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「――なるほど、それが君の根幹。なかなか興味深いことだね」

「からかうような歓迎になってしまったのは申し訳ない。ボクとしてはそんなつもりはなかったんだが、どうにもこの身は強欲なものでね。知りたいという欲求から逃れることができないんだ」

「これは失礼。ボクとしたことが自己紹介のひとつもしていなかったね。重ね重ねの非礼、申し訳ない。人と接するのが久しぶりなものだから調子が戻らないようだ」


「ボクの名前はエキドナ。『強欲の魔女』と名乗った方が通りがいいかな?」




















※この記事は第4章の内容を多く含みます※


















「問答を交わすのなら、これだけの空間があれば十分。知りたいことを知る。そのための欲求を――強欲を、ボクは肯定しよう」


プロフィール

年齢享年19歳
誕生日1月24日
能力『強欲』の魔女因子
好きな色銀色
好きな食べ物ミートパイ
好きな言葉愛、夢、希望
イメージカラー白、黒
CV坂本真綾


概要

雪を映したように儚げな純白の長髪に、理知的な輝きを灯す双眸。身にまとう簡素な衣装のみが喪服のように漆黒で、二色で表現できてしまうほど端的なまでの美しさで飾りつけている。
目にすれば、誰もが見惚れてしまうほどの美貌をもった少女。

400年以上前、それぞれの大罪を背負い、世界に影響を齎したという7人の女性、『魔女』。
その中でも尽きぬ知識欲を持ち、この世のありとあらゆる叡智を求めた『強欲の魔女』として名を馳せた人物である。

その未知なるものへの強い好奇心から膨大な知識量を誇っており、かつて各国の王族など、世界中の人々が彼女の知恵を求めて足を運んでいたという。
彼女自身もあらゆる叡智を求めるため多くの人々に触れ合ってきており、
魔女の中でも「もっとも強く歴史に干渉した魔女」とされている。


過去に暴走した『嫉妬の魔女』サテラによって滅ぼされており、物語開始時点では既に故人。
しかし、死後に神龍ボルカニカの力によって「サテラが完全復活してしまった時の抑止力」として魂を墓所に封じ込まれ、ロズワールの術式によって繋ぎとめられた。
現在では半ば亡霊のようなものと化してなおこの世に未練を残し、「城」と称される彼女の「夢」の中から現世に干渉している。

また、サテラによって他の大罪魔女も滅ぼされてしまっているが、エキドナは彼女達の魂を一つ残らず「蒐集」しており、彼女の夢の中で彼女の知識と記憶から再現する事ができる。

エキドナに会うためには彼女に認められなければならず、
もし認められた場合は『茶会』に招待され、彼女と会談する権利を与えられるという。


ロズワールが統治する『聖域』に立ち入り、出られなくなってしまったエミリア
『聖域』から脱出するためには夜に彼女の墓所で行われる3つの『試練』を乗り越えねばならない。

そこで、墓所の中を確認すべく立ち入ったスバルは彼女と出会う。
彼女に気に入られたスバルは『茶会』に参加できる権利を得ることになり、『聖域』から抜け出すための『試練』に彼女と協力して立ち向かう事になる。

この時より、エミリアの『聖域』脱出を目指す壮大なストーリー『第4章 聖域と強欲の魔女』編が、今始まるのであった…

人物

自らを「知識欲の権化」と評しており、それに違わず自らが知り及ばない事に対しては尋常ならざる興味を示す知的好奇心の塊のような人物。
知識を得ることが彼女の原動力であり、万事を識ることこそが彼女の行動原理。知らないことに対して頭を悩ませる事にすら至福を感じられる。
彼女はしばしば自らの強烈な知識欲からくる感情を『愛』と表現している。

そのサイエンティスト的なスタンスから自分以外のものに対してはやや俯瞰的な見方をしている事が多く、一見すると冷酷な印象も感じられるが、
実のところ自らの知識を頼ってくる相手とは思わず得意げになりながら話し込んでしまうほど話したがりな性分。

劇中では「異世界転生」、『死に戻り』など自分にとって未知なものばかりの存在であるスバルに対して強く興味を抱いており、
彼からぞんざいに扱われたり、すげない態度を取られた時は分かりやすく落ち込んだり、彼から頼りにされたり褒められたりした時は分かりやすく照れたりと変に人間臭い一面が多い。

また少し天然気味なのか、凍死を避けるため魔法で暖を取ろうとするも、それが原因で焼死しかけるというトンデモエピソードをもっている。

ただその一方で、自分の知的好奇心を満たすためスバルの意思に関係なく無遠慮に干渉してくるなど、他者に対してやはり少々ドライな一面も見せている。
スバルとは「あくまで傍観者として接している」という点では一貫しているが、
逆に言えば彼に嘘はつくことは決して無く、騙すつもりも無いと主張している。

総じて、互いに利用し会うような剣呑な関係でもなく、相棒として特に深く関わりもしない「頼れるビジネスパートナー」のような立ち位置にいる人物である。
他の大罪魔女たちと比べても遥かに会話が成り立つレベルで、スバルからは「軽々しくて受け入れやすく、付き合いやすい奴」としてある程度の信頼を寄せていた。


他の大罪魔女たちとは友人同士。
もともと彼女は自分の性格に難があると自負しており、そんな自分と長い間付き合ってくれた彼女達にある種の救いを感じており、尊敬の念すら抱いていた。
『嫉妬の魔女』サテラに滅ぼされてしまった彼女達の魂を「蒐集」したのも、彼女達に対する深い親愛によるものである。

そのため、そんな彼女達を呑み込んでしまったサテラに対しては激しい怒りと憎悪を抱いており、彼女に対しては一貫して敵対的な姿勢をとり続けている。


一人称は「ボク」。
中性的で、のんびりとしたマイペースな話ぶりからスバルは「パックにそっくり」と訝んでいたが、それに対してエキドナは「当然といえば当然」と意味深な返しをしている。

またロズワールに対しても少なからず認識があるようだが…



ちなみに劇中、スバルは『第一の試練』の中で自分の過去に向き合うことになるが、
その際にスバルの記憶から情報を再現し、学校の制服姿になった事がある。

教室にて




関連用語

  • 『聖域』

ロズワールが管理する寒村。
人族と亜人族のハーフだけが暮らしており、集落の周りには背の低い柵が建てられ、ハーフが一度入ると抜け出せない「結界」が張られている。エルフと人間のハーフであるエミリアは一度踏み入り、出られなくなってしまった。
『聖域』から脱出するにはエキドナの墓所で行われる『試練』を突破しなければならない。
因みに『聖域』という名称はロズワールの弁であり、中の住人達からは『強欲の魔女の墓場』と呼ばれている。

その正体は、「かつてのエキドナによる不老不死の実験場」。
あらゆる叡智を得たかったエキドナは、それを可能にする「不老不死」となるべく研究を行なっていた。しかし、エキドナがサテラに滅ぼされてしまったがために研究は中断。残っているのはその名残である。

  • 『試練』
エキドナの墓所で行われる。
『試練』は3つあり、これらを突破できれば晴れて『聖域』の結界が解かれる。
『試練』を受けるためには『資格』を持っていなければならないらしく、資格のないものは墓所に踏み入れた途端不適格とみなされ、問答無用でダメージを負うことになる。
資格はハーフであることか、エキドナに認められたものであるかどうか。
『試練』の内容は資格者の過去、あるいは迷いを乗り越えるような内容のものとなっている。
そのため出題者はエキドナであるが、内容自体は受けた者次第となるため、エキドナも知らない。

  • 『茶会』
エキドナの精神世界で行われる魔女のお茶会。エキドナとの謁見の間。
招かれる条件は当然ながらエキドナに気に入られること、そして「知りたい」と強く願う事。
一般に想像できるお茶会のようにお茶とお茶菓子が用意されているが、これを体内に取り入れると彼女に『強欲』の使徒と認められることとなり、ハーフでなくとも『試練』を受ける事ができるようになる。

ちなみに、エキドナの精神世界にあるものは全てエキドナから構成されたもの。用意されるお茶も然り。
要するにお茶は彼女の体液である。通称「ドナ茶」。

  • 『叡智の書』
エキドナが所有する白い装丁の本。
空白のページにただ事実だけを自動的に記していく歴史書のようなものであり、
読むと内容が勝手に頭に入り、『知る』という過程をすっ飛ばして『知っていた』という結果を残す。
常人ならば読んだ瞬間膨大な情報量に脳が焼き切れ、廃人と化してしまう物騒な代物だが、エキドナは問題なく使用できる。
『試練』の内容はこの叡智の書によって作り出されたもの。

「知る」という行為自体を好むエキドナにとってこの本はあまり好ましいものではないが、彼女の権能によって意図せず生まれたものであるらしい。
彼女の渇望を反映して勝手に創り出されたとのこと。

  • 『福音』
エキドナが創り出した黒い装丁の本。
所有者の未来を記す予言書であり、未来予知の内容は誤算がほとんど現れないほど正確。現在世界には2冊しか存在しておらず、ベアトリスとロズワールの2人が所有している。
魔女教の教徒達が所持しているものはこれの不完全版。所持者の望む未来への道筋を記述していくというが、記される内容は曖昧で朧げなもの。

余談

  • エキドナの良書

彼女はとある一冊の本に強く影響を受けたという。
何度も何度も、擦り切れるほどに読まれたそれは、彼女の運命すら変えた。

  • 戦闘力
リゼロ世界に存在する魔法は全て扱うことができ、権能を用いずとも素の実力は六属性全ての適性があるロズワールに匹敵する。
一方で身体能力に関しては全くの音痴であり、腕立てや腹筋などもまともに行えないほど貧弱。柔軟すら無理である。

  • 恥ずかしいエピソード
生前、寝間着のまま謁見を求めてやってきた人間に寝ぼけた状態で応対し、散々その相手にいじられ続けたことがあったらしい。
やはり天然…

関連タグ

Re:ゼロから始める異世界生活
魔女 , 強欲 , エキドナ
魔女教

テュフォン(リゼロ) , セクメト(リゼロ) , ミネルヴァ(リゼロ) , カーミラ(リゼロ) , ダフネ(リゼロ) - 大罪魔女にして、彼女の友人たち

サテラ(リゼロ) - 大罪魔女の一人だが、現在では激しい憎悪を向けている

レグルス・コルニアス - 彼女の死後、彼に魔女因子が移譲される

ナツキ・スバル - (知的好奇心の対象として)強く興味を抱く

ロズワール・L・メイザース , パック(リゼロ) - 何らかの関係性がある模様

※ネタバレ注意!※






































第一の試練』を何とか突破し、第二の試練に挑戦するスバル。
その内容は『ありうべからざる今を見ろ』。

「もし『死に戻り』が世界をやり直す能力ではなく、パラレルワールドを作る能力であったら?」という仮想現実を見せられ、
自分が『死に戻り』してきた際に生じる「自らの死後、あったかもしれない現実」を何度も見せつけられる事になる。
『死に戻り』が「やり直せる」能力だとばかり考えていたスバルは、今まで行ってきた判断全てが自己満足でしかなかったのかと疑問を抱くことになり、心が折れかけてしまう。

自身を責め続けるスバル。しかし、エキドナは優しく全て受け入れた。
自分の力では結局何も成し遂げられないと絶望する彼に、彼女はひとつ提案する。


「――契約を、ボクと交わしてはくれないだろうか、ナツキ・スバル」


強欲の魔女との契約。
それはスバルが困難に直面した時、エキドナが知恵を貸し、一緒に困難を乗り越え、そして対価としてエキドナには未知なるものの軌跡を体感させる…
というもの。

エキドナは故人であるため直接干渉できないが、スバルと契約を結ぶ事により、いつでもお茶会の時のように会談する事ができる。
これからいかなる苦難が立ち塞がろうとも、最善の未来にたどり着けるというのだ。

スバルはエキドナの誘いに乗り、エキドナとの契約を――



「――その契約、待ったをかけるわ」



ミネルヴァによって阻止された。

簡単に魔女との契約を結ぼうとするスバルに怒るミネルヴァ。
更にカーミラセクメトまで現れ、エキドナとの契約に待ったをかける。「利点についての説明だけして、不都合な点については何も言っていない」と。

不信感が募り出したスバルはエキドナに問いただす。


「エキドナ、お前は契約すれば……必ず、俺を最善の未来へ連れていくって、そう言ったよな」

「お前の協力で俺が最善の未来に辿り着くのは――最善の道を、通ってか?」

「お前は俺が望む場所へ辿り着くために、本当に全力を傾けて、くれるのか?」



















エキドナ


「――最善の未来へ辿り着けるのなら、その道のりで出る犠牲は許容する。それが、君の覚悟ではなかったのかな、ナツキ・スバル」




















彼女は自身の知的好奇心を満たすために行動する知識欲の権化。
全てを識るためならばどんな手段を取ることも厭わない、知識欲の権化である。

本当の一人称は「ワタシ」。
本性は知識を修めるという欲求のためだけに、他者を虚実織り交ぜて巧みに騙し、その後相手の意思など全く考慮せずに平然と利用する人物であり、
魔女一番の「腹黒」…一般的な知識に当てはめれば所謂サイコパスと診断される類の感性の持ち主である。

契約の本質も、「君を必ず(最終的には)最善の未来へ連れて行く(からその道中で生じる犠牲には目を瞑ってもらおう)
という詭弁と欺瞞が盛大に入り混じった内容であり、全てを救いたいと願うスバルの気持ちに全く共感していないものだった。

彼女が現状、最も興味を持っているのがスバルであり、『死に戻り』によって様々な因果を観測できるスバルに、助言者という形で介入する事を目的としていた。
そこで彼女はスバルに友好的に接してきたが、それも彼に信頼されるため。
契約の虚偽についても不利益なことは伝えず、真意を隠していただけなので
「嘘は吐いていない」と間違いではないにせよ正確でもない理屈で押し通していた。

スバルに対して親身になり彼に寄り添っているように見せかけていたが、彼女には人の感情が理解できないという常人としては致命的な欠陥があり、
実際には実験動物と同じ感覚で接しているのと大して変わらない。
最初スバルからは過剰に親身になったりしないから付き合いやすい、と感じさせていたが、正しくは人の心がイマイチ理解できないから適当に合わせていただけである。

考えを改めたスバルから罵倒されても拗ねたような表情をするだけという奇妙な態度を取り、その事を指摘されたエキドナは全くの無表情という姿を見せた。
もしかすると、これが彼女の本当の素顔だったのかもしれない。

共感能力に乏しい性質であるゆえに、本性が露呈した際、契約の意思が薄れたスバルに対し「もしやアピールが足りなかったのか?」とでも思ったのか、
いっそ悍しいほど多弁にズレたプレゼンを続ける場面があるが、まさしくその様に彼女の価値観の歪みが如実に表れていると言える。




「君が持つ特性、『死に戻り』はすさまじい権能だ。その有用さが、君は本当の意味で理解できていない。自分の望まない終わりを許容しない、何度でもやり直す、未来へ何度でも手を伸ばせる――それは、探究者にとって究極に近い理想だ。だって、そうだろう? 本来、ある物事への結果というものは、一つの結果が出てしまったらそこから動かせないんだ。結果が出るまでの過程でならば、その結果がどうなるかについての仮説は様々なものが立てられる。こういったアプローチをすれば、あるいはこういう条件にしてみれば、様々な仮説や検証は可能だ。けれど、実際にその結果を出そうと実験に臨むとなれば、結果も試せる仮説も検証も、一つに集約されざるを得ない。まったく、本当の意味でまったく同じ条件を作り出すことは不可能なんだ。どんなに条件を整えたとしても、その時点とまったく同じ条件は絶対に作り出せない。あのとき、別のやり方をしていたらどんな結果が出ていたのか――それは、ボクたち探究者にとっては決して手を届かせることのできない、理想のその先にある夢想でしかない。『世界の記憶』を持つボクには、その答えを『知る』手段は確かにあるさ、あるとも。あるけれど、それを使うことを、用いることをボクはよしとしない。ボクは『知りたい』んであって、『知っていたい』わけじゃない。ひどく矛盾を生む、ボクにとっては忌むべき物体であるといえるね。話がそれそうだから本題に戻すけれど……そう、そんなボクたち、あるべき結果を一つのものとしか受け入れられない、観測手段を一つしか持たないボクたちからすれば、君という存在は、その権能は喉から手が出るほど欲しいものなんだ。『同じ条件』で、『違う検証』ができ、『本来の結果』とは『別の結果』を見ることができる、究極的な権能――これを、欲さずにいられるだろうか。これを目の前にして、あらゆることを試さずにいられるだろうか。もちろん、ボクとしても決して君にそれを強要するつもりなんてない。あくまで、君は君の目的のために、その『死に戻り』を大いに利用するべきだ。ボクもまた、君が求める未来へ辿り着くために最善を尽くそう。そして、その過程でできるならボク自身の好奇心を満たすことにも大いに貢献してもらいたい。これぐらいは望んでも罰は当たらないはずだ。君は答えを見られる。ボクは好奇心を満たせる。互いの利害は一致している。ボクだって答えを知っているわけではないから、わざと間違った選択肢に君を誘導して、その上で惨たらしい結末を迎えるような真似はできるはずもない。直面する問題に対して、最初から正しい答えを持たないという意味ではボクと君はあくまで対等だ。共に同じ問題に悩み、足掻き、答えを出そうともがくという意味では正しく同志であるというべきだろう。そのことについてはボクは恥じることなくはっきりと断言できる。検証する手段が増える、という意味でボクは君をとても好意的に思っているから、君を無碍にするような真似は絶対にしないと誓おう。もちろん、答えが出ない問題に直面して、ボクの協力があったとしても簡単には乗り越えられない事態も当然あり得るだろう。知識の面で力を貸すことができても、ボクは決して現実に干渉できるわけではない。立ちはだかる障害が肉体的な、物理的な力を必要とする問題だった場合、ボクは君の助けになることはできない。幾度も幾度も、あるいは数百、数千と君は心と体を砕かれるかもしれない。もしもそうなったとしても、ボクは君の心のケアを行っていきたいと本心から思っている。そこには君という有用な存在を失いたくないという探究心からなる感情が一片も混じらないとは断言できない。けれど、君という存在を好ましく思って、君の力になりたいとそう思う気持ちがあるのも本当なんだ。だから悪いようには思ってもらいたくない。繰り返しになってしまうが、ボクは君の目的に対して有用な存在だと胸を張れる。そう、ボクがボクの好奇心といった強欲を満たすために、君の存在をある意味では利用しようと考えるのと同じように、君もまたボクという存在を君の『最善の未来へ至る』という目的のために利用したらいい。そうやって都合のいい女として、君に扱われるのもボクとしては本望だ。それで君がやる気になってくれるというのなら、ボクは喜んでボクという存在を捧げよう。貧相な体ですでに死者であるこの身を、君が望んでくれるかは別としてだけどね。おっと、こんなことを言っては君の思い人に悪いかな。君の思い人――銀色のハーフエルフ、そして青い髪の鬼の少女。そう君が必ず助け出すと、守ってみせると、心で誓い行動で示している少女たちだ。二人に対して、そんな強い感情を抱く君の心のありように対するボクの考えはこの場では述べないこととして、しかし純粋に君の前に立ちはだかる壁の高さは想像を絶するものであると断言しよう。現状、すでにわかっている障害だけでどれだけ君の手に負えないものが乱立していることか。それらを一人で乗り越えようとする君の覚悟は貴く、そしてあまりにも悲愴なものだ。ボクがそんな君の道筋の力になりたい、なれればと思う気持ちにも決して偽りはない。そして、君はボクのそんな気持ちを利用するべきなんだ。君は、君が持ちえる全てを、君が利用できる全てを利用して、それだけのことをして絆を結んだ人々を助けなくてはならない。それが君が君自身に誓った誓いで、必要なことであると苦痛の道のりの上で割り切った信念じゃないか。だからボクは君に問う、君に重ねる、君を想おう。君が自分の命を使い捨てて、それで歩いてきた道のりのことは皮肉にもつい今、第二の『試練』という形で証明された。あるいはあの『試練』は、君にこれまで歩いてきた道のりを理解させるためにあったんじゃないかとすら錯覚させるほど、必要なものにすら思える。確かに必要のない、自覚することで心がすり減る類の光景であったことは事実だ。でも、知らなかった状態と知っている状態ならば、ボクはどんな悲劇的な事実であったとしても後者の方を尊く思いたい。君はこれまで、そしてこれからも、自分の命を『死に戻り』の対価として差し出し、そして未来を引き寄せる必要があるんだ。そのために犠牲になるものが、世界が、こういった形で『あるのかもしれない』と心に留め置くことは必要なことだったんだ。いずれ、自分の命を支払うことに何ら感傷を抱かなくなり、人間的な感情が希薄になって、大切な人たちの『死』にすら心を動かさなくなり、無感動で無感情で無気力な日々に沈み、最善の未来へ辿り着いたとしても、そこに君という存在が欠けた状態で辿り着く――そんな、徒労感だけが残る未来へ辿り着かないためにも、必要なことだったんだ。そう、世界の全てに無駄なことなんてものはなく、全ては必要な道行、必要なパズルのピースなんだ。それを理解するために『試練』はあった。君が今、こうして足を止めてしまっている理由に、原因にもっともらしい意味をつけて割り切ることが必要なら、こう考えるといい。そして、ボクは君のその考えを肯定する。君が前へ進むために必要な力を、ボクが言葉で与えられるのならどんな言葉でもかけよう。それが慰めでも、発破をかけるのでも、愛を囁くのでも、憎悪を掻き立てるものであっても、それが君の力になるのであればボクは躊躇うことなくそれを行使できる。君はそれを厭うかもしれないが、君のこれからの歩みには必ずボクのような存在の力が必要なんだ。君がこれから、傷付くことを避けられない孤独の道を歩んでゆくというのなら、その道のりを目を背けることなく一緒に歩ける存在が必ず必要なんだ。そしてその役割をボクならば、他の誰でもなく、このボクならば何の問題もなく一緒に歩いていくことができる。繰り返そう、重ねよう、何度だって君に届くように伝えよう。――君には、ボクが必要なはずだ。そして、ボクには君が必要なんだ。君の存在が、必要なんだ。ボクの好奇心はもはや、君という存在をなくしては決して満たされない。君という存在だけが、ボクを満たしてくれる。ボクに、ボクの決して満たされることのない『強欲』に、きっと満足を与えてくれる。君の存在はもはやボクの、この閉ざされた世界に住まうボクにとっては欠かせない。君が誰かの希望でありたいと、世界を切り開くために力を行使するのであれば、ボクという哀れな存在にそのおこぼれをいただくことはできないだろうか。ボクは君がその温情をボクに傾けてくれるというのなら、この身を、知識を、魂を、捧げることを何ら躊躇いはしない。だからお願いだ。ボクを信じてほしい。こうしてこれまで本心を伝えようとしなかったのは、決して君を騙そうとしたりだとか、隠し立てをしようとしていたわけじゃない。時期を見計らっていただけだ。今、この瞬間に本心の欠片を訴えかけていたとしたら、きっと君はボクから離れてしまったことだろう。ボクにとってそれは耐え難い損失なんだ。もちろん、それは君にとっても、求める未来を遠ざけるという意味で正しく損失というべきだろう。いずれ、君は『死に戻り』という特性上、きっと求める未来へ辿り着くことだろう。けれど、その辿り着ける未来に対し、君が支払う代償は少ない方がいいに決まっている。ボクは、ボクならばそれを軽減することが可能だ。最終的に求める結果に辿り着ければいい、などと大目的を理由に小目的を蔑ろにするような、人でなしな考えをするとは誤解しないでほしいんだ。確かに誘惑に駆られて、こうした場合の結果を見たいがために、最善の道行きに必要な要素に気付いていながら言葉にしない――というような行いを絶対にしないと断言できるほど、ボクはボクの欲望を抑制できていない。そのことは認めよう。けれど、誤魔化しはしない。もし仮にそんな信頼に背くような行いに手を染めるようなことがあれば、それを隠すようなことだけは絶対にしない。必ず打ち明ける。そして、失った信頼に応えられるよう、何度でも君のために力を尽くそう。どんなことがあっても、必ずボクは君を君が望む最善の未来へ送り出す。絶対に、絶対にだ。だからそのために必要な手段であると割り切って、ボクを選んではくれないだろうか。ボクが君に望み、君に求める要求は契約の際に述べたこと通りだ。あとは君が、君自身が、欲しいと欲する願いに対してどこまで身を切れるか、という話になってくる。ボクの覚悟は今述べた通りだ。あとは、君の覚悟を聞きたい。君の方こそ、ボクとの契約を交わし、ボクの協力を得て、その上で必ず未来へ辿り着くのだと、その気概があるのだとボクに証明してみせてほしい。それができてこそ初めて、君は第二の『試練』に打ち勝ったと胸を張って言えるんだ。第三の『試練』に進み、そしてそれを乗り越えて『聖域』の解放を果たす。今後、『聖域』と君の思い人、そして大切な人々に降りかかる災厄を思えば、これは越えなくてはならない正しく『試練』なんだ。それを乗り越える力が、覚悟が君にあるのだと、ボクに教えてほしい。そしてその上で、ボクを奪って、ボクの知識を利用して、その先にあるものを得ていこう。ボクが君に望み、君に求め、そして代わりに君に差し出せるものは以上だ。ボクは真摯に、正直に、全てを打ち明けたつもりだ。その上で、君がどういった判断をするのか――それを、ボクに教えてほしい。ボクという存在の、好奇心の一端を満たすためにも、ね」



本性を現してなお当たり前のように契約を結ぼうとしたエキドナであるが、スバルは当然ながらこれを拒否し、エキドナと完全に決別した。
申し出を反故にされたエキドナは意趣返しとして『強欲』の使徒の資格を剥奪。
どうあっても、エミリアに『試練』を突破させなければならない状況となってしまった。

「あの、性悪……っ」

「資格の剥奪とか……聞いてねぇぞ、エキドナぁ!!」



まさに「魔性」の一言に尽きるエキドナだが、
一方で、大罪魔女達に対する友愛は本物。
魔女達を心から友人だと感じていたからこそ、それら全てを滅ぼしたサテラは絶対に許せない、という態度は一貫している。他の大罪魔女達はサテラの行いを許しているが、彼女だけは未だに許していない。
その憎悪はサテラの容姿に瓜二つのエミリアにすら向けており、彼女を「魔女の娘」と称して露骨な嫌悪感を示している。


『強欲の魔女』エキドナは、他人の心を理解できない一面を持ちながら、それでも他者に対して一切の感情を持たないわけではない。
しかし、それはそれとして自らの主義を曲げることはなく、必要とあれば平然と猫を被り、たとえ友人であろうと相手を利用する。
自身の絶対的な価値観は決して揺るがない。『魔女』らしいと言えばらしい人物である。


彼女は「愛」というものを好きな言葉としているが、同時に愛を理解できないという性を背負っている。
愛を理解したい思いからずっと追い求め、やがて「知りたい」という欲求こそが「愛」なのだと結論付けたのかもしれない。


「愛はなぜ減るのだろうか」


関連人物

元魔法の教え子。
生前のエキドナを「先生」と呼び、慕っていた。
エキドナの死後、愛する彼女にもう一度再会するという悲願を果たすため、子孫の身体を乗っ取ることで生き延びてきた。物語でスバルが出会うロズワールの魂は実は初代ロズワールのものである。
ロズワールのエキドナに対する情念は今なお凄まじいものであるが、当のエキドナからは特に関心を持たれている様子がない。
…それどころか彼の苦悩を楽しんでいるフシすら見受けられる。

エキドナが創り出した人工精霊。
…という事であるが、正確には元は「エミリアとの何らかの関係者」で、現在では「エキドナによって精霊の姿に身を窶した人物」である事が判明している。
が現在ではエキドナの手により、何らかの記憶のロックがかかっている。
ベアトリスが彼を「にーちゃ」と呼ぶのは、彼女たちの生まれによるものなのかもしれない。

エキドナが創り出した人工精霊。
エキドナの事を「お母様」と呼んでいる。
彼女はロズワール邸の書庫にエキドナの契約で結び付けられていたが、その契約の内容は「いずれ来る『その人』が現れるまで、書庫で待っていること」というもの。
しかし400年もの歳月が流れようとも『その人』は現れず、ベアトリスは希望を見失い、死を懇願するほどの失意に暮れていた。
それもそのはず、ベアトリスは本来ある目的のために創られた存在だったのだが、急遽別の理由で生かしておく必要が出てきたために適当な理由で契約を結んでいただけであり、『その人』など、いくらベアトリスが待とうが来るはずのない人物だった。
当然エキドナ亡き後その理由は潰えたためにベアトリスは永久的に閉じ込められ続けている。
ちなみにこの事について当のエキドナはロズワール同様、知らん顔。彼女の顛末自体には興味があるようだが、特段何かしてやりたいなどと思っている事も無い。

エキドナの不老不死計画の内、エキドナの記憶と知識を満たす器となる「クローン」のオリジナルとなった少女。クローンを産み出す機構の中でオリジナルは眠り続けている。
が、実験はエキドナが死亡してしまったため中止。しかしリューズは未だに眠り続けており、クローンは今も際限なく増え続けている。
産まれた直後のクローンはエキドナの意思を注ぎ込むことを前提としているため、知性がほとんどない。
現在人並みの知性を持っているのは「リューズα、β、Σ、θ、Ω」の5体(命名:スバル)だけで、それぞれ性格が違う。

  • エキドナ
エキドナ自身をモデルにした人工精霊。
アナスタシアの白狐の襟巻の姿をとっている。
エキドナの不老不死実験の産物の一つであり、スバルは紛らわしいのでこちらのエキドナを「襟ドナ」と呼んでいる。口調や性格も本物のエキドナそっくり。ただし、本物に比べて遥かに人格者。
アナスタシアとは「興味を惹かれた」という理由から相談相手として追従している。無契約の間柄ながら長い付き合いであるらしく、彼女に対する情は深い。
また、エキドナに創られたという認識だけがあるだけで、襟ドナ自身はエキドナの事を知っているわけではない。

魔女たちと同じく大罪を背負った『憂鬱の魔人』。
理由は不明だが、生前のエキドナを付け回し、その命を狙っていた。実力はエキドナと同等以上とされている。
過去に『聖域』を強襲するが、エキドナは不老不死実験を急遽中断してリューズを結界の核とする事で難を逃れる。これが現在の『聖域』の結界の始まりとなる。
なお、エキドナとは過去に「決別」したらしく、元は命を狙われるような関係ではなかったことが伺える。


余談

  • 別ルート

第6章にて、本編とは別に、もしスバルがエキドナと契約を結んでいたら…という分岐を描いた「ゼロカラカサネルイセカイセイカツ」という話が登場している。
「カサネル」という題名の由来はエキドナとの契約時に彼女と手と手を"重ねた"ことから。

この世界線でのスバルは聖域とプリステラでの問題を全て自分の経験のみで解決しており、他者を利用こそすれ協力はしていない。そのため本来のルートのような良好な人間関係は築けなかった。
問題を解決するなかで、スバルはおそらく数百回にも及ぶ『死に戻り』をしている。
自らの命を差し出して他人の命を救う、という繰り返しの中で、スバルは自分自身の命を軽視するようになり、必要とあれば簡単に命を投げ捨てる。
劇中では「天気予報を伝える」というためだけにわざわざ自殺するまでに感覚が狂ってしまっていた。

また一方で、自身の命を軽視した反動から他人の命に強く固執するようになり、今度は他人の命『以外』…相手の意思や志といった精神面にまでは目がいかなくなってしまう。

現にこの世界線では、ガーフィールは10年以上も拗らせてきた事情をスバルに完全に無視され、勝手に解決された事により、自責の念に囚われてしまい、日々鬱屈とした毎日を送る事となる。
ベアトリスとエミリアは本来向き合うべきだった問題をスバルによって強引に避けられたことにより、ベアトリスは半廃人状態、エミリアはスバルに依存する事で何とか精神を保っているような不安定な状態になるまでに追い込まれてしまう。
大切な「友人」となってくれたオットーはスバルの変化についていけなくなり、半ば愛想をつかせる形でスバルの元を去ってしまった。

当人たちの命自体は失わずに済んでも、こんな状態になってしまっては本当の意味で救えたとは言えない。
それに、スバルと彼らとの絆は育たないままなので、スバルはこれからも問題に独力で立ち向かうことになるため、この先の展開次第では完全な詰みとなってしまう可能性もある。

仲間の命「だけ」を助ける事に固執する行動は、一見その場では最善かもしれないが、あくまでその場しのぎにしかならないとも言える。

目的の達成のみを目指して突き進んだスバルは、周りの人物が危惧した通り、大局的な成功だけを追い求め、それによって生じる犠牲には目を瞑る『強欲』な異常者と化してしまった。

  • 嫌いな人物
その性分から基本他人に対して好き嫌いのないエキドナであるが、例外として嫌いな相手は3人いる。
1人目はサテラ、2人目はエミリア
3人目は不明である。

  • 権能
『強欲』の魔女因子の適合者であるが、今の所魔法以外で能力を見せた描写がなく、具体的にどのような権能を持っているか不明。
が、少なくともダフネからは「大兎程度なら楽勝で滅ぼせる」と評されており、「腕を振るえば人々は千々に散る」と描写されるなど、少なくとも常識を超えた実力者である事には間違いない模様。

  • 『強欲の魔女』
彼女がこう呼ばれるようになったのは実は最初からではなく、とある『魔女』を殺した後からであるとのこと。

  • 恋愛感情
感情を理解できない彼女だが、恋愛感情は抱いたことがあるとのこと。
抱いた相手は現在不明

※更なるネタバレ※

紆余曲折あり、漸く『試練』を突破し、『聖域』の解放に成功したエミリア。
そこで彼女は、棺の中に納められた女性を発見する。

長くつややかな雪のように白い髪、処女雪を思わせる美しい肌。余計な彩色が一切されていない漆黒の衣に身を包んだ思わず吐息が震えそうになる美貌の女性。
一見した年齢は20代半ばといったところ。

エミリアはこの女性をエキドナとは違う別人なのではないか、と考えていた。
しかしその容姿や顔立ちには、夢の中のエキドナと似通っている点が多い。









































エミリアの『聖域』解放に乗じ、エキドナは精神体であった自身の存在をリューズ・メイエルのクローンの肉体に定着、新たな魔女として復活した。

その際、媒体として取り込んだリューズΩの魂に残った記憶から、自身をスバルにもらった名前である「オメガ」に改名する。


「――ああ、愛はなぜ減るのだろうか」


※第6章のネタバレを含みます※






































第6章において、彼女の過去が描写されている。

400年前、ある目的のために尽力していたが、一人で果たせないことを自覚。
扇動者と同盟を結び、天険に戦場を与え、龍と取引を行っていたらしい。
詳細はほとんど不明だが、扇動者とはフリューゲル、天剣とはレイド、龍とはボルカニカの事なのではないか、という説が多い。
ただし龍とは龍神とは別物である可能性が少なからずある。

仮にこの説が正しければ、エキドナは暴走した『嫉妬の魔女』の封印に一枚噛んでいた可能性が高い。

少なくとも過去のエキドナは
この世で繰り返される嘆き、悲劇、残酷を摘み取り、災厄から世界を庇護するために叡智を求めていたという。

しかしその道筋は険しく、あらゆる命が犠牲となっていく。
それでも彼女は犠牲となった命の耐え難い痛みに耐えながら、悲願の成就のために知識を求め続けた。
やがて世界を救うための道と、救われた先の世界を識るために。



 ――『強欲の魔女』は届かぬ願いに身を焦がし、自身の強欲に血を流し続ける。

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