「海の主と合体した力を見よ!」
概要
語源は恵比寿の逆読み。
タコの様な下半身をしており、「海の王者」の異名を持つ。
その姿が表す通り、海中を本領としており劇中の世界の南方にある「氷海」で何らかの活動を行っているほか、反帝国組織構築と言った人間社会への積極的干渉も行っている。
演者
- 石川界人(リメイク版リベンジオブザセブン)
- 杉田智和(ロードオブヴァーミリオン)
- 平山佳延(舞台『七英雄の帰還』)
劇中の活躍
ナゼール海峡の奥にある「氷海」を根城にしており、武装商船団に自身の息のかかったギャロンという男を送り込み、商船団の掌握と反帝国組織化を画策している。
それが失敗しギャロンも海の主に殺害されると、今度は彼の亡霊を利用してロンギット海に大嵐を発生させた。
自己強化にも余念はなく、海の主の娘と同化しようと狙っている。
マイペースに力を求めるダンターグとは異なり自分達を追放した古代人達への復讐心は捨てておらず、その行方を追っていると語る。サラマットの水龍の語る情報によれば、海中に沈んだ古代人の遺跡が存在するらしいので、恐らくその探索にあたっていたのだろうと思われる。
…と、この様に、帝国への組織的な攻撃・自己強化・復讐と手広く活動している彼なのだが、ある程度ゲームを進めないと名前自体語られない上に七英雄の中で唯一セリフ無しで倒されるケースがありうること(しかも初見ではだいたいこちらのケース)、経歴が「ワグナスの従兄弟」以外に言及がない事、人格面での描写が薄いことなどから、七英雄の人物像としてはどうも影が薄い。
プレイヤーが2番目に操作する皇帝ジェラールとはSFC版・リマスター版・リメイク版いずれにおいてもどんなプレイをしても顔を合わせることさえできない唯一の七英雄であったこともこれに拍車を掛ける形となった(ボクオーンやダンターグはリメイク版ではジェラールでも挑めるようになった)。
その反面、この作品では即死効果はないものの、全体大ダメージという単純かつ非常に厄介なメイルシュトロームを放ってくるため、この技でトラウマを植え付けられた人は多い。
また、初見のプレイで闇雲に進めていると沈没船クリアに必要な人魚薬の存在に気づきにくい為、ラストダンジョンに送られがちでもある。
容姿
第1形態
イカかタコのような下半身から筋肉隆々とした男性の上半身が生えた形態。髪の色は水色で、タコ足はくすんだピンク色に近く、青系の縞模様が入っている。タコ足の腹側には吸盤があり黄色系もしくはオレンジ系の暖色。
SFC版時代には意匠も少なかった人間の部分であるが、後年には胸部に刺青を入れていると解釈したイラストも起こされ、リメイクである『リベンジオブザセブン』では上腕と胸部に刺青があり、肩には鱗か甲殻のようなものがあるデザインとなった。こちらでは人間、タコの腕それぞれに銀の装身具を身に着けている。また下半身の一部にはウミウシのようなフリルがある。
SFC時代には美味しそうな色をしていたタコ足は『リベンジオブザセブン』では青みがかかった紫色となってしまい、あまり美味しそうには見えない。
第2形態
クジラのような姿を持つ海の主の娘と同化した姿。この形態の場合には七英雄でもトップのHPを持つに至っている。
海の主の娘の鼻先からスービエの上半身が生え、紫に近い鮮やかなピンク色へと変わったタコ足はスービエの頭部に移動し髪のように配置され、そのうちの一本で槍を携えている。
『リベンジオブセブン』では前腕にはヒレのようなものが発生し、顔にも刺青が増え金の装身具を多数身につけている。タコ足は第一形態同様、青系の色であまり美味しそうには見えない。
合体七英雄
ラストバトルで合体した際も他の七英雄と比べて特徴がないように描かれているため、どれがスービエなのか分かりにくいが、ロックブーケの次に登場し、全員登場まで毎ターン毎に電撃や触手、サイクロンスクィーズで攻撃してくるといった行動でスービエと判別できる。
- 十八番のメイルシュトロームは個人でなく本体行動に抜擢されており、ゲートが開いている時に使用するが、これを使用する際は個人行動がないため人によってはデレ行動扱いされることも。
人間時代の姿
小林智美氏の画集『時織人』には、人間だった頃の七英雄を描いたイラストが収録されているが
、どれが誰であるかは記載されておらず判断が付きかねる状態が続き、ファンの議論の的となっている。
左から3番目の人物は剣を持っているためクジンシーではないかと思われるのだが、コミカライズ版ではこちらの姿で登場したのはスービエである。これに関しては、真相は不明。
『リベンジオブセブン』では緑髪の青年の姿である。同系統の色の衣服、鎧を着ている。
派生作品での登場
ロードオブヴァーミリオンⅡ
参戦に伴い、以下のようなプロフィールが追加された。
職業 | 建設業 |
---|---|
趣味 | サーフィン |
血縁 | ワグナスの従兄弟 |
吸収の対象 | 泳ぐもの全て |
夢 | 巨大な波に乗る |
目標(現在) | ワグナスを支える |
『ロマンシングサガリ・ユニバース』
海の主の娘とは男女の関係のように描かれており母が皇帝たちに倒されたため地上で人化した海の主の娘と共に暮らしていたが力尽きたため、彼が娘と同化して皇帝へ復讐を誓う…という初夢から最終皇帝及び娘と休戦し、ロックブーケ共々正月を楽しむ展開になった。
後のイベントでも海の主の娘を狙っていたはずが、フォルネウスに挑もうとする海の主の娘(と主人公達)を見かねて「どこのどいつだか知らねえがこの娘は俺のものだ。指一本、触れさせやしねえ」「母親の元を離れるから危険な目に遭う。早く…行け」と殿を務め、「お喋りしたいならそこらのサザエとどうぞ」となんかかっこいいこと言ってフォルネウスとメイルシュトロームの掛け合い合戦を展開する。
コミカライズ版
カンバーランドを平定し、アバロンへの帰途にあったジェラールをオレオン海で襲撃、その命を奪う。
上半身が悪鬼のような異形の姿と化しており、性格も傲慢さに磨きがかかり長命種以外の種族を見下している。人魚の海を部下と共に襲撃し傭兵皇帝オライオンと想いを寄せあった人魚タニアに致命傷を与えたため、ジェラールのことも含めて彼にとって怨敵となっている。
一方で、ダンターグが倒された後に残った七英雄の会合において、人間としての姿を保っているロックブーケとノエルに対して思うところがあるような態度も見せている。
なお、オライオン一行との問答において「弱いものを守ってやって我らは裏切られたのだ」と述べており、助けを求めるばかりで自分は何もしない弱者に対して思うところがあったのも確かなようだ。
リベンジオブザセブン
「後も先もない。同じ波は二度と来ない。」
LoVの設定を引き継ぎ、ワグナスに全面的な信頼を置いており、またそのワグナスをして王国兵の中でもお前ほどの使い手はいないとされる程の槍の名手であったことが過去エピソードでは描かれている。ノエルから吸収の法のリスクを説明された時も、ワグナスを信じるだけと口にしてあっさりと受け入れた。
と同時に運命論を信じるロマンチストな面もあり「島を立つ直前にワグナスが勧誘に来た。間もなく来るであろう伝説の大波に乗れたら協力しよう」とも口にしている。恐妃の都で幻影と戦う場合も、最終皇帝に似たような台詞を投げてから戦いに移る。また、ロックブーケの加入を拒むノエルとワグナスに「彼女の覚悟も捨てたものではない」と諭すなど情に厚い面も見せた。
一方で現代において、原作では沈没船かラストダンジョンで戦わないと台詞無しで出番が終わってしまうケースがあったものの、今作では氷海で戦った場合もちゃんと台詞を発するようになり改善された。しかし戦闘中の台詞で「下等動物にしてはよく足搔く」、敗北時の台詞では「なぜこの俺が下劣な短命種に……!」と言ってしまっており、所業も相まって現代の人々にはかなり印象が悪い(旧版の戦闘前に皇帝たちを下等動物と見下す発言を掘り下げたためと思われる)。
もともと復讐という目的を忘れているわけではなく、海域をテリトリーとしていたのも過去の天変地異により海底に沈んでしまった可能性がある次元転移装置を探すためという理由がある。
その行動の過程で武装商船団を反帝国集団にしたり、嵐を起こしたり、人間に害意を持たない海の主母子を吸収するため付け狙ったりと、彼もまた多数の敵を作ってしまっている七英雄である。
むしろ目的を忘れていない(=過去と性格が変わっていない)のに現代人を短命種と見下すことから、古代人にとっては当たり前の価値観なのかと思わせてしまう一因になっている。
(古代人たちからすれば人間は従属であり奴隷のような存在である。寿命も古代人たちの方が長く、外見は似ていても両者は別の種族なのである)
ただし、過去のスービエは死の瞬間まで生を楽しむという刹那主義者であり、他の古代人と異なり天変地異から逃れるための次元転移にも興味がない(=天変地異で死ぬのも運命と受け入れている)など、良くも悪くも自由を愛し、支配とは無縁であった彼が現代人を『下劣な短命種』と蔑み暴虐を振るうのは価値観の変化とも取れるようになっている。
なお、海の主のイベントを完全放置してもラストダンジョンで戦う際は第二形態になってしまっている。これは今作の七英雄の共通仕様(4人以上倒すと残ったメンバーが第二形態になる。一部例外はあるがスービエはこの仕様に倣う)によるもの。
海の主と同様に弱点以外の攻撃を無効化する「エレメントコーティング」を使うが、槍を破壊すれば解除可能。
「恐妃の都」にて人間時代の幻影と戦うことが出来る。
毎ターン2回~4回も行動してきたりと圧倒的な手数で攻め立てて来る。しかしながら攻撃は二段突きなど単体の物が殆どで、光の壁や回復などをしっかりしていればさしたる脅威ではないため幻影の中では5ターン以内撃破は楽な部類。一人に引き付けてパリイ技を選んだりガーダーを装備して防御する(これによってガーダー発動率が上がる)のも有効。
撃破でアビリティ「不死鳥の加護」が手に入る。戦闘開始時にリヴァイヴァがかかる効果で、術としてのリヴァイヴァは消費が重いので1度とはいえ節約できるのはありがたい。
さらに5ターン以内に倒すと「海皇の槍」がもらえる。閃きで「天衣無縫」が習得可能。総合的な火力はノエル撃破の報酬の1つである「紅竜の大剣」と並んでトップに立っているが、大剣と同じく両手武器ゆえに盾やガーターを持てないのが高難易度ほど欠点として響いてくる。
「海皇の槍」をメインウェポンにする場合はなるべく装備者の被弾そのものを避けることが重要となる。
総じて、過去エピソードの掘り下げや台詞の追加もあって影の薄さは払拭されている。その一方でエンディングの一枚絵では海の主の娘を吸収しようと追い回している絵がありストーカーみたいになってしまっている。
人物関係
七英雄
スービエの従兄弟。
スービエは彼を特に信頼しているので、仲間入りを頼まれた際は快く承諾し、吸収の法のリスクについて聞いても、「ノエルの言う難しいことは良く分からんが、俺はワグナスと同じ道を往くだけ」と受け入れている。
七英雄の発起人。
前述の『吸収の法』はノエルが編み出した秘術であり、スービエもそれを使う事を決めた際にはワグナスとノエルと自分の三人で盃を交わした。
強敵を求めて旅をする孤高の傭兵。
スービエとは『槍を得物とする』という点が共通するが、『ワグナスの助けや力となること』を重視するスービエに対し、『強敵との戦い』を重視するダンターグとスタンスは異なる。
『七英雄の頭脳』を自称している。
リベンジオブザセブンでは、『ワグナスの知人』ということで自分達の会話に加わることを許可したが、ワグナスの挙げた作戦の穴をボクオーンが指摘すると、近くまで寄って「口を慎め、ワグナスへの侮辱は許さない」と食って掛かっている。
ノエルの妹。
リベンジオブザセブンでは『身内の助けや力になりたい』という点でシンパシーを感じたのか、ロックブーケが仲間に入れてもらうようワグナスやノエルに頼むも断れても、それでも泣いてせがんだ際には「彼女の覚悟も……俺は捨てたものではないと思うがな」と肯定の意を示した。
七英雄のメンバー。
ロックブーケ同様仲間に入れて貰うようせがんでくるのだが、スービエは「お前は来なくていい」とキッパリと拒絶の意を示している。しかしダンターグやボクオーン、ロックブーケなどに比べればスービエの彼への対応はまだマイルドな方だったりする。
部下
スービエが従えている人間の男で、スービエの対帝国戦略として帝国弱体化工作に従事している。
その他
巨大な白い鯨にイッカクのような大きな白い一本角を生やしたモンスター。
モンスターと化したスービエに対抗できる力があるものの、後述の自分の娘を母としてスービエから守るために逃げの一手を打っている。
その名の通り海の主の娘。
スービエは吸収の法で彼女を取り込んで第二形態になり、強くなるために彼女を追い回しているのだが、それが一部のプレイヤー間ではスービエは海の主の娘と合体(意味深)したがっているストーカーと誤解を受ける評価を受けている。
リマスター版までは条件を満たせば海の主の娘をスービエの魔の手から守れるのだが、リベンジオブザセブンでは全ての七英雄に共通して『第二形態になる新しい条件』が加わったことで、今まで通りのやりかたではスービエの魔の手から守れなくなってしまった(ただし、『海の主』という生物は前述の母娘だけでなく他にもいるのではないかとする考案もある)。
余談
- 七英雄の中では最初に名前が決まったキャラクターであり、その理由が、当時、恵比寿にスクウェアのオフィスがあったことと、また恵比寿神が海の神様でもあることから。
- 開発室でも人気が高い技だったのか、メイルシュトロームは次回作で即死効果が与えられ、四魔貴族フォルネウスの使う技に昇格した。サガフロンティアでは主人公側も使えるようになった。
- 短命種(古代人ではない現代の人間)には偏見を持っている模様であり、こちらを平然と「下等動物」と見下した対応を行う。
- 2024年10月18日より開催された『ロマンシング佐賀10周年記念特別企画 七英雄ふるさと納税セレクション』ではそれぞれの七英雄に対応する用に7つの返礼品が設定されたのだが、スービエの返礼品は『呼子萬坊』のイカ焼売である。海に強く関連する上に第一形態の下半身と第二形態の頭がイカであるスービエの返礼品として納得の設定と言えるだろう。
関連イラスト
人間時
第一形態
第二形態
関連タグ
残念なイケメン:クジンシーやボクオーンほどではないが上記のストーカー行為を筆頭に色々と内面の落差が激しい。