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「ごめんね。私は魔女教、大罪司教『憤怒』担当

――シリウス・ロマネコンティと申します」


「ああ、心を震わす忌まわしき『憤怒』! 怒り、即ち激しい感情! 激情こそが人の心に根付く大罪であるのなら、切っても切り離せない宿業であるのなら、喜びで心を満たすべきなのです! 今このとき、皆の心が一つになっているように!」

「――ああ、優しい世界!」


プロフィール

性別女性?
名前の由来おおいぬ座α星シリウス(Sirius)
能力『憤怒』の魔女因子



概要


魔女教大罪司教『憤怒』担当。

頭部を左目を除いて包帯で乱雑に覆い…というか全身を覆っており、サイズの合っていない魔女教徒の黒いコートを羽織り、両腕には長く歪な鎖を縛り付けフック状の先端を常に地面に引きずっている。
機械的な、自然の発声ではないもののような聞こえ方がする高めの声をしているという。
「怪人」としか呼びようのない異様な風貌をした人物。

一見した様子では性別の判別が難しく、スバルからは華奢な身体つきや話し方、仕草を見て恐らくは女性なのではないかと推測されている。
(後に書籍版で公開されたデザインを見るに、まず間違いなく女性)


第4章にて、エミリアとの契約を解除したパック
契約解除に伴い、その莫大な力を抑えるための結晶石は損壊。パックは自らの暴走を防ぐため、半永久的な休眠状態となってしまった。
彼を再び起こすためには、彼の力に耐えうる結晶石の元となる「無色の魔鉱石」が必要となる。

そこで、アナスタシア陣営から『水門都市プリステラ』にその魔鉱石があるという情報を掴み、プリステラを訪れたスバル一行。
風光明媚なこの都市で、突如としてこの包帯まみれの怪人が現れた。

この怪人の登場を皮切りに、第5章『歴史を刻む星々』編が、本格的に幕を開けるのであった…。


人物

その異様な見た目と担当する大罪とは裏腹に、喋り方や振る舞い方は完全に変質者だったペテルギウスと比べてだいぶ理性的。
「魔女教の中でも大人しい方」として有名であり、物腰も柔らかく丁寧で、むしろ好意的にすら感じられる。

「世界に『憤怒』など必要ない」と主張し、喜びや楽しさでこそ心を満たすべきだと考えている。
他者のことを想い、認め合い、そして互いに想いを共有する「皆の心が一つとなった」『愛』に溢れた優しい世界を目指し、その実現を心から望む人格者である。

容姿も一見すれば不気味に思えるかもしれないが、よくよく見るとひょうきんとも思えなくもないし、こちらの世界でいう芸人やピエロと思ってみればさほど世間ズレもしていない。

『大罪司教』という物騒な肩書きを持ってはいるが、警戒すべき相手ではない、むしろ善良な部類と言える人物だろう。



























「…気持ち悪い」





正しい人物像


『愛』とはお互いに認め合い、想い合い、寄り添い、そして「一つになる」ことと主張しており、この世が他者への思いやりに溢れた「優しい世界」となるべきであると考えている。
本人もその主義に従い、相手に対しては物腰柔らかく丁寧に接し、「共感」する事を求めようとしてくる。


「分かり合うために言葉を尽くす、それもまた人間関係を結ぶ上での大切な儀式ですから。通じ合い、やがて心は解け合い、一つになる。愛は一つになること、同じになること、同じになるために努力すること」

「人と人は分かり合える、思い合い、通じ合うことができるのです。優しさに優しさを、慈しみに慈しみを、愛には愛を以て! そうすることにこそ、幸せがあるのです」


…表面だけ聞き取れば、温和で話が通じそうな人物。
しかしその実態は他の大罪司教の例に漏れず、倫理観も価値観もトチ狂った正真正銘の狂人である。

言ってることはかなりまともなのだが、彼女の言う「一つになる」とは、後述する権能を利用して文字通り無理やり一つにするという意味であり、他人の思いや感じ方の違いを全く尊重せず、一切受け入れようとしない異常なやり方である。
そして結局、最終的に行き着く先は大量虐殺であり、言ってることとやってることが全く一致していない。
それでいて本人は自分によって引き起こされた惨状を「お互いに相手を想い合う心が為した結果」と称して憚らず、自身のやってることは本気で正しい事だと思い込んでいるので始末に負えない。

話し方こそ理性的かつ穏やかで、友好的に接して来ようとはしてくるが、
このような歪んだ価値観がシリウス内で完結しているため、コミュニケーションを試みようとしても他人の意思が入り込む余地がない。
表面的な会話ができているようで意思の疎通は不可能なレベルである。


ペテルギウスの姓「ロマネコンティ」を名乗り、彼を「あなた」「夫」と呼ぶペテルギウスの自称嫁。
愛し合っていたとは彼女の弁だが、実際のところペテルギウスとは大罪司教同士という事以外何の関係もなく、肝心のペテルギウスからは特に何とも思われていない。
シリウス・ロマネコンティという名前も勝手に名乗っているだけである。

センシティブな作品


要は思い込みの強いストーカー

彼女が初登場した時点で既にペテルギウスはスバルに敗れ死亡しており、悲しみに暮れていたが、
悲しみながらもその間には彼の憑依先となる『指先』の腹を掻っ捌いて彼を探し回るという中に誰もいませんよ的な凶行に及んでいたのだから悍ましい。
それどころかペテルギウスの遺体の残骸を回収し、それを食べてまでいた。

基本的には落ち着いているのだが、この辺を突っ込まれると突然爆発し、言葉遣いも荒々しくなり『憤怒』の名に相応しい激昂っぷりを見せ、めちゃくちゃに暴れまわる。


「私とあの人は深く結ばれて、愛し合っている――ッ!!」

「私とあの人は深く愛し合っている! 律義で誠実なあの人は、自分が始めたことだからやめることなんてできないでいるだけだ! そのあの人の誠実さを、無辜の愛だと勘違いする淫売が多すぎる! ああ! あああ! 煩わしい!」

「どうしてお前たちは、そうまでして私の心を無遠慮に揺さぶる! 心震わす激しい感情、『憤怒』すなわち激情! 震えは熱になり、罪人を咎ごと焼き焦がす! お前もそうされたいのか、この独りよがりめがぁぁぁ!」


独占欲が強い典型的なヤンデレ気質であるためペテルギウスが執心していた信仰対象の魔女サテラに対しては、仮にも司教を名乗っていながら「クソ魔女」呼ばわりし、怨嗟骨髄に染み渡らんばかりの憎悪を向けている。
ちなみに愛しているとしきりに訴えてはいるがこちらの意に沿わない反応が返ってくれば「焼くぞ、お前ッ」とブチギレる。
スバル「もう、わけわっかんねぇよ、お前…」

サテラだけにとどまらず、サテラと同じ特徴をもつハーフエルフであるエミリアにも相当な憎悪を向けており「夫を誑かす売女、淫売」と口汚く罵る。
また精霊であるベアトリスに対してもペテルギウスと同じ存在であるためか、露骨な嫌悪感を示している。

ペテルギウス以外の事には全く関心がなく、彼女曰く魔女教に所属しているのも彼がいるから。
司教でありながら魔女教の活動内容も全く把握していないし、興味もない。


「互いに認め合う世界」を唱えている割には、周りが持つ価値観の違いを全く受け入れようともせず、そういった自分の意に反する者は「薄情者の利己主義者」呼ばわりし、結局容赦なく排除しにかかる
更には愛していると嘯く相手の悲願にすら何一つ理解も共感もしていない。
皆が分かり合い、一緒になる事こそ幸せなどと宣いながら、自身の独りよがりを押し付けるその本質は究極の排斥主義者であると言える。

戦闘能力


魔女因子の保有者で、『憤怒』の権能を行使する。

大罪司教の実力の殆どは権能を占めており、大抵は権能さえなければ本人達の戦闘能力は低い場合が多い。
が、シリウスはその中でも戦闘能力が純粋に高く、作者曰く大罪司教内で権能を抜きにした場合の実力比べでは「シリウス一択」とされる程の実力者。
実際にラインハルトからは「熟達した技能の持ち主」と評されており、劇中ではエミリアすら打ち倒し、プリシラとも肩を並べて戦うほどの活躍を見せた。

鎖でがんじがらめにした少年を片手で持ち上げたり、胴体に少女をくくりつけた状態で人間とは思えない程の動きを見せるなど、身体能力は相当に高い。

権能によるものかは不明だが凄まじい火力の火炎を扱う事も可能。あまりの熱量でなんならシリウス本人も焼き焦がしてしまうレベルである。
プリシラからは包帯でぐるぐる巻きの姿もそのせいなのではないかと訝しがられていた。

また相手の動きを完全に制止させる描写もあり、中々謎が多い。

戦闘では権能を常時展開させ、専ら炎を身に纏い腕に巻きつけた鎖による殴打を中心に戦う。
鎖は腕だけでなく体全体に巻いているようで、腕の鎖がなくなっても脚から鎖を出し、蹴りと同時に叩きつける技ももつ。
その横薙ぎは石造りの塔を一発で倒壊させるほど。

権能


「さあ、あなたたちも、愛に包まれ、一つになる喜びを知るのです――!」

  • 「感情の共有化」
文字通りシリウスやシリウスが指定した人物の感情を周りにいる人物にも共有させる。
例えばシリウスが大喜びしていれば周りにいる人間は殺される直前まで大喜びし続けるし、シリウスに恐怖している人物がいれば周りにいる人間もどんなに気を強く持っていようが無条件で恐怖する。

一種の洗脳のようなもので、初めはシリウスを警戒していたとしても彼女が友好的な態度を保っていればこちらも彼女を好意的に感じてしまう。
実際にスバルは彼女と初遭遇の際、記事冒頭のようにシリウスに対する警戒と敵意を失ってしまい、違和感を感じることもなく無抵抗に殺害されてしまった。

また共有化によって伝染した感情は共振するように増幅していく特性も持つ。

シリウスにAが恐怖する→その恐怖心をBが受ける→Aが元々の恐怖心に更にBの恐怖心を上乗せされる→Bの恐怖心にAの上乗せされた恐怖心が上乗せされる→Aが上乗せされた恐怖心にBの上乗せされた恐怖心が更に上乗せされる→Bの…

といった具合に感染して時間が進むほど症状が悪化していってしまう。これは悲しみだろうと怒りだろうと同じ。感染者の精神はやがて強制的な感情の奔流に耐えきれなくなり、最終的には発狂死という末路を迎えてしまう。

応用として、シリウスの相手に対する敵意を他の人物達に共有させ、傀儡として操ることも可能らしく、劇中では怒りによって暴徒と化した市民達をスバルにけしかけていた。
感染してしまう条件は不明で、発症に至るまでには個人差があるようだが少なくともラインハルトですら防ぎようがない模様。


感情を操作し、怒りや恐怖を感じるべき場面で感じさせず、いかに凄惨な行いだろうと己の意思次第で自由に実行させてしまう狂気的な有様から、作中では現実の「劇場型犯罪」になぞらえ、「劇場型悪意」と称された。

  • 「感覚の共有化」
シリウスやシリウスが指定した人物が受けた感覚を周りの人物にも共有させる。
例えば少年が高所から墜落死すれば周りにいた人物も全員墜落と同じダメージを受けて死亡するし、シリウスが真っ二つにされて死亡すれば周りの人間も全員真っ二つになって死亡する。
「感情の共有化」が洗脳ならば、こちらは洗魂とでも言うべき代物。
こちらも感染に個人差があるようだが、
ただ存在しているだけでも厄介な存在なのに、何も考えず仕留めてしまえば全員同じ末路を辿ることになってしまうという非常に意地の悪い能力。
一重に彼女を仕留められなかったのもこの権能によるところが大きい。


この『憤怒』の権能は範囲型攻撃のようであり、適用範囲に入った者は自動的に感染してしまう。ただし自身の意思で特定の人物を範囲外に除外することも可能。
彼女はこの権能によってもたらされた地獄のような光景を「皆の心が一つとなった」と表現している。








「薄情者の利己主義者が! 他人に共感できない自分を正当化するな! 人と繋がれないお前が欠陥品なだけで、分かり合い、溶け合うことが人の本分なんだよ!」

「愛は一つになることだ――!」






スバル曰く「他人の感情を弄び、身勝手な愛を強要する怪人」。

余談

  • 検索での扱い

前述の通り「シリウス・ロマネコンティ」という名前は本人が名乗ってるだけのものなので、pixiv内の作品ではただ「シリウス」とタグがつけられている場合が多い。
しかし「シリウス」と検索してしまうと他の作品まで多数引っかかってしまうため、「シリウス リゼロ」「シリウス Re」などと検索することを推奨する。

  • 目の色
頭部で唯一確認できる左目は「紫紺の瞳」と称される色をしているらしい。
作中で紫紺の瞳を持つキャラといえばエミリアとエミリアの両親、他にフォルトナが登場しているが、果たして…
ちなみに銀髪である。
また少なくとも100年前から大罪司教をやってきているが、作者曰く「長生きだから」とのこと。

  • プリシラ関係
プリシラとの戦闘に際し、何を思ったか『アイリスと茨の王』、『ティレオスの薔薇騎士』、『マグリッツァの断頭台』と意味深な単語を発していた。
聞くやいなやプリシラは激昂していたが真相は不明。

  • ペテルギウス関係
歪んだ愛を見せるシリウスだが、その背景にはかつて「地獄から引き上げてくれた」過去がある模様。

「希望が人の手を引くのであれば、絶望が人の背を押すこともあるはずデス!」

  • 次回予告
書籍16巻では愛しのペテルギウスと一緒に次回予告を担当している。
シリウスは嬉しがっていたが、ペテルギウスの側はシリウスそっちのけで次回予告を推し進めており、「怠惰怠惰怠惰ァ!」だの「脳が震えるぅぅぅぅ!」だのとしゃべり倒し、勝手に去っていった。
この様子から察するにペテルギウスとは普段からまともに話をした事すらなかった模様。
更にお互いの台詞をよく見てみると、同じ作品に対して正反対ともいえる見方をしていることが分かる。共通の価値観がカップルの必須条件とまでは言わないが、いっそ不憫なくらい噛み合ってないコンビである。

「またお話しできませんでした……………ぐすん」


関連項目

Re:ゼロから始める異世界生活
魔女教 , 憤怒
ヤンデレ , ストーカー

ペテルギウス・ロマネコンティ - 彼女の夫…ならぬ、想い人
ナツキ・スバル - 移譲された『怠惰』の因子から、ペテルギウスだと勘違いする

エミリア(リゼロ) - 嫌いな人物その1(生前ペテルギウスが執着していたから)
ベアトリス(リゼロ) - 嫌いな人物その2(ペテルギウスと同じ精霊で、かつスバルと仲がいいから)

プリシラ・バーリエル - 劇中で激戦を繰り広げる

ミネルヴァ(リゼロ) - 過去の『憤怒』の適合者

活躍


※第5章の内容を含みます※





















初登場は第5章。
他の大罪司教達と共に『水門都市プリステラ』を強襲した。

大罪司教達は各々、福音書の記述に沿ってプリステラに侵入したが、
シリウスは福音書の内容が本格的に始動するまでの間、都市で自由に活動していた。

その際、「愛を確かめるため」などと言いながら権能を用いた大量虐殺を決行。
スバルもそれに巻き込まれてしまう形になった。

何度もシリウスに殺害される中でスバルはベアトリスエミリアを連れ、打倒シリウスに臨むが…


「臭う、感じる……女の臭い。薄汚くて忌々しい、私からあの人を奪う半魔の臭い。殺しても殺しても、蛆虫みたいに際限なく湧いてくる臭い汚物。冗談じゃない。憎たらしい。あれだけ焼いても、まだ足りないのか」

「私の! 夫への愛を試すか、精霊! 私から! 夫を奪っただけではまだ飽き足らないのか、半魔の売女!!」

「クソ半魔にクソ精霊、お前らを両方揃って焼き焦がして、夫の墓前にばら撒いてやる!!」


ありし日のペテルギウスが執心していたハーフエルフのエミリア、そして彼と同類の精霊であるベアトリスを見据えた瞬間、そのどす黒い妄念を爆発。特にエミリアに集中的に狙いを定め暴れ始める。

エミリアも相当な魔力の使い手ではあったが、本体性能においては大罪司教最強とされるシリウスの実力もかなりのもの。徐々に彼女を追い詰めていく。
とうとうエミリアを打ち倒し、灰燼に還そうとした次の瞬間、颯爽と『強欲』担当の大罪司教レグルス・コルニアスが登場。未遂に終わる。

エミリアを花嫁にしようとする彼にも躊躇なく攻撃するが、彼の『無敵』の前には全くもって無力。
憎々しい展開に歯噛みするも、ここでスバルもレグルスに反撃。
ペテルギウスを打倒した事で手に入れた『怠惰』の権能、『インビジブル・プロヴィデンス』を行使し、なんとかエミリアを奪還しようとするが叶わず。

両者にとってなんとも悩ましい状況となっていくが…



「見つけた。見つけた。見つけた。見つけた。ああ、あああ! ああああ! そう、やっぱりそうでした! ごめんね、気付かなくてごめんね? ごめんね? ああ、良かった。そうですよね。やっぱりあなたは、帰ってきてくれたんですね!?」

「ずぅっとあなただけを待っていました……愛しい愛しい、ペテルギウス!



なんとシリウスは『怠惰』の権能を行使したスバルをペテルギウス本人だと思い込んでしまった。

久々の再会を喜ぶシリウスだったが、このタイミングで福音書に内容が追加。記述された行動を優先させるため、惜しみながらも「必ず取り戻す」との言葉をスバルにかけ、その場を去るのだった。








一悶着後、魔女教はプリステラの制御塔を占拠。都市の人々に要求を突き立てた。

水門都市プリステラは大河を挟んだ位置に存在する、運河を主要とした巨大都市。四つの水路があり、東西南北それぞれに「制御塔」が存在する。
つまり彼らの要求に沿えなかった場合、都市が水の底に沈むこととなる。

要求された物品は『叡智の書』、『人工精霊』『銀髪のハーフエルフ』
その中でも『叡智の書』を要求したシリウスは占拠した北の制御塔で目的のものを待ちつつ、自らの『憤怒』の権能を都市中に展開した。

ただでさえ極限状態に陥り大パニックとなった都市で『憤怒』が広がるとどうなるか…
避難所では恐怖と焦りに駆られた人々の激情が次々と伝播し、ちょっとした苛立ちから始まり、やがてはお互いに傷つけ合い、果ては殺し合いにまで発展するという阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられていた。

しかし侵食していく『憤怒』の逆手を取り、スバルは咄嗟に都市中へ演説を試みた。
お世辞にも頼れそうとも言えない、弱々しい演説。だがそんなごく普通の一少年であるスバルの決起は、大衆の感情を確かに掴み、奮い立たせることに成功した。

取り敢えずは市民の暴動を抑えることに成功したスバル一行。
いよいよ大罪司教たちから制御塔奪還へ向けて本格的に行動を開始することになる。




『色欲』『暴食』『強欲』にそれぞれ攻略人員が選出される中、
『憤怒』攻略を名乗り出たのは、プリシラ・バーリエルであった。

しかし、いくらプリシラが実力者であるとはいえ『憤怒』の侵食に耐性があるわけではなく、単独生身で行くには無謀。
そこで彼女は何を思ったか、プリステラで出会った流浪の吟遊詩人、『歌姫』ことリリアナ・マスカレードを従者として指名。もちろん戦闘員としての能力は皆無だが、彼女は確信をもってシリウスの元へと進撃した。


そして制御塔の一角にてシリウスとの邂逅。
シリウスは「街灯がつかないから夜間は危険だと思って」などと言いながら制御塔を煌々と燃え盛らさせていた。
更にその場にいた1000人近い大勢の市民を『憤怒』によって操っており、プリシラとリリアナにも同じように「一つになる喜び」を伝えるべく迎え撃った。

プリシラは自身の「陽剣」による火炎で包囲陣を敷き市民を遠ざけ、シリウスとタイマンを張るようにして戦闘を開始する。
両者の実力は互角に近く拮抗していたが、シリウスは戦闘中も『憤怒』を絶えず展開させていた。
このまま仮にプリシラが激情に身を任せた勢いでシリウスを殺害してしまった場合、リリアナ含む大勢の市民も全滅という最悪の状況を招いてしまう。
要は大勢の無辜の人々を人質に取られた状態であり、やがて劣勢に追い込まれるのも時間の問題だった。

そこでプリシラが考えた『憤怒』への打開策―――
それは『歌姫』とも評されるリリアナの歌の力で、人々の洗脳を上書きする、というものだった。

魔女教に対する恐怖と怒りと悲しみに呑まれてしまった市民に対して、「『憤怒』の発信源である自分が幸せになれば皆も幸せになれる」などと悍ましい理論を並べ立てるシリウスの妨害を凌ぎ、
大勢の市民が集まる戦いの中心、制御塔の頂上へなんとか登り、
そしてリリアナは歌を―――彼女が吟遊詩人として生きてきた中で生み出した歌『朝焼けを追い越す空』を歌い上げる。

自身を『歌姫』としてくれたプリステラを救いたい、そんな彼女の強い想いが促したのか、
ここでリリアナにどんなに遠く離れていても想いを伝わらせる、『伝心の加護』が開花。
歌に心を動かされた市民は『憤怒』から完全に解放されることになった。


「お前もあの娘もいちいち煩わしい! 私とあの娘で何が違う! 手段は違えどもその本質は同じ! 一つのもので通じ合う、その証明でしかないだろうが!」

「その耳障りな歌をやめろ――ッ! 私とあの人の『憤怒』を、身勝手に否定なんてするんじゃぁない――ッ!」


しかし、この期に及んで今まで隠していた自身の体に括り付けた少女を人質として見せつけ、尚もプリシラと切り結ぶシリウスだったが、
やがてプリシラに追い詰められ「焼きたいモノを焼き、斬りたいモノを斬る」とされる陽剣の前に、
人質にもプリシラにも何の影響も与えることができず、敗れることとなった。






その後、何とか魔女教を退けたスバル達。
『強欲』はスバル、エミリアラインハルトによって討伐。『色欲』と『暴食』は撤退。
そして『憤怒』は…


なんとプリシラによって生捕にされていた。


彼女が話すところによると、生かすつもりは別になかったが、結果的に生きていたので捕まえたとのこと。
彼女の騎士であるアルデバランによれば、全力でやり合った結果らしい。中々に切迫した戦いだったようである。

相手は未知なる脅威、魔女教のそれも大罪司教。
早々に始末するべきだという意見も出る中で、
スバルは『色欲』によって姿を変えられた人々、そして彼にとっても因縁深い『暴食』によって存在を喰われた人々を救うためにシリウスと接触、情報を何か聞き出すことはできないかと考えた。

シリウスは彼をペテルギウスの憑依先である『指先』かなにかだと勘違いしているため、当初は上手くいくかのように思えたが、意思疎通すらままならない彼女との会話は終始平行線。
さらに彼女は仮にも司教でありながら魔女教の目的には全くもって無関心。さして有益な情報は得られなかった。

しかし、彼女の口から今まで謎に包まれていた『暴食』の実態―――
「美食家」「悪食」、そして「飽食」
その3人で成り立っていることが明かされる。

スバルはペテルギウスとは違う存在だと主張しているにも関わらず、「憑依先にした肉体に精神が飲まれてるだけ」と超ポジティブに捉え、彼に『暴食』に気をつけるよう忠告した。


「仮宿のつもりの肉体に、精神に食まれて、身動きできなくなるなんて……あなたは本当に、私がいなくてはダメな人なんですから」

「ペテルギウスはあなたの中にいる。精神と精神が溶け合い、肉体と肉体が混ざり合い、そうして愛しいあの人が表出するのに時間がかかる。私のするべきことは、それを手伝うこと。あの人の目覚めを、傍で見届けること」


「あなたの中から、あの人を引きずり出す。――ありがと、ごめんね? その日まできっと、体と心を大事にしていてくださいね」





シリウスはこのままラインハルトによって帝都へと輸送され、魔女教の情報を聞き出すため拷問を受ける事となった。

その後の展開は未だ不明である。

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