現実に存在する宗教運動については「ウイッカ」を参照。
概要
400年前に封印されたとされる大災厄、『嫉妬の魔女』サテラを信仰する謎の集団。
目的のためには手段を選ばず、各地で神出鬼没に犯罪行為を繰り返し、各国から危険視されている。
どれくらい危険視されているかというと魔女教徒を見つけたら即座に殺せというのが常識になっているほど。活動の際、一般教徒はKKKの服を黒にしたような服装をしている。
一般教徒達は意思らしいものを持っている様子がなく、常に無言かつ無機質に淡々と行動している。
指令が下るまでは一般人同様の振る舞いをしているらしく、普段は日常に身を潜めている様子。彼らが神出鬼没なのはこの辺りが理由の一つでもある。
この事から、意思が希薄なのは日常生活を送る上で素性が割れないよう、活動中は意識に何らかの干渉がかけられている可能性が高い。
目的は「魔女サテラ」の復活。
…とされているが、実際のところは不明。というのも、彼らの中にはサテラに興味がないどころか憎んでいる者までおり、宗教団体として機能してるかどうかすらも怪しい。
最も積極的に活動している幹部の一人が復活を声高に叫んでいるため、そう伝わっているだけである。
主に行った活動として魔女ゆかりの品の収集等が挙げられるが、それがサテラ復活にどんな意味があるのか不明。
「福音書」と呼ばれる黒い装丁の本を経典のようなものとして扱っている。
福音書は一種の予言書のようなものらしく、ある日突然資質ある者のところにこれが届けられる。
所有者の未来を、「福音書」に逆らう方が怖いというほど的確に提示するらしい。またそのことが魔女教徒が増える理由の一端でもある。
「中身を読んでしまうと敬虔な魔女教徒に早変わりする」という噂が広まっているため、ある意味魔女教徒より恐れられる書物である。
共通意志を持たない無法集団である魔女教徒や大罪司教でも「福音書」には最優先に従う為、実質の所「福音書」に従う集団組織である事がわかる。
魔女教はキリスト教の七つの大罪の要素が密接に関わっている。
それだけでなく「虚飾」「憂鬱」についても話題に出ている。これについては七つの大罪の原型となった八つの枢要罪を参照。
魔女教の古い教義には『頬を打たれたなら、反対の頬を差し出して、その上で理由を問いなさい』という、こちらの世界でも有名なイエス・キリストの言葉が残されている。
また、後述する幹部達には何故か異世界(地球)との何らかの関連性を匂わせるような名前、異能を持ち合わせている。
大罪司教
かつて嫉妬の魔女に飲み込まれた魔女たちが背負った『大罪』を「担当」する魔女教の幹部。
選出基準は「魔女因子」が適合するかどうか。
定員は「嫉妬」を除いた六名で、取り込んだ魔女因子によって通常の魔法や加護とは異なる理屈の「権能」を振るう。
代替わりなども行われているようで、『怠惰』を除いて初期の頃のメンツとは変わっている上、初代を除いて大罪司教が同時期に全員揃ったことはない模様。
世間的には『怠惰』と『強欲』が最もよく知られている。
『怠惰』は魔女教絡みの活動にはほぼ彼が関わっていることから、『強欲』は活動履歴こそ少ないが、起こした事件の規模の凄まじさから有名である。
逆に、それ以外の大罪司教の存在はあまり知れ渡っていない。
(つまり遭遇した者の殆どが消息を絶っているということである)
全員それぞれベクトルは違うものの、人間の持つ「身勝手さ」をありえないレベルにまで肥大化させた残虐極まりない精神性の持ち主であり、常識は一切通用しないどうしようもないくらいのクズ揃い。
しかもあろうことか全員が「自分(だけ)は常識人だ」という認識をしているらしく、自分が悪い、間違っているなどとは欠片ほども考えていない。
他の大罪司教のことを「非常識な連中」「死ねばいいのに」と感じて侮蔑できる感性をもっているのに我が身を振り返れないあたり、本当に救いようがない。
その自己中心的な振る舞いと独善ぶりはもはやコミュニケーションすらまともに成立しないレベルであり、決して分かり合えない人物達である事が強調されている。
それぞれが協調性皆無な性格である故に、当然お互いに仲間意識は一切無い。
しかし、彼らは自身の「福音書」には忠実に従っているため、たまたま行動を共にする事もままあり、その気になれば(結果的に)一応は統率のとれた活動を行える模様。
が、逆を言えばそれ以外の時は顔を合わせた時点で喧嘩し始め、勝手に殺し合いをおっ始めるレベルであり、仲が悪いなんてもんじゃない。
作者曰くリゼロの世界に登場するキャラクター達にはそれぞれなんらかの設定が組み込まれており、捨てキャラなど一人もいないとのことだが、こと大罪司教に限ればそんなバックストーリーなんぞ「何もない」単なるろくでなしとして創作されたキャラクターであると語られている。
一方、極例とはいえ、人間であるならば誰でも少なからず持っている「自分の醜さ」の延長線上である為、真正の邪悪と言い切れる連中でありながら、どこか自分にも通じるものがある…、そんな「気持ち悪さ」を感じさせるようなコンセプトとしても描かれている。
また、彼らの名前はなぜか地球から見える星の名がつけられている。
◆物語開始時点での大罪司教◆
- 『怠惰』担当ペテルギウス・ロマネコンティ
CV:松岡禎丞
『怠惰』の権能「見えざる手」を持ち、百本以上の不可視の魔手を操る事ができる邪精霊。
さらに自身の特性上、特定の人物の身体を乗っ取る事もできる。
大罪司教の中では最も積極的に活動しており、「勤勉」を免罪符に人々の命を蹂躙し、魔女への盲目的な愛を騙る狂信者。
しかしながら、作者曰く相互コミュニケーションが取れるという意味では大罪司教の中で一番マシでまともな方らしく、実際、彼以外の人物とはまともな会話が成立しない。
- 『強欲』担当レグルス・コルニアス
CV:石田彰
『強欲』の権能「獅子の心臓」「小さな王」を持ち、ラインハルトですら傷つけられない「無敵」とすら称されるほどの戦闘力を発揮する事ができる青年。
攻撃力、防御力共に劇中トップクラスであるが、頭はあまり回らない。
他者への愛は存在せず、限りない自己愛で物事を片付けようとする自己中心的な凶人。
『怠惰』ほど積極的に活動してはないが、毎回凄まじい被害を出しているので世間的に有名である。
- 『暴食』担当ライ・バテンカイトス(上)/ロイ・アルファルド(中)/ルイ・アルネブ
CV:河西健吾(ライ、ロイ)
『暴食』の権能「食事」「蝕」を持ち、人の「記憶」や「名前」を"喰らう"事ができる三つ子で、3兄妹で1組であるイレギュラーな大罪司教。
「記憶」を食べられると記憶喪失状態となり、「名前」を食べられると周りから存在を忘れられる。それらの情報は大罪司教本人に還元され、獲物の能力を自らが行使できる。
それぞれ主義主張は異なるが、3人とも他者を己の腹を満たすための食材だとしか考えておらず、人々の思いや人生を侮辱する冒涜者。
ライは『美食家』、ロイは『悪食』、ルイは『飽食』と呼ばれている。
- 『憤怒』担当シリウス・ロマネコンティ
CV:安済知佳
『憤怒』の権能「洗魂」を持ち、感情や感覚を共有化し他者を洗脳する事ができる女性。
その他者の意識を弄ぶ凶悪な性質から「劇場型悪意」などと評される。
「認め合い、分かり合うことが真実の愛」と宣うが、実際は自分の価値観を無理矢理押し付けているだけの薄情者かつ利己主義者。
ぺテルギウスに偏執的かつ狂気的な愛情を抱いているが、彼からは熱心な信者としか思われていない。
- 『色欲』担当カペラ・エメラダ・ルグニカ
CV:悠木碧
『色欲』の権能を持ち、自身や他者を様々な姿に変身させる事ができる少女。
さらに自身の血液で他者の身体を蝕む事もできる。
自身の価値を高めるために平気で他人の尊厳を踏み躙り、自分以外の他者を徹底的に見下すことに悦楽を見出す尊大かつ残忍なサディスト。
なぜか数十年前に死んだルグニカ王家の王女の名を名乗っている。
- 『傲慢』担当
現在空席。魔女の臭いの濃さからナツキ・スバルが『傲慢』ではないかとぺテルギウスは思っていた。またシリウスはプリシラ・バーリエルがそうではないかと一瞬だけ疑っている。
◆物語開始以前の大罪司教◆
- 前『傲慢』担当ストライド・ヴォラキア
『傲慢』の権能を持ち、他者に様々な呪いをかける事ができる男性。
神聖ヴォラキア帝国の皇帝家の出身であり、この世の全てに憎悪を向けている破滅主義者。
EX3『剣鬼恋譚』に登場。
魔女
魔女教は「『嫉妬の魔女』サテラの復活」を目指す集団とされているが、過去には『嫉妬』のサテラ以外にも大罪を背負った存在があったという。
魔女教徒達がどこまで存在を把握しているかは不明だが、少なくとも活動内容としては全くの無関係ではない模様。
詳細は「大罪魔女」を参照。
ちなみに、魔女因子に適合した者達のことを過去では『魔女』と呼んでいただけで、現在の『大罪司教』とは本質的には同じものである。
どの道、どちらも世界に迷惑をかけているという点では似たようなものだが。
余談
- 『愛』の矛先
原作者はリゼロの裏テーマとして『愛』を挙げている。現に登場するキャラクター達は主人公であるナツキ・スバルを含め、何かしら『愛』を取り巻く因果を持ち合わせていることが多い。
それはこの危険集団、魔女教における大罪司教たちにも当て嵌まる。
実際、彼らも『愛』に対する価値観をそれぞれ持ち合わせている。
…が、お察しの通り全てがロクなものではない。
- アニメでは
人間的に全く魅力の無い大罪司教だが、アニメ版の声優が無駄にイケボ揃い。
他作品で主人公を務めているような声優が遠慮なしにキャスティングされているのである。
ちなみに、アニメでは尺の都合で彼らの長ったらしい妄言は所々省略されているが、担当声優の方々の凄まじい怪演によりカットされた分を補って余りある狂気を実現させている。
- 扱い
目的を果たすためなら手段を選ばない魔女教徒、特に自身の欲望に忠実に動き、他人の意思など全く頓着せず好き勝手に行動する大罪司教など、胸糞が悪くなるレベルの悪意を放つ魔女教だが、
ネット界隈ではその辺りがネタにされ、リゼロ関連で荒らしが出ると魔女教徒扱い、酷いのになると大罪司教扱いされていたりする。
大罪司教たちの言い分は一見正しく、それに共感してしまう自分は同じようなクズなのかも…と思うかもしれない。
が、彼らが言っているのは「突き詰めればそう言えないこともない」という反論が難しい極論であるため、誰しも少なからず当てはまるような事柄。まともに聞いたところで気分が悪くなるだけだと割り切ろう。
…そもそも、「クズなのかも」と自身を省みれるなら「自分の言うことは絶対に正しい」と信じ込んでいる大罪司教よりは明らかに上等であるため安心していい。
この作品に限らず現実の世界でも言える事だが、スバルがラインハルトにアドバイスしたようにクズをまともに相手にしてはいけない。
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ダイの大冒険- 原作者「鼠色猫」のお気に入り作品。作中にネタが多い。
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