「久し振りだな……我が好敵手、トリガー!!」
データ
概要
カルミラによって3000万年の眠りから目覚めた、闇の三巨人の1体。
粗野で粗暴な性格で、ウルトラマントリガーを誘き寄せる為なら街1つ吹き飛ばすのさえ辞さない戦闘狂寄りの乱暴者だが、一方で卑怯な戦いを嫌い、常に相手との互角の勝負を望んでおり、相手との力が拮抗すればする程、自身も力を発揮する誇り高い戦士としての一面を持つ。
また、怒り狂うヒュドラムの制止役を担う等、意外と冷静な性分でもある。
強さに対する飽くなき向上心を持つが、それ以外の無関心さ故に、その2つが合わさった場合、普段の言動からは考えられない突飛な行動を見せる等、時に天然ボケな言動で周囲を混乱させる一面も。
トリガーの実力を認めてか、彼を「我が好敵手」(恐らくダーラムがティガを「マイフレンド」と呼んでいたオマージュ)と呼び、その戦いを楽しんでいる。また、敵であっても実力(単純な戦闘能力だけでなく、誰であっても恐れず決して引かない胆力等も含める)を認めると、同じく「好敵手」と認め敬意を払うようになる。
基本的に暴虐の限りを尽くす戦闘狂であるが、上記の通り武人肌の気質に加え、トリガーを「好敵手」と呼ぶ事実等から、闇の三巨人の中では情味に篤い存在でもある。
それ故か、第10話で『絆』の概念を知って以降、トリガーとGUTS-SELECTの連携に称賛と脅威を覚えていくようになると同時に「『一族の宿願』の為に我々も手を取り合い協力すべき」の考えに至る。
以降は戦闘狂であるのは変わりないが、我欲のままに暴れる行動が鳴りを潜め、逆に同胞の拙速な行動を諌めたり、互いに不信感を抱くようになった自分達の現状を憂う言動が増えていく。
特に第17話のカルミラの暴走、第19話での自分以外の2人の仲違いを抑える等、その姿には従来の戦闘狂としての面影は感じられないものだった。
他の2体と違い専用武器は持っていないが、鍛え抜かれた肉体から繰り出す超怪力で相手を追い詰める。実際、トリガーとの初戦では、既にギマイラ戦で消耗していた状態のマルチタイプ相手に完勝し、パワータイプや最強形態であるグリッタートリガーエタニティとの戦いでもほぼ互角に渡り合った。
必殺技はエネルギーをチャージし(この時の動作はファイアマグナムと同じである)振り上げた拳を大地に突き立てて発生させる爆煙衝撃波「ファイアビートクラッシャー」を持つ。ただ放つだけで周りの物を破壊する為、市街地で使えば建物の倒壊など甚大な被害をもたらす。
この他、相手に連続でパンチを打ち込む「ダーゴメッタ」や飛び蹴り技「ダーゴキック」も強力。23話でカルミラに操られた際には、手から暗黒のエネルギーを撃ちだす攻撃も披露している。
容姿
赤と黒銀を基調としたカラーリングに鎧状のディテールと、モチーフのダーラムのイメージを踏襲しているが、彼にあった有機的な要素がオミットされ、代わりに全体的にメカニカルな意匠に変化している他、歩く度に重々しい足音が鳴り響く等、古代兵のような鈍重な印象も強くなっている。
また、胸部のデザインはどこかウルトラマンネクサス ジュネッスにも似ている。
或いは色合いからジャンキラー、左右対称な容貌からジャンボットを連想させ、両者を折衷した風にも見える。
劇中での行動
- 第2話
どこかの惑星で逆さになって埋もれたまま封印されていたところを、先んじて封印が解け仲間の行方を探していたカルミラに発見され、カルミラウィップによって物理的に封印を解かれ、更に「いつまで寝てるんだい!」と蹴りを入れられ叩き起こされると、かなり手荒なやり方で復活した。
この時、封印されてから3000万年が経過した、及びトリガーを「見つけた」等を聞かされたダーゴンは、「一刻も早く好敵手のトリガーと戦いたい」一心で嬉々として地球に向かった。
そしてギマイラとの戦いで疲弊していたトリガー・マルチタイプの前に、空中に出現した闇から降下し豪快な土煙を上げながら出現(しかも、着地地点を中心に巨大なクレーターが生まれる程)。自ら名乗り戦闘に突入すると、トリガーを自慢の怪力で圧倒し、エネルギー切れに追い込んで勝利。しかし、ダーゴン本人の望んだ決着ではなかった為、不満を述べつつ一旦は引き上げるも、夜の街に再び現れ、トリガーを誘き出すべく街を破壊し始める。
「総てを破壊し尽くして……我が好敵手を引きずり出す! トリガーーーー!!」
狙い通りトリガーが現れパワータイプとなると市街地、更には海底で互角の戦いを繰り広げ、デラシウム光流の直撃をも耐え切る程のタフさを見せるが、トリガーがサークルアームズ・パワークローを手にすると徐々に劣勢となり、最後は必殺技の撃ち合いの末に押し負け、デラシウムクローインパクトを受けて爆発に飲み込まれる。
しかし下半身が埋まった状態となりつつも生存しており、「それでこそ我が好敵手」とトリガーの強さを称えた上で、再戦を望みつつどこか満足そうな様子で撤退していった。
この回では終始めりこみ系悪役であった。
- 第3話
トリガー及びGUTS-SELECTと交戦し、激昂したヒュドラムの前にカルミラと共に現れ、ヒュドラムを自慢のパワーで抑え込んで落ち着かせようとする。海底のアジトへ戻った後も怒りの収まらないヒュドラムと取っ組み合いになり、苦労している様子だった。
その後、ヒュドラムがカルミラのビンタで冷静さを取り戻したタイミングで、「我が好敵手と決着を付ける時が来た」と、ダーゴンはこれからの戦いに意気込んでいた。
- 第4話
第3話の終盤同様、海底のアジトに潜伏。
カルミラへ「トリガーはどうする?」と投げかけるや、彼女の怒りに触れてしまい、どこかバツが悪そうな様子だった。
- 第5話
トリガーとデスドラゴの戦いの最中に闇の中から出現し、ユナを攫おうとする。ユナがビルの中に逃げ込むと人間大になって中に入り、改めて彼女の追跡を開始する。それでも尚臆せず自身に立ち向かおうとするユナに「勇気ある者には手を抜かぬのが礼儀」と、敬意を表しつつ戦闘を開始。
GUTSスパークレンスの銃撃をものともせずユナを攻め立てるが、すんでのところでアキトの乱入を受ける。その後2人のエレキングキーの電撃、ガマクジラキーの水流を組み合わせた攻撃にも耐え切り、邪魔者であるアキトにターゲットを変更。アキトを攻撃しトドメを刺そうとするも、自身の前に立ちはだかったユナのビンタを食らう。
その直後、ユナの覚悟と勇気を込めた「人間はあなた達なんかに負けない!」発言に、ダーゴンは「次は無いと思え」と彼女達を見逃した。
その後、ダーゴンは海底のアジトでビンタされた左頬を押さえ、「人間、か……」と意味深長に呟くのだった。
- 第7話
カルミラ、ヒュドラムと共にバロッサ星人(四代目)を高台から観察。2人がじゃれ合う(?)中で、彼だけは階段めいた場所に腰掛け、黙考に耽っているようだった。
- 第9話
同エピソード後半にて、ヒュドラムと共に登場。
父からプレゼントされた首飾りを起点に、ユザレの力を初めて自発的に行使したユナを目撃し、ヒュドラムが「覚醒の時が近い」との下卑た喜びを見せる中、ダーゴンは第7話同様に黙考した後に1人退散すると対照的な姿を見せた。
- 第10話
「むぅ……何故だ?……何故あの女が気になる……?」
「我は我に問う……『この想いは一体、何なのだ』と……」
ユナにビンタされた後の反応から、一部視聴者から「何かに目覚めた」とネタ的に弄られていたが、今回はその感情について自身でも思い悩んでいた場面(=下校中のユナを遠目で監視する)をイグニスに見つかり、それが恋であると指摘され、(イグニスの面白半分の余計なアドバイスもあってか)斜め上の方向に暴発する。
壁ドンするつもりで手形が残る程の強烈な突っ張りを壁にぶちかます、バックハグするつもりでスリーパーホールドを行う、頭を撫でるつもりでアイアンクローを行う等、まるで力加減が分かっていない様子だった。
更には表情が読めない鉄仮面にもかかわらず、笑顔を見せて誤解を解こうとする等、天然ボケな一面も見せた(当然アキトにはツッコまれたが、ケンゴだけは何となく彼の表情を読み取れていた)。
終いには想いが通じず、余計に混乱して地団駄を踏むと大きな地響きが起こり、そのせいで地中で眠っていたザラガスが目覚める事態となってしまう。
ザラガスに立ち向かうユナとアキトに「何故逃げない!? 弱き者が何故抗う!? 何故そうも立ち向かうのだ!?」と問いかけ、アキトからは「力の強さは関係無い!」、ユナからは「誰かを守りたい、誰かを助けたいと言う強い気持ちが私達を動かしてるだけ」と返答される。その直後、トリガーに殴られて倒れてくるザラガス(体重2万t)を等身大のまま指一本で受け止めて投げ飛ばし、トリガーに勝機を与えた。
今回の一件で、彼はアキトのユナへの想いを見抜き、最後に「良いだろう! 我が“好敵手”として認めてやろう!」とライバル宣言をし、その場を去った。アキトは今回の出来事に対して「一つ借りが出来たな」と溢していた。
「生きとし生ける者は、恋を重ねて強くなる。 ……その強さとは、誰かを守りたいという強き心。 決して侮るなかれ……強い心を持つ、弱き人間達を……」
尚、今回ケンゴが垣間見た回想の中では、過去のトリガーと戦う姿も映っていたが……?。
- 第11話
エピソード序盤、カルミラの策略で危険な状態に陥るトリガーを見て、急いでそちらへ向かおうとするユナとアキトの背後から現れたダーゴンは「待て!」と警告を発したが、動きを止めない2人を見て「やはり、お前達は下がらぬか……」と漏らした後に、いつの間にか巨大化してカルミラ、ヒュドラムの許へ合流する。
その後、ケンゴの意識が超古代文明にタイムスリップした際は、ヴィランらしくカルミラ、ヒュドラムと共に遺跡を手当たり次第に破壊するシーンが流れた。
その後、「ユザレがエタニティコアのゲートを開く鍵」との情報がヒュドラムから発せられ、過去のトリガーがユザレの確保に成功、その様に「流石は我が好敵手と言ったところか」と称賛した後、仲間達と共にエタニティコアが眠るゲートへ侵入した。
尚、カルミラとトリガーダークが恋仲にありながらも、自身がユナに抱く想いを前回イグニスに指摘されるまで「恋(?)」だと気付かなかったのは、ダーゴン自身が徹頭徹尾の武人であると同時に、両者の「恋」と呼ぶには歪過ぎる関係しか見ていないのが原因かも知れない。
- 第12話
3000万年前の世界で、ケンゴがトリガーダークの説得を終えた瞬間、エタニティコアが強く輝いた為に闇の三巨人は一様にたじろぐが、直後に希望と光に満ちたトリガーを見て「一体何が起こったのだ!?」と混乱するダーゴン。
その後マルチタイプ、パワータイプ、スカイタイプに分裂したトリガーの内、ダーゴンはパワータイプと交戦してそれに勝利し、同じくスカイタイプに勝利したヒュドラムと共にカルミラの許に合流、トリガーマルチタイプを蹂躙する。
だが、ケンゴが起こした奇跡に感化したユザレの祈りによって、エタニティコアの力の一端がトリガーに宿り、その力で2人諸とも石化、宇宙へと放逐された。そしてケンゴは現代に帰還し、ケンゴがスパークレンスを起動した瞬間、闇の三巨人は一斉に激しい頭痛に教われると同時に、トリガーダークがウルトラマントリガーに変化した瞬間を思い出した。
トリガーと交戦するトリガーダークを目の当たりにするダーゴンだったが、カルミラの指示を受けて2人と共に巨大化し、ケンゴが変身したトリガーと戦闘するトリガーダークに加勢しようとするも、トリガーダークに阻まれヒュドラム諸共押し返されるまさかの事態に遭い、堪らず「何をする!?」と驚く。更にトリガーダークの放った闇の稲妻に巻き込まれた上、その後ケンゴが更に変身したグリッタートリガーエタニティのグリッターゼペリオン光線、及びマルチフォトンを四人揃って喰らってしまい、ヒュドラムと共に不利を悟ったダーゴンは、激昂するカルミラを抑えつつ撤退した。
尚、カルミラに指示されていた状況下、トリガー1人を相手にヒュドラムと共に襲い掛かると、武人として卑怯と思われ兼ねないような展開になったが、この時トリガーに攻撃していたのはヒュドラムだけで、ダーゴン自身はトリガーには一切攻撃せず、トリガーダークを庇う様に守り、心配して手を差し伸べていたので、ちゃんと武人としての心意気は守っていた。
その直後、トリガーダークに拒絶されて押し返されたのも見れば、いつもの苦労人属性も出ていた。
グリッターとの力の差を感じた時は、止むなくヒュドラムと2人がかりで戦おうとしたが、この時は冷静に状況を判断して行動した部分が大きいので、卑怯とは言えないだろう。
- 第14話
何処かの海底にて憂さ晴らしをしているカルミラを傍観していると、突如アブソリュートディアボロの襲来を受ける。「エタニティコア強奪」を一方的に宣言してきた為戦闘に入るも、ヒュドラムは軽く吹っ飛ばされ、自身はディアボロと取っ組み合いになるも、それを「面白い」等と余裕を見せられる。やって来たアブソリュートタルタロスに中断された後、これまた一方的にエタニティコアへの接触を傍観を脅迫同然に要求されるが、分の悪さもあり渋々承諾する。
- 第15話
GUTS-SELECTの拘束が解けそうになったアブソリュートディアボロをカルミラ、ヒュドラムと共に拘束。オペレーションドラゴンの完遂を見届けると去っていった。
- 第16話
トリガーダークに変身するも制御出来ずに暴走するイグニスの様子を、ヒュドラムと共に監視していた。
ダーゴンは「何故過去のトリガーと同じ姿をした者がいるのだ?」と疑問符を上げていたが、ヒュドラムは別の何かに意識を向けていた……。
- 第17話
同エピソード終盤、メツオロチやイグニス=トリガーダークそっちのけで、ケンゴを倒さんとするカルミラを制すべく登場。
思わぬ横槍に激怒するカルミラに、第10話で実感した「人が持つ『誰かを守りたい強き心』」が決して侮れないものであると知り、そしてそれが現実となった光景=満身創痍のトリガーを守ろうと前に立ちはだかり、各自武器を手にするGUTS-SELECTの面々を見せた。
「この『人の力』を……甘く見れば痛い目を見るのは我々の方だ……!」
「今は引け! 我等の勝利の為に……!」
手負いでも尚戦おうとするカルミラを改めて制した後、彼女と共に撤退した。
- 第18話
偏愛の果てにトリガーダークの妄想に取り憑かれるカルミラを、冷めた様子でヒュドラムと共に見ていたダーゴンは「その通り!!」と同調しつつ「やはりヒュドラム、お前が導き、我等闇の一族の宿願を果たしてくれ! それが出来るのはお前しかいない!!」と、遂にカルミラへの見限り、今後の主導権はヒュドラムに一任した。
その後、何故か地上に赴いていたダーゴンは、タツミ隊長の昇進サプライズパーティーの為に買い出し中のユナ(とケンゴ)を発見してしまう。
「このような時に何故、我は……!?」
ユナを見るや否や胸の高鳴りに襲われてしまった挙げ句、淡いエフェクトが掛かった景色の中で、ユナから「今は無理だけど、何時か一緒に……」の言葉と共に、一輪の白い薔薇を手渡され堪らず惚けてしまうと、カルミラとどっこいどっこいの醜態(?)を晒してしまった。
……もっとも、エピソード序盤からメインキャラクター達に降って湧いた幸運の数々が『何者かによる精神攻撃』と断定された為、ダーゴン達闇の三巨人が見ていた情景は、その影響による妄想の具現化と半ば確定された。上記のヒュドラムへの発言もヒュドラムが見ていた妄想であり、実際は「何を言っている?……力を合わせて、一族の宿願を果たすのだ!」と真逆の発言をしていたのが第19話で明かされた。
何者かの介入によって、皆一様に無様な醜態を晒した闇の三巨人達だったが、今回のエピソードでダーゴンが口にした「我等闇の一族の宿願」から、どうやら闇の三巨人達の一連の暗躍は『愉快犯めいた場当たりなものではない、積年の大願に則って動いている』事実が判明した。
- 第19話
前回の醜態が「『モルフェウスR』が原因」だと気付くが、それによってカルミラとヒュドラムが喧嘩を始めてしまった為、すぐさま仲裁に入るダーゴン。
だが、両者の喧嘩はそれで収まらず、遂に街中に及び始めてしまい、ダーゴンは「止せ、カルミラ! ヒュドラム! 止めないか! これは恐らく、何者かの罠だ! 我等は皆、幻影を見せられていたのだ!」と改めて止めに入るが、逆に両者の火に油を注ぐ結果に陥り、状況が悪化してしまう。
そこにトリガーが割り込んできて乱戦となるが、ダーゴンはトリガーと戦いつつも、やはりカルミラとヒュドラムに意識を向ける。
その最中、戦力を一応は取り戻したGUTS-SELECTの横槍に、闇の三巨人達は不意を突かれてしまった挙げ句、『ユザレの末裔』の覚悟を決めたユナと娘の覚悟に寄り添うミツクニの意思によってユナが幾度目の覚醒を果たす。それによってトリガーが力を持ち直したのを見たダーゴンは「ユザレが覚醒した……!?」と困惑の声を漏らし、ヒュドラムの言葉を皮切りに撤退した。
尚、今回は『カルミラとヒュドラムの仲裁』に意識を割いていた為、トリガーとの戦いでは積極的に攻撃はしなかった。
だが、仲間割れする同胞と攻めてくる敵を同時に止めなければならない状況だったり、トリガーを羽交締めにしたらヒュドラムが便乗して攻撃する場面もあった為、不本意ながらトリガーを数の力で攻める場面もあった。
今回はこれまで以上に苦労人な姿が描かれている(仲間の喧嘩に振り回され、仲裁してたら後ろからトリガーに蹴られる、ファルコンに撃たれる、ナースキャノンは正面からモロに受ける等)。仲間を止めなければ彼らがトリガーに攻撃を受けて不利に陥り、仲間を止めに入ればトリガーも加わった乱戦になる状況では、武人としての誇りを守った『1対1での戦い』自体無理があっただろう。
- 第21話
前回出現したバリガイラーの影響で、アボラスとバニラが復活し暴れ回る様子を、カルミラと共に注視するダーゴン。
この事態を好機を見たカルミラによって、混乱に乗じてユザレを拐ってくるよう指示されるも、ダーゴンは「待てカルミラ。覚醒したユザレの力を見ただろう? 今は慎重に動くべきだ……」と警戒を促した。
既に幾度もユザレの力を見たダーゴンにとって当然の警告であったのだが……第19話でのヒュドラムの反旗が『トリガーダークの離叛』と重なり、カルミラの精神を逆撫でたのか、「ヒュドラムだけでなく、お前まで私に逆らうのか!?」とカルミラの怒りを買ってしまう。ダーゴンは「そうではない! 大事な時だからこそ、我々が力を合わせて……!」と冷静に説得しようとしたが、カルミラから「黙れ!!」と一蹴され、互いに睨み合う事態に……。
その後、カルミラの説得には一応成功したのか、深海で二大怪獣が倒された様を1人眺めるダーゴンは……。
「奴等は互いに助け合い、ますます強くなる。翻って我々は……闇の一族は……」
『確かな繋がりを紡ぎ、強くなっていくトリガー達』と『宿願以外の繋がりがない故に、空中分解しつつある自分達』の真逆な有り様に、嘆きと皮肉が入り雑じった言葉を寂しげに漏らすのだった……。
- 第22話
ヒュドラムに「話がある」と呼び出されたダーゴンは不穏な空気を感じ、同じく呼び出されたカルミラと合流する。
「カルミラ、このままでは我々は……」と警告した瞬間、ヒュドラムが放った蒼い光弾にカルミラと共に拘束された挙げ句、彼に裏切られてしまった。
その後、同エピソード終盤にてカルミラが拘束から解放された事実から、ダーゴンも同様に解放されたと思われる。
……しかし、次回予告にてダーゴンは遂に人間を認める姿勢を見せたと同時に、カルミラに洗脳されてしまうシーンが流れており……。
武人としての矜持と絆の果てに……(第23話『マイフレンド』)
ヒュドラムの拘束から自力で抜け出したダーゴンだったが、直後に遭遇したカルミラからヒュドラムの最期を聞かされ、彼女が仲間を手に掛けた事態に絶句する。
そして『闇の一族の宿願を果たす』志を見失い、仲間さえ冷酷に切り捨てて1人暴走するカルミラの現状に、結束は疎か信頼さえ出来ないと見切りを付けたダーゴンは「最早、お前にはついて行けぬ」と決別の言葉を発し、彼女の許を離れようとした。
……が、ヒュドラムの闇をも吸収しパワーアップしたカルミラは、躊躇なくダーゴンに闇エネルギーを注入した結果、ダーゴンの双眸が紅く輝き出しカルミラの意のまま操られてしまう。その様は闇の一族が扱う闇怪獣そのものだった(後述のイラストを参照)。
カルミラに操られるまま暴れるダーゴンだったが、自身の攻撃でユナが傷付きそうになった瞬間、正気を取り戻し彼女を救助した。
だが、これを見たカルミラは直後に、嘲笑ともほくそ笑みとつかぬ不気味な笑いを浮かべており……。
その後、助けられたダーゴンは「お前達のお陰で正気に戻った。我とした事が……カルミラの呪術に操られるとは……」ユナにケンゴ、アキトの3人と邂逅し謝罪を口にした。そして、ダーゴンは改めて「ユナ……我はお前に、人間に惹かれているのだ」「非力な人間が……『仲間を守りたい』と言う強き心によって、我が剛力をも圧倒してみせる。その強さは我等闇の一族に無いものだ」「それを教えてくれたのはユナ、そして人間の好敵手……お前達だ」と今までの経験から得た本心を吐露した結果、ケンゴ達から「だったら……もっと人間の事を知ったらどうだ?」「皆が笑顔になれる未来の為、仲間として一緒に戦おう」「ダーゴン……私からもお願い」と誘われた。
「こんな我でも、仲間にしてくれると言うのか……」
ケンゴ達の誘いにダーゴンは驚きと喜びが混じった声を上げるも「その前に、悔いの残らないよう3000万年前のけじめを付けねばならない」として、改めて武人として「トリガーとの決闘」を申し出た。ケンゴもそれを受け入れ、助けられた借りがあるアキトもダーゴンをトリガーと闘わせてやって欲しいとタツミ隊長に懇願、タツミ隊長も(「万が一に備えて出撃の準備はしておくように」と妥協案を提示しつつ)アキトの頼みを承諾した。
逢魔が刻、待ち合わせたどこかの山中にて、トリガーとの決闘を開戦するダーゴン。全力でのぶつかり合いを望んでトリガーと激突し、グリッタートリガーエタニティとも互角に渡り合う闘いを見せる。
……だがその最中、カルミラが呪術を再動。やはりカルミラに注入された闇の力が残っており、その影響を受けて再び闇怪獣同然の状態と化し、暴走してしまうダーゴン。
「我が最後の願いさえも……踏みにじると言うのかぁぁぁ!?カルミラァァァァァ!!」
絶望と怒りの叫びを発するダーゴンだったが、為す術もなく暴れ狂い、トリガーを圧倒した後にユナを捕獲すべく迫り、容赦なく攻撃を浴びせる。
しかし、ユナの必死の呼び掛けに僅かの間ながら正気を取り戻したダーゴンは、懸命に自らの体を抑え込み、暴走する自分を倒すよう懇願。
「トリガー!! そして、強き人間達よ!! 我を……カルミラに操られた我を止めるのだ……!! 我の誇りを守る為に!! 本当の強さを教えてくれたユナを、我の剛力で傷付けない為に……!!」
カルミラが乱入しトリガーでも止められない状況下、アキトは同じ“ユナを守る者”であり“好敵手”として、ダーゴンの最後の願いを聞き入れ、自ら彼にトドメを刺すのを決意。
ウルトラマンリブットが残したGUTSハイパーキーを起動したアキトは、これをナースデッセイ号に使用し、大技「マキシマギャラクシウム」を発動させた。
ダーゴン「我が願い……叶えてくれるか……」
アキト「我が好敵手……うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
そのままナースデッセイ号の体当たりを受けたダーゴンはその身を貫かれ、遂に引導を渡される。
そして、天に拳を掲げたダーゴンが今際に放った言葉は……。
「マイ……フレェェェェェェェェンドッ!!」
かつての同士にして好敵手であったトリガーとの決着を果たせなかった『無念』でも、自身の誇りを踏み躙ったカルミラへの『憎しみ』でもなく……皮肉にも同族である闇の巨人とは築けないまま、逆に敵対するはずの人間との間に芽生えつつあった『友との絆』への強い想いを馳せたものだった。
アキト「……何がマイフレンドだ……ウザいんだよ……」
そう嘯くアキトの声は震えており、やむを得ず倒さざるを得なかった彼もまた、敵であるはずのダーゴンとの間にある種の『絆』を感じていたのだろう……。
かくして、自らが認めた“好敵手”によって“救済”される形で、戦いの中でその命を散らしたダーゴン。
だが、残された闇の力は「人間に歩み寄った奴の炎は最悪の味だよ」と嘲るカルミラに吸収された上、彼を暴走させ囮としていたカルミラはこの機を逃さずユナを拉致。
これにより、三巨人達の闇の力はカルミラの身に一極化、更にエタニティコアの力をも取り込んだ結果、地球にかつてない危機をもたらす事態となる……。
- 最終話
最終決戦にて、GUTS-SELECTがユナを介してエタニティコアの力をナースデッセイ号に集積させている事に感付いたメガロゾーア=カルミラが、妨害の為の刺客としてヒュドラムと共に送り込んだ。あくまで闇の力を使って姿を忠実に再現されたコピーであり、その為か上述した暴走時と同様に目が闇怪獣の如くの赤く発光している。無論ダーゴン自身の意志は存在しておらず、召喚されるや否や、アキトを含む隊員達に容赦なく襲い掛かった。
その後、指令室で隊員達と激闘を繰り広げたものの、最終的にナースデッセイ号にエタニティコアの力が完全に充填されるとその余波で消滅した。
邪神スフィアメガロゾーアと共に復活したカルミラが、地球を去る間際にダーゴンとヒュドラムの闇の力と思われるエネルギー体(精神体のようなものなのではないかという意見も)を手にしていた。
このため、今後何かしらの手段で復活する可能性が出てきたことになる。
(ヒュドラムは兎も角)ケンゴとの対話で光を受け入れるようになったカルミラに加え、真の強さを知ったダーゴンが復活したならば、今度こそ仲間達の間に確かな絆を結び、新しい居場所を見つける事が出来るだろう。
- 魂NATION
デッカー8話の放送後同日公式チャンネルにて生配信された魂NATIONにてカルミラとグリッタートリガーのアーツとテクターギアを纏ったゼロのアーツの発売が決まり、そのタイアップとして同配信にて行われた『魂NATIONバトルステージ トリガー編』にて、ダーゴンともやり合ったタルタロスがナラクを通じて呼び出した並行同位体のダークルギエルを使って、スパークドールズにされ誘拐されたトリガーを救うためにユナが「ダーゴン、一緒に私たちの友達を助けよう」の掛け声とともにダーゴンのキーをスパークレンスに装填してトリガーを救った。最後まで手を取り合おうとしたが闇に乗っ取られ、人間の友に看取られる最期で最終決戦を共に戦えなかったが、自身の残した力がこうしてかつての宿敵を救う展開にコメント欄は盛り上がった。
ちなみにこのバトルステージの監修は、トリガー本編のメイン監督とギャラファイの監督を務めてる坂本監督である。
余談
声を演じる真木氏は前々作『ウルトラマンタイガ』でガピヤ星人アベルの声を演じているが、ウルトラシリーズへのレギュラー出演はこれが初。偶然にも、本作の17年前に公開された映画作品の主人公と同音異字の同姓同名である。また、真木氏は『トリガー』の次回作『デッカー』のダイジェストPVのナレーションを担当している。
名前の由来は、ダーラムやティガと関わりの深いクトゥルフ神話における神格・ダゴンだと考えられる。
前話のゴルバーとカルミラ戦では雨の特撮だったが、第2話ではデラシウム光流を喰らった衝撃でダーゴン、トリガーの双方共海に落下している。濡れる場面での戦闘が二話連続したのは『ウルトラマンティガ』最終回のガタノゾーア戦以来24年ぶりである。尚、水中での勝負となったのは、『ティガ』劇場版でのティガ対ダーラムの対決が、ルルイエの湖底で行われたシーンのオマージュと思われる。また、水中戦が2作連続登場したのは『ウルトラマンガイア』と『ウルトラマンコスモス』以来であり、夜景での水中戦は『ガイア』第21話のカンデア戦以来22年ぶりである。
「卑怯な戦いを嫌う」設定があるにもかかわらず、初戦で消耗していたトリガーに容赦なく襲いかかる様は、どう考えてもアンフェアな勝負でしかない。
ただし、ギマイラはダーゴン(及び闇の三巨人)が差し向けた刺客でもない野良怪獣であり、たまたまダーゴンが襲来したのがギマイラ戦後だっただけで、計画的にトリガーを消耗させるつもりは微塵もなかった可能性が高く、そもそも直前までトリガーが、野良怪獣と戦っていた事実を認知していたかどうかすら怪しかったりする。
この時のダーゴンは「とにかく一刻も早くトリガーと戦いたい」想いが強過ぎて、細かいところまで気が回らず、たまたま他作品における『今週の敵を倒した直後にライバルキャラが「次は俺と戦ってもらうぞ」と襲いかかる展開』に近い状況になったのかも知れない。あるいは「相手がいかなる状態であれ、認めた相手なら全力で戦う事が戦士たるものの礼儀」と考えている可能性もある。
……しかし、彼も闇の巨人の端くれである。あくまで彼自身にとって全力の勝負さえ出来れば、トリガーがどれだけ体力を消耗していようがあまり関係なかったのかも知れない。
ただ、消化不良に終わった戦いには満足できていなかったらしく、その後わざわざ再戦の機会を与えて、この際にも小細工無しで真正面から堂々と戦う等、勝ち逃げとは正反対の行動を取っている事実から、なんだかんだで武人としての面目は保っている。
更に不意打ちのような汚い真似はせず、自身の氏名と目的を告げた上で戦闘に突入しているので、一概に卑怯と断定出来ないところでもある。
また、他の2人と違って一度も怪獣を利用したり、闇怪獣を生み出した場面が無い(上記の通り、地団駄を踏んでザラガスを目覚めさせた場面はあったが、単なる偶然である)。
乱戦でカルミラやヒュドラムと一緒にトリガーと戦った場面は2度あるが、いずれも袋叩きが目的ではなく、味方を諌める為にやむを得ず介入している部分が大きい。
以上の事実から、ダーゴンが誰にも邪魔をされずトリガーと一対一かつ、最後まで全力で闘えたのは、彼が初登場した第2話の再戦の時だけだった。
第23話終了後、アキト役の金子隼也氏とユナ役の豊田ルナ氏はTwitterにダーゴンとのツーショット写真や集合写真を上げており、それぞれ「マイフレンド」「ダーゴン、どんな時も私達を守ってくれてありがとう……マイフレンド!!」とコメントをしている他、Amazonではダーゴンのソフビの売り上げが上がり、ソフビカテゴリで1位のベストセラーになる事態が発生した。
ネット上でも、彼の退場を悼む声が相次ぎ、遂には「#存在したいダーゴンさん回」なる集団幻覚が発生した。
退場のインパクトが強いせいで気付かれていないが、実はTVウルトラシリーズ内では初めて防衛軍の手によって倒された敵幹部(『ギンガS』など既存登場の星人を除く)である。ウルトラシリーズ内ではゼットンやマーゴドンなどラストの敵を人間が倒したり、グランスフィアやエンペラ星人などの黒幕をウルトラヒーローと協力して倒す例は複数存在するが、東映特撮と違い元々敵幹部の存在が少なく、長らく防衛隊設定も続かなかった為、ありそうでなかった構図でありダーゴン戦でようやく発生するに至った。
地味に「人間の手によって倒された敵のボス」の点でも相当久しぶりで、『レオ』のブラック司令以来47年ぶりである。
苦労人?
初登場の第2話で「目覚まし代わりにカルミラに思いっきり蹴飛ばされる」のを境に、ダーゴンは何かとぞんざいな扱いをされつつある。
以下、その一例。
- 「暴れるヒュドラムに手を焼く」
- 「些細な一言が原因でカルミラの気分を害してしまい、気まずそうにする」
- 「苦戦するトリガーダークを助け、手を差し伸べたのに拒絶されて押し返される」
- 「街を巻き込む程の大喧嘩を起こすカルミラとヒュドラムに手を焼き、何とか場を収めようとしただけなのに、乱入したトリガーに3人纏めて飛び蹴りを食らわされる」
- 「カルミラが手負いかつ形勢不利な状況で、尚も1人で戦おうとしたため、これを制止する為だけに姿を見せる」
……等々、面倒を処理しに行ったり、それでも酷い目に遭わされたりする等、苦労人属性が定着しつつあり、遂には仲間2名がすぐ感情的になりやすいのも相俟って、視聴者からは「三巨人の中で一番の常識人」とまで扱われる始末である。
その為か、ファンの中には「ダーゴンさん」と敬称付けで呼ばれたりも。
また、第5話でユナの言葉をきっかけに人間に興味を持って以降、一部の視聴者から「いずれ光落ちするのではないか?」との意見が上がっていた。
トリガー絡みで暴走するようになってしまったカルミラ、他者を見下す傾向が悪化していくヒュドラムに反して、唯一ダーゴンだけがまともな成長を見せており、結果的にはメインヴィランの一角であるにもかかわらず、『己の誇り』と『絆を紡げたであろう相手』を守ろうと自ら好敵手に介錯を頼んで果てる、異例の結末を迎えるに至った。
関連タグ
剛力戦士ダーラム:モチーフになっているキャラクター…と言うよりも「同義の存在」。こちらはダーゴンと比べると口数が少なく「武人」と呼ぶよりは、戦闘マシーンのような冷徹さが強い印象を残している。こちらはダーゴンの最期の台詞である「マイフレンド」の言葉を度々口にしているが、ダーゴンと違い最後まで『真の強さ』を理解出来ず、「友」と呼んでいたかつての同胞によって倒される皮肉な最期を遂げている。
ウルトラマンタイタス:前々作のパワー系戦士で、スーツアクターも同じ。善悪の違いはあれどどことなく似ている要素が多く、第2話放送後の視聴者の中には両者の対戦を望んでいた声もチラホラ。
ザムシャー:同じくウルトラシリーズにおける武人肌なキャラクター。当初は己の強さに絶対の自信を持ち、地球が壊滅する事態となっても「自分には関係ない」と切り捨て、とあるウルトラマンに一騎討ちを挑んだが敗北。再登場時には主人公達の危機に駆け付けた。最期は敵の攻撃から自らの身を盾に主人公達を守り、ダーゴン同様再戦が叶わなかったが、最期に「『真の強さ』とは何なのか」を実感しながら命を落とした共通点がある。
グレゴール人:こちらは単純に「自らが『最強』である」のを証明するのに固執する、戦闘狂寄りのキャラクター(ただし、「自分が地球に危害を及ぼす意志がない」のを示す等、妙に律儀な面も似ている)。こちらも最終的に『真の強さ』の有り様を理解し、その時代のウルトラマンと和解した。尚、根っからの極悪人ではない為、ダーゴンやザムシャーと違い生存している。ちなみに本作の続編で同族が登場している。
ハート:『仮面ライダードライブ』に登場する怪人のリーダー。武人肌で正々堂々と勝負することを好む、仲間意識が強い、主人公を「好敵手」と認識して彼の実力を敵ながら認めるなどいくつかの共通点がある。なお、その演者は2年後のウルトラ作品にて主人公を演じることとなった。