「――愛は何故、減るのだろうか」
概要
本編の第四章74話でエキドナとナツキ・スバルが契約を交わしていたらというIFルート。 原作者の鼠色猫/長月達平によって2016年4月1日のエイプリルフール企画として執筆された。
あらすじ
四章での聖域における戦いで強欲の魔女エキドナと契約を結び、大魔獣「大兎」に複数の大罪司教の襲撃という危機的状況の中であくまでも「全ての命を救う」ことに拘ったスバル。
死に戻りを繰り返しながらエキドナと連携し、当時聖域に居た全ての人々の行動と現在位置を確認しつつ、ガーフィールを完全に蚊帳の外に置くことで彼の妨害を挫き、目的を達成した。
しかし、それによってもたらされた弊害で結果的に本編のルートよりも仲間たちを深く傷付ける結果となってしまい、自らの道を苦悩しながら歩むこととなる。
そして、そんな状態のまま聖域での一件から数年の時期が経過していた…。
登場人物
ナツキ・スバル
主人公。エキドナの力と知識により、死に戻りの際に目的を達成するための最適の指針を求めることが可能となり、より確実かつ効率的に死に戻りを活用できる。一方で、聖域での戦いが原因で自殺による死に戻りの実行に一切の躊躇がなくなり(買い出しに行くペトラに天気を教えるためだけに死に戻りしてしまうほど)、ストーリーの開始時点で既に膨大な回数の死に戻りを繰り返したことが示唆されている。
仲間の命を救うことを第一の優先目標とするが、その結果自分の命を徹底して軽視するようになり、それは仲間の心さえも軽視することに繋がり、それが現在のエミリア陣営の歪さを招いた。
エキドナ
カサネルルートにおけるメインヒロイン。パックと同様に精霊石に魂を移すことで墓所からの脱出に成功し、スバルとは契約精霊のような形で常に精神的に繋がっているが、パック&エミリアよりも限定的なもの。聖域での戦い以後常にスバルの傍らに立ちサポートし続けている。魂だけの存在故に本人に物理的な戦闘力はないため、主に強欲の魔女としての知識と力で導く相談役・参謀のような立場にある。エキドナの存在に気付いている者は少ない。
本来であれば「死に戻り」の知識と記憶を共有して共に困難に挑む同志・同盟者であり、エキドナ自身も本人なりにスバルを「理解し、想い、愛している」つもりだが、知識欲から死に戻りを敢えて失敗する方向に導くことなども多いため、スバルからは全くと言っていいほど信用されておらず、完全に「利用し合うだけの関係」として割り切られている。ヒロイン…?
エミリア
聖域での戦いでスバルとエキドナに無理やり救い出されたことで、墓所で見せられた過去のトラウマを自力で克服できず、完全に自信を失って病み切り、スバルへの依存のみを支えに生きている。普段は明るく健気に振る舞うが、些細なことで力を暴走させるほど情緒不安定になっている。
また、病んでしまったからなのか、レムに対抗しているのか、短髪になっている。
レム
三章で暴食の大罪司教から受けた影響により眠ったまま。レムの覚醒は、仲間の命と同等かそれに準ずるほどの目的の一つになっている。暴食の大罪司教の探索が絶望的であるため、スバルはエキドナの助言に従って王選勝利者に与えられる「龍の血」にレム覚醒の可能性を見出している。
ラインハルト・ヴァン・アストレア
フェルトに見捨てられたため、スバルの説得でエミリア陣営に入り味方となった。その実態はラインハルトの戦闘力を欲したスバル&エキドナの謀略によって、唆されたフェルトが王選候補の立場を捨ててロム爺と一緒に国外へ亡命したというものだが、本人は全く気付いていない。自己への失望と喪失感から、新たな主であるエミリアへの忠誠と王選勝利に己の存在意義を懸けている。
ガーフィール・ティンゼル
聖域での戦いでスバル&エキドナの徹底した妨害工作によって完全に蚊帳の外に置かれ、命は助かるも過去のトラウマを克服できず、極めて鬱屈した感情を抱えている。行く宛てが無かったのとラムたちの説得によって一応エミリア陣営に所属しているが、内心ではスバルを憎悪している。
ベアトリス
禁書庫を失って「『その人』と会う」という約束を永遠に果たせなくなり、絶望から私室に完全に引き篭もって出て来なくなっている。スバルが二週間に一度定期的にケアに訪れるも、頑なに拒絶している。
ロズワール・L・メイザース
スバルの背後に居るエキドナの存在に気付いている数少ない人物の一人。このルートでの展開が彼本来の目的にほぼ完全に沿うものであるため、内心では物凄く喜んでいると思われ、スバルにすげなく扱われても意に介することなく友好に接し、積極的に手を貸している。
スバルには以前までの道化のような話し方はせず、敬語を使って応対している。
ラム
聖域での一件からロズワールへの依存をより一層と深め、レムに対する情もほぼ失っている。スバルへの全面協力を決めたロズワールの意向に従い、スバルに対して「スバル様」と呼んで礼節と忠誠を以て接するようになった。メイド仕事も完璧で、スバルが以前のノリで話し掛けても全く突っ込まず、唯々諾々と指示に従う人形のような少女となってしまっている。
エルザ・グランヒルテ
本編では死ぬはずだった屋敷の崩壊から助け出され、そのままスバルの説得でエミリア陣営に雇われた。表向きは存在しない人物として扱われており、主に表沙汰にならない汚れ仕事を実行する。また、命令さえすれば躊躇なくぶっ殺してくれるため、スバルが死に戻りを実行する際の自殺補助装置としての役目も担っている。
ペトラ・レイテ
スバル直属のメイドとして勤めており、その仕事振りはレムらベテランに全く劣らない完璧なものとなった。登場人物の中では唯一病まずに明るい性格のままで、スバルへの恋慕を胸の内に秘めたまま献身的に仕事をこなしている。カサネルルートにおける数少ない癒しの一つ。
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別名・表記ゆれ
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