概要
1954年(昭和29年)公開の映画『ゴジラ』に始まる怪獣ゴジラの登場するシリーズ作品。現在までに34作品(うち4作はハリウッド製作)が制作・公開されている。
1954年に公開された『ゴジラ』は怪獣特撮映画としては空前のヒットを飛ばしたことで、それからわずか一年足らずで続編制作が決まり、以降からほぼ例年的に作品が作られることとなり、そうしてゴジラ作品はシリーズ化された。
2014年5月16日には「もっとも長く継続しているフランチャイズ映画」としてギネス認定もされている。
歴史
昭和ゴジラシリーズ
『ゴジラ』(公開日:1954年11月3日)-『メカゴジラの逆襲』(公開日:1975年3月15日)
1作目のゴジラは「災害」や「核の申し子」として人類との相互理解が一切不可能な恐怖の存在とされていたが、2作目の『ゴジラの逆襲』のライバル怪獣との対戦要素が取り入れられるようになり、そして1962年の3作目にしてアメリカ映画に登場する怪獣とのコラボ作品、そして初のカラー作品などのエポックを持つ『キングコング対ゴジラ』にて、“ゴジラ対敵怪獣”というシリーズ全体のコンセプトが決定付けられたと言われている。
そして4作目『モスラ対ゴジラ』で歴代東宝怪獣との戦いが始まり、さらに『三大怪獣 地球最大の決戦』以降は徐々にゴジラも「人類の敵」からウルトラマンや仮面ライダーのような「子供たちのヒーロー」という描写に変わっていき、これに伴ってシリーズそのものも明るくわかりやすい大衆映画としての側面が強くなっていった。
しかし、展開当初こそ社会的ブームを巻き起こした本シリーズであるが、時を経るに連れて人気は低迷、制作予算も削られていき、そして1975年の『メカゴジラの逆襲』を以て約20年近く続いたゴジラシリーズは終了へと追い込まれた。
平成ゴジラシリーズ
『ゴジラ(1984)』(公開日:1984年12月15日)-『モスラ3キングギドラ来襲』(公開日:1998年12月12日)
とは言え、1980年代に入るとシリーズの復活が検討されるようになったと言われ、そして『メカゴジラの逆襲』の公開から9年後の1984年に初代以外の設定を全てリセットする形で制作された『ゴジラ』が公開された(ちなみに84年はまだ昭和時代だが、便宜上これも平成シリーズとしてカウントしている)。
その後、5年の空白期間を経て平成元年に『ゴジラVSビオランテ』が公開され、それが好評を得たためその翌年からはまた何個かの作品が作られるようになり、平成における新しいシリーズとしての舵が切られた(以降は基本的にタイトルが『ゴジラVS◯◯』で固定されるようになったためファンの間では「VSシリーズ」とも呼ばれている)。
このシリーズではゴジラは再び"人類の敵"として描かれており、作品毎のゲスト怪獣のほとんどはそのゴジラの敵として登場するのが特徴で、だいたいはゴジラと人類の戦い、あるいはゴジラとその敵怪獣、そして人類との三つ巴の戦いが描かれているものが多いが、中には『VSスペースゴジラ』のように結果的に人類とゴジラと共闘したケースの作品もある。
また、平成シリーズの特徴として一連の共通した世界観を持ち、84年版『ゴジラ』をのぞく全ての作品に同じヒロインの三枝未希が登場するという点が挙げられる。
当初はこのシリーズも1993年の『ゴジラvsメカゴジラ』を持って終わる予定だったらしいが、後述の旧ハリウッド版の制作が難航したためそれからさらに2年ほど継続されることになり、そして1995年の『ゴジラvsデストロイア』にて二度目の終了と相成った。
21世紀ゴジラシリーズ
『ゴジラ2000 ミレニアム』(公開日:1999年12月11日)-『ゴジラ FINAL WARS』(公開日:2004年12月4日)
『vsデストロイア』から約4年後の21世紀に入って再び始動したゴジラシリーズ。
こちらは『2000』のサブタイから「ミレニアムシリーズ」とも呼ばれる。
休止から再開までの期間が約4年と短く、作りは基本的にvsシリーズと同じコンセプトであるが、それらとは異なりむしろ昭和期のように作品の1つ1つの世界観の繋がりが緩いのが特徴で、2002年の『ゴジラ×メカゴジラ』および2003年の『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』以外は完全な一本完結型の作品群となっている。
しかし、VSシリーズに比べて全体的な興行収入は思うように伸びず、一時期は他作品とのタイアップも行われたが、結局再開からわずか5年の2004年の『ゴジラ FINAL WARS』を持ってこのミレニアムシリーズも打ち切られ、再びシリーズは停止状態に入ることとなった。
2010年代半ば以降の展開
『シン・ゴジラ』(公開日:2016年7月29日)-
ミレニアムシリーズ終了から約10年後の2014年、その年には後述のレジェンダリー社が製作した新ハリウッド版『GODZILLA-ゴジラ-』の公開があり、それの大ヒットを受けて東宝は同年の12月8日に完全新作の国産ゴジラ作品を製作・公開することを発表した。
その制作に際して総監督には新世紀エヴァンゲリオンの監督である庵野秀明、特技総括には平成ガメラを撮った樋口真嗣といった実力派クリエイターが据えられたことで公開前から大きな話題を呼ぶこととなり、そして制作発表から約1年半後の2016年7月29日にシリーズ復活作となる『シン・ゴジラ』が公開された。
十数年ぶりの復活ということもあってか本作はたちまち大ヒットを飛ばし、この映画のシリーズの累計動員数が1億人を突破するという実写邦画初の快挙も達成、翌年の日本アカデミー賞では優秀作品賞をはじめとする各賞をほぼ総舐めにするという圧勝ぶりを示した。
その『シン・ゴジラ』公開から間もなくして次回作の制作告知があり、しかも今度は国産シリーズ初の試みとなるアニメーション映画としての制作であるということも発表された。
同作は全三部作構成での独自のシリーズという形をとっており、監督は静野孔文および瀬下寛之の二人体制で、さらに原案と脚本は虚淵玄、アニメーション部分はポリゴン・ピクチュアズが担当しての制作が進められ、2017年からそのアニメ映画版『GODZILLA』の作品展開が開始、第一章が2017年11月17日、第二章が年を跨いだ2018年の5月19日、そして同年11月9日にそれの完結編となる第三章が順次公開されている。
また、2019年には『新世紀エヴァンゲリオン』とのコラボ企画で、USJにてゴジラ対エヴァンゲリオンがアトラクション映画として放送された。さらに『新幹線変形ロボ_シンカリオン_THE_ANIMATION』の劇場版である『未来からきた神速のALFA-X』においてゴジラは碇シンジらと再度共演し、初音ミクとも対決した。
2021年では今度はTVアニメとしてのゴジラ作品『ゴジラS.P(シンギュラポイント)』も放送されている。
更には2022年11月3日には通算30作目となる『ゴジラ-1.0』を2023年11月3日に公開すると発表。『シン・ゴジラ』以来7年ぶりの新作にして実写邦画としては令和初となり、日本を代表するVFXの名手山崎貴が監督を務めた。
公開された本作は世界的な大ヒットとなり、『シン・ゴジラ』と同じく翌年の日本アカデミー賞を総舐めにしたうえ、アカデミー賞視覚効果賞を邦画はおろかアジア映画として初めて受賞し、シリーズにオスカーの名誉をもたらした。
それ以外にもより低年層を意識してのコンテンツとして『ゴジばん』や『ちびゴジラ』といったゴジラ怪獣をマスコット風にディフォルメしたキャラクターを主役にしたキッズ向けのスピンオフシリーズの展開が進められている他、2020年以降の11月3日のゴジラアニバーサリーにはその年に対応している過去作品を題材にした短編映像作品を制作して公開する催しも行われている。
この2010年代半ばからの動きはアメリカでも2014年版『GODZILLA-ゴジラ-』から始まった後述する独自のシリーズの制作および公開もあり、ゴジラシリーズ全体が日米合わせてのものとはいえ四度めの賑々しさを見せている。
ちなみにそれ以前には先端映像研究所による3D映画の企画が持ち上がったが、その後責任者である坂本義光氏がハリウッド版の3D映画のプロジェクトに加わり、企画もそちらへとシフトしていった模様(後にこの企画は2014年公開のハリウッド版、さらにそれを発展させたモンスターバースシリーズへと繋がっていった)。
ハリウッド版
ゴジラシリーズは初代の英訳版が世界各国で公開されて大きな話題になったことから日本国外(特にアメリカ)でも非常に高い人気と知名度を誇っており、海外の著名人でもゴジラのファンであることを公言している者は多く、スティーブン・スピルバーグやギレルモ・デル・トロ、そして後に自らがゴジラ映画を手がけることになったギャレス・エドワーズなど向こうの映画監督の中にも本シリーズから多大な影響を受けたという者も少なくない。
日本が平成に入って国産のゴジラシリーズの再始動した頃になるとハリウッドでもゴジラのリメイク版を制作しようという動きが生まれ、それを受けて1998年にはトライスター社制作によるハリウッド版『GODZILLA』が公開された。しかし、この映画は興行収入こそそれなりの成果を上げたものの、従来のデザイン・設定とはあまりにかけ離れた姿のゴジラが登場したことで国内外のファンから大顰蹙を買うこととなってしまった。
それから10年以上経った2010年代に再度ハリウッド製のゴジラ映画を制作しようという話が持ち上がり、2014年に今度はレジェンダリー社主導のリブート版『GODZILLA-ゴジラ-』が公開され、さらに2019年にはその続編に当たる『King of the Monsters』も公開されることとなった。
これら2作はそのレジェンダリー社が企画している「モンスターバース」というシェアード・ワールドに組み込まれ、後に同社が制作したキングコングシリーズ(『髑髏島の巨神』)とは同一の世界観の作品として設定されており、そのシリーズの中でゴジラとコングの激闘を描いた『GODZILLAvsKONG』(2021年)、その続編にして2体の共闘を描く『The New Empire(新たなる帝国)』(2024年)と、日米を代表する2大怪獣によるクロスオーバーが展開されている。
一方で本シリーズは映画だけでなくアメリカのサブカルチャー業界にも大きな影響を与えており、MARVELコミックではあのアベンジャーズと対決するというエピソードが連載されたことがあるほか(→レッドローニンも参照)、1978年にはハンナ・バーベラ社によりオリジナルのアニメ作品が制作されたこともある。2023年にはDCコミックとモンスターバースのコラボにより、『ジャスティスリーグVSゴジラVSコング』の連載も開始された。
シリーズ一覧
国産シリーズ
公開年 | 作品No. | タイトル | タグ |
---|---|---|---|
1954 | 1 | ゴジラ | 初代ゴジラ |
1955 | 2 | ゴジラの逆襲 | ゴジラの逆襲 |
1962 | 3 | キングコング対ゴジラ | キングコング対ゴジラ |
1964 | 4 | モスラ対ゴジラ | モスラ対ゴジラ |
1964 | 5 | 三大怪獣 地球最大の決戦 | 三大怪獣地球最大の決戦 |
1965 | 6 | 怪獣大戦争 | 怪獣大戦争 |
1966 | 7 | ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 | 南海の大決闘 |
1967 | 8 | 怪獣島の決戦 ゴジラの息子 | ゴジラの息子 |
1968 | 9 | 怪獣総進撃 | 怪獣総進撃 |
1969 | 10 | ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 | オール怪獣大進撃 |
1971 | 11 | ゴジラ対ヘドラ | ゴジラ対ヘドラ |
1972 | 12 | 地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン | ゴジラ対ガイガン |
1973 | 13 | ゴジラ対メガロ | ゴジラ対メガロ |
1974 | 14 | ゴジラ対メカゴジラ | ゴジラ対メカゴジラ |
1975 | 15 | メカゴジラの逆襲 | メカゴジラの逆襲 |
1984 | 16 | ゴジラ | 84ゴジラ |
1989 | 17 | ゴジラVSビオランテ | ゴジラVSビオランテ |
1991 | 18 | ゴジラVSキングギドラ | ゴジラVSキングギドラ |
1992 | 19 | ゴジラVSモスラ | ゴジラVSモスラ |
1993 | 20 | ゴジラVSメカゴジラ | ゴジラVSメカゴジラ |
1994 | 21 | ゴジラVSスペースゴジラ | ゴジラVSスペースゴジラ |
1995 | 22 | ゴジラVSデストロイア | ゴジラVSデストロイア |
1999 | 23 | ゴジラ2000 ミレニアム | ゴジラ2000ミレニアム |
2000 | 24 | ゴジラ×メガギラス G消滅作戦 | ゴジラ×メガギラスG消滅作戦 |
2001 | 25 | ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 | ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃 |
2002 | 26 | ゴジラ×メカゴジラ | ゴジラ×メカゴジラ |
2003 | 27 | ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS | ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS |
2004 | 28 | ゴジラ FINAL WARS | ファイナルウォーズ |
2016 | 29 | シン・ゴジラ | シン・ゴジラ |
2023 | 30 | ゴジラ-1.0 | ゴジラ-1.0 |
??? | 31 | ??? | ??? |
アニメーション映画
公開年 | タイトル | タグ |
---|---|---|
2017 | GODZILLA -怪獣惑星- | GODZILLA(アニメ映画) |
2018 | GODZILLA -決戦機動増殖都市- | GODZILLA(アニメ映画) |
2018 | GODZILLA -星を喰う者- | GODZILLA(アニメ映画) |
ハリウッド版
トライスター二部作
公開年 | タイトル | タグ |
---|---|---|
1998 | GODZILLA | GODZILLA1998 |
1998 | ゴジラ・ザ・シリーズ | ゴジラ・ザ・シリーズ |
モンスターバースシリーズ
公開年 | タイトル | タグ |
---|---|---|
2014 | GODZILLA -ゴジラ- | GODZILLA-ゴジラ- |
2019 | GODZILLA:King of the Monsters | キング・オブ・モンスターズ |
2021 | GODZILLA VS KONG | GODZILLAvsKONG |
2024 | GODZILLA x KONG:The New Empire | ゴジラxコング:新たなる帝国 |
その他シリーズ
テレビ/ビデオ作品
放送/発売年 | タイトル | タグ |
---|---|---|
1992 | 冒険!ゴジランド | ゴジランド |
1994 | すすめ!ゴジランド | ゴジランド |
1997 | ゴジラアイランド | ゴジラアイランド |
2019 | ゴジばん | ゴジばん |
2021 | ゴジラS.P | ゴジラS.P |
2023 | ちびゴジラの逆襲 | ちびゴジラの逆襲 |
短編映像作品
公開年 | タイトル | タグ |
---|---|---|
2019 | 夢の挑戦 ゴジラ須賀川に現る | 須賀川市 |
2020 | ゴジラ・ゴジラフェスに現る | ゴジラ・ゴジラフェスに現る |
2021 | ゴジラVSヘドラ | ゴジラVSヘドラ |
2022 | ゴジラVSガイガンレクス | ゴジラVSガイガンレクス |
同上 | ガイガン来襲 | ガイガン来襲 |
2023 | ゴジラVSメガロ | ゴジラVSメガロ |
同上 | オペレーションジェットジャガー | オペレーションジェットジャガー |
ゲーム
発売/配信年 | タイトル | ハード |
---|---|---|
1988 | ゴジラ | FC |
1993 | 怪獣王ゴジラ | GB |
1993 | 超ゴジラ | SFC |
1994 | ゴジラ 怪獣大決戦 | SFC |
1995 | ゴジラ 怪獣大進撃 | GG |
1995 | ゴジラ 列島震撼 | SS |
1998 | ゴジラ・ジェネレーションズ | DC |
1998 | ゴジラ・トレーディングバトル | PS |
1999 | ゴジラ・ジェネレーションズ・マキシマムインパクト | DC |
2014 | ゴジラ-GODZILLA- | PS3 |
2015 | ゴジラ VS | PS4 |
2017 | 巨影都市 | PS4 |
2019 | ゴジラディフェンスフォース | スマートフォン |
2021 | ゴジラ デストラクション | スマートフォン |
2021 | ラン ゴジラ | スマートフォン |
2021 | ゴジラバトルライン | スマートフォン |
コラボ・ゲスト出演(映像作品のみ)
公開年 | タイトル | タグ |
---|---|---|
1973 | 流星人間ゾーン | 流星人間ゾーン |
2007 | ALWAYS 続・三丁目の夕日 | 三丁目の夕日 |
2016 | しんちゃん対シン・ゴジラ | しんちゃん対シン・ゴジラ |
2017 | キングコング 髑髏島の巨神 | 髑髏島の巨神 |
2019 | ゴジラ対エヴァンゲリオン | ゴジラ対エヴァンゲリオン |
2019 | 劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION 未来からきた神速のALFA-X | 未来からきた神速のALFA-X |
アトラクション
公開年 | タイトル | タグ |
---|---|---|
1994 | 怪獣プラネットゴジラ | 怪獣プラネットゴジラ |
2021 | ゴジラ・ザ・ライド | ゴジラ・ザ・ライド |
未製作の映画
タイトル | タグ |
---|---|
ゴジラ・レッドムーン・エラブス・ハーフン 怪獣番外地 | 怪獣番外地 |
怪獣王ゴジラ3D | 怪獣王ゴジラ3D |
ゴジラの復活 | ゴジラの復活 |
モスラVSバガン | モスラVSバガン |
ゴジラVSギガモス | ゴジラVSギガモス |
GODZILLA2 | GODZILLA2 |
GODZILLA REBORN | GODZILLA_REBORN |
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