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円谷プロダクション

つぶらやぷろだくしょん

日本の映像制作会社。創業者は「特撮の父」故・円谷英二氏。
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pixivでは愛称「円谷プロ」で使用されていることが多い。

概要

特撮円谷英二が1963年に創設した。テレビ映画で、特撮を用いた作品を多く制作している。映画会社・東宝とも結びつきが強かった。

ロゴはマイティジャック隊のマークを使用している。
ただし、このロゴマーク自体は、もともと円谷の社章としてデザインされたもの(マイティジャックマークの方が流用先)。
本義としてはこのマークは円谷(ツブラヤ)の頭文字である「ツ」の意匠化を現したものである。→参考(丸山浩)。


かつては同族経営が続いたが、放漫経営により経営不振に陥り、現在では別の企業の傘下に入り、親会社から経営者が入っている。

代表的作品では言わずと知れたウルトラシリーズ。他にもドラマ時代劇、さらにポケモンビーストウォーズかみちゅ!D.C.S.S.などのアニメにも制作協力している。(仮面ライダーTHENEXTなどライバル企業の作品の制作協力を担う事も。)
ちなみにゴジラは東宝制作なので円谷とは関わりがない(※例外的に、ゴジラがジラースとなってウルトラマンとの友情出演に出張したことがある)。
会社敷地内の「怪獣倉庫」と呼ばれる倉庫には歴代の怪獣達の着ぐるみが今も眠っており、本物の怪獣墓場として伝説になっている。

毎年4月1日エイプリルフールに、ネット上で手の込んだネタを発表することでも知られている。twitterでは「円谷ッター」を、ニコニコ動画では「シュワシュワ動画」の生放送を実施した。

エイプリルフールに限らずたまに公式がやらかすことでもファンには有名で、戦闘シーンを使った擬似プロレス風な番組『ウルトラファイト』を作ったり、戦国鍋tvのスタッフと組んでカルトネタ満載のコメディ番組『ウルトラゾーン』を作ったり、あのスキャットマン・ジョンコラボレーション楽曲を出したりもしている。最近では、女子中学生がウルトラ戦士に変身するライトノベルを刊行したり某ブラウザゲームに触発されたのかウルトラシリーズに登場した怪獣たちを美少女化するといった、誰もが予想だにしなかった企画まで展開している。
円谷の迷走っぷり(もちろん良い意味で)はこれからも続きそうだ。いいぞ、もっとやれ!!

経営難

円谷英二氏がもともと経営者ではなく、特撮技術を世に広めた技術者だったということもあり、設立当初から、予算・経営の先行き等を考えず、採算を度外視した制作費で完成度の高い作品を作ろうとする傾向があった(結果的に『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』は今尚高い評価を得るほどの傑作となったが、後半以降は時間・予算の制約が露わとなっている回もある)

その伝統を受け継いだ結果、超赤字体質で有名。
経営陣が円谷家の人間だったこともあり、経営に長けた人間、収支を管理する人間やそれに耳を傾ける経営者がいなかったのである。
初期は著作権管理すらしっかりしていなかった(そのため、ウルトラマンを露骨にネタにしたような漫画が製作されたり、後にタイチャイヨー・プロダクションと訴訟沙汰に発展してしまうことに繋がった)が、キャラクタービジネスの重要性を理解した70年代に入ってからは採算を度外視した制作費で高いクオリティの特撮映像を作り、玩具売り上げやソフト売り上げでその元をとるという超強引な手法で乗り切ってきた。なお英二氏は1970年に死去、長男の円谷一氏が二代目社長に就任するが、73年に急死している。

また、前述のように「ウルトラマンなら仕方がない」という暗黙の了解の下、昭和・平成問わず予算オーバーが慣例化しており、例えば平成3部作の平均製作予算は1回約4000万円以上(既定の予算の2、3倍以上)で、大ヒットによって制作費が増えている現在の平成ライダーをも越える額である。
ことに『ウルトラマンガイア』の第1話などは、一説には1億円を超える制作費がかけられたとさえ言われる。

故に何度も経営危機に陥っているが、そのたびに苦し紛れの再放送や低予算再編集番組がウケまくり、結果として何とか復活する、というチキンレースを繰り広げていた。
特に3代目社長で、20年以上経営トップの座にあった円谷皐(のぼる)氏(英二氏の次男)の時代は、キャラクタービジネスの成功による経営状態の改善の一方、

  • 作品至上主義と独立志向の暴走から、有力なサポーターであった東宝TBSに無礼の限りを尽くした末の喧嘩別れ
  • ウルトラマンパワードの予想以上の臨時収入が、幹部のラスベガスやハワイでの遊興費に費やされるなどのワンマン・放漫経営(平成ウルトラシリーズの正確な収益も把握できないような経理状態だった)
  • チャイヨー・プロダクションとの海外版権問題(後述)
など、後々まで深刻な影響を与える諸問題が生じていた(この辺りの事情と経緯は、ノンフィクションライターの安藤健二氏や、英二の孫で6代目社長の円谷英明氏の著書に詳しい)

皐氏の死後は長男の一夫氏が後を継ぐが、経営責任を問われて跡目を譲った5代目社長の円谷昌弘氏(前述の英明氏の兄)が、女性社員へのセクハラ問題からわずか1年で退任するなど、混迷が深まっていた。
そして、2004年の『ウルトラマンネクサス』をはじめとする「ULTRA N PROJECT」の大コケによって、史上かつてない大ダメージを被ったことで、事態は急展開を迎える。

お家騒動と倒産の危機

視聴率の伸び悩んでいた『ネクサス』は1クール短縮(事実上の打ち切り)が決定する。しかし、この一件が引き金となって、かねてから様々な火種を抱えていた会長・円谷一夫と当時の円谷プロ社長・英明との関係が悪化。
元々大株主でもあったが経営にタッチできないことに不満をもっていた一夫は、番組制作の責任者として打ち切りを主導していた英明に対して表向きは同意しつつも本心ではそれを望んでいなかったことから不満を強め、遂にはクーデターを決行。『ネクサス』放送中の2005年4月、英明は突如社長職を解任され、後任の大山茂樹氏(経営立て直しのため、東宝不動産から招致されていた)をも一夫は解任して、2年後の2007年に社長に戻るなど、経営上の混乱を見せることとなった。なお、英明はその後に日中合作の特撮ドラマ『五龍奇剣士メタルカイザー』の製作を始めるが、諸事情により中断している。

その後『マックス』『メビウス』で従来路線に戻して一定のヒットを記録したものの、少子化などによって、従来のように順調に制作費を回収することはできず、積もり積もった30億円もの累積赤字によりとうとう銀行にも見放されてしまい、立ち直れないままコマーシャル映像コンテンツ制作を手掛けるTYO社の傘下になるに至った。
買収に当たってTYOが突き付けた条件は、円谷一家をはじめとした現取締役全員の解任と意識改革であった。80人以上いた社員を約半分にまで削減し分散していたスタジオや倉庫、オフィスなどを一つに集約して年4000万円超のコスト削減に成功。わずか1年で黒字転換に成功した。余談だが買収に当たってTYOが投じた金額はわずか8000万円であった。
その後はTYOの組織改革と並行し、古くから縁のあったバンダイナムコグループが資本参加。この間に一夫は取締役会長から名誉会長に退き、2009年に退任。これで円谷家は円谷プロの経営から一切排除され、買収前の円谷プロを知る人間は10代目社長となった大岡新一のみとなった。

2010年4月、円谷プロ株式はTYOからパチンコ会社フィールズに売却。わずか2年足らずで経営母体を変更することになった。これはTYOの業績悪化が原因であり、その業績悪化を救ったのもフィールズグループであった。


職人」として作品に取り組む、監督達のマーケティングを考えない内容へのこだわりの強さが商業的失敗につながり、結果的に円谷皐・一夫社長時代から続いてきた放漫経営の実態が商業的失敗をきっかけに噴出してしまったといえる。
そもそも、当時の円谷プロが創業者一族である円谷一族とその取り巻きであるイエスマン達によるワンマン経営状態で誰も異を唱えられなかった、誰もその状況を疑問に思わなかったという、会社上層部の腐敗とも言うべき深刻な根本的事情が根底にあり、このような事態に至ったと言える。
「国民的ヒーローのウルトラマンなら予算オーバーも仕方がない」「金字塔を打ち立てたウルトラマンなのだから困窮してもなんとかなる」といった甘い考えが一族とイエスマン達に浸透しすぎて採算度外視に疑いを持たなかった結果、制作費を回収するために不可欠な商業的側面を軽視しすぎたこと、失敗した場合のことを充分考えなかったため本当の失敗時に対処できずそれまでのツケをまとめて払わねばならなくなった…という面も大きいだろう。

さらに、ファンとしては、このような事態をファン自身の姿勢が助長した可能性も考えなくてはならない。
実際、後述の買収騒動の際、買収先企業が健全経営に切り替えようとしたときにファンから反発の声が上がり、企業として至極まっとうなことを言っているはずの関係者のSNSを炎上させるという憂慮すべき事態も起きている。
ファンの一部も思考底止による採算度外視の姿勢への無批判に陥っていた可能性があるといえるだろう。
ファンもスタッフも作品を愛するがゆえ、趣味の延長とも言える製作姿勢や時代錯誤な職人気質をありがたがる空気を生み出し、それこそが愛するウルトラシリーズ自体を喪いかねない事態を招いた…とも言えるかもしれず、皮肉な話である


また、そもそも「ULTRA N PROJECT」の成功の是非を問わず、遅かれ早かれ経営難は到来したのではという意見もある。

これにより、ウルトラギャラクシー大怪獣バトルシリーズ以降は長らくTVシリーズ新作が作れないままでいた。

復調の兆し

2011年7月6日に『ウルトラマン列伝』を放送開始。

同作で過去のシリーズをピックアップし過去作への注目・再評価が高まったこと、経営陣の入れ替えにより商業戦略が変わりバンダイとの連携を強化したこと、ウルトラマンフェスティバルをはじめとする各種イベントを積極的に開催したことなどによって一応赤字体質が解消された(ここ数年は黒字経営が続いており、新しい経営方針が完全に軌道に乗ったと考えられる)。
これらにより特撮面においても予算が徐々に増え、その甲斐あって番組内番組『ウルトラゼロファイト』が放映され、ついには新作ウルトラマン『ウルトラマンギンガ』が不定期とはいえ放送されるなど復活の兆しを見せ始めた。

そういった努力の甲斐あって、2015年7月14日からは『新ウルトラマン列伝』内でおよそ十年ぶりにクール分割無しの新TVシリーズ、『ウルトラマンX』が放送された。日本国内の評価は上々であり、海外のサイマル配信が約4億視聴を突破する等、作品評価においても商業面においても大成功を収めることとなった。

そして、2016年7月からは『新ウルトラマン列伝』から完全に独立した番組として、ウルトラマンシリーズ50周年記念作でもある『ウルトラマンオーブ』が放送された。2017年以降も、完全に独立した番組として『ウルトラマンジード』、『ウルトラマンR/B』、『ウルトラマンタイガ』、『ウルトラマンZ』、『ウルトラマントリガー』が放送され続けており、初めて5年以上連続で新TVシリーズが放送されている事となる
2018年、10代目社長の大岡新一氏が退任。これによって買収前の円谷プロを知る人間は一人もいなくなり、新元号を前に完全新生が果たされることとなった(ちなみに次に社長となった塚越隆行氏は某夢の国の日本支社の前社長である)。

海外版権問題

赤字問題やお家騒動と同時に円谷プロはタイチャイヨー・プロダクションとの版権問題に苦しむこととなった。

チャイヨーとは、かつて『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』を共同製作するなど良好な関係にあったが、1996年に円谷皐と1976年にタイ人実業家のサンゲンチャイ・ソンポテ氏との間に「『ウルトラQ』~『ウルトラマンタロウ』までのシリーズを日本を除くすべての国において期限の定めなく独占的に利用許諾する」という1976年に結んだという契約書の存在を明かし、関係が悪化。
問題の契約書はわずか1ページで社名や作品名、サイン、作品本数が間違って記載されたことや写しのみで原本がないことから大きな波紋を呼んでいた。

タイでの裁判ではチャイヨー、日本での裁判では円谷がそれぞれ敗訴し、これによって海外におけるウルトラマンの権利は極めて複雑なものになってしまい、これが足枷となって、円谷プロは長い間海外展開を果たせないままでいた。
しかし2018年4月、アメリカ・カリフォルニア州中央地方裁判所における裁判で、疑惑の契約書が完全に偽造されたものであるという判決が下されたと発表。「ディスカバリー」と呼ばれる強力な証拠開示制度を用いたことで新事実、新証拠が検出されたことで円谷プロ全面勝訴判決となり、悲願であった海外展開に大きく弾みをつけることとなった。

ただし、懸念はまだ残っている。
前述の通り、件の契約書はチャイヨーに「日本を除くすべての国における独占利用」を許諾しているため、極論すると、円谷プロは今後、進出しようとする全ての国で(現在チャイヨーから権利を譲渡されているユーエム社から)訴訟を起こされるリスクが残っているのである。
とはいえ、先のタイ、アメリカでの判例が大いに力を持つのは確かであり、円谷プロも「もはや海外進出を妨げるものは何一つなくなった」という認識のようで、現在は海外展開を積極的に推し進めている。

今後の課題

かくして、現在ではお茶の間のヒーローとしての栄光と威厳を取り戻すことに成功したウルトラシリーズだが、中断せずに4クールでの放送が未だに行えない登場する怪獣は過去作品のものが大半で着ぐるみもほとんどは既存の改造や使い回し変身や戦闘などで歴代戦士の力に頼り過ぎと、未だ制約は多い。


もっとも、既存の着ぐるみの使い回しや改造は今に始まったことではない上、ライバルである東映特撮等でも予算を節約するために普通に行われていることではあるのだが、製作に携わっている田口清隆氏でさえ『“使える怪獣リスト”を見たときに、「またこの怪獣かよ!」ってなる(笑)』とぶっちゃけており、ゼットンについては『オーブ』であまりにも派生怪獣の登場が多かったことから、ファンから「使いすぎだ」と苦情があったことを語っている。
とはいえ改造などで新規の怪獣にもできない場合はレッドキングなどを仕方なく選んだりするほか、ゼットンやゴモラといった人気怪獣のスーツは、使う機会も多いため普段からメンテナンスされており、スーツもしっかりしているため番組でよく登場するという。なお、2020年現在、シリーズを通して再登場する確率が高いのはM78スペースシリーズウルトラマンゼロシリーズ新世代ヒーローズ登場怪獣に偏っており、TDG三部作などの怪獣はあまり再登場しない傾向にある。特にTDG三部作やハイコンセプト・ウルトラマンの怪獣の中で一時期は結構登場していたゴルザスペースビーストすらも全く登場しなくなった。
こうした背景にはいざ使おうと思ったら、スーツが劣化で使い物にならなくなっていたというパターンや、ウルトラマンをあまり知らない層には昭和怪獣の方が敷居が低いという事情も関係しているようだ。
(ちなみに、等身大怪獣やミニチュアで登場できる怪獣に関しては深夜番組を含めたマイナーな作品からも拾って来る。)

過去作品の怪獣や歴代戦士に頼る要素が多いのは、商品化するにあたって売れるかどうか分からない新要素より名が知れていて売れる見込みがあり、なおかつ過去作品の宣伝にもなるためと思われる(これはリバイバル作品が増えた近年の映画やアニメなどでも見られる事であり、比較的所得に余裕がある中年層を狙ったものである)。加えてバンダイとの兼ね合い上、「着ぐるみがあるので番組に出す→人気が増えてソフビといったおもちゃも売れる→おもちゃが売れる・ラインナップされるから番組に出る…」というサイクルができてしまうらしい。そのためか、近年では特定のキャラクターを優遇しすぎる傾向にある。
 しかし、過去作に頼るようになったのは今に始まったことではなく、昭和からこのスタイルは良くも悪くも確立されており「過去作要素のある作品」は今の作品どころか、マックス以前では『Q』から『ダイナ』までの全ての作品にも該当する。
「過去作要素がどれだけ存在するか」というのは、ウルトラシリーズのメタ的な永遠のテーマでもあると言えるであろう。
結局、過去作要素が0の作品は、TVシリーズだけでも『ガイア』、『コスモス』、『ネクサス』と、片手で数えられるほど少ないので、最近の作品だけを指して頭ごなしに「過去作頼み」というのはやめるべきである。そのまま言えば、頼られているその過去作にすら明らかに該当することのほうが多いのだ
最近の作品の中にも過去作要素の薄い作品も存在し、むしろ逆に最近の作品以上に過去作頼みな作品も存在するのも事実である。

ただ、最近ではやや事情が変わってきており、(製作側もさすがにマンネリ化してきたと考えたのか、はたまたある程度予算にも余裕が出てきたのかは定かではないが、)『ウルトラマンタイガ』以降は新怪獣の登場する機会が以前と比べて増えてきつつある。また、再登場怪獣に関しても、人気怪獣だけでなくこれまであまり登場の機会に恵まれてこなかったレアな怪獣をチョイスすることで、視聴者を飽きさせないよう工夫を凝らしている。
タイガ以降導入されるようになったボイスドラマではマイナー怪獣と出身地や勢力を同じくする新規怪獣が登場したりとファンを湧かせており、特に2020年にウルトラマンZが放送開始されて以降、週に数回は「村」(ファンのコミュニティ)が燃えていると評されるほどに話題になっている。そして、「ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀」では更に版権問題で登場できなかった海外ウルトラマンの参戦などで勢いはより加速傾向にある。


2クール放送も、東映特撮のような等身大ヒーローものより遥かに予算のかかる巨大ヒーローものでは、経営や採算等を考えると今の時代では2クール放送が限界で、かつてのような4クール放送を行うのは難しいのではないかと考えられる。加えて、現在放送を行っているテレビ東京が、かつての放送局であるTBSよりも小規模な企業であり、これに伴い得られるスポンサーの数も限られていることも理由になっていると考えられる。
更に付け加えると、現在では1年を通して放送しているドラマはスーパー戦隊シリーズ仮面ライダーシリーズNHK大河ドラマごく少数であり、大半のドラマは1~2クールの間で放送されているものが殆どである。放送期間を長くするとそれだけ骨太な作品が作れる一方、途中で視聴者が見飽きて視聴率の低下を招いたり、逆に途中から改めて視聴しようとする動きを妨げたりと言った弊害も生じてくると言われており、そのことを踏まえると2クール放送というのは採算の面でも視聴率維持の面でも割と妥当な路線と言える。
また、現在は少子化や娯楽の多様化などにより、視聴率や玩具の売り上げをかつてほど伸ばすことはできないということも留意すべきであろう。4クール放送が(無理をしつつも)維持できたのは、視聴率やスポンサーからの融資からだけでなく、玩具等の関連商品の売り上げによるところも大きかったのである。
しかし、中にはこの2クール放送を評価する声もあり、「気軽に見られる」「1年も追いかけるのは大変」と言った意見も少なくないので、2クール放送が必ずしもマイナスであるとは限らないだろう。

いずれにせよ、自由な発想によって今や東映の屋形骨を支える大人気シリーズとなった仮面ライダースーパー戦隊と比べると、「古いものを新しい切り口で見せる手法」に頼る現在のウルトラシリーズはまだまだ後ろ向きと言わざるを得ない面はある

特撮作品と並行してアニメ作品をはじめとするサブコンテンツの拡充にも再び力を入れるようになっており、平成時代の終了と前後する形で、多くのアニメ作品を世に送り出している
現在のサブカルチャー界隈は、特撮よりもアニメの方が主要なコンテンツと化していることを踏まえると、特撮だけにとどまらず、様々なメディア展開を駆使してシリーズやファンの裾野を広げようという円谷プロの試みは時代の流れに沿った妥当な選択であると言える。
こうした傾向は、円谷プロ作品の海外進出を標榜する塚越氏が2018年に社長に就任してからより一層強くなっており、2019年にはアニメ作品だけではなく、初の舞台化作品(所謂2.5次元ミュージカル)である『DARKNESSHEELS_THE_LIVE』が製作・上演され、大成功を収めた。また、同年年末には、ウルトラシリーズのみならず円谷プロ作品全般を対象とした大規模イベント『TSUBURAYA CONVENTION』を開催する等、年々そのスケールも大きくなってきている。

一方で、2020年は当時流行していたCOVID-19新型コロナウイルス感染症)の感染拡大を受け、予定されていた大規模なイベントが悉く中止に追い込まれた。特に、代替企画の開催によるものを除けばこれまで途切れることなく開催され続けていたウルフェスが開催中止に追い込まれたことは、ファンに大きな衝撃を与えている(ただし、年末開催のウルトラヒーローズEXPOは、感染症対策を徹底した上で何とか開催に漕ぎつけた)。
それでも、同年放送の『ウルトラマンZ』は過去に例を見ない程の話題作となり、ほぼ同時期に配信された『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』もサプライズ要素満載のオールスター作品という内容が評価されるなど、苦境の中にあってもしっかりと実績を残している

制作作品一覧

ウルトラシリーズ
快獣ブースカ
ブースカ!ブースカ!!
怪奇大作戦
マイティジャック(戦え!マイティジャック)
恐怖劇場アンバランス
チビラくん
ミラーマン
ジャンボーグA
レッドマン
トリプルファイター
緊急指令10-4・10-10
怪獣大奮戦ダイゴロウ対ゴリアス
ファイヤーマン
SFドラマ猿の軍団
極底探検船ポーラボーラ
プロレスの星アステカイザー
円谷恐竜三部作
宇宙の勇者スターウルフ
ぼくら野球探偵団
電光超人グリッドマン
SSSS.GRIDMAN
ムーンスパイラル
生物彗星WoO
ULTRAMAN


企業CM

現在でこそ全く見られなくなったが、円谷プロは1990年代中期には怪獣やヒーローが一堂に介し、日常を繰り広げる企業CMを放映していた事があった。そのCMには当時は客演の機会に恵まれなかった怪獣が混じっていたことも…。
尚、このCMシリーズではどういうわけだかダダがヒロイン役になっている事が多い。当時はダダを推さなければいけないノルマでもあったのだろうか。

作品リスト(タイトルは便宜上のもの)

  • ウルトラマンレーシング編

ウルトラマン達がピットクルーとして当時結成されたレーシングチームをサポートするという内容。
ダダは何故かレースクイーン役である。
使用された楽曲はウルトラマンパワードでもEDを務めた須藤ひとみの「ブラザーズ・ヒーロー」

  • 恋ってなんだろう?編
焚き火を囲むナディア・ギフォードと円谷皐社長が「恋ってなんだろう?」を歌い、ウルトラヒーローと怪獣たちが仲良く踊るという内容。ウルトラマンのダンスパートナーはダダとなっている。よく見るとパワードバルタン星人も踊っており、結構目立つ。

  • ナディアのクリスマス編
ナディア・ギフォードが天使に扮し、「ラスト・クリスマス」を歌う。
怪獣やウルトラヒーローが仲間や恋人達と共にクリスマスを過ごすという内容。ダダはある人物をクリスマスツリーの近くで待っている様子。そこに現れたのは…!?
尚、クリスマスを共に過ごすパートナーの組み合わせはウルトラの父ウルトラの母などの公式カップリングの他、ゴモラエレキングパンドンジャミラレッドキングカネゴンメトロン星人ペガッサ星人など何をどうやったらそんな人選になるんだ!?というカオスな組み合わせも散見される。と言っても一番カオスなのは、これまで無機質なキャラクター造形をしていたキングジョーのテンションが異常に高い事なのだが。

  • サッカー編
初代ウルトラマンダイナまでのヒーローにブースカを加えたイレブンとメフィラス星人らを始めとするイレブンの対決を描く。宇宙人側のラフプレーに怒ったヒーローチームと乱闘になり、ケムール人の審判がイエローカードを下し、宇宙人側が嘲笑するが、ヒーロー達の思いを繋いだブースカのオーバーヘッドキックで逆転勝利!ヒーロー達はブースカに勝利のハグをするのであった。
ちなみにベンチをよく見るとチャメゴンがいるという小ネタもある。

  • スノーボード編
ブースカとピグモンのコンビはある時、TVで見かけたスノーボードに興味を示すが、とても高くて手が出せず、購入を目指して各地でバイトを始めた。ようやく軍資金が溜まったという所でカネゴンがお金を全部食べてしまい、努力が水の泡と化すが、廃棄場にまだ使えるダダ柄のボードを発見。二人はついにスキー場へのツアーバスに乗り込むのだった。
使用楽曲はV6の「always」。

  • ブースカのクリスマス編
山田まりや(ミドリカワ・マイ隊員)推しのドルヲタであるブースカ(ブースカ!ブースカ!!版)はある夜、彼女のクリスマスコンサートに参加し、彼女へプレゼントを渡そうとするが、つまづいた拍子にプレゼントを破損してしまい、悲嘆に暮れる。彼を哀れに思ったダダが手を差し伸べようとするが、サンタウルトラマンは彼女を引き止める。そこにはガールフレンドのブースコがブースカにプレゼントを渡す姿があった。


余談

経営難の裏事情

上記の経営難について、6代目の社長を務めた円谷英明氏は「ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗」を執筆した。端的に言えば内容の半数以上は、円谷皐氏やその息子円谷一夫氏への放漫な経営姿勢に対する批判(「円谷プロの経営の問題は、同族経営ではなく、ワンマン経営にあったのです」(p.88)と語る)を綴ったものとなっている。
内容は非常に後ろ向きであり、著者自身が現在の商業展開中心のウルトラシリーズに否定的な見解を示しており、事実誤認の記述も見られる。読む際には注意が必要な一方、かつての円谷プロの内情(特に経営陣)を知る人物の貴重な証言でもあり、経営破綻の経緯や背景が生々しく描かれており、ファンには辛いながらもうなずける一面もある、評価の難しい書である(なお、改訂のアナウンスはないが、重版分では記述ミスや誤認の部分が一部改められているようである)。

サウンドロゴ

円谷プロの許諾を得て販売されているソフトや劇場版には東映同様にサウンドロゴが挿入されるが、時代によって演出が異なる為、これでファンの世代を判別できてしまったりする。

  • オレンジ色のオーロラで構成されたマイティジャックのマークが画面奥へと消えて行き、TSUBURAYAという青い字を引き連れて画面中央に戻ってくる演出(90年代初期)
  • コミカルなBGMをバックに地球がグルグルと回る演出(2000年代初期)
  • 流星が集まって円谷プロのロゴを形成する演出(新世紀ウルトラマン伝説2003などで確認)
  • 竹林の中で次々と竹が伸びて行き、美しい月光をバックに銀色の円谷プロのロゴが現れる演出(2006年頃)
    • 2006年はウルトラマンシリーズ40周年だったのでシュワッチ!!という音声と共に記念ロゴが現れる。
  • 幾重ものマイティジャックのマークが重なって円谷プロのロゴが現れる演出(2010年代以降)

マスコットキャラクター

  • 店長怪獣デパゴン
店長怪獣 デパゴン


円谷公式オンラインショップ「怪獣デパート」のマスコット。
身長50cm、体重は380g。
オレンジ色のパペットタイプの怪獣であり、デパートに引っ掛けたのか齧歯類のような出っ歯が特徴。
首からはがま口を提げており、カタツムリのような顔からカネゴンの系譜にある怪獣である事が伺える。
頭に被ったプロペラは時々回転するらしく、店長という役職故か過労しかけたというエピソードがある。
ライバルは同じく円谷プロのマスコットともいうべきブースカとのこと(本人談)。

関連タグ

円谷 会社 映画 特撮 ウルトラシリーズ 公式が病気 円谷ッター
円谷英二 成田亨 金城哲夫 実相寺昭雄 日本現代企画
祖師ヶ谷大蔵駅…かつての本拠地最寄り駅。現在は渋谷区にある神泉駅が最寄りになる。

ゆめ太カンパニー/動画工房:同じくTYOの目論見に翻弄された会社

外部リンク


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