「たっぷり復讐してあげるわ。七英雄さえ恐れさせた、私の真の力を今再び!!」
概要
白アリの状態を「クィーン」といい、殻を破って羽化した状態を「ドレッドクィーン」と呼ぶ。ドレッドクィーン自体はかつて七英雄を恐怖させたものの最後には滅ぼされた。しかし現代では新たなクィーンが誕生し、更にそのクィーンから孵化した卵が「リアルクィーン」としてバレンヌ帝国の時代に出現する。
白アリの女王と言っても羽化した後は羽の生えた人間の女性の姿をしており、後姿とはいえ全裸で大股開きの格好はプレイヤーに衝撃を与えた。
当然「フェロモン」による魅了攻撃もお手のもの。更に低確率ながら人外や女性でも魅了できるというのだからたまらない。
なお、彼女の登場するイベントは色々な意味でトラウマであり(一応イベントを回避したり、本格的に活動する前に叩き潰す方法はあるが、初プレイではまず気付かない)、クィーン登場の際の\アリだー!!/と並んでプレイヤーの度肝を抜く。
本編の動向(ネタバレ注意)
時はゲーム最終盤。
最後の継承者である最終皇帝が即位し、概ね七英雄クジンシーのリベンジを退けた直後のこと。
いつものように玉座に座り、家臣から報告を受けていた皇帝。
だが、いつもと様子がおかしい。
疑問に思った皇帝が家臣に近づいたその時……
「へ、陛下……ウギー!!」
何と断末魔の声と共に、あの白アリが家臣の体を食い破って襲いかかって来た。
辛うじて撃退するも、たちまちアバロン中で溢れかえる悲鳴と白アリの大軍団。
かつてサバンナを恐怖に陥れた白アリが、あろう事かアバロンに出現したのである。
「いらっしゃいま……ウグッ」
「へ、陛下……助け……アゥ」
「陛下ー! ママがァァガ」
人々は老若男女問わず無慈悲に食い尽くされ、都市機能は麻痺。
武器や防具を用意することも、傷を癒すことも叶わない。
「ハンニバル! 無事か!?」
「陛下……逃げ……グハッ」
「スカイア! しっかりしろ!」
「ああ……コロして……ガフッ」
共に戦う仲間たちすらも白アリに寄生されれば無力。恐怖のタームバトラーとなって襲ってくる。
「シエロ! テティス! 無事か!?」
「私はタームの生態を知っていますから大丈夫です」
「タームは水には入らないようですから大丈夫です」
辛うじて無事だったモール族とネレイド族。
もしパーティの誰かが力尽きた時は、彼らが力になる。
そして、かつてシティシーフが悪事を働いた屋根裏の離れを拠点に探索を続けた皇帝は、地下にある墓地に白アリの巣を発見した。
かつてサバンナでクィーンを倒した時、クィーンは死ぬ間際に卵を一つ皇帝の体に引っ付けていた。
その皇帝が天命によりアバロンの地下に埋葬された後、時を経て誕生した新たなクィーンが復讐のために牙を剥いたのである(討伐されたクィーンの記憶を引き継いでいる)。
なお、このイベント内容は侵略が最終段階に達した時のものである。
最終皇帝が即位後、戦闘回数によって侵攻が進むため知ってさえいれば先手を取って倒しに行くことも可能。
また侵攻は地下から順に進むため、たまたま先にターム化するシティシーフらシーフギルドの構成員や万屋の主人に話しかけて侵攻に気付く可能性もある。
恐るべき能力
最終盤に登場するボスの一角に相応しく、その戦闘力は七英雄と同等。ただでさえ疲弊したパーティにはかなり厄介な相手となるだろう。
催眠、毒霧、超音波とかつての力は更に強化され、加えて魅了、麻痺、石化効果の凝視も使いこなす状態異常のバーゲンセール状態。
クィーン時代は低かった防御力も格段に強化され、HPに至っては脅威の29992。
最終皇帝が女性なら、初期装備のムーンライトで閃く月影が突破口となる。
唯一にして最大の弱点は、スタン効果には弱い事
霧隠れで姿を消した人物がスタン効果の攻撃を仕掛ければ、如何に体力と能力の高いリアルクィーンと言えど封じ込める事ができる。
モール族がいるなら、小剣技のフェイントが高確率で成功する。
ただ最も恐ろしいのは、この七英雄にすら匹敵する強さのリアルクィーンはまだ羽化の途中だったという事。
つまり後一歩遅く完全な羽化を許してしまった場合、七英雄さえ恐れさせた完全態が相手になっていたという事である。
アバロン最大の危機は、文字通り首の皮一枚で繋がったのだ。
女性敵に大ダメージを与えるはずの技「スクリュードライバー」の効きがそれほどでもないため、リアルクイーン=オス説が存在する(ザコ敵の蟻には有効。但し、ロマサガ2自身は設定ミスも多い為、設定ミスの可能性も有る)。
本編では登場しなかったドレッドクィーンであるが、携帯アプリ版やリベンジオブザセブンでは追加ダンジョンに出現。七英雄を上回るほどの強さの持ち主であり、初心者救済用とまで言われたクイックタイムを使うとクイックタイム返しという反撃を使ってくる為、クイックタイム戦法は効かない。
リベンジオブザセブン
グラフィックの向上により人間の美女らしさが増した。全身が描かれており、抜け殻となったクィーンの頭部の上に腰掛けている。さすがに全裸はまずいのか胸と股間はビキニで隠されるようになった。
原作と同じくアバロンの人々にタームたちが寄生しており、事態を鎮めるため皇帝は下水道に向かうことに。死に際には「いずれ……真の恐怖を……」という不吉な言葉を遺すが……?
HPが少し減ると「孵化」で卵が尽きるまでタームバトラーを2体ずつ生み出すようになる。
また地獄爪殺法を使うようになったので見切りはあった方がいい。幸いにもタームバトラーから見切れる。
イベントの仕組み
このタームのアバロン侵攻イベントは最終皇帝即位後、タームのクィーンを退治している状態で玉座に座った瞬間から(イベント開始の知らせなどは一切なく、プレイヤーにはイベントが進行していることが完全に伏せられた状態、水面下で)開始される。
以降、戦闘回数によって侵攻の段階が進んでいく(7段階ある)。概ね以下の通りだが、最終段階になるまではプレイヤーが能動的に動かなければ侵攻が進んでいることを知る術がない。
- 10回程度まで:最大でも地下墓地のみ。全く戦闘をしなければ、リアルクィーンのいるフロアだけにしか手が及んでいない。
- 12回以上:シーフギルドがタームの手に落ち、シティシーフがターム化して襲ってくるようになる。
- 20回程度:地下水路から繋がる万屋の主人がターム化。地下水路まで侵攻されている。
- 24回以上(最終段階):上記のストーリーの通り、ターム化した大臣がやってきて戦闘になる。アバロン市街地はターム化した市民で溢れかえる。これ以上はゲーム上は侵攻が拡大することはない。
侵攻が最大まで進んでしまうと、もはやアバロンの施設は何も使えなくなってしまう(宿も使えないので回復はかつてシーフギルドのイベント進行中にキャットが使っていた隠れ家でしか行えない)。
使えるのは冥術研究所とアバロン新市街のみで、ネレイド族とモール族だけが加入させられる。リマスター版では参謀が地下から襲撃してきたことを言い残すようになった。また、ターム化した人々に襲われた際は退却ができないほか、クィーンを倒すまではアバロンから出ることもできなくなる。
なお、発生条件はあくまでも「クィーンを倒した状態で玉座に座る」ことなので、最終皇帝でクィーンを退治したり、生物ですらないコッペリアを皇帝にしてその時代にクィーンを退治していても発生する。
逆に玉座に座らない限り発生しないので、わざと座らずに先送りしてしまうこともできるが、字幕イベントになった場合は強制的に玉座に座らされるので、この場合はすぐに地下墓地に行ってリアルクィーンを退治しておくと被害を抑えられる。
リメイク版でも基本的な仕組みは変わっていない。
道中では仲間になるキャラクターたちがタームに背中を食い破られて死亡するというトラウマシーンが追加されている(流石にタームが出てくるまではシルエットになるが)。
そしてこの展開を反映して、イベント中に食い破られたキャラクターは強制的に世代交代するようになった。原作ではリアルクィーン退治後、人々は何事もなかったかのように元に戻っていたが、これによって整合性を持つことになった。一方、タームによる犠牲を嫌でも実感させられるようになっている。ただし苦しんでいても話しかけずにスルーすれば生き残らせることが可能。インペリアルガード2人はイベントムービーで犠牲になってしまうので、生き残らせたければパーティーに入れておくこと(こうすると兵士に置き換わる)。
なお原作同様にシティシーフは最終よりも早い段階で寄生されてしまうが、彼らのみ他とは違って声優のボイス入り悲鳴が入る。
\ほ ほぎー/\あ あくー/
そしてこの途中段階で気づいた場合は文官に報告することが可能で、こうするとこれ以上の侵攻を食い止めることが出来るので最終段階は発生しなくなる。
実はなぜか城下町の酒場のマスターが無事であり、しかもアリ襲撃の最中でも仲間が自由に入れ替え可能である。街中で苦しんでいるキャラも編成可能で元気に戦闘に参加してくれるのだが、シリアスさが台無しである。
メタ的な理由としては、仮に酒場が侵略されて使えなくなった場合、今作では市街地が廃止された影響でアバロン内で唯一無事であるネレイドとモールがパーティーに組み込めなくなっており、最悪の場合道中で仲間が全滅し、最終皇帝たった一人でリアルクィーンに対処しなければならないと言う望まぬオワタ式になるのを防ぐ為かと思われる。
リメイクに伴い最終皇帝の代に新たなイベントが増えたので、玉座に一度でも座ったら最後、新イベントにかまけていると途端にアバロンが大変なことになる(特に字幕が出ないイベント)。玉座に座るのがイベントスタートのフラグになっていることは変わっていないので、要注意。
ただし原作と違い字幕イベントが発生して強制的に玉座に座らされるということはなくなっている(自発的に玉座に座らない限り最終段階のイベントは発生しない)ので、戦闘回数を重ねすぎても侵略を未然に防ぐことは可能になっている。
一方でイベントが最終段階に達した場合、仮にインペリアルガード2人をパーティに入れて生き残らせたとしても、終了後はガード2人のNPCが所定の位置からいなくなってしまう。前述の途中報告の場合も大抵はシティシーフが犠牲になっているはずなので、こういったことを避けたければやはり先制攻撃をしてしまうのが一番良い。
とはいえそれが出来るのは一度このイベントを知った上で詳細を調べた場合になってしまうだろうが……。
余談
伝承法やリアルクィーンの存在などこのネタを連想した人は多いと思われる。
更にこいつは、クイックタイムを跳ね返すクイックタイム返しで手痛い反撃をして来る。
関連イラスト
関連タグ
- Sa・Ga ロマンシングサガ2
- クィーン(ロマサガ2) ドレッドクィーン ターム(ロマサガ2)
- \アリだー!!/ - アリ関連のセリフとして有名だが、リアルクィーン関連のイベントでは使われてない
- ネレイド(ロマサガ2) - 同作の声優繋がり。
- リアルクイーン - 表記ゆれ。
- マダム・バーバラ - 同じく女王蟻をモチーフにしたRPGのボスキャラ。