CV:大谷育江
概要
どこから来たのか、完成したばかりのロケット団の秘密基地(ムサシたちが作ったもの)にやってきた極悪トゲピー。
普段は猫かぶりをしているが、実際は本来のトゲピーとは思えないほど目つきや性格が悪い。
ロケット団の食糧を勝手に食べまくったり、何度もサトシたちやロケット団を落とし穴に誘導したりし、そういったいたずらが成功する度に裏でしてやったり顔をして喜ぶ非常に問題のある性格の持ち主である。
使用技は「かえんほうしゃ」・「サイコキネシス」・「メロメロ」・「みがわり」。過去にトレーナーがいたと考えてもおかしくないほど何かがおかしい(ちなみにこの技の構築は、すべてわざマシンで覚えるのでゲームでも再現可能)。
おまえみたいな女の子がいてたまるか!
ストーリーの流れ(ネタバレ注意)
ロケット団やサトシたちは最初はこのトゲピーの本性に気付かず、猫をかぶったこのトゲピーに騙されて、別の悪いトゲピーがいると思い込んでいた。
ロケット団は大事な宝物(ムサシのポケモンコンテスト用ステージ衣装、コジロウのジュースの王冠、ニャースのサカキ様人形)をトゲピーによって台無しにされたことで割と早くに気がついたのだが、サトシたちは…
- 牢屋に閉じ込められる
- トゲピーが現れ、サトシたちを牢屋から出す
- トゲピーがエレベーターに案内する
- 降りたところに落とし穴があり、牢屋に落ちる
- 1.に戻る
…とこれを3回繰り返したことでようやく気がついた。無限ループって怖くね?
というよりそもそもサトシたちはその前にもロケット団に騙され落とし穴に落ち牢屋に閉じ込められたので、実質このエピソード内で4回も騙されたことになる。
騙す方が悪いが、2回以上騙される方は恥ずかしい。
ポケモンに詳しいタケシがいたから4回でトゲピーのトリックを見破れたともいえる。
そしてこのあとトゲピーは、メロメロを受けて洗脳状態になったピカチュウ・ポッチャマ・グレッグル・ニャースを従えなんと秘密基地を宇宙へと飛ばしてしまう(こればっかりは基地にそんな機能をつけたロケット団もどうかと思うが…)。もはやなんでもアリ。
その後基地は本当に宇宙まで行ってしまい、地球に戻る際壁に穴があくアクシデントなどがあったものの、緊急事態ゆえに協力したサトシ達とロケット団によって無事生還する(当然基地はコナゴナ)。
結局最初から最後まで超展開で、ギャグ回がとことんカオスな『ダイヤモンド&パール』の中でも屈指のカオスさを誇るこの回は、トゲピー自身のインパクトの強さも相まって、このシリーズを代表するギャグ回の一つとなってしまった…。
備考
パロディについて
本作はDP屈指のパロディ回である。確認できる範囲では次の通り。
- 基地に彫られたロケット団の顔:普通に考えればアメリカにあるラシュモア山なのだろうが、当時は木曜日に放映されていた為、同じテレ東系のアニメである『NARUTO』の火影岩のパロディという線もあり得る。
- ロケット発進時の船内の様子:『宇宙戦艦ヤマト』のパロディ。
- 操縦席でのコジロウのポーズ:『新世紀エヴァンゲリオン』の碇ゲンドウ。
- トゲピー型のキノコ雲:『ヤッターマン』のドロンボーのメカが爆発する際の雲。
その他
- この一連の珍事件の際、唯一トゲピーの暴走を阻止できたのはタケシのピンプクだけであり、(幼)女の戦いを繰り広げるも、地球に還ってきた後、トゲピーはピンプクとの決着をお預けにして去っていった。え?また来んの?
- ロケットを作った理由は「予算が余ったから」、「ロケット団だから一度はロケットに乗ってみたかった」、「ロケットこそロマン」というなんともしょうもない理由で特に実用性とかはない。しかもコジロウはロケットを買ってもらって遊んだ事があるというとんでもない過去を明かしている。
余談
- メロメロがポケモンに作用した場合、通常は目がハート状になるのだが、このトゲピーのメロメロにかかったピカチュウ達は目が一瞬ハート状になった後にレイプ目状態と変わっており、通常のメロメロ描写との差別化がなされている。
- この回にてムサシのメガヤンマが♀だと判明しており、ムサシも「アンタ雌!?」と驚いた様子であった。
- このトゲピーを最初から疑わないのか?と思う人もいるかもしれないが、ヒカリ以外のトレーナーは過去に善良なトゲピー(しかも成長を見守ってきた)と面識があるせいかもしれない。
- 漫画『ポケットモンスターSPECIAL』の金銀編おまけ漫画で、主人公ゴールドの持つタマゴから産まれたトゲピーがこのトゲピーと酷似しており(時系列的にはこちらが先だが)、暴れん坊だったりギャンブルを覚えていたりとやはり悪い印象だった。
- なお、トゲピー自体様々なメディアで『ゆびをふるを無自覚に連発するトラブルメーカーだが自身は基本無傷で赤ん坊故に気付かれないかお咎めなし』というキャラとして扱われている事が多く、ポケスペやアニポケのこの回はそのイメージを逆手に取った『もしトゲピーが技の効果を自覚して意識的に指を振っていたら』という妄想を形にした物と言える(なお、この回のトゲピーは『ゆびをふる』を覚えていない)。
- この回の脚本を担当したポケモン脚本家の米村正二は、『ポケットモンスター(無印)』187話「ヒメグマのひみつ!」でも性格が最悪のヒメグマを登場させている。ちなみにかの伝説のメイドカフェ回も彼の脚本である。恐ろしや。
- この回で大気圏の摩擦熱から身を守るためにミミロルの「れいとうビーム」で機内から冷却する、ポッチャマの「バブルこうせん」とハヤシガメの「エナジーボール」の爆発をスラスター代わりにするなどロケットから生還する方法というのが話のバカバカしさに反して妙にガチっぽかったりする。
- この回の前後が、前回がジュンの父親であるクロツグ登場回、次回がカズナリ&コトネ登場回だったりする。
- 記事作成日(2010年01月19日)から約2年、この記事の閲覧数が2012年3月下旬頃に急増し始め、ピクペディアのランキング(ウィークリー・~4月2日)にてまさかのトップ10入りを果たす。
- この回が視聴率が8.0%と前後の回(大体6.4前後)と比べて2%近くと高く、DPで8%台を出した最後の回でもある。その為か、YouTubeのポケモン公式チャンネルの『アニポケセレクション』にてこの回がピックアップされた。
- ネタ回にもかかわらず、上記記載の宇宙に行った時に何故かレックウザが出てきた。何気にネタ回なのに伝説のポケモンが出てくるのは視聴者も驚いたのではないだろうか(しかもこの数年後にこのレックウザ自体ネタにすらならない程の魔改造を行われている)。因みに劇場版や偽物を除けばこの回がレックウザアニポケ初登場回である。良いのかそれで。
関連イラスト(カオス注意)
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ポケモン トゲピー ポケットモンスター(アニポケ) ダイヤモンド&パール
カオス 公式が病気 まさに外道 白い悪魔 不良娘 米村正二 ポケモンは怖い生き物です!
ゆびをふる:ある意味全ての元凶
カスミのトゲピー…アニポケを代表するもう一匹のトゲピー。
おどるポケモンひみつ基地…騒動の舞台が完成したばかりのロケット団の秘密基地、基地崩壊エンドなどのノリが142話とどことなく似ている。
ミュウ…サトシとその仲間を危うく殺しかけたポケモンの代表格。こちらに至っては劇場版(リメイク作も含めて)において、何と4回もサトシを殺しかけている。
シェイミ…DP編においてサトシに迷惑を掛けた、見かけが可愛いポケモン繋がり。
ともっこ…当初は主人公一行に素性を気付かれなかった悪意を持つと思われるポケモン。彼らは善のポケモンで別の悪いポケモンがいると人々に思い込ませていた点も共通している。一応、彼らはこのトゲピーと違って最終的に主人公に倒される。
今里光…本作から10年後に放送された特撮ヒーロー番組において、本件のトゲピーと同様の悪事を働いた人物。こちらに至っては本当に人が死んでしまうという事態を招いたうえ(その後、復活した被害者は当然激怒し、怪獣を連れて報復に来た)、更にはこちらも主人公を危険な目に遭わせているなど、本件のトゲピー並みに悪質なキャラである(もっとも、こちらは最終的に明確な制裁を受けたが)。