概要
前作「ゴジラ×メカゴジラ」の正式な続編であり、ミレニアムシリーズで唯一前作との繋がりを持った作品。
主人公は機龍のパイロットから機龍の整備士へと変更され、ストーリーも整備士視点で展開される。そのため、前作で機龍にメカゴジラと愛称を付けた人物が一切登場せず、タイトルがメカゴジラなのにメカゴジラという単語が本編に一切登場しない作品でもある。
また、本作には、「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ決戦!南海の大怪獣」でデビューし、ゲゾラとガニメを差し置いて、死骸役ではあるが、カメーバがゴジラシリーズに初登場した。
更に、「モスラ」との繋がりがある作品であることから、初代「モスラ」に登場した中條信一役の小泉博が再び中條信一役で出演したり、「モスラ」の世界観や「モスラ対ゴジラ」のオマージュが散見される作品に仕上がっているほか、ゴジラが歴代初となる東京タワーの破壊をしたり、初代とおなじく国会議事堂を破壊するなど、ゴジラの破壊のゴールとも言える作品に仕上がった。
しかし、観客動員数は当時歴代のワースト3の110万人を記録し、ミレニアムシリーズ、ひいては、またゴジラシリーズが幕を閉じるきっかけになってしまった。
※尚、次回作のゴジラファイナルウォーズで観客動員数は100万人と更に伸び悩み、ワースト3はファイナルウォーズに譲っている。
とはいえ、前作同様、令和現在再評価が進んでいる作品でもある。
前作に引き続き、悲劇的なメカゴジラの背景設定を掘り下げ、命とは何かという重いテーマを真正面から真摯に描いている。同時に、そうしなければ自国を防衛できない歯がゆさや、全編通して描かれた生命倫理に対する皮肉なラストシーンは、ゴジラ映画らしい非常に高い完成度だといえる。
機龍2部作は時代を先取りしすぎて評価が後から追いついた作品といえるだろう。
あらすじ
ゴジラと機龍の戦いから1年後。戦いの爪痕は深く、未だに都市部の復興と機龍の整備は滞っていた。そんな折にかつてインファント島でモスラと小美人に出会った言語学者の中條信一の元に小美人とモスラが訪ねてくる。彼の甥で機龍の整備士である中條義人を交えて話し合う小美人だったが、彼女らの願いは「ゴジラの骨(機龍)を海へ返し、眠りにつかせること」であった。
彼女らの言葉に反対する義人だったが、その一件から機龍に対し、改めて考えを深める。信一も旧友であった総理に機龍の凍結と放棄を請願するが、機龍が人類の切り札であること、モスラがかつて東京を襲った事実があることなどから拒否されてしまっていた。
しかし、事態はゴジラの再上陸を受けて急変する。機龍を出撃させまいとモスラが襲来し、ゴジラと奮闘するも、どんどんと追い詰められていく。その姿を見た政府によって機龍とモスラの共闘作戦が提案され、機龍は再び戦場へ飛び立つ。しかし、激戦の最中で整備が完全でなかった機龍はゴジラの熱線の前に倒れ、機能停止してしまう。
機龍の再起は絶望的だったが、現場に居合わせた義人が決死の覚悟で機龍の修理へ向かうことを決意。果たして義人は機龍の元へ辿り着き、修理することが出来るのか?人類とゴジラの決着はどうなるのか?そして、禁忌に触れる形で作り上げてしまった機龍という存在に出す答えは何か?
ゴジラと機龍の戦いに終止符が打たれる。