ゴジラVSスペースゴジラ
ごじらぶいえすすぺーすごじら
破壊神降臨
宇宙へ飛んで行ったG細胞が突然変異を起こして生まれた新怪獣・スペースゴジラと、人類側の新兵器モゲラ、そして怪獣王ゴジラが三つ巴の戦いを繰り広げる。
後半の主な舞台となるのは福岡市。『空の大怪獣ラドン』以来久しぶりに東宝特撮の舞台として取り上げられた。
本作はリアリティやメッセージ性を追求した作品というより、娯楽作品としてのクオリティを追求したものであり、平成時代に製作されたゴジラシリーズの中で唯一、ゴジラと人類が共闘する作品である。
また、平成vsシリーズのサブヒロイン、三枝未希が初めてメインヒロインになった作品でもある。
ジャングルを舞台にしたゴジラとのゲリラ戦や未希を巡ってのマフィアとの銃撃戦など、人間側のドラマ・アクションにも新しいアイディアや展開が取り入れられている。
監督の山下賢章の意向により主題歌の「ECHOES OF LOVE」(デイト・オブ・バース)が作られた。ゴジラシリーズに主題歌が採用されたのは事実上、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』と『ゴジラ(1984)』、そして本作のみである。
今作はvsシリーズの中でも、(悪しざまに言えば)突貫工事で作られた作品として知られる。
当時、ハリウッド版ゴジラの製作開始を受け、東宝は前作「vsメカゴジラ」をもって平成vsシリーズを終了する予定であった。
しかしそのハリウッド版製作が著しく遅延したため、東宝は急遽vsシリーズを続投することにした。その様な状況の中で企画されたのが本作であった。
しかし、それまでのメインスタッフは新作映画『ヤマトタケル』の方へ回っていたため、平成ゴジラシリーズ初挑戦となるスタッフ(助監督業を中心に活動してきた山下賢章が監督を務めた他、『ルパン三世』のアニメシリーズなどを手掛けてきた柏原寛司が脚本を担当するなど)を新たに起用せざるを得なかった。
音楽も『vsキングギドラ』で復帰して以降前作まで一貫して担当していた伊福部昭氏に代わり、新たに服部隆之氏が起用された(伊福部氏自体は「ゴジラのテーマ」担当として引き続きクレジットされている)。
ただ、当時プロデューサーを務めていた富山省吾氏は、「次回作は正真正銘シリーズ最後の作品である以上悲劇的な作品にしなければならないので、その前の作品である本作はまた違った明るい雰囲気の作品、シンフォニーでいうところの転調にあたるものにしよう」と決めていたといい、スタッフを刷新したり既存の作品とやや毛色の異なる作風になったのは製作上の意図もあったようである。
とはいえ、こういった事情が背景にあるのかどうかはわからないが、従来のファンからの評価は他と比較すると低めである。
ゴジラの細胞がブラックホールまで到達し、いろいろあって別の怪獣に進化して地球に飛んでくる、といういくらなんでも強引すぎる展開や宇宙空間の描写の劣悪さなどが悪評の主な源である。
一方で、前述の「平成シリーズ唯一の人類とゴジラの共闘」という熱いシチュエーションやスペースゴジラのデザインや能力、モゲラのメカゴジラとは違ったメカニックとしての魅力やMOGERAパイロットの結城昇の渋さあふれるカッコ良さなど、今作独自の要素を評価するファンが多いのもまた事実である。
また、元々スペースゴジラはキングギドラの予定で企画が進んでいた(『VSキングギドラ』に登場したものとは別の、純粋な宇宙怪獣として新たなギドラが登場するという内容)が上述した『ヤマトタケル』に登場するヤマタノオロチと特徴がダブってしまうということから、スーパーファミコンのゲーム「超ゴジラ」に登場する「超ゴジラ」のデザインを踏襲し、宇宙からやってきたゴジラの分身「スペースゴジラ」と戦うという形に落ち着いたという。
なお、ハリウッド版の制作はさらに遅延することとなり、シリーズはもう1作延長され完結編が改めて作られる、ということになってしまったのだが。
テレパシー能力を持つ超能力者によってゴジラをコントロールしようとする「Tプロジェクト」と、メカゴジラに代わる新たな対G兵器として建造されたMOGERAを使ってゴジラを打倒する「Mプロジェクト」。
この2つの対ゴジラ作戦がGフォース内で持ち上がっていた。
ゴジラが住処としているバース島に潜伏し、自衛隊時代の友人を殉職させたゴジラへの復讐に燃える結城晃は「Tプロジェクト」を行う為に来島したGフォースの新城功二と佐藤清志、三枝未希らを迎え入れるも、あくまでゴジラを自らの手で倒そうと躍起になっていた。
しかし、バース島へ謎の結晶体と共にスペースゴジラが襲来。仲間だと思い込んで寄ってきたリトルゴジラ(ベビーゴジラの成長体)を痛めつけただけではなく、リトルを助けようとしたゴジラをも軽々と退け、リトルを結晶体の中へ封印してしまう。
かつて宇宙へ消えたビオランテ、あるいは宇宙へと旅立ったモスラ。これらの怪獣に付着していたゴジラの細胞が遠い宇宙の彼方のブラックホールの中で突然変異を起こし、新たな大怪獣へと成長していた。それがスペースゴジラだった。スペースゴジラは闘争本能に従い、自らのオリジナルであるゴジラを倒すために地球へやってきたのだ。
スペースゴジラはゴジラを倒すために自らにとっての最高のステージを福岡に築きあげ、ゴジラを倒そうと待ち構える。
失敗した「Tプロジェクト」に代わる形で発動していた「Mプロジェクト」によりMOGERAを用いてスペースゴジラに対抗しようとする結城達であったが、あまりの強さにスペースゴジラには歯がたたない。しかし、そこへリベンジとリトルを封印された怒りに燃えるゴジラが襲来。ゴジラと人類の共闘、スペースゴジラとの決戦の火蓋がついに切られる。
- 特技監督を務めた川北紘一氏は、次回作が最後になるのであれば、本作でやりたいことは一通り全部やってしまおうと考えており、その結果これまでのシリーズでまだ実現していなかった合体・変形するメカニックとしてMOGERAを提案したとのこと。富山省吾プロデューサーは後年、当時の川北監督について「ほぼ暴走状態だった」と(半ば冗談めかしてであるが)回想している。
- 結城を演じた柄本明氏は22年後、『シン・ゴジラ』で東官房長官を演じ、再びゴジラ映画に出演している。ジャングルを駆け回り単身ゴジラとやり合っていた壮年のゲリラ兵から一転、ゴジラ問題に頭を悩ませるくたびれた印象の老政治家が似合うようになっており、22年の年月の重みをシリーズファンに感じさせた。また、今作で結城がゴジラに対して用いていた「結城スペシャル」に通じるある作戦が『シン・ゴジラ』内でゴジラへの対抗手段として講じられており、シリーズファンは2作品のつながりにニヤリとさせられた。
- 結城のゴジラに対する個人的復讐心やそれに伴う行動、またスペースゴジラの誕生には「VSビオランテ」での出来事が深く関わっているが、ビオランテの存在やそれにまつわる出来事は「VSキングギドラ」における未来人の歴史改変で無かったことになったはずであるため、本作のストーリーはそれと激しく矛盾する(もっとも「VSキングギドラ」は作品単体でも矛盾点が多すぎるので今更といったところであるが)。
- 主人公の新城を演じた橋爪淳氏は、26年後の2020年に『ウルトラマンZ』で防衛チーム「ストレイジ」ロボット整備班リーダーのイナバ・コジローを演じることとなる。本作ではロボット兵器に搭乗してスペースゴジラと戦ったが、『Z』ではロボット兵器の整備班として裏方に徹し主人公達を支える役を演じるという、不思議な巡り合わせが起きた。
田口清隆:本作の大ファンであることを公言している。ちなみに、上記の『ウルトラマンZ』のメイン監督も務めており、同作では橋爪氏のキャスティングの他にもスペゴジへのオマージュと思われる描写が結構多い。
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