アニポケの概要
「アニメ版ポケットモンスター」縮めてアニポケとは、任天堂のゲームソフト「ポケットモンスター」シリーズを原案とするアニメである。
初代の『ポケットモンスター 赤・緑』を元にした第1作目「ポケットモンスター」を皮切りにし、多くのシリーズが放送されている。
制作会社は下請け、製作協力を除き、初代から現在もOLMが務めている。
一般には本編シリーズ(主人公がサトシのシリーズ)を指す用語ではあるが、広義に解釈するとその他のシリーズも含む言葉でもある。よってここではその他のシリーズも紹介する。
アニメポケットモンスターシリーズ(サトシの旅シリーズ)
アニポケの本編。主人公サトシとその相棒のポケモン、ピカチュウ、そのピカチュウを狙うロケット団(ムコニャ)が主な登場キャラクターである。
1997年4月1日よりテレビ東京系列で放送開始。2017年11月9日の放送で通算話数1000回を達成した。(本編と最強メガシンカ4話を足したものである)
各シリーズの主要メンバーはサトシの旅仲間を参照。
外伝にあたるシリーズ
- 劇場版ポケットモンスター:劇場版アニポケ映画を取り扱っている。第19作目までの長編は本編の時系列だが、サトシが出会った伝説ポケモンの事を覚えていたり、忘れていたりする為、パラレルワールド扱いとなる事が多い。
- ミュウツー!我ハココニ在リ:ミュウツーの逆襲の続編にあたる。サトシがジョウト地方の旅でミュウツーに再会する。2000年12月30日の年末スペシャルとして放送された。
- ライコウ雷の伝説:第2世代『金・銀・クリスタル』をベースにしたアニポケ。登場人物のケンタとマリナはそれぞれ原作ゲームの男主人公と女主人公をモデルとしている。時系列が本編1期後半であるため、人物の一部がアニメ金銀編の本編でも登場。R団が初のシリアスな悪役となった。2001年12月30日の年末スペシャルとして放送。
- ポケモンサイドストーリー:サトシ以外のキャラが主人公となるスピンオフ作品。本編の補足的なストーリー。本編の脱マンネリ回対策の為に実施した実験フォロー作ともいえる。週刊ポケモン放送局で2002年12月3日から2004年9月28日までに合計18話放送されている。
- 戦慄のミラージュポケモン:ポケットモンスター10周年記念として2006年4月29日にて米国にて初放送されたアニポケ映画。のちにスカパーで日本語吹替版が放送されたが、いまだにDVD化には至っていないばがりかAmazon_PrimeVideoでは配信されていない。サトシの記憶からミュウツーが作られたのでミュウツーの逆襲とミュウツー!我ハココニ在リの続編としてもとらえられる。
- 覚醒への序章:バージルが主役のスピンオフアニメであり、『神速のゲノセクト ミュウツー覚醒』のミュウツーの前章にもなっている。ライバルトレーナーが映画でまともな活躍をしたのは、この作品が初めてである。
- ポケットモンスターXY特別編 最強メガシンカ ~Act~:第6世代『XY』のメガシンカを題材にしたアニメ。一人の青年トレーナー・アランがメガシンカを極める物語。時系列がXY(アニポケ)であるため、人物の一部が本編や映画でも登場。
ゲームを原作とした他アニメシリーズ
これらの作品はアニメポケットモンスターシリーズとは世界観の繋がりはなく、それぞれの作品でアニメ版とはキャストが異なる。
ポケモンゲームスペシャルアニメ
ゲームシリーズの宣伝用プロモーションアニメ。
ポケットモンスターTHE_ORIGIN(ジ・オリジン)
第1世代『赤・緑』のリメイク作品である第3世代『FRLG』をベースにしたスペシャルアニメ。
サトシの登場するシリーズの世界とは別世界であり、スタッフ陣も異なる。
原作ゲームファン向けに作られた。
特に大きな違いとしては、ポケモンがサトシの登場するシリーズの世界とは全く異なる鳴き声をしており、現実の動物に近いものになっている。
Pokémon Generations(ポケモンジェネレーションズ)
20周年を記念して制作された、第1世代から第6世代までの全てのゲーム作品の世界観とストーリーをもとにしたショートアニメ。作画が大人向け寄りになっている。
2016年9月よりYoutubeのポケモン海外公式アカウントで英語版が順次公開され、日本語版は遅れて同年12月からYoutube日本公式アカウントにて開始された。
薄明の翼
『ソード・シールド』を原作とする、ガラル地方を舞台にした群像劇を描くショートアニメ。
本作のアニメーション制作はスタジオコロリドが手掛けており、アニポケ作品としては史上初のOLMが制作に携わらない作品となる。
2020年1月15日よりYoutubeポケモン公式チャンネルにて配信開始。
Pokémon Special Music Video「GOTCHA!」
ゲーム版の歴代トレーナーやポケモンが総出演するミュージックビデオ。
曲はBUMP OF CHICKENの『アカシア』。アニメーション制作はボンズ。
2020年9月29日よりYoutubeポケモン公式チャンネルにて配信。さらに、同年11月4日に発売されるシングル『アカシア/Gravity』の初回限定版“アカシア盤”に付属するDVDにも収録されている。
POKÉTOON
公式YouTubeチャンネル「ポケモン Kids TV」にて2020年6月より配信開始したショートアニメシリーズ。作風や内容、アニメーション制作は作品ごとに異なる。
様々なポケモンを題材に、「子供はもちろん、親子で楽しめるアニメ」と銘打っている。
Pokémon Evolutions(ポケモンエボリューションズ)
25周年を記念して制作された、第8世代までのゲーム作品の地方の世界観とストーリーをもとにしたショートアニメ。
『ジェネレーションズ』と同系統の作品で、こちらも作画が大人向け寄りになっている。
2021年9月9日よりYoutubeポケモン公式チャンネルにて配信開始。
声優について
石塚運昇や檜山修之や三宅健太のように何度もアニメオリジナルキャラではなくゲーム(いわゆる原作)のジムリーダーなどの名前有りの人間キャラに起用される一方で
いわゆる大御所と呼ばれるような声優やファンに人気の声優が、チョイ役やポケモン役(人の言葉ではなく鳴き声のほう)で出ることが多く、「声優の無駄遣い」と称された。特に無印の頃はこの傾向が強かった。
もちろん、レギュラー、準レギュラーやメインゲストとして活躍している声優も多い。以下、何を演じたか分かりやすくするよう代表的な他版権キャラを含んで説明する。
主な例
- 水樹奈々:フェイト・テスタロッサらの中の人はAG編でポワルンとアクア団員役を演じたことがあるが、「ぽわー」と鳴くのみ(後者はセリフが少ない)だった。ちなみに彼女は後に映画『裂空の訪問者デオキシス』でオードリー、『ビクティニと黒き英雄ゼクロム・白き英雄レシラム』でゲスト声優としてビクティニを『オーロラからのメッセージ』でエマを演じた。
- 佐藤利奈:ネギ・スプリングフィールドらの中の人はメイドサトシの回に登場したが、台詞の行が2桁に及ばないと、非常に台詞が少ない。
- 鈴村健一:シン・アスカらの中の人はベストウイッシュで登場したことがあるが、上記の二人以上に台詞が少ない。ちなみに無印時代で2度ほど出演とアドバンスジェネレーションで1度だけ出演してる。後にXY特別編とアニメXY本編でダイゴ役を演じている。
- 田中真弓:モンキー・D・ルフィの中の人としてお馴染みのこの人は、アニメ本編においては現在に至るまでルージュラの声を演じたのみである。映画では短編映画でヨーギラスを演じた。
- 矢島晶子:初代の野原しんのすけ役で有名な人であるが、ヒメグマとリングマの声を演じたのみ。しかもそのヒメグマはかなり腹黒かった。映画『結晶塔の帝王』では、主要キャラのミー・スノードンを演じた。
- 小林由美子:デュエル・マスターズの歴代主人公役の傍ら、2代目の野原しんのすけ役で抜擢された少年役で有名な声優だが、アニポケでは無印とAGで登場したアニメのオリジナルキャラ2名を除き女性ジムリーダーの「カミツレ」を演じたのみである。
- ならはしみき:ちびまる子ちゃんのみぎわさんやクレヨンしんちゃんの野原みさえで有名な声優だが、ポケモンではポケモン不思議のダンジョン 出動ポケモン救助隊ガンバルズ!のWebアニメでエアームドを演じたのみ。
- 日高のり子:浅倉南などの中の人だが、無印時代に一度出演したのみである。後に映画「裂空の訪問者」にて主要キャラのトオイを演じている。
- 野沢雅子:孫悟空役などでお馴染みの人は、アニメ本編にて大会ライバルのマサムネを演じたのみ。なお、2作品目の短編映画ではエレキッドの声を演じていた。また、21作品目の映画にゲスト声優としてヒスイ役を演じた。
- 三石琴乃:月野うさぎらの中の人であるこの人は、アニメ本編ではメタモン、サイドストーリーでマリルリを演じたほか端役で数回出演したことがある。特別編『ミュウツー!我ハココニ在リ』ではR団のエリート団員であるドミノを演じた。
- 神谷浩史:リヴァイらの中の人としてお馴染み。アニメ本編にはアドバンスジェネレーションで一度出演したきりだったが、後に新無印にてツルギ役を演じる。その他、ゲームPVにてN、ミュウツーの逆襲EVOLUTIONでソラオの役で出演している。
- 堀江由衣:リコ(キュアマジカル)などの中の人は、声優のみならず歌手としても有名な声優だがアニメ本編では無印でアニメオリジナルキャラのゲストで出たのみ。ただ、その回では歌などを披露している。
- 釘宮理恵:アルフォンス・エルリックやツンデレキャラの役などで有名な声優。アニメ本編ではアドバンスジェネレーションとベストウイッシュ以外の作品ですべてゲスト出てるがほとんどツンデレキャラではない(ただし、無印時代の頃はそもそもツンデレキャラを売りにしていなかった)。また、劇場版で13作目と18作目に出演し、どちらも幻のポケモンを演じた。テレビアニメ以外にも、ポケダンのPVとポケモンジェネレーションズにも出演している。
- 山寺宏一:めいけんチーズや劇場版のゲスト声優でお馴染みの彼は、アニメでは無印編でカモネギ、XY本編と特別編でルイ、サン&ムーン編でディアを演じた。
- 島田敏:さくら友蔵の3代目やヘムヘムの2代目に抜擢され40年以上も活躍しているベテラン声優だがアニメでは無印でアニメオリジナルのゲストキャラで出ただけであり該当回は現在欠番である。
- 津田健次郎:アニメ遊☆戯☆王の海馬瀬人役でブレイクして以降、様々なアニメで主要キャラ、二番手、悪役として出演している。アニポケではXYでアニメオリジナルキャラを1回演じたのみだが、劇場版でリーダーザルード、ポケモンジェネレーションズでアカギを演じている。
- 村瀬歩:ハイキュー!!の日向翔陽役やムヒョとロージーの魔法律相談事務所の六氷透の週刊少年ジャンプ作品の主役を2作品担当し、他にも多くのアニメに出演しているがアニポケには1度も出演せずポケモンマスターズのミツル役とPokémonEvolutionsのジュン役を担当しているのみ。
- 早見沙織:賭ケグルイの蛇喰夢子役や俺ガイルの雪ノ下雪乃役など有名な声優だが、ポケットモンスターの関わりは現時点『DP』137話でのゲストキャラのみしか登場していない。
- 花江夏樹:鬼滅の刃の竈門炭治郎役やダイヤのAの小湊春市役などで有名な声優だがポケットモンスターへの関わりはアニポケどころかゲーム作品やWebアニメですら出演しておらずモンポケHPなどで展開されている絵本読み聞かせ音声を担当したのみである。
- 藤原啓治:惜しまれつつこの世を去ったベテラン声優だがアニポケではAGでマグマ団のボス「マツブサ」を演じたのみになっている。他にはジェネレーションズでハンサムをやっていた。
2021年現在、アニポケにまだ出ていない声優の出身都道府県は佐賀県と宮崎県。
アニメ『ポケットモンスター』は2007年から開かれている「声優アワード」第1回にてシナジー賞(作品枠の賞)を受賞している。しかしその受賞理由は、出演声優そのものではなくアニメ版ポケモン自体の評価が書かれており、ポケモンよりもディープなアニメファン(所謂オタク系統)からの反応は良くなかった。
とはいえ、(結果論も含まれているが)派生作品を含めた出演声優陣が新人・ベテラン・有名どころを含めて膨大な人数が参加していること、開始初期からレギュラー声優が多数の役をこなして演じていること(特に林原めぐみや三木眞一郎などは、ポケモンや人間・図鑑などの役を多数兼任している)、後の回にてその中に受賞者が出ていること(例:キッズ・ファミリー賞を受賞した大谷育江)から考えると、ポケモンが受賞したことも決して不自然では無かったりする。
もっともらしい理由を考えなかった運営側の責任もあるかもしれない。
関連タグ
原案 | 田尻智、増田順一(AG編〜)、杉森建(AG編〜) |
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放送局 | テレビ東京系列 |
主なアニポケスタッフ | OLM WIT_STUDIO 湯山邦彦 首藤剛志 岩根雅明 冨岡淳広 矢島哲生 富安大貴 米村正二 三間雅文 |
歴代主題歌等 | ポケモン関連曲一覧 |
pixivでのアニポケ関連企画 | アニポケ15周年記念絵 |
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