来歴
1952年に早稲田大学第一商学部を卒業。在学中に邦画・洋画問わずあらゆる映画を鑑賞し映画監督を志す。
大学卒業と同時に東宝に入社するが、当時の東宝は東宝争議の影響で助監督の正式採用を中止していたため、俳優の手当配当を行う演技事務…作品係に配属された。
- その中に市川崑の『あっぱれ一番手柄 青春銭形平次』があり、チーフ助監督は古澤憲吾であり「人に影響されやすい性格」だった坪島自身も間接的にその作風に影響された。また『クレージー大作戦』には、脚本で参加。正面から古澤の演出技法を目の当たりにしたため、俯瞰カットや空撮シーンの多用と自身の監督作にも影響を残した。
1955年に助監督となり、山本嘉次郎、千葉泰樹、福田純らに師事。
- 助監督・参加作品の一つである本多猪四郎の『空の大怪獣ラドン』に、チーフ助監督の福田や山本廸夫らと共に参加。だが坪島は、「特撮ものは好みではなかった」という。それでも『クレクレタコラ』のOPには、積極的にアイデアを出したという。
1963年に夏木陽介・星由里子主演の『写真記者物語 瞬間に命を賭けろ』で監督昇進。
その後監督第2作にして東宝の大作喜劇映画シリーズであるクレージー映画の『クレージー作戦 くたばれ!無責任』を任される。以後クレージー映画の2大シリーズのひとつであるクレージー作戦シリーズのメイン監督となる。
日本一シリーズのメイン監督だった古澤憲吾とは一味違うウィットに富んだギャグが特徴で、何かを悟ったのか敢えて単独出演させた『蟻地獄作戦』を経てシリーズで唯一谷啓が主演にクレジットさせた社会派喜劇『クレージーだよ奇想天外』や坪島の英断によって実現させたラスベガスの大通りを封鎖してクレージーキャッツが歌い踊った『クレージー黄金作戦』などが代表作として挙げられる。
また自身が愛した『エノケンの頑張り戦術』をモチーフにした『クレージーだよ天下無敵』や、クレージー映画の番外作品で谷啓を単独主演させた『奇々怪々 俺は誰だ!?』は坪島が長年温めていた企画を映画化したものである。
また『ルパン三世』初の実写映画作品『ルパン三世 念力珍作戦』の監督としても知られ、『蟻地獄作戦』・『国際秘密警察 火薬の樽』・『クレージーの怪盗ジバコ』といったアクション映画でも手腕を発揮した。
喜劇映画以外では、谷啓同様に重用した園まりを起用した松本清張原作の『愛のきずな』が挙げられる。
1968年頃に田波靖男、小川英、小谷承靖らと「ジャック・プロダクション」を設立。テレビドラマやテレビCM、イベントプロデュースなどを手掛けた。
2007年8月12日、肺腺がんで死去。
監督作品
映画
- 写真記者物語 瞬間に命を賭けろ（1963年）
- クレージー映画
- クレージー作戦 くたばれ!無責任（1963年）
- クレージーの無責任清水港（1966年）
- クレージーだよ奇想天外（1966年）
- クレージーだよ天下無敵（1967年）
- クレージー黄金作戦（1967年）
- クレージーの怪盗ジバコ（1967年）
- クレージーメキシコ大作戦（1968年）
- クレージーの殴り込み清水港（1970年）
- 日本一のワルノリ男（1970年）
- だまされて貰います（1971年）
- 日本一のショック男（1971年）
- 蟻地獄作戦（1964年）
- 国際秘密警察 火薬の樽（1964年）
- こゝから始まる（1965年）
- 愛のきずな（1969年）
- 奇々怪々 俺は誰だ?!（1969年）
- 喜劇 負けてたまるか!（1970年）
- 喜劇 泥棒大家族 天下を盗る（1972年）
- 鬼輪番（1974年）
- ルパン三世 念力珍作戦（1974年）
- お姐ちゃんお手やわらかに（1975年）
- Alice THE MOVIE 美しき絆（1979年）
テレビドラマ
- クレクレタコラ（1973年）
- へんしん!ポンポコ玉（1973年）
- 大江戸捜査網（1973年）
- 浮世絵 女ねずみ小僧（第3シリーズ）（1974年）
- 隠し目付参上（1976年）
- 江戸特捜指令（1977年）
