平成15年、干支は未年。夏は1993年以来10年ぶりの冷夏だった。
阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝。今年の漢字が「虎」になった。
横綱貴乃花が引退。メジャーリーグではサミー・ソーサのコルクバット事件、朝青龍VS旭鷲山騒動が話題を呼んだ。
この年のニチアサキッズタイムは3大ダークヒーローがお茶の間を席巻した。
そして、良くも悪くもテレビ業界の今後の方針を決定づけた年でもある。
2003年開けからテツandトモ(メイン画像)、ダンディ坂野、はなわがブレイク。
お笑いをメインとしたバラエティ番組が急増し、それまで燻っていた芸人たちが次々頭角を現すお笑いブームが到来。ここまでは良かった。
これまでブームというものは長くても5年程度で廃れ、次の媒体へ移行するのが筋だった。
だからこそテレビの面白さも維持されつつあったが、テレビ局が芸人の「低賃金でジャンルを選ばず楽に起用できる」という点に着目し何でもかんでも芸人に依存するケースが増加。お笑いブームが収束し視聴者からとっくに飽きられてもなお、ひな壇芸人を筆頭にテレビ局と芸能事務所による芸人の押し売りが続く事となった。
あまりにも押し売りされた影響で、「どんな仕事にも起用してもらえるから」「成功すれば大金持ちになれる一発逆転の職業だから」という本職の趣旨とは異なる夢も希望もない理由から芸人養成所に入る若者すら出て来ている始末である。
アイドル業界においても似たような事が起こっており、HEY!HEY!HEY!を筆頭に同年を最後にジャニーズ事務所以外のダンスボーカルグループが軒並み姿を消し(ジャニーズ以外が落ち目になった訳ではなく、最新曲がオリコン1位を取っていたグループすら消された)、もともとそれなりにあったバラエティ番組のジャニーズ進出がさらに増加。
24時間テレビもこの年以降毎年ジャニーズが務めることとなり、物議を醸している。
このようにテレビは出演者を同じジャンル・事務所ばかりに統一化する保守的姿勢に変わったことで、それまでの一家団欒で見て楽しむ多様性あるコンテンツから特定の事務所の広報の場のようなものとなり、20余年が経過した現在でもこの体制はほとんど変わっていない。
このためテレビを離れてネットメディアに移行する層が増加し、テレビとの対立が強まる顛末となった。実際現在広告収入ではネットが民放5局+NHKの合計すら上回る事態が発生している。
主な出来事
2月1日 この日に発生したコロンビア号空中分解事故により、宇宙飛行士7名全員が死亡。スペースシャトル運航停止の原因となった。
2月18日 韓国大邱市営地下鉄放火殺人事件が発生。
3月19日 営団地下鉄半蔵門線の水天宮前駅〜押上駅間が開通。
3月24日 宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が、第75回アカデミー賞の「長編アニメ映画賞」を受賞。
6月27日 t.A.T.u.がミュージックステーションをドタキャン。
7月19日 「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」が公開。実写映画としては日本一の大ヒット映画となった。ちなみに同日には、この年のアニメ映画では1番の大ヒットとなった「ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ」も公開。
8月10日 沖縄県唯一の鉄道となる「沖縄都市モノレール」が開業。
8月12日 西部警察の新作ドラマ撮影中に車が観客席に突っ込む事故が発生。
8月13日 この日放送の「ワンナイR&R」で王シュレット事件が発生。
9月16日 東海道新幹線で使用された100系が、この日を最後に姿を消した。軽急便立てこもり放火殺人事件発生。
10月1日 東海道新幹線の品川駅が開業。J-PHONEがボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)にブランド変更。テレビ朝日が正式社名になる(これまでは、「テレビ朝日」は愛称であり、正式社名は「全国朝日放送」であった)。
10月10日 この日の朝、日本産最後のトキであった「キン」が死亡し、日本産のトキはこの世から消えた。
11月30日 可部線の可部駅 - 三段峡駅間がこの日の運行を最後に廃止(2017年に部分復活)。
12月1日 地上デジタル放送が東京と名古屋、そして大阪で開始。
架空の出来事
- ストレンジリアルにて大陸戦争が勃発する。(ゲーム『エースコンバット04』)
- 須田恭也が羽生蛇村に訪れ、村の秘祭を目撃してしまう。その後サイレンが鳴り、異界に巻き込まれる。(ゲーム『SIREN』)
- 6月12日、新宿に突如『赤い竜』と巨人が出現。後に『魔素』と呼ばれる未知の粒子が蔓延する。12月、その影響で謎の奇病を発症する者が現れはじめる。(ゲーム『ドラッグオンドラグーン』『ニーアレプリカント』)
アニメ・特撮
- ウルトラマンボーイのウルころ
- 仮面ライダー555
- 爆竜戦隊アバレンジャー
- 超星神グランセイザー
- 美少女戦士セーラームーン(ドラマ)
- ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS
- 超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説
- 出撃!マシンロボレスキュー
- 明日のナージャ
- キノの旅
- D・N・ANGEL
- カレイドスター
- 魔探偵ロキ
- 金色のガッシュベル!!
- アストロボーイ鉄腕アトム
- LASTEXILE
- D.C.
- フルメタル・パニック?ふもっふ
- 君が望む永遠
- 鋼の錬金術師
- ボボボーボ・ボーボボ
- 真月譚月姫
- まぶらほ
- 無人惑星サヴァイヴ
- 魁!!クロマティ高校
主な物故者
2月27日:山田彰(俳優)
3月2日:生島治郎(小説家。「上海カサブランカ」)
3月23日:梶岡忠義(元プロ野球選手)
3月25日:古尾谷雅人(俳優。「金田一少年の事件簿」剣持勇役)
4月1日:レスリー・チャン(香港の歌手)
4月7日:山内雅人(俳優・声優)
4月10日:リトル・エヴァ(歌手。代表曲「ロコ・モーション」)
4月17日:今藤幸治(サッカー選手)
4月20日:加藤大治郎(オートバイレーサー。レース中の事故が元で死去)
5月6日:宜保愛子(タレント)
5月7日:冬杜花代子(作詞家)
6月2日:小鶴誠(元プロ野球選手。1シーズン161打点はプロ野球記録)
6月16日:春風亭柳昇(落語家)
6月17日:山本廉(俳優)
6月18日:ラリー・ドビー(メジャーリーガー。1962年には中日ドラゴンズにも所属した)
6月24日:名古屋章(俳優。「ウルトラマンタロウ」朝日奈勇太郎隊長役)
6月24日:山根赤鬼(漫画家)
6月25日:八代駿(声優)
6月29日:キャサリン・ヘップバーン(女優。なお、オードリー・ヘップバーンとの血縁関係はない)
7月7日:鈴木富子(声優。劇場版「ポケットモンスターAG七夜の願い星」のジラーチ役が遺作となった。)
7月9日:谷恒生(作家)
7月22日:ウダイ・フセイン(イラク・フセイン大統領の長男)
7月22日:クサイ・フセイン(イラク・フセイン大統領の次男)
8月9日:沢たまき(歌手。代表曲「ベッドで煙草を吸わないで」)
8月20日:雲井浪子(女優。宝塚歌劇団第1期生最後の存命者で102歳まで生きた)
8月23日:ボビー・ボンズ(メジャーリーガー。バリー・ボンズの父)
8月30日:チャールズ・ブロンソン(俳優)
9月25日:夢路いとし(兄弟漫才師「夢路いとし・喜味こいし」の兄)
10月14日:横山まさみち(漫画家。代表作「やる気まんまん」)
10月24日:星玲子(女優・歌手。代表曲「二人は若い」)
11月26日:小林千登勢(女優。象印クイズヒントでピントでは「おっかさん」の愛称で親しまれた。)
11月27日:相川浩(元NHKアナウンサー)
12月5日:田中康郎(声優。「重甲ビーファイター」老師グル役)
12月5日:バーブ佐竹(歌手。代表曲「女心の唄」)