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概要編集

1954年の『ゴジラ』以来多くの怪獣映画を銀幕に送り出し、またテレビでは『流星人間ゾーン』や『メガロマン』のような王道ヒーローから『クレクレタコラ』のような変化球ものまで多数の作品を輩出した。

『ゴジラ』のイメージがあるせいか高予算のイメージが強いが、テレビシリーズでは『行け!ゴッドマン』や『クレクレタコラ』のような超低予算作品もある。


阪急グループ総裁の小林一三が、「写真化学研究所」(P.C.L)を買収して東宝株式会社を創立。

P.C.Lから東宝の社長となった森岩雄はハリウッドの映画スタイルに学び、特殊撮影の重要性を邦画界でいち早く理解したため、円谷英二を招き特撮専用スタッフを育成した。

東宝特撮はスクリーンプロセス等ロケ費用を節約するための技術として合成技術に注力したが、昭和15年『海軍爆撃隊』でミニチュア特撮を主体にした作品を確立し、太平洋戦争下の昭和17年『ハワイ・マレー沖海戦』で真珠湾攻撃を再現した。

本作の大ヒットで日本国中を熱狂させた事から、ミニチュア特撮を主眼としたスペクタクル映像を最大の売りとした。

戦時下に『加藤隼戦闘隊』『雷撃隊出動』などの国策映画を創出する傍ら、『エノケンの孫悟空』では本邦初の空想SF映画まで製作している。


以後、他者の引き抜きや敗戦による公職追放で特撮陣は解体されたが、GHQの撤退とともに復活。『海賊船』『銀嶺の果て』等に参加、昭和28年『太平洋の鷲』で特撮大作を復活させる。

以後昭和30年『白夫人の妖恋』でカラー・海外合作、昭和32年『地球防衛軍』でワイド画面、昭和34年『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』でステレオ音響等、技術面を充実させた。『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』では東洋最大のプールを撮影所内に建造し、真珠湾やミッドウェイ島を再現し、以後東宝特撮の象徴的存在となった。


これら東宝特撮の黄金期の到来により、特技監督の円谷英二の名も世界に轟くものとなった。

反面、怪獣映画の世界的な商品化に成功したため、円谷英二が「特撮に最も相応しい」と映画化を切望した『竹取物語』を却下した等、プロデューサーの田中友幸の現実主義的な判断により、東宝特撮は怪獣映画と戦争映画の二種類に特化した。


昭和40年代の邦画斜陽の中で東宝は合理化を断行し、特撮部門は分社化され、生存を懸け大阪万博三菱未来館・ホリミラースクリーン映写映像や、創価学会企画の『人間革命』のような有力企業とのタイアップ映像製作にも参入した。


昭和45年に円谷英二が死去すると、中野昭慶が特撮監督として主軸となり、低予算と短納期の中で昭和48年『日本沈没』を大ヒットさせ、特撮陣を存続させた。以後、昭和56年には『連合艦隊』で「最後の超大作」と言われるヒットを打ち出している。昭和49年『大空のサムライ』で躍動的な空戦特撮を披露した川北紘一が、平成年間に東宝特撮を率いた。


現在は大プールは無く、東宝砧スタジオの刷新により新撮影所は火気厳禁となり、往時の特撮スタイルは喪失し、CG映像に交代している。


作品編集

シリーズ編集

ゴジラシリーズ』1954-2004年/2016年/2023年

変身人間シリーズ』1958-1960年

劇場版『学校の怪談』1995-1999年

モスラ』1961年/『平成モスラ』1996-1998年

モンスターバースシリーズ』2014-2020年? ※レジェンダリー・ピクチャーズとの提携作品。


TV番組編集

行け!ゴッドマン』1972-1973年

愛の戦士レインボーマン』1972-1973年

流星人間ゾーン』1973年

クレクレタコラ』1973-1974年

TVドラマ『日本沈没』1974-1975年

行け!グリーンマン』1973-1974年

光の戦士ダイヤモンド・アイ』1973-1974年

行け!牛若小太郎』1974-1975年

円盤戦争バンキッド』1976-1977年

メガロマン』1979年

電脳警察サイバーコップ』1988-1989年

七星闘神ガイファード』1996年

超星神シリーズ』2003-2006年


その他編集

怪獣/SF編集

獣人雪男』1955年

空の大怪獣ラドン』1956年

地球防衛軍(映画)』1957年

大怪獣バラン』1958年

宇宙大戦争』1959年

世界大戦争』1961年

妖星ゴラス』1962年

マタンゴ』1963年

海底軍艦』1963年

宇宙大怪獣ドゴラ』1964年

フランケンシュタイン対地底怪獣』1965年

『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』1966年

空飛ぶ戦艦』1966年 ※未制作作品

キングコングの逆襲』1967年

緯度0大作戦』1969年

ゲゾラガニメカメーバ 決戦!南海の大怪獣』1970年

日本沈没』1973年/2006年

ノストラダムスの大予言』1974年

『エスパイ』1974年

惑星大戦争』1977年

火の鳥』1978年

さよならジュピター』1984年

竹取物語』1987年

ガンヘッド』1989年

仮面天使ロゼッタ 漆黒のフレイア』1999年

ジュブナイル』2000年

Kawaii!JeNny』2007年

エイトレンジャー』2012年/2014年

GANTZ』2011年

ガッチャマン』2013年

進撃の巨人』2015年

シン・ウルトラマン』2022年 ※当初は2021年初夏に公開予定だったが、コロナ禍の影響で2022年に公開延期。


歴史/戦争編集

『海軍爆撃隊』1940年

燃ゆる大空』1940年

『翼の凱歌』1942年

ハワイ・マレー沖海戦』1942年

加藤隼戦闘隊』1944年

『雷撃隊出動』1944年

『アナタハン』1953年

『太平洋の鷲』1953年

さらばラバウル』1954年

日本誕生』1959年

潜水艦イ-57降伏せず』1959年

ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』1960年

大坂城物語』1961年

太平洋の翼』1963年

青島要塞爆撃命令』1963年

『勇者のみ』1965年 ※シナトラ・エンタープライズと合作

太平洋奇跡の作戦キスカ』1965年

ゼロ・ファイター大空戦』1966年

連合艦隊司令長官山本五十六』1968年

日本海大海戦』1969年

激動の昭和史沖縄決戦』1971年

大空のサムライ』1976年

連合艦隊』1981年

南十字星』1982年

零戦燃ゆ』1984年

ヤマトタケル』1994年

ローレライ』2005年

のぼうの城』2012年


アクション/コメディ編集

『南海の花束』1942年

『孫悟空』1959年

『ゲンと不動明王』1961年

『大盗賊』1963年

『士魂魔道 大龍巻』1964年

大冒険』1965年

奇巌城の冒険』1966年

クレージーの大爆発』1969年

コント55号 宇宙大冒険』1969年

ホワイトアウト』2000年


パニック/ホラー編集

東京湾炎上』1975年

HOUSE ハウス』1977年

地震列島』1980年


関連タグ編集

東宝 特撮

東宝怪獣 東宝自衛隊 東宝ヒーロー

田中友幸 本多猪四郎 円谷英二 伊福部昭 川北紘一


東映特撮:よきライバル

大映特撮:かつてのライバル

円谷プロ:創設時は東宝の傘下にあり、スタッフが両社の間を行き来していたのでかつては親子か兄弟のようなものだった。


外部リンク編集

東宝特撮 - Wikipedia

Category:東宝特撮作品 - Wikipedia

Category:東宝特撮映画 - Wikipedia

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