概要
セントラル・リーグに所属するプロ野球球団の一つ。
通称は『阪神』又は『タイガース』。メディアなどでは『猛虎』『虎』とも呼ばれる。チームカラーは黄色と黒。球団旗にも描かれており、この旗や虎マークは創設時からほぼ変わらない(HANSHIN Tigersのロゴが入れられた程度)。
株式会社阪神タイガースが運営を担当。球団名の「阪神」は親会社の阪神電気鉄道が由来。
1935年に「大阪タイガース」として創立。現存球団では34年創立の読売ジャイアンツに次ぐ2番目の歴史を誇る。以降は「阪神軍」、「大阪タイガース」と改名し、1961年に現在のチーム名となる。
ウエスタン・リーグに所属する2軍は同じく西宮市内にある阪神鳴尾浜球場を本拠地としているが、設備の老朽化に伴い2025年から東隣の尼崎市(大物駅付近)に建設中のSGLスタジアム尼崎へ移転する予定。
ちなみに創設以来1軍の本拠地球場を変更したことのない球団の一つである。
※現存する12球団では、東北楽天ゴールデンイーグルスも同様。
野球にあまり詳しくない人からは、本拠地球場である甲子園球場が大阪府の大阪市にあると思われがちだが、甲子園球場の所在地は兵庫県の西宮市である。
さらに保護地域(ホームエリア)も兵庫県であることから分かるように、厳密には阪神は兵庫の球団であって大阪の球団ではない。
しかしながら、上記の通り創設時の名称が「大阪タイガース」である他、大阪市にある京セラドーム大阪を準本拠地と定めており、その上保護地域こそ兵庫県でありながらも主要駅は大阪駅とされる等、現在も大阪と密接に関係している。
親会社である「阪神」の名も、元々大阪-神戸間を指す言葉であり、西宮はその間に位置する。
いずれにせよ、大阪を含めた近畿地方を中心に全国で幅広く応援されている球団であることに変わりはなく、関西地区の野球関連のメディアでは阪神タイガースを中心に取り上げることが常態化し、ドラマやアニメ等で関西弁を喋るキャラは大抵阪神ファンとされ、阪神と明言せずとも黄色と黒の縞模様や虎の名前がさりげなく見られるなど、関西圏を代表するキーワードの一つとして扱われ親しまれている。
その一方で、80年代後半~90年代の漫画やアニメにおいては阪神タイガースをモチーフとした球団は弱いという扱いをされ、弄りのネタにされることもよくあった。これは下記の暗黒時代の影響が強いと思われる。
阪神ファン(虎党とも)の熱狂ぶりは何かと有名で、ホームゲームともなると大観衆が押し寄せ、地鳴りのような大歓声が起こる。ビジターゲームでもホームチーム顔負けの声援で話題になることもしばしばである。こうした熱狂ぶりは海外ではあまり見られないためあ、野球の本場であるアメリカでも「メジャーのワールドシリーズでもこうはならないよね」とファンの間ではしばしば話題になるとか。
また、老舗球団同士という事から、読売ジャイアンツとの対戦では「伝統の一戦」というフレーズがよく使われる。球団やファンはジャイアンツをライバル視しているが、哀しいかな優勝回数や勝率は遠く及ばない。ただし、ジャイアンツOBには阪神戦を特別だったと語る者もおり、少なくとも彼らからはライバルと目されていたことは確かである。
2リーグ制以降では6回のリーグ優勝と2回の日本シリーズ制覇を達成している(1リーグ制時代では4回優勝)。
ちなみに、阪神のリーグ優勝がもたらす経済効果はとてつもなく巨大で、2003年の優勝時は1400億円を越え、2005年も600億円以上に達した。2023年の優勝時は800億円を越えると試算されており、この金額は同年のWBCでの侍ジャパンの優勝時の経済効果を上回る。また、他の球団を寄せつけない規模でもある(2017年の広島カープの優勝でも500億円に届かなかった)。
2021年には、NPB球団傘下としては西武に次いで2チーム目となる女子野球クラブチームの阪神タイガースWomenを創設した。
球団史
戦前の大阪タイガースと「ミスタータイガース」景浦・藤村の入団
1935年、東京巨人軍読売新聞社を創立した読売新聞社の誘いに乗る形で阪神電気鉄道が甲子園球場を本拠地に「大阪タイガース」を立ち上げた。
創立当初は門前眞佐人、山口政信、藤村富美男、藤井勇、松木謙治郎ら中等・社会人のスター選手を集めた、巨人に勝るとも劣らない強豪チームだった。1936年には若林忠志、景浦將が入団する。
1937年から1938年にかけては御園生崇男、西村幸生らが入団。この2年間で巨人を破って2連覇を達成。1940年に第二次世界大戦の激化により英語の使用を禁じられてからは阪神軍の名称を用い、戦後の1946年に名称を「大阪タイガース」に戻した。
戦後は1947年に初優勝。この年は若林が齢40近くにして投手兼監督としてMVPを受賞。また打線は呉昌征、金田正泰、藤村、土井垣武ら球界屈指の強打者を並べ「ダイナマイト打線」と恐れられた。
2リーグ分立以降のタイガース
1949年のプロ野球2リーグ分立時、当初は毎日オリオンズなどの新規球団の参加に賛成していたが、直後に反対派に回る。そして巨人などと共にセントラル・リーグに加盟。
反対に回った理由として、当時2リーグ制賛成派はパ・リーグに参加するという協定があったが、巨人戦というかなりの興行が見込めるカードを失うことを惜しんだためであるとされている。
阪神に裏切られた形となった毎日は、その報復として選手兼監督の若林をはじめ、呉、土井垣、別当薫、本堂保次など主力選手6人を引き抜いた。さらに阪神に入団する予定だった荒巻淳も毎日に奪われている。
その他の主力も西鉄クリッパース、大洋ホエールズらに引き抜かれ、ダイナマイト打線は崩壊。レギュラーの大量流出を許したチームはその後内紛まで起き優勝することができなかった。
それでも1961年にチーム名を現在の阪神タイガースとしてからはしばらく好調だった。翌1962年は小山正明、村山実の両エースと吉田義男、三宅秀史、鎌田実ら堅守の選手を擁し2リーグ分立後初優勝を飾る。さらに1964年にも山内一弘、ジーン・バッキーら新戦力が活躍しリーグ優勝している。しかし日本シリーズではそれぞれ東映フライヤーズ、南海ホークスの前に敗れ去っている。
その後はAクラスをキープするものの優勝までは手が届かず、巨人のV9を許していた。
艱難辛苦の末の1985年日本一
1970年代は村山、金田、吉田、後藤次男、ドン・ブレイザーが監督を務める。主力選手では江夏豊と田淵幸一のバッテリーの他藤田平、江本孟紀、島野育夫、ハル・ブリーデン、マイク・ラインバック、掛布雅之ら個性的で人気のある選手が台頭。
1978年、田淵と古沢憲司と西武の竹之内雅史、真弓明信、若菜嘉晴、竹田和史をトレード。一方、この年のドラフトでは巨人入りを熱望していた江川卓を強行指名しているが「空白の一日事件」で小林繁と交換トレードした。
1985年に巨人・槙原寛己からバース・掛布・岡田がバックスクリーン3連発を放って開幕ダッシュに弾みをつけると、リリーフ陣の中西清起、福間納、山本和行らもフル回転の活躍を見せる。そんな中、8月12日に発生した日本航空123便墜落事故で球団社長(当時)の中埜肇氏が犠牲となる。チームは事故翌日から6連敗を喫して一時は首位から陥落するが、その後は立て直して21年ぶりのリーグ優勝を決め、日本シリーズでも西武を破って球団初の日本一に輝いた。
その後はバースが1985年・1986年と続けて三冠王を獲得。しかし主力選手の不調、引退が相次ぎ再び優勝からは遠ざかることとなる。
どん底の暗黒時代
1986年はシーズンで巨人と広島東洋カープの首位争いに加われず3位。川藤幸三が引退、掛布と池田親興が負傷離脱、岡田も不振にあえいだ。
さらに翌1987年は投手陣の崩壊が響いて最下位に転落。1988年は和田豊、大野久、中野佐資ら若手を起用するが浮上のきっかけをつかめなかった。
特にこの年は親会社の経営陣が総入れ替えの影響が大きく、バースが解雇を喰らうハメとなり、当時の球団代表が精神的に追い込まれたのか自殺するという最悪の事態が起きてしまった。また、掛布も負傷離脱以降の成績悪化や飲酒運転でのオーナー代行との確執などにより88年に引退をしてしまった。
さらに、打率3割及び出塁率4割を越えてたトーマス・オマリーを長打力不足を理由に解雇するも、移籍先のヤクルトが彼を使った結果、3度目の日本一を達成。本拠地が違う影響もあるとはいえ、当時の球団が外国人を見る目が無かったのがはっきりと分かったであろう。
1990年代は状況がさらに悪化。序盤は中村勝広が監督に就任するが、1992年に優勝争いを演じた以外は全くいいところがなかった。
補強もちぐはぐで、外国人はグレン・デービス、スコット・クールボーらを除き、自前外国人がろくに活躍せず、FAやトレードで山沖之彦、松永浩美らを獲得するも山沖は一軍登板なし、松永はすぐにFA権行使で福岡ダイエーホークスに移籍してしまった。
若手では新庄剛志、亀山努、八木裕、久慈照嘉、湯船敏郎、中込伸、野田浩司、弓長起浩、田村勤らが出てくるが、他球団に移籍したりケガなどで落ち込んだりと、ほとんどは長く活躍できず。
監督は中村に続き、藤田、吉田が務めるも暗黒からは抜け出せなかった。
1999年からは野村克也が指揮を執り、選手のプロ意識や戦術指南で大きく改革を図るが、球団運営や戦力補強の方針について当初からフロントと対立、練習方針や選手起用をめぐる一部のコーチ陣・選手との確執もあって3年連続最下位を脱することができず、野村の妻の沙知代が脱税容疑により逮捕されたことに伴い辞任。
しかし野村政権下で入団、台頭した選手が後のチームに大きく貢献することとなる。
猛虎フィーバー
2002年は、野村の後任として星野仙一が監督に就任。
FAでは片岡篤史を獲得した。
赤星・矢野の離脱もあり最終的には4位に終わったが、チームとしては5年ぶりに最下位を脱出した。
オフにはFA・トレードで金本知憲、ジョージ・アリアス、下柳剛、野口寿浩、ジェフ・ウィリアムス、伊良部秀輝、ジェリッド・リガンらを獲得。
血の入れ替えとも言われる改革によって26人もの選手が入れ替わった。
翌2003年は血の入れ替えが功を奏し圧倒的強さで18年ぶりとなるリーグ優勝を飾った。
生え抜きでも、前年に引き続き井川慶、今岡誠、赤星憲広、濱中治、上坂太一郎、沖原佳典、藤本敦士ら好選手が台頭した。
しかし日本シリーズでは福岡ダイエーの前に3勝4敗と惜敗。
なお、星野はこの年をもって退任。後任の監督に岡田彰布が就任した。
秋のドラフトで鳥谷敬を獲得。
2005年にはジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之からなるいわゆるJFKをはじめ、桟原将司、橋本健太郎、江草仁貴ら強力救援陣を作り上げる。打線も金本、アンディ・シーツ、今岡誠のクリーンナップが活躍し、2年ぶりのリーグ優勝を果たした。
しかし、日本シリーズでは千葉ロッテの前に総得点差33-4という大差で惨敗してしまう。
この年のオフではFAで新井貴浩、トレードで平野恵一、金村曉らを獲得した。
その後2008年は一時ペナントレースを独走するものの終盤に大失速。
7月には2位に最大13ゲーム差をつけながら、宿敵・巨人に優勝をさらわれた。いわゆる「Vやねん!」。
この責任をとり岡田監督はこの年をもって退任した。
猛虎フィーバーのその後
2009年からは真弓明信が指揮。真弓監督1年目は4位に沈む。
2010年は城島健司、マット・マートン、ランディ・メッセンジャーらを補強したうえで開幕に臨んだ。しかしペナントでは先発投手のコマ不足で2位に終わり、クライマックスシリーズ(以下、CS)でも巨人の前に敗退。
2011年はロッテ・楽天からそれぞれFA移籍してきた小林宏之、藤井彰人らを加えるが4位で終わり、真弓監督は辞任した。
2012年には和田豊が監督に就任するが、まったく浮上のきっかけをつかめないままシーズン5位が確定。同年に金本が引退。
オフにはドラフトやFAなどで藤浪晋太郎、西岡剛、福留孝介、日高剛らを獲得した。
それもあってか2013年は2位に躍進。
しかしCSで3位の広島東洋カープ相手にストレート負けを喫する。
2014年はマウロ・ゴメス、呉昇桓ら助っ人外国人選手を獲得。最終的には2位に付け、CSで広島、巨人を撃破。2005年以来9年ぶりの日本シリーズに進出した。とはいえ、日本シリーズでは1勝4敗。日本一の座は福岡ソフトバンクホークスに渡った。
なおこの年はランディ・メッセンジャー、呉昇桓、ゴメス、マートンのチームの主力外国人選手が全員タイトルを獲得した。
2015年は藤浪が13勝、呉昇桓が最多セーブ、福留が9年ぶりの20本塁打とチームを牽引したが、9月に入ると負けが目立ち始め優勝争いから脱落、シーズンは3位で終わり、CS敗退後和田が監督を退任。
金本・矢野ドラフトによるチームの若返り
当時の阪神は安定してAクラス入りする実力はありつつも、長らく課題となっていた主力の高齢化問題を解決できていなかった。さらにドラフト戦略の失敗もあり、(特に中堅層の)生え抜きが中々育たずレギュラーに定着できていないこともその状況に拍車をかけた。
こうした状況を解消すべく、和田監督の後任には金本知憲が就任。就任会見では、一回壊してでもチームを立て直したいというフロントの熱意が就任の決め手になったと述べた。ドラフト会議では「短所に目をつぶってでも、秀でたものがあり将来性の高い選手を獲る」という方針のもと高山俊、青柳晃洋らを指名。
2016年は超変革のスローガンのもと、若手を積極的に起用。ルーキーの高山がレギュラーを取り、青柳も先発陣の一角を担う活躍を見せたほか、3年目の横田慎太郎を開幕スタメンで抜擢。
藤浪や鳥谷の不振もあり最終的には4位に終わったものの、世代交代の波を感じさせるシーズンとなった。
同年オフのドラフト会議では大山悠輔、才木浩人、糸原健斗らを指名。FAではオリックスより糸井嘉男を獲得。
リリーフも桑原謙太朗がセットアッパーとして大ブレイクし67試合に登板。マテオ、髙橋聡文、岩崎優、ドリスと共に「60試合クインテット」の一角として活躍した。
野手陣は、糸井・福留・鳥谷らベテラン勢に加え、中谷将大やルーキー糸原ら若手も躍動。
打線全体で四球数が増加したこともあり、一部では「歩いてまえ打線」と称された。
最終的には2位でフィニッシュ。とはいえCSでは1stステージでDeNAに敗れた。
2018年は首位広島を除いて団子状態であったが、雨天中止が相次ぎ過密日程となった後半戦で失速。最終盤で故障者が続出したことがとどめとなり、2001年以来17年ぶりの最下位に終わった。
また、鳴り物入りで獲得したウィリン・ロサリオが活躍できないのも誤算であった。この責任を取る形で金本監督は辞任、後任には矢野燿大2軍監督が昇格。
同年オフのドラフト会議では近本光司、木浪聖也らを指名。FAでオリックスの西勇輝を獲得。
2019年は、西勇輝と青柳晃洋が先発ローテーションの柱となり、リリーフでも守屋功輝や島本浩也、岩崎優、新外国人のピアース・ジョンソンらが活躍。12球団トップのチーム防御率を記録。最大6.5ゲーム差あった広島を最終戦で追い抜き3位に滑り込み逆転でのCS進出を決めた(監督就任初年度でのAクラス入りは1985年以来34年ぶりの出来事であった)
野手陣は、ルーキーの木浪聖也と近本光司が開幕スタメンを勝ち取るとその後レギュラーに定着。とはいえ前年から問題になっていた得点力不足を解消するまでには至らなかった。
2020年はスタートダッシュに失敗したものの、7月以降は投打が噛み合い負け越しも解消。
最終的には首位・巨人と7.5ゲーム差の2位でシーズンを終えたが、その一方で巨人に対しては8勝16敗と圧倒的な弱さを見せた。
このシーズンをもって藤川球児、上本博紀が引退。またベテランの能見篤史、福留孝介らが他球団での現役続行を希望し退団した。
2021年は投打が噛み合い前半戦を首位で折り返したが、佐藤輝明やジェリー・サンズらが後半戦で調子を落とし西勇輝がシーズン通して不調。結局後半戦怒涛の追い上げを見せたヤクルトに首位を明け渡し、最終的にはゲーム差なしの2位に終わった。
なおこの年はルーキーが躍動したシーズンであり、ドラ2の伊藤将司が先発ローテーションの一角として10勝を挙げると、ドラ6中野拓夢は近本と俊足コンビを組み、ドラ1佐藤輝明も前半戦だけで20HRを放つ活躍を見せた。クローザーとして活躍したロベルト・スアレスがMLB挑戦のため退団。
2022年は矢野監督が開幕前に退任を発表。開幕戦で最大7点差を逆転されたことを皮切りに開幕9連敗とスタートダッシュに失敗。一時は勝率0割台という危機的状況に陥ったが、青柳が復帰して以降は投手陣が復調し、2019年と同様に最終盤で3位を確保しCS進出。結局矢野監督は4年間の任期全てをAクラスで終えた。このシーズン限りで糸井嘉男が引退し、12球団最速で阪神在籍中の昭和生まれの現役選手がゼロとなった。
「アレ」38年ぶり日本一
矢野監督の後任には岡田彰布が復帰。初開催となる現役ドラフトでは大竹耕太郎を獲得した。就任後は守備重視の方針を掲げ、前年とは異なり主力の守備位置を固定。さらに前年ショートでベストナインの中野拓夢をセカンドにコンバートした。
2023年シーズンはプレッシャーを必要以上に感じさせないようにするという岡田監督の方針で、2月のキャンプインから「優勝」を「アレ」の2文字に変えて表現するようにしていた。近年は安定してAクラス入りしながらも、「優勝」を意識しすぎたせいなのか後半戦で失速し優勝を逃すシーズンも多かったという経緯も相まって、岡田監督やコーチ・選手達だけでなく、阪神ファンや在阪メディアも含めて「優勝」を口にするのを必死に我慢して、「アレ」と呼称するようになった。
シーズンでは5月は月間19勝、勝率.792と驚異的なペースで勝ち続け首位を独走した。その後交流戦で調子を落とすも7月には復調。8月は16年ぶりの10連勝などもあり再び独走態勢に入り、9月1日に優勝へのマジックナンバー18を再点灯させると11連勝で「アレ」(優勝)を達成。
ボール球を振らないことの重要性を以前から説いていたこともあり、フロントに「四球の評価・査定を上げる」ことを要望。それもあってなのか打線全体で四球数が増加。前年から引き続き投手陣が安定したこともあり、12球団最多の奪四球と最少の与四球を同時に達成した。野手陣では、近本・中野の1・2番に加え全試合4番の大山悠輔が安定して活躍。さらに8番に定着した木浪聖也の活躍によって、下位打線からでも得点及びチャンスを作れるようになり、前述の四球数の増加も相まって、本塁打がリーグ5位ながら12球団トップの得点数を記録した。
投手陣では、新加入の大竹や前年まで勝ち星0であった3年目の村上頌樹が台頭。伊藤将司と共に2ケタ勝利を達成した他、エース青柳晃洋や西勇輝も序盤こそ不振にあえいだが8月以降は復調。更に才木浩人を加えた6人が8勝以上を挙げるなど強力先発陣を形成した。
CSでは1stステージを勝ち上がった広島を相手投手陣の好投に苦しめられながらも、打者陣の執念もあり、全試合逆転勝ち(第2戦はサヨナラ勝ち)の3連勝でスイープ、9年ぶりに日本シリーズへの進出を決めた。オリックス・バファローズとの対決は第7戦まで縺れる凄まじい激戦となったが、4勝3敗でオリックスを下し、1985年以来38年ぶり2度目の日本一に輝き、「アレのアレ」を見事に達成。更に「アレ」は、ユーキャン主催の新語・流行語大賞の大賞に選ばれた。
2024年は、52年ぶりに生え抜き選手のみのスタメンでシーズンが開幕。しかしリーグ全体の投高打低の傾向に引っ張られるかのように、開幕から主力がことごとく打撃不振に陥る。特に5月から7月にかけては、佐藤輝や大山、森下が一時ファームでの再調整を余儀なくされたほか、近本を4番で起用するなど、ほぼ固定オーダーで戦い抜いた昨年から打って変わり日替わりオーダーを組まざるを得なかった。
後半戦は一時得点圏打率トップ3が阪神勢になるなど広島・巨人と首位争いを展開したが、首位・巨人と3.5ゲーム差の2位で終了。CSでは、1stステージで3位DeNAと対戦するも、投打ともに精彩を欠き2連敗を喫し敗退。2年連続の悲願とはならなかった。
岡田監督が任期満了のため勇退。後任にはOBの藤川球児が就任する。生え抜き投手が監督を務めるのは1989年の村山実以来。
藤川による...
2025年は、さらなる飛躍を誓う
pixivでは
球団と選手のミスプレーなど自虐ネタ系のイラストが多めでもある。
選手一覧
(2024年10月21日現在)
監督・コーチ
一軍
背番号 | 名前 | 役職 |
---|---|---|
22 | 藤川球児 | 監督 |
74 | 藤本敦士 | 総合コーチ |
88 | 安藤優也 | 投手チーフコーチ |
73 | 金村曉 | 投手コーチ |
86 | 和田豊 | 1・2軍打撃巡回コーディネーター |
83 | 小谷野栄一 | 打撃チーフコーチ |
71 | 上本博紀 | 打撃コーチ |
70 | 田中秀太 | 内野守備走塁コーチ |
96 | 筒井壮 | 外野守備兼走塁チーフコーチ |
87 | 野村克則 | バッテリーコーチ |
93 | 片山大樹 | ブルペンコーチ兼ブルペン捕手 |
二軍
背番号 | 名前 | 役職 |
---|---|---|
78 | 平田勝男 | 監督 |
90 | 久保田智之 | 投手チーフコーチ |
72 | 江草仁貴 | 投手コーチ |
89 | 渡辺亮 | 投手コーチ |
91 | 北川博敏 | 打撃チーフコーチ |
77 | 梵英心 | 打撃コーチ |
81 | 馬場敏史 | 守備走塁チーフコーチ |
75 | 山崎憲晴 | 内野守備走塁コーチ |
76 | 工藤隆人 | 外野守備走塁コーチ |
84 | 日高剛 | バッテリーコーチ |
79 | 俊介 | 野手コーチ |
所属選手
投手
背番号 | 名前 | 投 | 打 | 備考 |
---|---|---|---|---|
00 | ハビー・ゲラ | 右 | 左 | 新外国人 |
13 | 岩崎優 | 左 | 左 | |
14 | 岩貞祐太 | 左 | 左 | |
15 | 西純矢 | 右 | 右 | |
16 | 西勇輝 | 右 | 右 | |
17 | 青柳晃洋 | 右 | 右 | |
19 | 下村海翔 | 右 | 右 | 2023年ドラフト1位 |
20 | 森木大智 | 右 | 右 | |
21 | 秋山拓巳 | 右 | 左 | |
26 | 椎葉剛 | 右 | 右 | 2023年ドラフト2位 |
27 | 伊藤将司 | 左 | 左 | |
28 | 鈴木勇斗 | 左 | 左 | |
29 | 高橋遥人 | 左 | 左 | 育成から支配下登録 |
30 | 門別啓人 | 左 | 左 | |
34 | 漆原大晟 | 右 | 左 | オリックスから現役ドラフトで移籍 |
35 | 才木浩人 | 右 | 右 | |
36 | 浜地真澄 | 右 | 右 | |
37 | 及川雅貴 | 左 | 左 | |
41 | 村上頌樹 | 右 | 左 | |
46 | 島本浩也 | 左 | 左 | |
47 | 桐敷拓馬 | 左 | 左 | |
48 | 茨木秀俊 | 右 | 右 | |
49 | 大竹耕太郎 | 左 | 左 | |
50 | 富田蓮 | 左 | 左 | |
54 | 加治屋蓮 | 右 | 右 | |
63 | 石黒佑弥 | 右 | 右 | 2023年ドラフト5位 |
64 | 岡留英貴 | 右 | 右 | |
65 | 湯浅京己 | 右 | 右 | |
66 | 津田淳哉 | 右 | 右 | 2023年ドラフト6位 |
69 | 石井大智 | 右 | 右 | |
92 | 川原陸 | 左 | 左 | 育成から支配下登録 |
93 | 岩田将貴 | 左 | 左 | |
98 | 佐藤蓮 | 右 | 右 | 育成から支配下登録 |
99 | ジェレミー・ビーズリー | 右 | 右 | |
122 | 小川一平 | 右 | 右 | 育成選手・66から背番号変更 |
123 | 松原快 | 右 | 右 | 育成選手・2023年育成ドラフト1位 |
125 | 伊藤稜 | 左 | 左 | 育成選手 |
131 | ホセ・ベタンセス | 右 | 右 | 育成選手・新外国人 |
132 | アンソニー・マルティネス | 右 | 右 | 育成選手・新外国人 |
捕手
内野手
背番号 | 名前 | 投 | 打 | 備考 |
---|---|---|---|---|
0 | 木浪聖也 | 右 | 左 | |
3 | 大山悠輔 | 右 | 右 | |
4 | 熊谷敬宥 | 右 | 右 | |
8 | 佐藤輝明 | 右 | 左 | |
25 | 渡邉諒 | 右 | 右 | |
33 | 糸原健斗 | 右 | 左 | |
38 | 小幡竜平 | 右 | 左 | |
44 | 戸井零士 | 右 | 右 | |
45 | 遠藤成 | 右 | 左 | |
51 | 中野拓夢 | 右 | 左 | 選手会長 |
52 | 山田脩也 | 右 | 右 | 2023年ドラフト3位 |
56 | 百崎蒼生 | 右 | 右 | 2023年ドラフト4位 |
62 | 植田海 | 右 | 両 | |
67 | 高寺望夢 | 右 | 左 | |
94 | 原口文仁 | 右 | 右 |
外野手
背番号 | 名前 | 投 | 打 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 森下翔太 | 右 | 右 | |
5 | 近本光司 | 左 | 左 | |
32 | 井上広大 | 右 | 右 | |
40 | 井坪陽生 | 右 | 右 | |
43 | 高濱祐仁 | 右 | 右 | |
53 | 島田海吏 | 右 | 左 | |
58 | 前川右京 | 左 | 左 | |
60 | 小野寺暖 | 右 | 右 | |
61 | 豊田寛 | 右 | 右 | |
97 | 野口恭佑 | 右 | 右 | 育成から支配下登録 |
126 | 福島圭音 | 右 | 左 | 育成選手・2023年育成ドラフト2位 |
過去に所属した選手
あ行
か行
さ行
た行
田中秀太(秀太)
な行
は行
藤川俊介(俊介)
ま行
や行
矢野燿大(輝弘)
ら行
わ行
外国人
永久欠番
10・藤村富美男
11・村山実
23・吉田義男
マスコット
球団歌
現在の公式球団歌は『阪神タイガースの歌』。
ただし通称の『六甲おろし』の名の方が世間に広く知られており、カラオケではこちらの名前だけの表記もよく見かける。
関連項目
- 何かと有名なタグ
- その他関連タグ
- デイリースポーツ
- 阪神推しのスポーツ紙。どんな大事件が起ころうとも阪神のニュースを1面に置くことで有名。
- トラボルト
- テツワン探偵ロボタックの登場キャラで、阪神タイガースの大ファンである。余談だが、彼の初登場回の謎解き内容(ヒント)は、阪神初日本一時に関わるものだった。
- エレブーズ
- 大阪チュリオーズ
- 八月のシンデレラナインに登場する架空の球団であり、こちらも阪神がモデルとなっている。更に言えば、本家と同じく読売ジャイアンツをモデルとした架空球団東京ファンタジーズをライバル視している点も共通。
- デイリースポーツ
- コラボ関連
- 2021年
- 2022年
- 2023年