『ロマンシングサガ2』とは、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が販売したゲームソフト。略称として「ロマサガ2」が良く使われている。Sa・Gaシリーズの5作目。スーパーファミコンソフトとして発売、バーチャルコンソール・携帯アプリにも移植され、さらにリマスター版をプレイステーション・ヴィータ・プレイステーション4・ニンテンドーSWITCH等で発売している。派生作品として『エンペラーズサガ』が配信中。
ストーリー
数多くの悪しき魔物達を倒して世界を救い
その後何処かへ消えていった「七英雄」達···
いつの日かこの世界に混乱が訪れるとき
彼らは再び現われ世界を救うであろう。
世界が平和の内に治められていたのも今は昔。
バレンヌ王国などの大国も次第に力を失い、
各地では魔物達が跳梁跋扈している。
加速度的に混乱していく世界———。
そして、人々が語る「伝説の七英雄」。
幾世代にも渡る壮大な歴史が、今、始まる。
世界
前作と同様南半球にあるらしいが、気候区分の位置関係が複雑なので単純に北が暑く南が寒いというわけではない。また前作と同様に地図が途中で途切れていてその先がどうなっているのか明かされていない。
- 北バレンヌ
- バレンヌ帝国の首都アバロンがあるスタート地点。アバロンは新施設を建設することによってどんどん拡大していく。七英雄の一人・クジンシーはソーモンに居を構えていてアバロンを苦しめる。
- 龍の穴という格闘家集団が打撃に強いスライムの退治に苦戦している。湾の出口には運河要塞があり、地域の発展が阻害されている。
- ルドン高原や巨大な鉱山がある。ルドン高原は自殺の名所らしい(設定ではなくゲームをプレイする上での話) 高原にあるアクア湖にはネレイドが住んでいる。
- サイゴ族が牧畜を行っている。大きな町はなく、村民は貧しい暮らしをしている。七英雄のダンターグがダンジョン内を歩いていることがある。襲ってこないのかと思いきや、通り過ぎようとすると怒られる。
- 雪と氷に覆われた地域。サイゴ族はこの地とナゼールを行き来している。定住者はいない。
- 武装商船団(要するに海賊)が支配する内海。武装商船団の拠点ヌオノは地形を利用した要塞となっていて陸路でも海路でも行くのが大変。
- 漁業を中心とした生活が行われている内海。人魚伝説がある。
- 国家があり後継者を誰にするかで揺れている。選択次第で展開が大きく変わるのでプレイは慎重に。
- 名前の通り草原が広がる地域。七英雄のボクオーンが地上戦艦で麻薬を製造している。
- 砂漠が広がる地域。砂漠で戦闘になると最大HPが半分になってしまう。七英雄のノエルが何かの調査をしている。
- 遺跡しかない無人地帯。
- 名前の通りサバンナが広がる地域。地底には白アリやモール族が住んでいる。
- 巨大な火山がある島。熱に強いサラマンダーが住んでいる。噴火を止められるか否かによって展開が変わる。
- ジャングルが広がる地域。鳥獣の鳴き声がBGMになっている。七英雄のロックブーケが何かの調査をしている。
- 日本風の地域。七英雄のワグナスがいる。トーレンスとの間にあるチカパ山にはイーリスが住んでいる。
- 北バレンヌから最も離れたところにある謎の地域。ここに来ると、七英雄と戦うことになった経緯など様々な謎の真相が明かされる。
システム
フリーシナリオ
今作では帝国の拡大が大きな目的となっている。
通常のRPGとは異なり、ある程度の自由度が確保されている。プレイヤーは「皇帝」としてキャラクターを操作、領土内から行ける範囲で目的地を選ぶとイベントが発生する。それらをこなしていくことで領土・仲間・収入などを増やしていくことができる。ただし選択肢を1つ間違えただけで取り返しのつかないことになってしまうことも少なくないので、攻略情報を見ずにプレイする場合はセーブ枠を複数使うなど注意が必要。また、シナリオは年代が進むことでも発生し、プレイヤーは操作キャラクターを次代へと進める(=皇位継承する)ことで全体の流れを体感していくこととなる。フリーシナリオではあるが大きな目的があるため自由度は前作より少し下がっている。
本作の特異な点として、ストーリーの中核にいるのが主人公の皇帝側ではない、ということか。なぜなら、全体の流れとしては、皇帝たちのやる事と言えば大まかに「七英雄の居場所がわかったり、何かの事件が発生したり、制圧できそうな地域を見つけたら、そこに赴いて、事件を解決し、その地を領土とする」というもので、そこには深いドラマがあまり無い事も多い。
しかし、皇帝が各地で活動するうちに、皇帝の敵対者という立場ではありつつも七英雄のバックストーリーをプレイヤーは知る。七英雄が、かつて英雄と呼ばれながらも、その末路ゆえに現在の姿があるのだと、「彼らにとって敵対者である皇帝を通して」語られる。つまり物語を動かしているのは、皇帝側というよりは七英雄側であり、彼らが物語での事実上の主役と言えるだろう。これは、主人公の立場ではない者の手によってもドラマが綴ることができることを示している。
実際、iアプリ版での追加ストーリーも七英雄あってのものだし、エンペラーズサガで語られたビフォアストーリーなどでも、皇帝や帝国にはまったくスポットライトが当てられておらず、スポットライトはずっと七英雄に当てられているのだから。
移動
移動システムは前作を踏襲しつつも少し変更され、前作よりも比較的自由に世界を移動できるようになった。世界地図が新たに登場し、世界地図から地域を選択して直接行けるようになった。
また、ダッシュができるようになった。
シンボルエンカウントも同様に踏襲されているが、前作のように敵が大量にいるような状況は減った。ダッシュ中にエンカウントすると陣形がフリーファイトになってしまう。
成長
レベルの概念がない点は前作と同じだが、さらに今作は一般的なRPGとは大きく異なる点がある。腕力・器用さ・魔力・素早さ・体力などの能力値があるが、これらの値はいくら戦闘を重ねても成長しない。成長するのはHP・WP・JPと熟練度のみである。
戦闘
プレイヤーはパーティ全体の陣形・装備アイテム・習得した技/術を設定した上で戦闘に臨む。敵はHPを0にすることで倒せるが、味方はHPが0(戦闘不能)になっても通常の回復で復活できる。ただし、HP0と同時にパラメーターとして存在するLP(ライフポイント)が減り、戦闘不能時に攻撃を受けてもLPが減る。直接LPを削る攻撃もある。LPを0にされると完全に死亡(復活はできない)。LPを回復する手段は限られているため、減ると回復は困難。敵の全滅で勝利、味方の全滅・皇帝の死亡で敗北(=皇位継承)。全滅してもゲームオーバーにはならない。戦闘終了後はHPが全回復する。
また、『技』及び『見切り技』は戦闘中に『閃く(※)』ことで覚え、ある程度時間が経過すると、誰でも使用出来るようになる。特に一部の見切り技は、特定のボスを攻略するのに必須であるので、これがゲームの要所で獲得できるかが、ゲーム全体の攻略難易度を左右するといっても過言ではない。
技が閃く時に『裸電球が光る』という、昭和時代アニメの様なエフェクトがあり、これもこのゲーム、そして以降のサガシリーズの代名詞となっている。
陣形も新たに取り入れられた要素のひとつ。前作にも似たような概念はあるが、今作では陣形に名前がついていてそれぞれ特殊な効果を持っている。敵より早く行することを最優先した陣形、敵の攻撃が前衛の1人に集中する陣形などがある。標準の陣形はフリーファイト。
皇位継承
イベントをこなして自動的に年代が進む、あるいはパーティの全滅・皇帝の死亡で発生。皇帝の死亡の場合はその時のパーティキャラの中から、それ以外の場合は提示された中から選択した者を「皇帝」にしてシナリオを再開する。この時新しく皇帝になった者は、先代の皇帝がそれまで習得した・成長させた技能を引き継ぐ。
登場キャラクター
バレンヌ帝国皇帝
仲間になるクラス
各クラスに8人のキャラがいて同じグラフィックの色違い。キャラの名前には全て元ネタがある。
- 帝国重装歩兵
- 帝国軽装歩兵
- 帝国猟兵
- 宮廷魔術士
- フリーファイター
- フリーメイジ
- シティシーフ
- 軍師
- インペリアルガード
- 格闘家
- 武装商船団
- ホーリーオーダー
- ノーマッド
- デザートガード
- イーストガード
- サイゴ族
- アマゾネス
- ハンター
- 海女
- サラマンダー
- モール
- ネレイド
- イーリス
リメイク版の追加クラス
七英雄
その他
備考
『ロマサガ1』及び『ロマサガ3』、もしくは『サガフロンティア2』『アンリミテッド:サガ』などには、ゲームの開始以前の設定として詳細な年表が存在する。また没になったイベントや裏設定も無数に存在する。
『ロマサガ1』には『ロマンシングサガ大事典』、『ロマサガ3』には『練磨の書』、『サガフロ2』では『アルティマニア』『パーフェクトワークス』、『アンサガ』だと『解体真書』という攻略本もしくはファンブックが出版されており、それらで初めて明かされている設定も多い。
またソフトの没データを覗く事で、それらを垣間見ることもできる。
しかし本作『ロマサガ2』にはそういった裏設定はあまりなく、イベント関係の没データも殆ど存在しない。またファンブックも出版されていない。
書籍『ロマンシングサガ大全集』にも大まかな年表程度しか載っていない。
近年のアプリ版やロードオブヴァーミリオンなどで新たに語られる設定も増えてきている為、今後の展開が期待される。ただし、河津氏のスタンスとしては「探りようのないほど歴史の闇に埋もれた事件などは、むやみやたらと明かさない」ため、今後も語られない設定が多いことも考えられるだろう。設定が存在しないのではなく、伝聞者や証言できる者がいないため作中の世界で誰も語りようがない、だから現実側のプレイヤーにもそれを語らないという事例はサガシリーズには多いのだ。
関連イラスト
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シリーズなど
- ロマンシングサガ(前作)
- ロマンシングサガ3(次作)
- Sa・Ga(シリーズ全般の記事)
- スクウェア・エニックス
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