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平成ゴジラ

へいせいごじら

平成に製作されたゴジラシリーズの第1弾。1980~90年代にかけて製作されたものが含まれる。
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概要

ゴジラ


1975年の『メカゴジラの逆襲』を最後に、東宝は長らくゴジラの製作を行っていなかったが、ゴジラ復活を望むファンの声を受け、1984年に、リブート作である『ゴジラ』を製作した。
この後しばらくゴジラシリーズは製作されず、平成元年(1989年)に『ゴジラVSビオランテ』を公開、好評を得たため以降シリーズ化されることとなった。
この為スタートは84年版を含めると昭和だが、先代と区別するため「VSシリーズ」若しくは「平成シリーズ」と呼ばれる。

このシリーズでは、ゴジラは再び"人類の敵"として描かれ、ゲスト怪獣のほとんどはそのゴジラの敵として登場する(このうち、メカキングギドラモスラメカゴジラMOGERAは人類の味方として登場する)。
またゲスト怪獣も人類の敵であった場合「結果的にゴジラに救われた」という終わり方がお決まりである(もちろんビオランテ戦やバトラ戦のような例外もある。またメカゴジラは「人類の味方」であるが「完全な善」ではなく、むしろ物語のテーマとしては「悪役」である)。

作風

平成シリーズの特徴としては、一連の共通した世界観を持ち、同じ登場人物(超能力者三枝未希陸上自衛隊特殊戦略担当室の黒木翔Gフォース司令官の麻生孝昭など)が登場することが挙げられる(一応、昭和ゴジラも世界観につながりはあるとされるが、VSシリーズと比べて設定などがかなり曖昧である)。こうした登場人物たちの織り成す重厚な人間ドラマがシリーズ内の大きな見どころの一つである。

また戦闘シーンにおいては、リアリティの無い格闘シーンを嫌った特技監督・川北紘一の指導に加え、当時一世を風靡していた『ドラゴンボール』などの影響もあってか、光線技の使用頻度が上がっている。
例えば、ゴジラの放射熱線通常ワザとしてじゃんじゃん使用されまくっており、初激も熱線ならトドメも熱線なんてのは当たり前、酷いときは熱線しか使わずに戦いが終わったことすらある。
対戦相手の怪獣もこれに応戦する形で飛び道具自重せずに使用してくる
元々遠距離攻撃が主体だったキングギドラやメカゴジラは当然として、光線技を持っていなかったモスララドンにまで追加。
怪獣が戦っているときは基本的に光線が飛び交い火花が爆裂しているというのが常である。
また「生物として掴んだりするのはおかしい」との理由で格闘攻撃が行われるのは珍しいレベルにまで減少しており、怪獣の造形も歴代で最も「非生物的な」マッシブさを持っている(要は動きにくそうということである)。

VSシリーズ全体で見ても極僅かしかないと言えるほど頻度が減った格闘戦だが、たまにやるとかなり生々しく、かつ徹底的だったりもする。
具体的には、ゴジラはバトラの喉笛を食い破って血まみれになり、キングギドラはその長い首を使って締め上げる。ラドンはメカゴジラの目を嘴で破壊し、モゲラはドリルでスペースゴジラに流血させ、対するスペースゴジラも鋭い尾を突き刺した。
また怪獣たちの擬人化ではない感情の発露も評価が高く、特に新堂会長と向き合ったゴジラの「演技」は語り草となっている。

主に川北監督が主導した、怪獣たちの大胆な設定変更や昭和からのパターンの打破も、この時期の特色である。
青い衝撃波や赤い熱線を放つゴジラ、植物なのに走り出すビオランテ、サイボーグ化して蘇るキングギドラ、「黒いモスラ」ことバトラ、そして赤く輝き全身から蒸気を吹き出すバーニングゴジラなど、観客どころか時に制作側さえ度肝を抜かれたド派手なアレンジも魅力の一つである。

評価

こうした、迫力満点の戦闘描写と完成度の高い人間ドラマがうまく融合された構成は、今なお非常に高い評価を得ており、「ゴジラシリーズの中ではVSシリーズが一番好き」というファンも多い。
この関係から、VSシリーズに登場したゴジラ(厳密には「VSビオランテ」以降のデザイン)も、他シリーズに登場した個体と比較して人気・知名度共に抜群に高く、放映終了から20年が経過した現在でも「ゴジラ」と聞くとこのVSシリーズのゴジラを思い浮かべる人は多い。
さらにゴジラのモニュメントなどが制作される際にはこの平成版に準拠したデザインが施されることも決して少なくない。

また、VSシリーズが大ヒットしたのは、80~90年代が「特撮冬の時代」と呼ばれるほど、特撮作品の放送が激減していた(ウルトラシリーズ仮面ライダーシリーズは放送を休止しており、東映メタルヒーロースーパー戦隊シリーズしか放送されていなかった。とはいえ、一応この時期に海外では『ウルトラマングレート』と『ウルトラマンパワード』がそれぞれ展開されていた。また『VSビオランテ』公開直前まで『仮面ライダーBLACKRX』が人気を博していた)時期であったことも理由として考えられる。

このVSシリーズの展開時期はジャンプ黄金期とモロ被りしていて、それらのアニメ作品とも必然的に鎬を削ることになった。しかし、それでもこのシリーズは人気を確保し続けた。ゴジラは目の肥えた特撮ファンを楽しませることのできる、貴重な存在だったのだ。

後にウルトラシリーズ2010年代以降に展開された新世代ヒーローズ)で監督を務めることになる田口清隆氏も、幼少期にこの平成シリーズや平成ガメラをみたことが後に特撮監督への道を志すきっかけの1つになったと語っているほか、田口氏以外にもこの平成シリーズから少なからず影響を受けたクリエイターは決して少なくない。
このことから、後の日本の(特撮をはじめとする)サブカルチャーにも大きな影響を与えたという点で、このシリーズの存在意義は極めて大きかったと言えるだろう。

作品

公開年タイトルタグ
1984『ゴジラ』84ゴジラ
1989『ゴジラVSビオランテ』ゴジラVSビオランテ
1991『ゴジラVSキングギドラ』ゴジラVSキングギドラ
1992『ゴジラVSモスラ』ゴジラVSモスラ
1993『ゴジラVSメカゴジラ』ゴジラVSメカゴジラ
1994『ゴジラVSスペースゴジラ』ゴジラVSスペースゴジラ
1995『ゴジラVSデストロイア』ゴジラVSデストロイア


関連項目

東宝 怪獣映画 東宝特撮 東宝怪獣
ゴジラシリーズ
昭和ゴジラ
平成モスラ - 世界観は繋がらないが、実質の後継シリーズ
ミレニアムシリーズ - ゴジラシリーズとしての後継作品群
GODZILLA - 後継作品と目されていたが……
VSシリーズ
国連G対策センター

川北紘一 - 平成ゴジラの特技監督。独特のド派手な戦闘描写は川北氏の影響によるところが大きい。

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