解説
「クレージー作戦シリーズ」とは、コミックバンド「クレージーキャッツ」が出演する通称「クレージー映画」の中で、メンバー全員が「チームとして主役」となっている作品の総称。
メンバー七人が一つのチームとして「作戦」に挑むことからこの名が付けられている。
ただし最終作『だまされて貰います』は石橋エータローが離脱した後の作品のため出演しておらず、代わりに「ザ・ドリフターズ」から加藤茶がフォローで参加している。
シリーズ初期は先行する「日本一シリーズ」の流れをくむサラリーマンによる起業等のベンチャービジネス系のものが多かったが、『大冒険』以降は枠にとらわれぬ自由奔放な作風にシフト。坪島孝監督らによる香港・マカオ・アメリカ・メキシコといった海外ロケものや、古澤憲吾監督による空撮多用の突撃演出と特撮を用いた犯罪アクションものが多かった。
派手なアクションや演出を重視する一方で脚本はシリーズ後期になるにつれてやや薄味になっていき、初期の作品のファンだった小林信彦らがアクション大作志向に苦言を呈したこともあった。
主演俳優のクレジットは基本的には植木等だが、『クレージーだよ奇想天外』のみ谷啓が主演となっている。
この『クレージーだよ奇想天外』は社会風刺要素も組み込まれているが、当時の劇場向けプレスシートには「『社会風刺』という言葉は表面に出して宣伝しない方が得策」と記されており東宝の社風がうかがえる一面となっている。
シリーズ作品
メイン画像は第1作『クレージー作戦・先手必勝』。
放映年月 | 作品名 | 監督 | 主人公の名前(配役) | 舞台となる会社・組織 |
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1963年3月 | クレージー作戦・先手必勝 | 久松静児 | 上田ヒトシ(植木等) | よろずまとめや |
1963年10月 | クレージー作戦 くたばれ!無責任 | 坪島孝 | 田中太郎(植木等) | 鶴亀製菓 |
1963年12月 | 香港クレージー作戦 | 杉江敏男 | 植田等(植木等) | 第百商事/菊花亭 |
1964年7月 | 無責任遊侠伝 | 杉江敏男 | 上田ヒトシ(植木等) | 阿波商事 |
1965年10月 | 大冒険 | 古澤憲吾(本編)、円谷英二(特撮) | 植松唯人(植木等) | 週刊トップ |
1966年5月 | クレージーだよ奇想天外 | 坪島孝 | M7/鈴木太郎(谷啓) | 大聖化学 |
1966年10月 | クレージー大作戦 | 古澤憲吾 | 石川五郎(植木等) | 砂走刑務所 |
1967年1月 | クレージーだよ天下無敵 | 坪島孝 | 猿飛三郎(植木等)/犬丸丸夫(谷啓) | トヨトミ電気/徳川ムセン |
1967年4月 | クレージー黄金作戦 | 坪島孝 | 町田心乱(植木等) | 金友商事 |
1967年10月 | クレージーの怪盗ジバコ | 坪島孝 | ジバコ怪盗(植木等) | W.C.W.C. |
1968年4月 | クレージーメキシコ大作戦 | 坪島孝 | 酒森進(植木等) | ドン・コステロ一味 |
1969年1月 | クレージーのぶちゃむくれ大発見 | 古澤憲吾 | 植村浩(植木等) | 東西電気 |
1969年4月 | クレージーの大爆発 | 古澤憲吾(本編)、中野昭慶(特撮) | 大木健太郎(植木等) | GIB |
1971年4月 | だまされて貰います | 坪島孝 | 伊賀良太郎(植木等) | エンパイア・アマルガム・テクニクス社 |
関連イラスト
関連リンク
クレージー映画/作品一覧/クレージー作戦シリーズ - Wikipedia
関連タグ
独立愚連隊:後期の作品が「○○作戦」というタイトルで統一されているため「作戦シリーズ」と呼称されることがあった。また『くたばれ!無責任』に登場した連隊旗は『独立愚連隊西へ』の小道具の流用である。