解説
「日本一シリーズ」とは、コミックバンド「クレージーキャッツ」による喜劇映画シリーズ「クレージー映画」の中で、メンバーである植木等が主演を務める作品のシリーズ名である。
1962年に制作された植木等の主演映画「無責任シリーズ」の事実上の続編ではあるが、藤本真澄プロデューサーの「マジメな人間こそ幸せになって欲しい」との意向により、植木が演じる主人公の性格は「ただの無責任男」ではなくなり、「口が軽くてお調子者だが、実は有言実行で働き者で有能な男」になっている。
主人公の名前は初期は「無責任シリーズ」と同じように「等(ひとし)」になぞらえたネーミングとなっていたが、第6作『日本一の裏切り男』以降は「日本一」になぞらえたネーミングとなっていった。
クレージー映画の中でも植木等の主演映画としての性格が強く、他のメンバーが全員登場する機会は少ない。
クレージー作戦シリーズが大作志向になっていくのに対し、佐々木守や早坂暁といった新人気鋭の脚本家を起用した本シリーズは無責任シリーズのようなシニカルで風刺の効いた路線へと回帰していった。
シリーズ最終作『日本一のショック男』は植木と加藤茶のダブル主演作となっており、ザ・ドリフターズへの世代交代を感じさせる一作であった。
シリーズ作品
メイン画像は第2作『日本一のホラ吹き男』の主人公・初等(はじめ ひとし)。
公開年月 | 作品名 | 監督 | 主人公の名前 | 舞台となる会社 |
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1963年7月 | 日本一の色男 | 古澤憲吾 | 光等 | ローズ化粧品 |
1964年6月 | 日本一のホラ吹き男 | 古澤憲吾 | 初等 | 増益電器 |
1965年5月 | 日本一のゴマすり男 | 古澤憲吾 | 中等 | 後藤又自動車 |
1966年3月 | 日本一のゴリガン男 | 古澤憲吾 | 日本等 | 統南商事 |
1967年12月 | 日本一の男の中の男 | 古澤憲吾 | 小野子等 | 丸菱造船/世界ストッキング |
1968年11月 | 日本一の裏切り男 | 須川栄三 | 日の本太郎 | オールセールス社 |
1969年11月 | 日本一の断絶男 | 須川栄三 | 日本一郎 | 八百広告/北斗組 |
1970年6月 | 日本一のヤクザ男 | 古澤憲吾 | 日本一郎 | 根本組 |
1970年12月 | 日本一のワルノリ男 | 坪島孝 | 日本兵助 | 世界陶器 |
1971年12月 | 日本一のショック男 | 坪島孝 | 日本一作 | 金丸化学 |
関連リンク
クレージー映画/作品一覧/日本一シリーズ - Wikipedia