神とは
- 人間を超えた存在で、人間に対して祝福や罰を与え、崇拝の対象とな存在。各国の神話や伝説などに登場する。
- ネットスラングのひとつ。人間業と思えない素晴らしい技術や感性で生み出されたもの。またはそのようなものを生み出す人物を指す。
- 日本で用いられている名字のひとつ。
- 神戸市の略称のひとつ。阪神、名神高速道路、神姫バスなど
- プロ野球「阪神タイガース」の略称の一つ。新聞などマスコミで使われる。「広島→広」「中日→中」のように頭文字の「阪」が使われないのはかつて存在した「阪急ブレーブス」(略称は急)との区別のため。ただし読み方は「カミ」ではなく「シン」がふつう。例:巨神戦(読売ジャイアンツVS阪神タイガース)
pixivにおいては1~3のいずれかを描いた作品に対して付けるタグとして扱われる。
概要
原始的信仰
人類がまだ都市や国家を持たずに生活していた時代から、風雨・寒暖などの「自然現象」は「何者か」が起こしているとする思想があり、その「超自然的存在」に対する畏怖と感謝による信仰が発生したと思われる。
原始宗教の信仰対象として「地母神」が挙げられるが、女性が「子を出産する」行為が「大地が産物を実らす」ことと同一視され、多大な生命を育む豊穣の存在として「偉大な母」の様に感じていたのだろう。
また、人類とは違う存在として「動物」なども、神または神の使者とされ、やがて「多神教」の原点へと発展していく。
日本の神道は、原始信仰の名残が強いが、これに後世伝来した仏教、道教、そしてこれら外来思想を日本独自に整理した陰陽道等の要素が複雑に混ざっている。
他の文化圏では、後世に広がったキリスト教などの外来の宗教が在来の神を駆逐し、かつての神は新たな信仰の神やそれに準じるものとされるか、「妖怪」や「悪魔」、「精霊」として扱われる様になった。例えばゾロアスター教とインド神話の神々は善悪が逆転していたりする。
多神教では強さにピンからキリまであれど、人類を優に越える力を持つ存在だとされているが、ギリシャ神話ではギガースなどの怪物、インド神話ではラクシャーサやアスラなど、北欧神話では幻獣や巨人など「神」以外の神に匹敵するかそれ以上の超常的存在に負けたり、劣勢に追い込まれたりするなど、意外に神は絶対的な存在とは描かれておらず、零落すれば人間に討ち取られる事も珍しくない。日本神話も例外ではない。
我々に人種の概念が存在するように、同じ神話体系に属する神でも「種族」や「カテゴリー」が存在するという例もある。ギリシャ神話ではオリュンポス十二神とティーターン(血縁関係あり)、北欧神話ではアース神族とヴァン神族、日本神話ではあれば天津神と国津神といった具合である。
日本の神(カミ)
正確には、日本語の「カミ」は中国語の「神」とも、英語の「God」とも異なる意味の語である。
日本における神とは、
- 神話に登場する神々
- 神社に祭られている祭神
- 先祖
- 魂
- 動植物をはじめ自然界の存在や現象
など、超自然的な畏れ多い存在である。善神もあれば悪神も存在し、人間に危害を及ぼす悪神でも、喜んで崇めれば人間に恵みをもたらすことがある。このことは、江戸時代の国学者本居宣長が、その著作『古事記伝』で日本の「カミ」を以下のように定義している。
「尋常(よのつね)ならずすぐれたる徳(こと)のありて、可畏(かしこ)き物を迦微とは云うなり。」
「貴きもあり、賤しきもあり、
強きもあり弱きもあり、善きもあり悪しきもありて、
心も行もそのさまざまに随いて、とりどりにしあれば、
大かた一むきに定めては論いがたき物になむありける。」
簡単に言えば、
「どんなモノであっても、とにかく、何かしらずば抜けていればカミ」
という意味である。
それは必ずしも「善い」意味でずば抜けている必要も無い。極端な話、極悪人はその突出した悪行により「神」としての性質を帯びている、と捉えることもできるのである。貧乏神や疫病神といった語はこのような発想から来ていると考えられる。
こうした「カミ」の価値観が日本では根強いが、これは、神道における「八百万の神」の思想に端を発するモノである。
その後仏教などがやってきたことにより、神々の吸収合併(インド的なやり方)、偉人の神格化(中国的なやり方)が広まった。仏教はバラモン教がライバルだった関係上、現地の多神教の取り扱いに慣れており、他所の神々をそのまま取り込むスタイルで日本でも体系化が行われた。
イスラム教は黄金時代でも日本まで到達できず、先にキリスト教が布教を開始した。しかし「Deus」の訳語に苦戦し、様々な訳語を当て最後は「神」に落ち着いた。しかし、このために絶対の創造主が多神教の「神」と同列という誤解が起こり、今でもキリスト教の神概念は理解されにくいものとなっている。
だが、これは裏を返せば「多神教の『神』概念が一神教の信奉者に理解されにくい」ということでもある。多神教の信奉者自体が少なくなっており、一神教においては「神が複数存在してはならない」ため、創作作品においても日本では気軽に「神」ないし「ゴッド」と呼んでも、海外では別の名前で呼ばれることが多い。
以下は一例
- 『ドラゴンボール』における地球の神は「god」ではなく「カミ=サン」という固有名詞扱いで呼ばれている
- 『ポケットモンスター』シリーズに「ゴッドバード」という技があるが、英語圏では「Sky attack」と呼ばれ、「ゴッド」が削除されている
「神」の呼称例
事例1
特化した功績をあげた上で、「◯◯の神様」と称される人も多い。漫画の神様、憲政の神様など。
事例2
一般的呼称においても、「神」という言葉は実に多く使用されている。
例として
- 非常に"ずば抜けた"作品 ⇒ 「神作品」
- 非常に"ずば抜けた"曲 ⇒ 「神曲」
- 非常に"ずば抜けた"絵師 ⇒ 「神絵師」
そして
- 非常に"ずば抜けた"人 ⇒ 「神」
といった具合で称される。ただし、その呼称に於いては各人の主観が大きい。
最良・最高の結果という意味合いで用いられる場合もある
例として
- ガチャやパック等でお目当てのカードやキャラを引き当てる ⇒ 「神引き」
- レベルアップで能力が良い成長をする ⇒ 「神成長」
- 百点満点の対応をしてもらった ⇒ 「神対応」
事例3
ネットでは凄いものを惜しげもなくタダ・格安でくれる存在のことを指す。
「凄いもの」の定義は様々で、エロ画像でも良い。
フィクション
フィクションでも様々な作品に登場する。
既存の神話・伝説の神名をそのまま採用したキャラクターについては各神の項目の「曖昧さ回避」の節を、
オリジナル神名のキャラクターや独自性の強い例については架空の神々一覧を参照。
架空種族としての神
「神」が種族や存在のカテゴリーとして登場する作品もある。ピクシブ百科事典に項目がある例としては、
- 神(アクトレイザー)(アクトレイザー)
- 神(アクトレイザー・ルネサンス)(アクトレイザー・ルネサンス)
- 神(終ワル)(終末のワルキューレ)
- 神(魔物娘図鑑)(魔物娘図鑑)
- 神霊(Fate)(Fateシリーズ)
- 神霊種(ノーゲーム・ノーライフ)
- 超越存在(ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)
- 神々(ドラゴンボール)(ドラゴンボール)
- 神族(魔王学院の不適合者)(魔王学院の不適合者)
- 超人の神(キン肉マン)
がある。