「これは失礼。私の言葉が理解出来ますか?」
「エクセレント! 覚醒を促す良い方法が分かりましたよ」
データ
別名: | 俊敏策士 |
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身長: | 57メートル(等身大にも縮小可能) |
体重: | 5万2千トン |
飛行速度: | ? |
出身地: | 超古代の地球 |
一人称: | 私(わたくし)/俺(激昂した時) |
CV: | 高橋良輔 |
演(スーツアクター): | 永地悠斗 |
デザイン: | 武藤聖馬 |
概要
3000万年の眠りから目覚めた闇の三巨人の1体。
カルミラやダーゴンより100年前に封印が解けていたが、表舞台には姿を見せず暗躍し、両者の復活を待っていた模様。また、イグニスの口振りから彼と彼の故郷・リシュリア星と何らかの因縁があるらしいが、詳細は後述。
闇の巨人では最も早くにトリガー=ケンゴ以外の地球人=ユナと直接接触を図っており、この時には声帯チューニングによる意思疎通を披露している。ちなみに、ダーゴン同様にカルミラのような人間態になれるかは不明。
専用武器は右腕の短剣「ダガーヒュドラム」で、高速移動しながらこれを用いる接近戦を得意とする。また、ダガーヒュドラムから放つ斬撃真空波「ヒュドラスト」は強力な必殺技である。
「俊敏策士」の別名の通り、多彩にして狡猾な策略と超スピードを駆使した戦いを得意とし、相手の感情を逆撫でするような嫌らしい戦法も使う。反面、直接的な戦闘力は、あくまでも基礎戦闘力がずば抜けている他の2人と比べればの話ながら、そこまで高くはないらしい(一応、スピードではダーゴンとカルミラを上回っているとされ、トリガーと互角に渡り合い、アブソリュートディアボロ以外の相手には苦戦していないことからも彼の戦闘力の高さがうかがえる)。
また、自ら出向いての戦闘を「お楽しみ」と称しており、ダーゴンとはまた違った意味で戦いを楽しむなど後述する本性にも通じる残忍さが垣間見える。
普段は「エクセレント」を口癖とする慇懃無礼な口調で話すが、アクシデントに見舞われ感情が昂ると冷静さを欠くようになり、それに合わせて荒々しい口調に豹変すると同時に、残忍かつ粗暴な本性を見せる。
この状態での粗っぽさは仲間にも持て余されており、カルミラをして「 悪い癖が出た」「アンタがキレるとこの星(=地球)が滅ぶ」と言わしめる程。ただし、第12話でトリガーの新たな姿を目の当たりにして、想定外であっても「自分達にとって明らかに強敵である」と悟った場合は、豹変せずに冷静に撤退を選んでいた。
これらの事実から、言動が豹変するタイミングは自分の「お楽しみ」が、想定外の事態により潰されてしまうのがスイッチになっている節が強く、仮にそうであれば『策士』としては幾分未熟と評価できる。
事実、劇中では判断ミスや認識違いをやらかす事態も少なくなく、その所為で詰めが甘くなり、自ら策を台無しにしてしまう醜態を晒している。
また、こうした言動は自信過剰な一面に裏打ちされているところがあるらしく、その所為か第18話に幻影を見せられた際には、増長した末に仲間割れを引き起こした上、それが幻だったと気付いても態度を改めるどころか、自己中心的かつ他者を軽んじる性質・言動が更に加速。
こうした遍歴もあってか、物語が進むに連れて『策士』というよりは『小賢しい卑怯者』としての側面が次第に大きく現れていくようになる。
自らの力の程を見極められぬまま、敵や利用する相手、果ては仲間までも平然と欺き見下し続けた結果、孤立無援の状態に陥っていき、それを気にも留めなかったのが後述の事態を招くに至った。
容姿
青、白、黒の三色を基調としたカラーリングが特徴。
右上腕部から右肩にかけて風を象った意匠が突出しており、右腕に装備されているダガーヒュドラムと共に強烈な存在感を放つ。
また、ウルトラマンナイスのカラータイマーやキリエロイドの胸の発光体に似た左胸の斜めがけの発光体も特徴で、吊り上がった目はウルトラマンジードにも似ている。
左半身は黒の面積が非常に大きく、左右非対称なデザインと合わせキリエロイドやチェーン星人なども彷彿とさせる。
元となっているのはヒュドラだが、闇の三巨人の中でも特に原点の姿からはかけ離れており、より怪人然とした姿に変化した。
ただし、白部分の意匠によって構成されているライン等、細部においてはヒュドラの要素も窺える。
劇中での行動
- 第3話
初登場。ケンゴ・アキト・ユナの前に等身大で現れ、彼らを急襲。ユザレの力を宿すユナを拉致し、どこかの廃工場に監禁する。
「エタニティコア」なる存在の在処を聞き出そうとするも、まだユザレの力が完全に覚醒していないユナに彼女の記憶はなく、イグニスの乱入を受ける。
戦いの中でケンゴとアキトも駆け付けたのを察すると一度撤収し、アキトの流れ弾から身を守ろうとユザレの力を顕現させたユナを見て「覚醒させるには身に危険が及ぶことが必要」と考えるや否や、ガゾートを呼び出して町で暴れさせる。
そのガゾートはトリガー・スカイタイプに倒されるも、間髪入れずにトリガーを攻撃して高速戦闘に突入。既に消耗していたトリガーを次第に追い詰めていくが、GUTSファルコンに攪乱させられた上にナースデッセイ号のナースキャノンを喰らって激怒。
「エクセレントじゃねぇなぁ!!。俺は、お楽しみを邪魔されるのが、宇宙一嫌いなんだよォォォ!!」
そのまま暴走しかけるが、カルミラと共に駆け付けたダーゴンに取り押さえられ、そのまま回収される形で撤退した。その後、とある海底で改めて3人揃っても悪態を吐きながら暴れていたが、カルミラのビンタでようやく冷静さを取り戻し、他の2人と共に「エタニティコアを手に入れる」目的を達成する決意を新たにしていた。
ちなみにだが、最初はケンゴ達からイグニスがヒュドラムの人間態であると勘違いされていたが、後にユナを攫ったヒュドラムをイグニスが攻撃して誤解が解けている。
- 第4話
海底のアジトにて、「ユナを苦しめればユザレが覚醒する」情報をカルミラに確認され、ヒュドラムは「しばらくは遊べそうですねぇ」と発言。覚醒までの過程はあくまで「遊び」程度に捉えている様で、ここからも彼の残忍な本性が窺える。
- 第6話
再起動したサタンデロスとGUTS-SELECTの戦闘中に乱入。イグニスの言及から、サタンデロスは彼の差し金だと語られ、直後「優雅に、華麗に参りましょうか」と挑発しつつトリガーと交戦。前回の戦いからマルチタイプでもある程度自身の素早さに喰らいつけるようになったトリガーを感心しつつも、「昔のあなたの方がエレガントでしたねぇ」と意味深な言葉を投げかける。
更にサタンデロスと交戦していたユナの前に瞬間移動し、ユナに向けてヒュドラストを発射しユザレの覚醒を促し、「エクセレント! 順調に目覚めつつあるようですねえ!!」と褒めたが、それに激怒したトリガーがスカイタイプにチェンジすると、サークルアームズのラッシュ攻撃を受けてからは一転してトリガーに翻弄される。
しかも一瞬の隙を突かれて、サタンデロスがナースデッセイ号とガッツファルコンに撃破されて逆上、「調子に乗ってんじゃねぇぞぉぉぉぉぉ!!」とトリガーに向かっていくヒュドラムだが、そこにトリガーがランバルト光弾を発射。冷静さを失った彼に回避出来るはずもなく、直撃を受けて爆発した。
しかし、死亡が明言された訳ではなく、イグニスは「ヒュドラムがあれでくたばる訳がない」と発言しており、生存が示唆されている(次回予告の映像にもしれっと姿が確認出来る)。
また、イグニスの故郷であるリシュリア星を100年前に滅ぼした事実が判明。星を滅ぼした後、唯一の生き残りであったイグニスを、歯牙にもかけず立ち去っていた事実が語られた。
その際この行動を「3000万年ぶりの食事」、イグニスを「食べ残し」と称する等、まるでリシュリア星人達を捕食したかのような言動をしているが、現状では詳細は不明である(よく見るとイグニス以外のリシュリア星人が石にされており、生命力を直接奪うタイプの可能性が高い)。
- 第7話
次元を越えてやってきたバロッサ星人(四代目)をカルミラ、ダーゴンと共に高台から見つめる。前回のイグニスの言葉通りやはり生きていたが、前回の戦闘での傷が治っておらず、時折腰や首を押さえて痛みの声を漏らしながら冷静に分析しようとするが、傷をカルミラに小突かれて悶絶。「しつこいなもう!」と彼女とじゃれ合いのようになり、今までの彼からは想像もつかないコミカルさを見せた。
- 第9話
同エピソード後半にて、ダーゴンと共に登場。
父からプレゼントされた首飾りを起点に、ユザレの力を初めて自発的に行使したユナを目撃し、「覚醒の時が近い」とヒュドラムがゲスな喜びを見せる中、ダーゴンは第7話同様に黙考した後に1人撤退すると、対照的な姿を見せた。
- 第11話
エピソード序盤、カルミラの策略で危険な状態に陥るトリガーを援護しようとするGUTSファルコンを「ショーの邪魔はエクセレントでありませんね」と、妨害した後にカルミラ、ダーゴンの許へ合流する。
その後、ケンゴの意識が超古代文明にタイムスリップした際はカルミラ、ダーゴンと共に遺跡を手当たり次第に破壊するシーンが流れた。
その後、「ユザレがエタニティコアのゲートを開く鍵」だと教えて過去のトリガー=トリガーダークがユザレの確保に成功。その後、エタニティコアが眠る遺跡のゲート内へ侵入した際は、感激の余り真っ先にエタニティコアに接触しようとしたが、カルミラに「先にエタニティコアを手にするのはトリガーだ」と諫められた。
- 第12話
ケンゴがトリガーダークの説得を終えた瞬間、エタニティコアが強く輝いた為に闇の三巨人は一様にたじろぐが、直後に希望と光に満ちたトリガーを見て「何だ!?……あの醜い姿は!?」と困惑する。
その後マルチタイプ、パワータイプ、スカイタイプに分裂したトリガーの内、スカイタイプと交戦してそれに勝利し、同じくパワータイプに勝利したダーゴンと共にカルミラに合流、トリガーマルチタイプを蹂躙する。
だが、ケンゴが起こした奇跡に感化したユザレの祈りによって、エタニティコアの力の一端がトリガーに宿り、その力で2人諸とも石化され、宇宙へと放逐されてしまう。そして、ケンゴは現代に帰還した後、スパークレンスを起動した瞬間、闇の三巨人は一斉に激しい頭痛に教われると同時に、トリガーダークがウルトラマントリガーに変化した瞬間を思い出した。
その後、カルミラの指示を受けて、ケンゴが変身したトリガーと戦闘するトリガーダークに加勢しようとカルミラ、ダーゴンと共に巨大化するが、ダーゴンと共にトリガーダークに阻まれ押し返されるまさかの事態に遭い、堪らず「血迷ったのですか!?」と驚く。更にトリガーダークの放った闇の稲妻に巻き込まれた上、その後ケンゴが更に変身したグリッタートリガーエタニティのグリッターゼペリオン光線、及びマルチフォトンを4人揃って喰らってしまい、不利を悟った彼は「これは計算外ですねぇ!。ここは一旦退きましょう!!」とカルミラに進言し撤退した。
- 第14話
海底にて憂さ晴らしをしているカルミラをダーゴンと共に傍観していると、突如アブソリュートディアボロの襲来を受ける。エタニティコアの所有権を一方的に宣言してきた為戦闘に突入し、ディアボロを瞬殺しようとするも、逆に軽く吹っ飛ばされてしまう。そして続いてやってきたアブソリュートタルタロスに止められた後、「アブソリューティアン達のエタニティコアへの接触の傍観」を脅迫同然に要求され、渋々承諾する羽目になる。
- 第15話
GUTS-SELECTの拘束が解けそうになったアブソリュートディアボロをカルミラ、ダーゴンと共に拘束。オペレーションドラゴンの完遂を見届けると「さよなら」と去っていった。
- 第16話
「おやおや、あなたは……えーっと……ああ、何処かの誰か」
「あ~、リシュリア! それならよーく覚えていますよ。最期の最後まで必死に逃げ回っていた方ですよね?。決して諦める事なく傷付いた仲間に手を貸して、勇敢で高潔! いやぁ実にエクセレントでしたよ。思い出しても胸が熱くなります」
「……ま、最後は私が美味しく頂いてしまいましたけどねぇ~」
「何をそんなに怒っていらっしゃるんです? 彼らは永遠になったのですよ?……この私の心の中でねぇ!!」
あらゆる星を喰らう伝説の魔獣メツオーガを地球に連れ込んでいた事実が判明。休眠状態のメツオーガをどのように扱うか思案していた折に、トリガーダークの力を得たイグニスと遭遇し彼と対決する。かつてリシュリア星を滅ぼした際の出来事を上記の台詞で挑発する風に語って優位に立ち回るが、激怒したイグニスから反撃を受け逆上し、両者共に巨大化しての戦闘に移行する。
戦いの中でイグニスがトリガーダークの力の制御がままなっていないのを見抜いて「まるで獣」と評し、「獣は獣と遊んでいなさい」とメツオーガを目覚めさせ、トリガーダークに差し向けて撤退。
その後はトリガー達の戦いを見物しており、メツオーガに更なる進化をもたらす結果となった彼等を「自ら滅びへの扉を開くとは、お気の毒な事で」と嘲笑っていた。
- 第17話
イグニスの回想シーンにのみ登場。リシュリア星の人々を石化させる様子が明確に描かれた。
- 第18話
トリガーへの執着心で妄執に囚われているカルミラに対し「あれはもうダメかもしれませんね」と冷めた様に呟いていると、隣のダーゴンから「我ら闇の一族の宿願を果たせるのはお前だけだ!」と諭され、「そうかも知れないな……」と、どこか満更でもなさそうに応えていた。
……が、実際には3人共この時訪れていた何者かによる精神攻撃によって幻覚を見せられていただけであり、実はダーゴンは「何を言っている?……力を合わせて、一族の宿願を果たすのだ!」と真逆の発言をしていたのが次話で明かされた。
- 第19話
未だにトリガーへ執着し続けるカルミラを目にし、とうとうヒュドラムは「人間なんかに身体を奪われるとは無様なものですねぇ……あんな奴を可愛がっていたなんて、貴方の目も節穴のようだ」と侮辱の発言をして彼女の怒りを買い、顔面をカルミラウィップで打ち付けられて「ふざけてんじゃねぇぞカルミラ!!」と逆切れし、そのまま取っ組み合いの喧嘩となる。
地上へと場所が移ってもなお、激しい争いを繰り広げる2人を止めに入ったダーゴンから「これは恐らく、何者かの罠だ!。我らは皆、幻影を見せられていたのだ!」と説明されるも、頭に血が上っている所為で「では、その何者かに感謝せねばなりません……カルミラの愚かさを教えてくれたのですから!!」と発言、カルミラの怒りの炎に更に油を注いだ。
その後、三巨人の争いを止めに割って入ったトリガーとの戦闘となり、一旦は争いはやめたものの、トリガーの攻撃で倒れたカルミラに向かって「ざまあないですね」と嘲笑っており、最早完全にカルミラに見切りを付け始めているのが分かる。ユナがユザレへの覚醒を果たしたため、一時撤退となったものの、カルミラとの確執は決定的となったのは確かであろう。
- 第20話
前回の一件によって、ユザレの末裔として完全に覚醒したユナをカルミラより早く自分の手に収めるべく、かつて3000万年前の太古の地球にやって来て暴れ回るも、当時「地球星警備団」の団長を務めていたユザレに撃退された過去があるバリガイラーを呼び寄せ、彼女の捕縛を依頼、報酬として「きさらぎ星の彗星まんじゅう1000年分」を提示した。正体を知って動揺する彼に対しても「ならば、今度こそ打ち勝って、鼻を明かしてやればいいではありませんか!」と言葉巧みに鼓舞し、「それは力任せで押し切ろうとするからです。あなたの悪い癖です」と指摘してから「今度の戦いは頭……いや、お・ヘ・ソを使うのです」と提案した。
その後、バリガイラーがユナを捕獲する一部始終を見届け、「さっさと引き上げましょう!」と進言するも、バリガイラーがトリガーとの決着に拘りまごついている間に、内部のユナがバリガイラーの精神に干渉し、報酬に惑わされて戦士の心を失いかけている状態だと見抜き、更にヒュドラムが『宇宙を闇で染める』のが本当の狙いだと教えられ、ヒュドラムに対する猜疑心が芽生えてしまう。
問い質してきたバリガイラーを見限り、自身も巨大化してヘソを切り取りユナを強奪し、
「調子に乗ってはいけません。あなた等、最初からかませ犬ですよ」と嘲笑。トリガーに対してもユナを人質にして有利に立ち回る……が、自身が見限ったバリガイラーがトリガーに加勢したのを契機に、あっさりとユナを奪還される。
かくして2対1の戦いとなり、グリッタートリガーエタニティに変身したトリガーとバリガイラーに追い詰められる。
「ウザったらしい雑魚共がァ!!」
自分の所業を棚上げして激怒し、その勢いでヒュドラストを放つもトリガーのエタニティゼラデスに押し負け姿を消した。
数多の命を喰らい幾多の心を弄んだ策士、その皮肉な末路(第22話)
「少しは警戒しないと……。気付いていたのでしょう?……私の裏切りに」
「フン……これにてお別れです。私が『闇の王』になった暁には……せいぜいこき使って差し上げますよ!!。ハーハッハッハッハッ……ハーハッハッハッ!!」
第20話で姿を消して以降、やはり逃げ延びていたのが第22話で判明。
イグニスが「大いなる目的」にエタニティコアを利用すべく、ユナを誘拐したのを単独で探り当てたようで、手始めに邪魔になるカルミラとダーゴンを罠に嵌めて拘束。2人を出し抜いたヒュドラムは彼らに上記の言葉を浴びせると、エタニティコアのゲートである遺跡へ1人で赴き、ユナの力で開かれたゲート内へと侵入。ユナが「ケンゴ達に自分を止めてほしい」と願うイグニスの内心を見透かし問い質していたところを、突如として拘束する。
人質としてユナを利用しイグニスを精神的に揺さぶった上で斬撃を加え、嘲笑いながらそのままユナを殺害しようとするも、直前で追い付いたアキトに阻止され、イグニスの変身したトリガーダークと巨大化しての激闘を繰り広げた。
やや優勢に立つも、相手がメカムサシンの刀をエネルギー切れ寸前のトリガーから受け取ると、互角の戦いに持ち込まれる。
「お友達の声援で強くなるぅ〜!?……ざけんじゃねえよ!!」
やがて一撃を喰らって激高したヒュドラムは、ケンゴ達を狙う卑怯な手を用いて再び優位に立つも、劣勢に陥ったイグニスへのケンゴ達の思いがグリッタートリガーエタニティキーとして実体化。呼びかけに奮起したイグニス=トリガーダークに蹴り飛ばされ間を取られた上、キーの受け取りを許してしまう。
「まさか……そのパワーは……!!」
相手の手にした力がエタニティコアのものの一部であると気付いて驚愕しつつ、ダークゼペリオン光線に対しヒュドラストで応戦する。
ケンゴ「今は2つに分かれてるけど、元を正せば同じトリガー!。光と闇の力が合わされば……!」
イグニス「お前を討つ、力となる!」
「ンな訳あるかァァァッ!!」
……が、ケンゴ達の思いが形を成したエタニティコアの力が上乗せされたトリガーダークの光線に敵うはずもなく、瞬く間に押し切られて光線が直撃。
イグニスから逆に感謝の言葉を投げかけられつつ、悲鳴と共に爆散・敗北した。
イグニス「じゃあな、ヒュドラム。お前のおかげで、俺はもう1つの『ゴクジョー』に出会えた……!」
こうしてイグニスは自らの因縁にようやくケリを付け、ケンゴ達とも和解して前に進んでいけるのだったが……。
「ウォォォァァァーッ!!……絶対に許さねぇぞゴミカス共ォ!!」
その後、当のヒュドラムはこっぴどくやられつつも生存。
だが、致命傷は免れたものの満身創痍の状態であり、しかも爆発の拍子に遺跡のゲート内から放り出されてしまい、エタニティコアを独占する目論見も失敗。どこかの山中を彷徨いつつ、ケンゴ達への怨嗟が混じった怒号を上げていた。
カルミラ「やってくれたねぇ、ヒュドラム!!」
……しかし、そんな彼の前に拘束から抜け出したカルミラが出現。
カルミラ「抜け出るのに苦労したよ!……苦しそうだねぇ……?。今楽にしてあげるよッ!!」
命乞いの間もなく彼女に致命傷を与えられ、そのまま吸収される形で粛清されて消滅した。
「ぐあああああああああッ!?。こんな……こんな所でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
ヒュドラムの最期は、死闘の果てに自らが軽んじた『繋がり=絆』の前に敗れ去り、屈辱的な形で野望を挫かれた挙句、「食事」と称して罪なき多くの人々の命を貪り喰らった自分自身が、自らが切り捨てたかつての仲間に報復の形で命を奪われ、その力を貪り食われて糧にされる様は、まさしく策士策に溺れる、因果応報と呼ぶに相応しいものであった。
彼の消滅後、その闇の力を吸収したカルミラは「不味いねぇ……でも、アンタの闇は私が使ってあげるよ」と吐き捨て、1人不気味な高笑いを上げるのだった……。
- ウルトラヒーローズEXPO2022ニューイヤーフェスティバル
カルミラに吸収された後、魂の無い操り人形として復活させられる(時系列的には第22話から第23話の間)。
最終的には因縁の敵であるトリガーダークと戦闘し、ダークゼペリオン光線で今度こそ引導を渡される事となった。
- 最終話
最終決戦にて、GUTS-SELECTがユナを介してエタニティコアの力をナースデッセイ号に集積させていることに感付いたメガロゾーア=カルミラが、妨害のための刺客としてダーゴンと共に送り込んだ。あくまで闇の力を使って姿を忠実に再現されたコピーであり、ヒュドラム自身の意志は存在していない(後述するEXPOのステージにおける個体と近いと思われる)。そのためか、闇怪獣と同様に目が赤く発光している。
指令室で隊員達と激闘を繰り広げたものの、最終的にナースデッセイ号にエタニティコアの力が完全に充填されるとその余波で消滅した。
その後、メガロゾーアは撃破されカルミラもそのまま消滅し、闇の三巨人は滅びた。
なお、カルミラはヒュドラムとダーゴンの闇の力を吸収し、大幅なパワーアップを経た上でコアの力を用いて邪神と化したのだが、その状態ですら負の感情に呑まれて自分を完全に見失ったばかりか、コアに至ってはユザレが以前に警告した通り、暴走による致命的な破滅の危機をもたらしている。
ヒュドラムがいかなる形でコアを利用するつもりだったのかは不明であるが、もし仮にコアの独占に成功していたとしても、彼単独ではとても御しきれず、なし崩し的にコアの暴走を招いただろう事態は想像に難くない(場合によってはカルミラ以上の惨劇を招いていた可能性すらある)。
いずれにせよ、自らが「闇の王」になるヒュドラムの野望は、己の力を過信し独力で行おうとしてしまった時点で、到底成就するようなものではなかったと見るべきであろう。
そして後日談ではより皮肉な事実が判明しており、ヒュドラムは更なる死体蹴りを受ける憂き目に遭ってしまった。
ウルトラマンデッカー
邪神スフィアメガロゾーアと共に復活したカルミラが、地球を去る間際にダーゴンとヒュドラムの闇の力と思われるエネルギー体(「精神体のようなものなのではないか?」とする意見も)を手にしていた。
このため、今後何かしらの手段で復活する可能性が出てきた。
……ただし、上記のように地球だけでなく、宇宙レベルで悪逆非道の限りを尽くしてきた人物であるだけに、ファンの間では
「こいつに関しては、復活させずにそのままにしておいた方がいいのでは?」
「これで復活してしまったら、イグニスの苦労が水の泡になってしまう」
「復活したらこいつらに与するのでは?」
などの意見もある。一応、カルミラ役を担当した上坂すみれは(あくまで個人の見解ではあるものの)「最後まで反省しなかったので、(ヒュドラムを)きちんと教育する」趣旨の発言をしていたりするが。
己の罪と真摯に向き合い、今度こそ真っ当な人生を送ってくれるのを祈るばかりであるが……。
第17話「過去よりの調べ」では、『トリガー』第16・17話でのメツオロチ事件の裏側のストーリーが語られた。
10年前、メツオロチ出現以降は姿が見えなかったヒュドラムだったが、この時当時のムラホシ・タイジを含めたTPUの一般隊員達と戦闘を行っていた。
実はこれがリュウモン・ソウマがTPU入隊を目指す切っ掛けとなった事件であり、ムラホシこそが少年時代の彼を救ったTPU隊員だった事実が初めて判明する。
余談
上記の通りヒュドラをモチーフとしたキャラクターであるが、凶暴かつ狂人のイメージが強かったヒュドラに対し、策士のキャラ付けがされている(もっとも、上記の通り激情に駆られた際の言動や、戦闘時の狂気染みた笑い声等から、本質的にはあまり大差が無い風にも見えるが)。他の2体は然程変わっていないだけに、デザインも相まって3体の中では最もアレンジが加えられたキャラと評せる。
一方でネーミングに関しては逆で、「ヒュドラ」の後に一文字「ム」を足しただけと3体の中では一番名前がモチーフ元の原型を留めている。
超古代においても「エクセレント」を口癖にしている為、極一部の視聴者から「トリガーの世界では『エクセレント』は超古代言語である」とネタにされているとか。
同役の高橋良輔氏は、2005年放送の『超星艦隊セイザーX』にて主人公・安藤拓人/ライオセイザー役を務めており、16年ぶりにテレ東の土曜朝9時枠にカムバックした。他にも円谷プロ作品としてはアニメ『SSSS.GRIDMAN』のサムライ・キャリバー役が記憶に新しい(円谷プロにおける紹介ページにもその旨が記載されている)。
また、セイザーXの戦士メンバーは主要特撮作品にて怪人キャラ及びヴィランを演じており(進藤学氏が『ゴーカイジャー』のシド・バミック/バリゾーグ、三浦涼介氏が『仮面ライダーオーズ』のアンク、松永博史氏が『仮面ライダードライブ』のボイス・ロイミュード)、高橋氏の『トリガー』出演を以て、メンバー全員が三大特撮作品にて怪人系キャラを演じる事態に至った。
隕石がぶつかった為復活したカルミラ、カルミラによって復活してもらったダーゴンと違い、ヒュドラムはどのようにして復活をしたのかは作中で一切明かされておらず(示唆はあるが)、Blu-ray BOXの時系列表にて明言されている。また、2人より100年早く復活したにもかかわらず、その間2人を探していた様子がなく、実はこの時点でエタニティコアの独占を目論んでいたとも考えられる。
それまでの所業に加え、第22話で救いの無い末路を遂げて退場した経緯から、『歪ではあるがトリガーへの愛が原動力』のカルミラ、『人間と触れ合ったことでまともな思考が芽生えつつあった』ダーゴンに比べ、ヒュドラムは『同情する余地が無い分かりやすい悪役』の評価を受けている。
また、上述の通り彼の悪事は『トリガー』だけで無く、退場後の『デッカー』の時代でも数多の登場人物達の人生に大きな影響を及ぼしているのだが、そのほとんどの人物が、世界を護れる程の力を持った精強な戦士へと成長しており、それが巡り巡って自分が敗北する大きな要因になってしまったばかりか、後に予期せぬ形で現世に舞い戻ったメガロゾーアの撃破とカルミラの救済に一役買うなど、ヒュドラムにとってはとことん皮肉な形で結実している。
彼自身の最終目標だった『コアの掌握』とそれによって『闇の王となる計画』が「絵に描いた餅」でしか無かった実態と、『エピソードZ』で判明した事実を併せて思うと、かなりの失笑ものと言えるだろう。
関連タグ
俊敏戦士ヒュドラ:モチーフ元にあたるキャラクターで「同義の存在」言うべき闇の巨人。こちらは頭脳派ではないが、狂気染みた残忍な性格は共通している。また、ヒュドラムは最終的に仲間を裏切った報いで粛清されたが、ヒュドラは一貫して仲間を裏切るような真似はしなかった(むしろ、彼の方がかつての仲間だった巨人の方を「裏切り者」呼ばわりしている)。
ウルトラマントレギア:狡猾な策略に長けたメインヴィランたる青い悪の戦士。彼の人間態も白と黒メインの装い(髪にも若干青の要素が含まれる)をしている。最初にサタンデロスのオリジナルを悪用した元凶でもあり、ヒュドラムが地球で利用した怪獣は、トレギアがかつて利用したものとどことなく容姿が似通っている。また、両者共に『絆』の存在を真っ向から否定している共通点もある。しかし一方で、トレギアの方は彼なりの理念に基づいて行動し、非常に用意周到な策を講じて二手・三手先をもある程度見透かしていたのに対し、ヒュドラムの場合は割と簡単に策を破られている上、トレギア以上に目的の見えにくい愉快犯的なノリとなっている。また、特定の人物とその関係者以外には基本的に余裕を崩さないトレギアに比べ、ヒュドラムは自身の機嫌を損ねた相手には見境なくキレる沸点の低さも大きな違いである。そして、その最期も吸収される点は同じだが、トレギアは追い詰められた末に、自ら吸収される道を選ぶ違いがある。
ブリッツブロッツ:デザイン上のそっくりさん。
ボガール:突如として平和な星を襲い、捕食して滅ぼした者繋がり。こちらは最終的に復讐者の手によって引導を渡されている。
チブル星人エクセラー:普段は英語混じりに喋る(こちらは「グレイト」が口癖)インテリ系だが、本性は卑劣漢のキャラクター繋がり。そして、最期は同じく粛清されて退場する共通点もある(ただし、彼の場合は気付く暇すらなく傀儡にされた挙げ句、黒幕の最期の道連れにされ逃げようにも逃げられない形で死亡すると、見ようによってはヒュドラム以上に悲惨な最期を迎えた)。
メフィラス星人:知的で紳士然とした態度がよく見られるウルトラ怪獣(宇宙人)繋がり。特に初代と三代目辺りは、キレると折角の紳士然とした態度が台無しになるのがよく似ており、三代目は慇懃無礼な口調である点も共通している。
蛭川光彦:狡猾な切れ者である反面、想定外の状況に立たされると凶暴な言動を見せる性格と、「仲間の声援も、ウルトラマンが強大な敵を討ち果たす為の力になる」主義主張を頭から否定していたキャラクター繋がり。
ジャグラスジャグラー:TV本編で協力関係にあった組織に裏切りを働いたヴィラン繋がり。ただし、裏切ってからの行動は彼の方がよっぽど上手く立ち回っており、組織の生き残りから報復を受けた際も、逆にそれすら利用するなど、結局最後までジャグラーの方が一枚上手であった。それ以外の各シリーズにおける知能犯ぶりを見ても、『策士』としての実力はヒュドラムよりも遥かに格上だと言えるだろう。
セレブロ(ウルトラマンZ):前作の知能派ヴィラン。単独での戦闘力はヒュドラムに遠く及ばないが、劇中でやらかした所業や壮大な計画を考えると、コイツの方がよっぽど策士っぽい(が、根っこを考えると五十歩百歩だと思うが)。
ウルトラマンナイス、ウルトラマンデッカー:カラータイマーの配置が左胸である巨人繋がり。後者は本作の続編の主役として登場する。