来歴
1964年生まれ。福岡県出身。
大学卒業後、職を転々としながら自主制作映画を手がけ、フィルムフェスティバルに参加。その後、柏原寛司のシナリオ講座で教えを受ける。
1994年、『冬の十姉妹』で新人シナリオコンクール・大伴昌司賞の第7回を受賞。 以後、主にアニメ脚本家として活動する。
2005年には特撮ドラマ『Sh15uya』の脚本を務めたことから、東映の白倉伸一郎プロデューサーに起用され、『仮面ライダー響鬼』以降の平成ライダーシリーズにかかわることになる。
作風・人物
キャラクターの作り方が極端なことで知られ、ゲストで脚本を担当する際には視聴者の印象に残るキャラクターの登場回を担当していることが多い(『それいけ!アンパンマン』のミントちゃん、『ハートキャッチプリキュア!』の番ケンジなど)
既存のキャラクターを立てる上では、印象的なフレーズや「愛すべきポイント」と感じた点を繰り返し強調する手法を用い、結果、名護啓介が妖怪ボタンむしりと化したり、後藤慎太郎が石頭になったり、アポロガイストが「お前にとって迷惑な存在」になったりしたのだ。
そのハメの外し方はキャラ崩壊に定評があると言われる井上敏樹にすら「キャラで遊ぶな」と(笑いながらに)怒られるほど。
『ポケットモンスターシリーズ』では長く脚本シフトに入っているだけあって常習犯と化しており、たまに暴走して
AG編では「ポケランティスサトシ(闇サトシ)」、
BW編では「デスマスデント(闇デント)」、「カミツレデント」、
XY編では「鏡サトシ」
といったものを世に送り出しては、視聴者に「またお前か」と言われている。
これに独特の言い回し、詩的な表現、説明の省略、土壇場での超展開といった作風が強く出ると、好みが分かれるところになる。
言葉についてのこだわりを評され、業界内では「ポエマー」と呼ばれている(白倉伸一郎の証言)。
このようにフリーダムな展開ばかりが注目されがちだが、本人や関係者の弁によると、会議の要望には柔軟に対応し、出た案はできるだけ多く取り込もうとするタイプらしい。
先述の『ポケットモンスター』にしろ真っ当なバトル回も数多く手がけており、初めて手掛けた脚本は感動回として評価が高い「イワークでビバーク」だったりする。キャラクター面でも正統派ライバルのヒロシ、マサムネや、正統派悪党のポケモンハンターJなどを生み出している。
特撮ファンに強烈な印象を与えたのが『仮面ライダーカブト』。主要キャラの大半がとんでもない性格だったり、謎の料理対決、終盤の急展開など、ライダー屈指の怪作として知られている。
『仮面ライダーディケイド』では、プロデューサーとの食い違いで降板した會川昇に代わってメインライターを任される。が、白倉からの要望に対応しすぎて「夏未完」の片棒を担いでしまったこともあった。
『カブト』では天道総司、『ディケイド』では門矢士と、偶然にも俺様系ライダーのメインライターを担当したが、本人は「組織の中で動く人間は描いていて面白い」「自由奔放という人は難しい」と語っていたこともある(『カブト』のころ)。
映画では『スーパーヒーロー大戦』など春公開のオールスター映画を任されることが多かった。同シリーズはスケジュールに相当な無茶があり、白倉の要望に応えられる脚本家が限られていたため米村に白羽の矢が立ったという。
ただ、登場人物が多すぎるが故にキャラクター像の崩壊や時系列のズレなど矛盾点や問題点も数多く存在しており、そこを指摘されることもある。
やなせたかしが認めた脚本家として毎年アンパンマン映画を担当し、ライダーとアンパンマン映画を抑えている。全国の子供たちは高確率で米村脚本の洗礼を受けることになる。
映像作品の他には、『フィギュア17 つばさ&ヒカル』のノベライズや、『ディケイド』舞台用脚本なども手がけている。
参加作品
テレビアニメ
シリーズ構成
『モンスターファーム』1999-2000年
『フィギュア17 つばさ&ヒカル』2001-2002年
『無人惑星サヴァイヴ』2003-2004年
『ガラスの艦隊』2006年
『スティッチ!』2008-2009年 - 「よねむらしょうじ」名義/柿原優子と連名
『ねぎぼうずのあさたろう』2008-2009年
『グイン・サーガ』2009年
『怪談レストラン』2009-2010年
『スマイルプリキュア!』2012-2013年
『ONEPIECE』2017年
『ポケットモンスター』2019-年(正確には「シリーズコンストラクション」)
『波よ聞いてくれ』2020年
『SHAMAN KING』2021年
『フットサルボーイズ!!!!!』2022年
『シャーマンキングFLOWERS』2024年
『ホテル・インヒューマンズ』2025年
『ばっどがーる』時期未定
テレビスペシャル
『ルパン三世 ハリマオの財宝を追え!!』1995年 - 藤田伸三、柏原寛司と連名
『ルパン三世 ワルサーP38』1997年
『ルパン三世 EPISODE:0 ファーストコンタクト』2002年
脚本
『それいけ!アンパンマン』1988-年
- 「ポケットモンスター」1998-2002年
- 「アドバンスジェネレーション」2002-2006年
- 「ダイヤモンド&パール」2006-2010年
- 「ベストウイッシュ」2010-2013年
- 「XY」2013-2016年
- 「サン&ムーン」2016-2019年
『コロッケ!』2003-2005年
『DEATH NOTE』2006-2007年
- 第1期 2009-2013年
- 第2期 2014-2016年
- 第3期 2018-2019年
『デジモンクロスウォーズ』2010-2012年
『ハートキャッチプリキュア!』2010年
『スイートプリキュア♪』2011年
『ダンボール戦機』2011-2013年
『HUNTER×HUNTER』2012年
『ドキドキ!プリキュア』2013年
『うしおととら』2015-2016年
『タイガーマスクW』2016-2017年
『遊☆戯☆王VRAINS』2017-2019年
『からくりサーカス』2018-2019年
『おしりたんてい』2020年
『無能なナナ』2020年
『ニンジャラ』2022年
劇場用アニメ
『それいけ!アンパンマン 空とぶ絵本とガラスの靴』1996年
『それいけ!アンパンマン 虹のピラミッド』1997年
『それいけ!アンパンマン アンパンマンとおかしな仲間』1998年 - 『てのひらを太陽に』の同時上映
『それいけ!アンパンマン 勇気の花がひらくとき』1999年
『それいけ!アンパンマン ゴミラの星』2001年
『それいけ!アンパンマン ロールとローラうきぐも城のひみつ』2002年
『それいけ!アンパンマン つきことしらたま ~ときめきダンシング~』2004年 - 『夢猫の国のニャニイ』の同時上映
『それいけ!アンパンマン ハピーの大冒険』2005年
『それいけ!アンパンマン 妖精リンリンのひみつ』2008年
『それいけ!アンパンマン リズムでてあそび アンパンマンとふしぎなパラソル』2012年 - 『よみがえれバナナ島』の同時上映
『やなせたかしシアター』「アンパンマンが生まれた日」2012年
『映画 スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!』2012年
『劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影』2013年
『それいけ!アンパンマン りんごぼうやとみんなの願い』2014年
『それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』2016年
『それいけ!アンパンマン ブルブルの宝探し大冒険!』2017年
『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』2017年
『劇場版 FAIRY TAIL -DRAGON CRY-』2017年
『映画プリキュアスーパースターズ!』2018年
『それいけ!アンパンマン きらめけ!アイスの国のバニラ姫』2019年
『それいけ!アンパンマン ロボリィとぽかぽかプレゼント』2023年
『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』2024年
特撮
メインライター
『Sh15uya』2005年
『仮面ライダーカブト』2006-2007年
『仮面ライダーディケイド』2009年 - 中盤以降
『仮面ライダーG』2009年
脚本
『仮面ライダー響鬼』2005-2006年 - 第38,39話
『仮面ライダー電王』2007-2008年 - 第11,12,15,16話
『仮面ライダーキバ』2008-2009年 - 第17,18話
『仮面ライダーOOO』2010-2011年 - 第11,12,27,28話
映画
『HINOKIO』2005年 - 秋山貴彦、末谷真澄と連名
『劇場版 仮面ライダーカブト GOD_SPEED_LOVE』2006年
『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』2009年
『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』2009年 - 『仮面ライダーディケイド 完結編』
『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ』2010年
『怪談レストラン』2010年
『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』2011年
『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』2012年
『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』2013年
『極道の妻たちNeo』2013年
『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』2014年
『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』2015年
『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』2017年
その他
関連タグ
富田祐弘 :そのサービス精神や暴走性が似ている。2004年のアニメ『アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル』などで一緒に仕事をしたこともある