたデザインである。
また、カラータイマー周りはアサヒの正体であるマコトクリスタルに似た意匠となっている。
名前はサキと同じグリージョ(灰色)であるが、黄色やオレンジ色の要素が強く出ているのはアサヒ自身が変身した影響なのかもしれない。
ロッソ、ブルと異なりクリスタルチェンジをしない為か、兄達が黒である部分にメタリックオレンジが施されている。
現在、作中ではぐんぐんカットのような変身シーンや飛行シーンは見せていないが、『劇場版ウルトラマンタイガ』公開直前スペシャル!「グリージョの30分で分かるウルトラマンタイガ」では、ネクサスやギンガのような後ろに伸ばした姿勢で飛行していた描写があることから、飛行能力自体はきちんと獲得している様子。
また、ガッツハイパーキーには独自の変身音が収録されている他、『TSUBURAYA CONVENTION 2023』で発売されたグリージョのTシャツにはぐんぐんカットらしきポーズが載せられている。
戦闘力
戦闘はまだ非力かつ未熟な面もあるが、防御能力と味方を素早くリカバリーする特色を生かして戦いをバックアップする。
回復技については、初登場時は最後までカラータイマーが鳴る事がなかった事や『UGFニュージェネレーションヒーローズ』で相当消耗していても自分が倒れる事なく兄達を回復させられる力を発揮した事から、従来にありがちな「自分のエネルギーを他者に分ける」ものではなく、本当の意味での「回復技」だと思われる。
ただし、死者に等しい者には効果が出ず、蘇生は出来ない模様。
『UGF』以降は不慣れながらも格闘戦を披露する場面も増えており主に蹴り技を使っている。2体がかりで挑んできた怪獣をまとめて追い払ったり、量産個体だったとはいえ、あのゼットンを撃破するといった戦績も挙げており、戦闘力自体は着実に向上していることが窺える。
だが、ほとんどが自主練による手探りの状態だからか、体捌きがたどたどしく、まだまだ発展途上な点が否めない。(補足をしておくと初陣がウルトラマントレギアとスネークダークネスとラスボスで、ギャラファイ開始時の時点で、経験を積んだ兄達は留学で近くにいなくてまともな戦闘訓練を受けていない。また、大いなる陰謀では、光の国に限らず全ウルトラマンを巻き込んだ騒乱の対抗戦力のメンバー集めの手助けをゼロから受け、召集のために惑星o-50に赴いた後、そのまま実戦に入ったりと、ちゃんとした戦闘訓練を受ける機会が無かった。)
しかし、最新作『運命の衝突』では、宇宙警備隊の精鋭であるメビウスの指導を受けながら訓練に励んでいるため、今後の成長が期待される。
そのリカバリーする能力と戦闘時での構えはあのウルトラ戦士の母親と似ている。
ひ弱な印象が目立つが、グルジオ系の最上級種と思われるグルジオレギーナをウルトラウーマンの姿に再構成した由来からか、実は腕力ではタイガとフーマを上回っている等、単独の戦闘ポテンシャルも男性ウルトラ戦士に匹敵する様子。
現状は変身者の未熟さで見た目相応の実力に収まっているが、要所要所でウルトラウーマンとしては破格となる戦闘力の片鱗を覗かせている。
また固有武器を持たないため徒手空拳が主だが、ライブステージでは、ロッソのルーブスラッガーロッソの一振りやカルミラのカルミラバトンを借りて戦っている。
必殺技
- グリージョショット
敵との戦闘を好まないグリージョが唯一持っている腕を十字に組んで放つ破壊光線。
フュージョンファイトでもこの技が必殺光線として採用されており、映像作品では『UGFニュージェネレーションヒーローズ』にて初披露。劇場版以後、綾香市から離れた兄たちの代わりに平和を守るため、自主訓練の際に使用していた。
初期は岩盤を多少砕く程度の破壊力しか無かったが、『大いなる陰謀』においては複製体とはいえあのゼットンを一撃で撃破する程の威力を見せた。要は元となったグルジオレギーナの主力武装『エルガトリオキャノン』が変じた技とも言え、グリージョ自身がコツを掴めばこれだけで十分な主力技に成り得る可能性も秘めている。
一応出力を抑えることも可能なようで、明確に悪意を持たなかったザンドリアスとノイズラーには足元に着弾させて脅かし、追い払う程度に留めている。
発射の際のポーズはナイトシュートのように右腕が前になる。
- グリージョチアチャージ
仲間にエネルギーをチャージする特殊光線。
活動限界が迫っていた兄達やジードに放ち、カラータイマーが青に戻るほどの効果を発揮した。
なお、光線の形状はアサヒを意識してか、飴玉状のものだった(飴玉1個分で全快する程なので地味に高性能である)。
『UGF運命の衝突』でも挨拶がてらトレーニング中の事故で負傷したゼアスとナイスを回復させたが、その光景はかの映画のかのシーンを連想した人がいたとかいなかったとか。
- グリージョキュアバースト
『UGFニュージェネレーションヒーローズ』にて使用。
全身に光を溜めて広範囲に放ち、敵は衝撃波で吹っ飛ぶ(直接対峙していたゼロダークネスはとっさに守りの態勢に入れた事もあって怯む程度だったが、兄達から光を奪っている最中だったウルトラダークキラーは不意を突かれる形となり吹き飛ばされてしまった)が、味方にはエネルギーを与えて回復させるという攻撃と補助(回復)を併せ持った効果を持つ。
上述のグリージョチアチャージの上位互換とも言える技で、グリージョが使う技の中ではかなり強力な部類に入る。
- レオキック(グリージョ版)
UGF運命の衝突グリージョダークネス戦で披露したセブン一門伝統の蹴り技。ウルトラマンゼロのような構えでグリージョダークネスに渾身の蹴りを叩き込んだ。
時系列的にはメビウスとの特訓で、彼から伝授された可能性が高い(メビウスもレオから直接指導を受けてレオキックを習得している)。
- グリージョ・バーリア
円状の強力な光のバリアで、兄達が使うバリアの5倍の強度を誇る。
発動の際、胸や肩に付いたクリスタルが発光する。
R/B本編での活躍
『セレクト!絆のクリスタル』
「ハッピー!! 私はウルトラウーマングリージョ!! 貴方の様な悪い人には反省してもらいます!!」
ピグモンがいる遠い惑星から帰還したカツミを迎えた直後、ルーブ、ジードと合わせてアサヒはグルジオレギーナへと変身するも、トレギアとスネークダークネスの圧倒的なパワーを前に、ルーブはロッソとブルへ分離され、ジードもロイヤルメガマスターからプリミティブに戻るほど追い詰められてしまう。
カツミとイサミはせめて「女の子だから」とアサヒだけでも逃げるよう促すも、アサヒは「女の子だなんて関係ない」と突っぱね、立ち向かう意思を見せる。
その時、ジャイロやクリスタルに残された残留思念か、それともあの世から一時的に舞い降りたのか、光となって死亡した筈の美剣サキが現れ、アサヒに力を与える。
すると、グルジオレギーナがまるで蛹の様に割れて、蝶が羽化する様にウルトラウーマングリージョが誕生した。
突然の事態に戸惑うトレギアに、前述の台詞を名乗るが、コメディタッチの『R/B』らしく誤って反対方向にしてしまい、恰好が付かなかった。
気を取り直し、グリージョはグリージョチアチャージをロッソ、ブル、ジードに与えて回復。
善の四大ウルトラマンによる共闘が始まり、前述のグリージョ・バーリアでトレギアとスネークダークネスの光線を防いだ。
しかし戦闘能力は、変身者のアサヒが女性かつ戦闘の素人故に殴った効果音がショボい程低い。補足すると、カツミとイサミも変身して間もない頃は、戦闘訓練を受けていない素人だったので仕方ない所もある。それでも二人は初期の段階でそれなりに戦えていた。(カツミは元野球部の体育会系で肉体担当、イサミは理系で頭脳担当と相性が良かったのもあるが)
トレギアには腕を捻られてからビンタされ、敵でありながら謝られる始末(トレギアの性格からして恐らくわざとだが)
その後、やはりトレギアとスネークダークネスの力に及ばず、ジードは変身解除されてしまい、
遂にアサヒも諦めかけてしまうが、リクの言葉に奮起し、ロッソ、ブルと融合。
グルーブとなり、ジード・ウルティメイトファイナルと共にトレギアとスネークダークネスの激闘に勝利した。
今回はぐんぐんカットを含むクリスタルによる変身過程は描かれなかったものの、グルジオレギーナから割れて出現する演出はとても印象深いものとなっている(これには、蝶が蛹から脱皮するシーンをイメージしているとともに、夢に向かって飛び立つという意味も込められている)。
なお、前述の通り戦闘能力が低いグリージョだが、ジードが変身解除される程に追い詰められたにもかかわらず、最後までカラータイマーが鳴る事はなかった(但しジードを変身解除させたスネークダークネスの火炎の直撃をグリージョは食らっていない)。
その後の活躍
『ウルトラギャラクシーファイト』
「綾香市は、私が守らないとです!」
ロッソ、ブルと共に第1話から登場。
兄二人が不在となった綾香市を守るため、真昼間から山にグリージョショットを撃って自主訓練をしていたところ、ウルトラダークキラーと時空を超えた戦闘を繰り広げていたウルトラマンゼロと遭遇する。「俺と一緒に来い!」と告げるゼロに対し何を勘違いしたか「でも私達、会ったばっかりだし…」と困惑するが、ダークキラーによってゼロ共々ダークキラーゾーンに閉じ込められてしまう。
ゼロがこっそりとエネルギーを分け与えていた事もあり持ちこたえていたが、ロッソとブルが駆け付けた際にウルトラダークキラーが生み出したゼロダークネスの攻撃を受ける。
ゼロに庇われながらも果敢に立ち向かい、「絆をあきらめない…私だって、ウルトラマンです!」と奮起して全身からグリージョキュアバーストを放ってウルトラダークキラーを吹き飛ばし、ロッソとブルを回復させるという形勢逆転のきっかけを生み出した。
その後はグルーブに合体して戦闘に参加している。
最終話で光の国への襲撃を予告して姿を消したトレギアを追いかける事になった兄たちに「自分たちが不在の間地球を守って欲しい」と説得され、ゼロと共に元いた宇宙へと帰った。
このため『ウルトラマンタイガ』第1話の冒頭では、トレギアと戦う新世代ヒーローズの中に彼女とゼロの姿はなかった。
仮にあの場にグリージョがいた場合、新世代ヒーローズをグリージョチアチャージで回復させたり、グリージョ・バーリアでトレギアの光線を防ぎつつ、他のウルトラマンが攻め手に入る等、サポートとしての活躍はできたと考えられる。
また、爆発に巻き込まれ、戦闘不能に陥った新世代ヒーローズをチアチャージで回復させれば、そのまま戦闘を再開できた可能性もある(グリージョ自身が爆発に巻き込まれたら意味ないかもしれないが)。
このため、あくまで結果論ではあるが、ロッソとブルがこの時グリージョを同行させなかったのは、(その後の事態も踏まえると)大きな判断ミスだったと言えるかもしれない。
何れにしても、トレギアからすればある意味一番厄介な存在であったと思われ(実際、今回ウルトラダークキラーもグリージョの行動から逆転を許してしまっている)、実際、彼女が攫われた理由もグルーブへの合体を阻止するためであった。
ウルトラダークキラーは結局グリージョの救出を許してしまったが、後に追われる事になったトレギアからしてみれば、グリージョをロッソとブルから引き離すことができたため、目的自体は果たしたと言える。
『ニュージェネクライマックス』
「重ねますよ!三つの魂!!」
物語終盤で兄達と合流。そのままグルーブに合体した為、単独での戦闘は行わず、兄達と違い湊アサヒとしての姿を見せることも無かった。
戦いが終わった後に他のニュージェネレーションズと共に帰る場面ではトリを飾る形で相変わらず「ハッピー!」を決めて兄と共に自らの宇宙に帰っていった。
なお、其原氏は舞台『鬼滅の刃』出演による稽古及び公演のスケジュールの影響からか、CVのみの出演となった。
『UGF大いなる陰謀』
「ゼロさんと約束したんです…カツ兄とイサ兄の居ない間の地球は私が護りますって!」
まさかの湊兄弟(ロッソ、ブル)抜きでの単独出演(兄達が何とかプリン…ならぬデビルスプリンターの調査に出払っていた為)。
第7話から登場。
綾香市の山奥で地球に飛来してきたザンドリアスとノイズラーのコンビと闘っていた。
複数の敵を相手に苦戦するも、最後はグリージョショットで撤退させる事に成功した。因みに兄2人と違って1人で2体の怪獣を相手に勝利すると言う快挙を成し遂げている。
その後、現れたゼロに事件解決の要請を受け、第8話では、惑星O-50に到着。修行していたウルトラマンフーマと出会い、ウルトラリーグへスカウトする(この時のやり取りやボイスドラマでの台詞から、フーマは以前にもグリージョと会った事がある模様。一応明確に描写されているのは『ニュージェネクライマックス』でありセリフから今回フーマが告げたのはこちらのことだと思われる。因みに、ボイスドラマでフーマは彼女の事を「かわいい」と評していた)。
その後はゼロ達と結成したウルトラリーグの1員としてゼット率いる人工ゼットン軍団と交戦していた80、ユリアン、メビウス、タイガ、ゼットに加勢する。この戦闘で同じくウルトラウーマンであるユリアンとタッグを組み、グリージョショットでゼットンの1体を単独撃破すると言う戦果を挙げた。ユリアンも必殺技のセレニティショットを同時に撃っており、その際のグリージョは溜めに少し無駄があり、ユリアンの溜めには無駄な動きが無かったりと、グリージョがまだまだ成長途中である事がうかがえる。
しかし、直後に突如出現したアブソリュートタルタロスの不意打ちを受けて吹っ飛ばされ、ユリアンを連れ去られそうになるも、ウルティメイトシャイニングウルトラマンゼロが咄嗟にユリアンを助け出したために事なきを得た。だが同形態の弱点を見抜かれゼロが敗北、ユリアンが連れ去られてしまう。途方にくれるウルトラ戦士たちに別件の重大事件発生の連絡が届き、ゼットとゼロが追跡に向かう。その際、この前のお返しとゼロの体力を回復し、タルタロス追跡を引き受け彼らを見送った。
地味に自身の発祥の地とも言えるO-50へ初めて訪れており、「なんだか殺風景です」と感想をこぼしている。かつてウルトラマンになれずコンプレックスを抱いていたサキの意思を受け継いだグリージョ(アサヒ)からするともう一つの実家でもあるので、中々感慨深い場面と言えるかもしれない。
ゼロと再会した際、再びルーブタッチを行ったり成長したグリージョを見届ける為加勢しなかったゼロに対して少し拗ねた様子を見せるなど、前作を知ってる人から見たらニヤッとする物がチラホラある。また、端から見ると完全にグリージョはゼロにとっても妹分の様な存在にも見える。そして、視聴者からはファルコン1案件とも呼ばれている。フーマとのやり取り(後述)はまた別の意味でファルコン1案件と言われていた。ただし、フーマの場合は殆どフーマの一方通行な部分も見られた上にグリージョの方も「そんなこと」とほぼスルー同然だった為、ゼロ程ファルコン1案件とは言われていない。
『UGF運命の衝突』
プロローグ編
「私も、もっと強くなりたいです!! ゼロさんや、お兄ちゃん達みたいに……私も鍛えてください!!」
さらに強くなる為、メビウスに稽古を付けてほしいと申し出、ウルトラコロセウムにて彼の指導を受けている。
この件により、前作でタルタロスの攻撃を受けて、倒れていた所をメビウスに支えられていた事もあり、新たなファルコン1案件と目されている(とは言え、やはりゼロ程ファルコン1とは思われていない)。
本編
稽古の中でメビウスから「(兄達の)真似だけでは強くなることはできないぞ」と、自分だけの戦い方を身につけるようにアドバイスをもらう。
その後、特訓で熱くなりすぎてクロスカウンターを決めてしまいお互い痛がっていたゼアスとナイスを見かねて、グリージョチアチャージを使って癒やした。この時の治癒能力を見て、メビウスはこの力が今後戦局を左右する鍵になるかもしれないと密かに期待していた。
一緒にいたボーイも交えて、プラズマスパーク浴(ただの日向ぼっこ)を楽しんだり、他愛もない話で笑い合う4人だが、ふとボーイがきれいな光る石を見つけたという話になり、彼らに同行してその石を見に向かうこととなる。君達は少し落ち着こうね?
……のだが、やってきたのはあの怪獣墓場。
訝しむゼアスやナイス、グリージョをよそにボーイはその石を持ってくるのだが……
「これ……デビルスプリンターですよ!」
3人「「「えぇ〜!?」」」
なんとボーイが発見したのはベリアルの目によく似たあの石……デビルスプリンターそのものだったのである。
しかも運悪く、それを狙ってタルタロスにそそのかされたギナ・スペクターが襲来。あまり戦闘が得意ではない4人は一方的にやられるが、彼女の目的が兄弟の復活だと知ると、グリージョは同じく兄を持つ者同士わかってくれるはず、デビルスプリンターに頼ること自体間違っていると必死に説得しようとする。
ギナはそのことに揺らぐも振り切ってグリージョを羽交い締めにし、しかもそこへレイバトスとバット星人を連れたタルタロスが現れ、グリージョはタルタロスが放ったリングに拘束されてしまう。
さらに運悪く、バット星人はかつて兄以外の闇を生んだ者のキラープラズマによるダークネスをその科学力で再現しており、拘束されたグリージョは彼にエネルギーを吸収・転換される。
そしてダークネスを目撃・実戦経験したことのあるグリージョは、既視感と共にあることに気付く。
「……私の、ダークネス……!?」
「お前は…邪魔だ」
自分の闇から生まれたウルトラウーマングリージョダークネスに襲いかかられ、ぎりぎりで拘束を破って立ち向かうも、自分が攻撃するとすぐに同じ技で返されるといういかにもな戦い方をされてしまい、しかもダークネスの特性上光を闇で増幅されているため徐々に劣勢になり遂には追い詰められてしまう。
が、そこに突如フレイムスフィアシュートが炸裂。
グリージョ「お兄ちゃんたち!」
ロッソ「アサヒ!」
ブル「無事か!?」
間一髪、湊兄弟達新世代ヒーローズの面々が救援に駆け付けてくれたのだ。
ニュージェネ戦士達がタルタロスらを相手取ったおかげで再び一対一には持ち込めたものの、グリージョショットをお互いに発射して全く互角の威力だったため、
「何度やっても同じ技で返されちゃう……私じゃ私に勝てないの…?」
と、心が折れかけてしまう。
すると、
ナイス「うおおお!グリージョちゃぁぁぁあん!!!」
レイバトスを新世代ヒーローズに任せたゼアスとナイス、ボーイが応援に加勢。致命傷とはいかずとも各々の攻撃でウルトラウーマングリージョダークネスへ大ダメージを負わせ、さらにボーイは彼女に応援を送る。
ボーイ「お姉ちゃん、諦めないで!僕達も一緒だよ!!」
そして彼らの戦いと応援によって、心が折れかけていたグリージョは奮起。
「そうです…そうですよ!みんなと一緒だったら、私は今日までの私を超えられます!!」
高く跳び上がったグリージョは光を右足に集中させ急降下キックを叩き込み、今までまともに仰け反らなかったウルトラウーマングリージョダークネスを大きく吹き飛ばす。
そして再びグリージョショットの撃ち合いになるも、今のグリージョには3人の応援があった。
ゼアス・ナイス「「頑張れ!グリージョちゃぁぁん!」」
ボーイ「頑張れ、お姉ちゃぁぁん!」
「私は…私を超えるぅぅぅっ!!!」
仲間の想いを受けて出力の高まったグリージョショットは、ウルトラウーマングリージョダークネスのそれを打ち破り、遂にグリージョは自身の闇に勝利をおさめ、4人で喜び合うのだった。
……が、闇に打ち勝ったのも束の間。
肝心のギナはレイバトスとギガバトルナイザー、そしてはじめからそれを狙っていたタルタロスの罠によって強引に兄達と合身、グア・スペクターになってしまったのだ。
ニュージェネのお兄ちゃん達がいともたやすく圧倒される中、グリージョはギナをなんとかして救いたいと皆に頼み、それを汲み取った兄達と共にグルーブへ合体。
さらにタイガを中心にウルトラマンレイガへ究極合体、アルティメットブラスターでグア・スペクターを撃破することに成功した後は、残されたボロボロのギナの元へ駆け寄り、グリージョチアチャージで彼女を癒そうとする。
が、蘇生されたギナには元々生命エネルギーが無く、意味を成さないことに彼女は愕然とする。
しかし、ギナは最期に自身の名を聞いてきた。
ギナ「名前を聞いておいてもいいか?」
グリージョ「……グリージョ…」
ギナ「最期に戦ったのが、お前でよかった……ありがとう、ウルトラウーマングリージョ…」
そして、ギナが頬に触れようとした瞬間、彼女は粒子となって消滅。
兄達がそっと寄り添う中、グリージョは悲しみを乗り越え、もっと強くなることを改めて決意するのだった。
「私……強くなります!!」
その後、グリージョは光の国のスタジアムでジード達同年代のウルトラマンと一緒にアストラとゼロの立ち会いを見ていた。お兄さん達落ち着いてください!
ウルトラマンニュージェネレーションスターズ
直接の登場は無いものの兄達がディメンションナイザーでグリージョの記憶を読み取る際に、アサヒと親友の美剣サキのハロウィンでの騒動や初めてウルトラマンになったトレギアとスネークダークネスとの戦いやグリージョの成長のきっかけとなったウルトラダークキラーとの戦いを思い返されている。カツミからは思春期であることから距離感を気にされるなど、やはり家族から非常に大切にされていることがうかがえる。
また、大いなる陰謀でのザンドリアスやグリージョダークネスとの戦闘シーンジェネスタでのウルトラダークキラーとの戦いの振り返りでは、ウルトラマンブルのテーマソングであるBlue Spinningが実質グリージョのテーマソングとして使われている。
本編以外での活躍
『ウルトラヒーローズEXPO2019 ニューイヤーフェスティバル バトルステージ《朝日が昇る時空》』
本編に先駆けてグリージョが初登場。
ステージ中盤、オーブダークに苦戦する兄弟を助けるために美剣のジャイロを用いて変身。
映画公式サイトなどの情報とは違い武闘派な一面を見せ、カミーラを相手にグリージョショットと思われる光線を披露し撃破している。
終盤はテレビシリーズと同じくマコトクリスタルとしての力を発揮し勝利に貢献した。
なお、変身シーンにおける美剣の引用した「古き友」の言葉は円谷英二の「まず『出来る』って言う。方法はそれから!」であった。
『グリージョの30分で分かるウルトラマンタイガ』
ナビゲーターとしてでだが遂に地上波初登場。
トライスクワッドの必殺技を真似しようとしてすっ転ぶなどのお茶目な一面を見せる。
エンディングは湊アサヒの姿で登場した。
円谷の公式サイトで動画が配信されている。
『ウルトラヒーローからのメッセージ《SPECIAL LIVE MOVIE》』
「Andra tutto bene! Anoliamo avanti,insieme!」
なんとこちらでも湊兄弟(ロッソ、ブル)を差し置いて単独出演。
当然ながら、掛け声はアサヒ役の其原有沙氏のものが使われている。
ソフビ人形を持った女の子を守る為に、歴代のウルトラ戦士達(初代ウルトラマン、セブン、タロウ、ティガ、メビウス、ゼロ、リブット、タイガ、ゼット)と共に怪獣軍団を相手に立ち向かう。
あのタロウ親子と共に因縁の相手であるウルトラダークキラーと戦った。
大いなる陰謀で本格的な出演を迎える前に単独出演が叶ったが、劇中で登場したウルトラ戦士達の抜擢には理由があると思われ、初代、ティガ、タイガの三人はそれぞれ昭和、平成、令和の記念すべき初のウルトラマンで、セブン、タロウ、メビウス、ゼロはウルトラシリーズの中でも高い人気を誇り、リブットは海外ウルトラマンの代表として、ゼットはウルトラシリーズの最新作枠としての出演かと思われる。
グリージョもこの中では唯一のウルトラウーマンであり、それの代表として選ばれたのだろう。
尚、怪獣軍団の撃破後はグリージョの由来となったイタリア語でメッセージを送った。
『ウルトラヒーローズEXPO2021 ニューイヤーフェスティバル バトルステージ《みんなの心でご唱和しようぜ!》』
上述の『大いなる陰謀』との兼ね合いもあってか、またしても湊兄弟(ロッソ、ブル)抜きでの単独出演。
アブソリュートタルタロスが連れて来たウルトラダークキラーとジャミラの前に、ジャミラが元は人間だった事に酷く動揺してしまったハルキとゼットの元へジードと共に駆け付けた。
今回は何とグリージョに衝撃的な姿が登場した事で話題となった。
尚、ゼットからは「グリージョ姉さん」と呼ばれていた。
『ウルトラヒーローズEXPO2021 サマーフェスティバル バトルステージ』
第一部ではやはり湊兄弟(ロッソ、ブル)抜きで単独出演。
やはり並行同位体として復活した闇の巨人達に苦戦するティガとトリガーの元へ、ダイナ、ガイア、アグルと共に駆け付けた。
ティガと共に『EXPO2019』以来、カミーラと再び対決するも、カミーラに自身の闇を付け込まれてしまい、彼女の手によって己の闇を具現化されてしまう。
第ニ部もロッソ、ブル抜きで単独……ではなく久しぶりに三兄妹揃って登場。
どうやらトリガーが来る前にゲームの世界に紛れ込んでしまったらしく、ゲーム内では兄二人を護衛に僧侶のポジションとして大活躍。
ダーゴンとの戦いでは兄達と融合、グルーブとなって立ち向かった。
『NEWGENERATIONSTheLIVEウルトラマンデッカー編』
ステージ3にて兄妹で登場。
Part1ではルーブ時空にて兄達と共に辺境の小惑星に現れた怪獣達を倒した後、今日の食事について雑談してる時、バロッサ星人に誘拐された。
Part2では、カルミラと共にオーブダークが作りあげたlosersのアジトの一室にウルトラマン達を呼び寄せるための囚われのお姫様が必要という理由で拘束されていた。 デッカーが送り込んだミクラスとハネジローの情報をもとにグリージョを探してたロッソとブルが同じくカルミラを探してたデッカーとトリガーと共に2人が捕縛されてる部屋に向かうと、グリージョはカルミラと共にバロッサ星人を羽交い締めにしておりそれを見た男達は唖然としていた。 カルミラと共に伸びたバロッサを離して兄たちに近寄る際には、バロッサを踏んづけて行った。 カルミラと共に女の子でも戦えるというところを兄達に見せるため、立ち直ったバロッサをカルミラと息のあった連携で攻撃し、最後はグリージョショットとカルミラフィンガースパークの同時攻撃で完全に倒しきった。その後オーブダークが呼び出したダークメフィストやジードダークネスと言った悪トラマンを兄達と共に総力戦で倒しに向かい、自身はカルミラと共にダークメフィストの相手をし、カルミラとの連携攻撃で撃破した。(その際、カルミラのカルミラバトンを使った攻撃を使用している。)その後はジードダークネスとエックスダークネスを相手してる兄達に合流し、グルーブへ合体。グルービング光線でダークネスを倒した。(なおこの時カルミラからは、終始小娘と呼ばれており、その度にグリージョです!と返しているが、舞台最後の方でカルミラが立ち去る際にグリージョと呼んで去っている グリージョは終始カルミラをかつての親友のようにカルちゃんと呼んでいる。)
またカーテンコールの後、トリガーや他のウルトラマン達と1階の観客席を回ってる際に、観客とケンゴ達が見てる前で不謹慎物がグリージョちゃんどうだった?俺の活躍〜と近づいできて、グリージョ本人は困惑してたが兄達が逮捕した。その後ウルトラマン達がステージに戻り、ケンゴとカナタの横に並び立つ際は、フーマは兄達に相当怒られたのか兄達と一緒にケンゴの元に並ばず、ティガやオーブと一緒にカナタの横に並んでいる。
余談
グリージョはイタリア語で「灰色」を意味する。また、黄色はスペイン語で『アマリージョ』である為、元ネタの一つであると推測される。
女性ウルトラ戦士が登場するのは映像作品においてウルトラウーマンベス以来32年(悪の戦士を含めればカミーラからは19年)ぶりで、21世紀女性ウルトラ戦士としては初めてである。
また、カミーラは「ウルトラウーマン」の名を持っていない為、実質平成唯一のウルトラウーマンであり、新世代ヒーローズ初のウルトラウーマンとも言える。
色に関しても赤でも青でもなく、タイプチェンジで変わらない最初から黄色系(オレンジ)のウルトラ戦士は、カミーラを除けばグリージョが実質初となる。
上述の通り、平成を飾る色んな意味で記念的なウルトラウーマンである。
人妻で子持ち(…だけでなく、最近になって孫がいたことまで発覚)、パワフルでお転婆なお姫様、グラマーな女戦士とかなり個性的で年上の女性が多いウルトラウーマンだが、その中でグリージョはあどけなさの残る少女で個性的な部分と言えば「妹」とかなり正統派なウルトラウーマンである。
ある意味でウルトラマン妹の初実写とも言える。
基本的にヒーローが1人~2人体制のウルトラシリーズで、(劇場版とはいえ)途中から参戦するという追加戦士の要素も持ち合わせている。
イメージカラーが、カツミが赤、イサミが青、そしてアサヒが黄色と、三兄妹で三原色の構成になる事から『ウルトラマンR/B』放映当時から「アサヒも変身するのでは?」と噂されていたこともあった。
頭部デザインはおかっぱ頭をモチーフとしており、目はややタレ目、口を小ぶりにすることで可愛らしさを狙っている。スーツは、スーツアクトレスのボディラインを出すことで女性らしさを表現するためシンプルなものとなった。ボディカラーは、可愛くかつロッソやブルと被らないものとしてオレンジが選ばれた。
デザイン案には長い髪が連想されるようなものも存在した。また、初期案ではアサヒのイメージカラーである黄色とする案も存在した。他にも目は女の子である事からピンクにする案もあったが、悪いキャラクターに見えてしまう事から黄色系の目になった。
当初はアサヒは最終回で消滅したままという展開も考えられており、最終的な脚本では生存することになったため、「せっかくなら兄妹3人をウルトラマンに」ということでグリージョの登場が決められた。
グリージョは新世代ヒーローズの一員か?
新世代ヒーローズの記事でも書かれている通り、グリージョは新世代ヒーローズの一員としてはカウントされていない。
理由として、『ウルトラマンタイガ&ニュージェネレーションぴあ超大全』では初登場が劇場版作品であったこととしている。
公式ではゼロとともに新世代ヒーローズの番外戦士といった扱いとして紹介していることが多い。
しかしグリージョは貴重なウルトラウーマンであり、尚且つ登場して以降アサヒの愛らしいキャラクターもあって人気を博している。そのためファンの中では彼女を新世代ヒーローズの一員として捉える者が多く、ファンアートでも彼女を含めた新世代ヒーローズのイラストも多い。
メンバーに入れれば紅一点にもなる為、新世代ヒーローズがより華やかな絵にはなる。
とは言え、ウルトラマンレイガへの変身にはグリージョの存在も欠かせない為、新世代ヒーローズ内で仲間外れにされている訳では無いだろう。
公式もそれらを懸念してか、グリージョ(アサヒ)のみのイベントを開催したり、ギャラクシーファイトのPVではロッソ、ブルと共に紹介されたり、『大いなる陰謀』では不在である兄2人に代わって彼女に事件への対応に当たらせる等、個人としての活躍・『R/B』のウルトラ戦士であることが伝わるよう施されてはいる。
グリージョの出どころは?
グリージョは力の由来こそ惑星O-50の光だが、先代であれどウルトラウーマンではないサキから譲り受けた変身アイテムを使用しており、オーブの光から直接力を授けられたわけではない上に、ウルトラマンの力に覚醒したのが地球であることなどから、O-50産のウルトラ戦士に含めるか否かはファンの間でも解釈が分かれている。
ただ、『大いなる陰謀』ではフーマが「グリージョちゃんは俺たちO-50組のアイドル」と述べているため、少なくとも公式設定においては彼女は紛れもないO-50組の戦士の1人として扱われている模様。
関連タグ
ウルトラマンジード→ロッソ/ブル/グリージョ→タイガ/タイタス/フーマ
プリキュアシリーズ:演じる其原氏が玩具のCMに出演していたことがある。また、グリージョのテーマ曲を含め『R/B』の劇伴を作曲した高梨康治氏は複数の作品で劇伴を担当している。
新世代ヒーローズ基本形態
プリミティブ←ロッソフレイム/ブルアクア/ウルトラウーマングリージョ→ウルトラマンタイガ/ウルトラマンタイタス/ウルトラマンフーマ