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「…覚えておけ、ネズミ、前回の課題をすべてクリアして、はじめて"改良"という…!」


プロフィール

所属魔王軍妖魔士団(団長)
年齢890歳
一人称ワシ
二つ名妖魔司教
CV龍田直樹(1991年版)/岩田光央(2020年版)

概要

魔王軍妖魔士団団長を務める魔族の老人。

卑劣で狡猾な策士で、その計略をもって幾度かダイ一行を苦しめた。ダイたちに力添えをするクロコダインにとっては因縁深き人物。


戦闘シーンはあまりないものの、その魔力と呪文はハドラー以上とされている。

中盤からは実の息子であるザムザを助手に、超魔生物なるバイオ技術の研究に着手していた事も明かされ、その技術力は少なくない影響を及ぼしていく事になる。


武人としては詰めが甘い点が目立つものの、魔族かつ搦め手を得意とする妖魔師団の軍団長なだけあって、戦闘手段は非常に多芸。


人物像

見た目通りに語尾に「じゃ」をつけるなど老人風の喋り方で話し、「キィ~~ッヒッヒッヒッ!!」と悪役らしい笑い方をする。


ハドラーからは「魔王軍の中でも最も狡猾で最も残酷な頭脳の持ち主。油断もスキもない男」と知恵者として高く評価されていた。事実無名の子供でしかなかったダイの危険性をかなり早い段階で認識したり、好戦的なフレイザードがその実冷静な判断力を兼ね備えた人物だと認めているなど高い洞察力を持つ。


また、悪魔の目玉を各地に送り、監視や敵の弱点の分析などを行う情報収集を担当している。本作の悪魔の目玉は魔王軍全体の情報収集および通信連絡の役割を担う重要な存在だが、ザボエラは妖魔士団が悪魔の目玉を管理する立場を利用し敵味方問わず覗き見をしていた。

この覗き見は日常的にやっており(弱みを握っているとも言う)、バーンとハドラーの謁見すら覗き見している。


しかしその知謀に驕って、他人全てを見下し道具としか思っていないというのが、このザボエラという男の本質であり、その態度を周りに隠そうともしない。

現に息子であるザムザへ面と向かって「ワシの役に立たなければゴミ」と告げており、その息子からも「誰が死のうが一切悲しみを抱かない男」「自分を高く見せる事しか頭にない」と断じられていた。


それ故(元も含む)同じ魔王軍の構成員からも良い感情は持たれておらず、

  • 魔王六軍団長の恥さらし」(ヒュンケル
  • 人から人へ自分の成り上がりだけを目あてにうろつくドブネズミ」(ミストバーン
  • いずれハドラー様に災いをもたらすダニ。一刻も早く処刑するべき」(アルビナス
  • この世には本当に煮ても焼いても食えないヤツがいる」(クロコダイン)
  • 知力さえ高ければ良いというものでもないのだな」(ガンガディア

と散々な言われようであった。

「卑劣なり!妖魔司教の巻」というサブタイトルまで存在する。


そしてそんな他人を利用したり、都合が悪くなれば仲間を見捨てるコウモリ野郎な性格が災いし、次第に人望を無くして孤立するようになっていった。


戦闘力

身体能力は六軍団の中で最弱であるが、魔法使いとしては非常に優秀な能力を持っており、大魔王バーンに匹敵する力を得たハドラーの動きを不意打ちながら封じるなど、決して弱者ではない。

ハドラーも「魔王軍六大団長は最強のメンバーだった」と述べた際には(既にすっかり評価が凋落していた)彼も含めており、その実力を軽く見積もってはいなかった。

劇中ではノヴァの剣から逃げ続ける俊敏性とスタミナも窺える(逃げ方はギャグそのものだが)。


ただしノヴァから逃げ回っていたことからもわかるように、基本的には自分で戦おうとしない。まともに頑張れば充分強いくせに「自ら戦うなどバカのすること」と、安全な場所で手柄をとることしか考えないのである。

それなりに高い実力を持ちながら、他人を利用したくて気が済まないような性格を持っていたことが宿命と言えるだろう。


同じく「相手を罠にハメるのが得意」なキルバーンは本気で戦えば正面から戦っても無敵の強さを持てるのに相手をハメないと気がすまないことで罠の扱いに長けていたのとは、ある意味、対照的とも考えられる。


武器・魔法

  • 毒素

数百種類にも及ぶ毒素を体内に持ち、爪から相手に注入する。僅かにかすっただけでも効果がある。ポップを麻痺させた神経毒は複数の毒素を含んでいることからマトリフのキアリーでも簡単には治らなかった。レパートリーも豊富で、麻痺だけではなく「相手の意識を奪い意のままに操る」という代物まである。

特に後者の毒は満身創痍で逃げ出している途中に体内で精製したものであり、毒物の扱いにいかに長けているかがわかる。


相手を眠らせる香を放つアイテム。疲弊していたクロコダインやヒュンケル、レオナ姫には効果があったがポップには通用せず、彼の声を聴いたダイは自力で目を覚ました。


敵の息の根を止める即死呪文。本編中で死の呪文を使ったのはザボエラのみである。

死には至らせなかったが、ダイを助けようとしたバダックの足止めに成功した。


姿を変える変身呪文。ポップの不意を突くためマァムに変身したほか、部下のあくましんかんを自らの姿に変え、影武者として使っていた。マァムに化けた際は、事前にハドラーから聞いていたのかポップの恋心をくすぐる言動で油断を誘うなど中々の演者ぶりを見せている。


瞬間移動呪文。自身が行った事がある場所ならどこへでも行ける移動呪文。


飛翔呪文。魔法力を放出することで空中を自由自在に移動することができる。


爆裂呪文。名前は叫んでいないが魔法の球を岩山から露出させる際に使用している。何気に一度に八発のイオラを放つなどすごいことをしている。


閃熱呪文。極大閃熱呪文(ベギラゴン)を使うマトリフに対して発動した。


火炎呪文。体力を消耗したダイたちに使ったがあるモノに阻まれた。


  • 集束呪文(マホプラウス)

切り札。他者の呪文を受け、それを自分の呪文に上乗せして放つ呪文。

作中ではサタンパピーから10発近いメラゾーマを受けて集束し、それを自身のメラゾーマに上乗せして放った。設定上ではザボエラ自身が使える呪文なら全てに適用できる。


使用者のザボエラが他人に自分を押し上げさせる形でしか使わないことから「他人の力を利用する卑怯な呪文」と紹介されているが、原理的には味方だけでなく敵の呪文も受け止めることができる筈なので、マホカンタのような攻防一体の能力を持った呪文といえる。この集束に上限が有るのかは不明であるが、無いならばバーンのメラゾーマ(カイザーフェニックス)をも無効化出来る事になる。


よくミナデインと原理は同じと言われるが、実際のところは別物といってよい。

大きな違いとしてはミナデインは使用者以外はミナデインを唱える必要はないが、マホプラウスは他者から該当の呪文を撃ってもらう事が必要である事。


  • 拘束

右手から発するエネルギー波によって対象の動きを止める技。詳細は不明だがザボエラの能力から見て魔力を用いた技と思われる。バーンに匹敵する力を得たハドラーすらも自力では逃れられないなど強制力はかなり強い。

アニメ版では「ハドラーも動けないがワシも動けない」という説明がされている。


  • 魔法の玉

ハドラー軍が使っていた「魔法の筒」の発展系。

サイズ自体は筒より大きいが、玉一つに数十体ものモンスターを収納できる。

「デルパ」の掛け声で内部の魔物たちを開放するが、その際に爆発して壊れてしまうため使い捨てである。


  • 毒牙の鎖

毒牙の鎖

自身の猛毒を帯びさせた鎖付きの鏃。急所を外しても一かすりで死に至る毒性を持ち、対象に目掛けて投げれば光弾となって貫く。


超魔ゾンビ

ザボエラが最後に使用した最大の切り札。彼の理想である「自分の肉体は一切傷つかずに思い通り動かせてなおかつ一方的に敵をいたぶれる能力」。

詳細はリンク先を参照。


劇中の活躍

15年前

元は息子と人間界の辺境で暮らしていたらしく、ハドラーが魔王として活動していた当時は彼を顧客にしていた在野の研究者だった。

ハドラーからは『俺の部下になれば、世界の四分の一を与えてやる』という高評価で配下にならないかと勧誘を受けていたが、「自分は隠居がお似合い」と何度も断っており、魔力で威圧されてもより強い魔力で跳ねのける気骨も見せた。


しかし下劣な性格はこの時から健在で、何度も断ったのも「後々安く見られないよう自分の価値を釣り上げる」為の根回しだとザムザに嘯き、息子の研究成果も平然と自分の手柄にしていた。

この時ザムザの額にグラスを投げつけており、この頃からすでに毒親だったようだ。


そうした経緯もあってか、正式に配下入りしたのは大魔王バーンの台頭後であった模様。


その後呪法により凍結してしまったハドラーを一年かけて発見。若き獣王に有償依頼のもと回収させ、魔王城へと届けさせる。

勿論この活躍も100%恩を売るためのもので、協力者である獣王をわざわざこき下ろした上で「救出したのは、このワシだという事を報告するのだぞ?」とハドラーの臣らに強調。更に彼らを露骨に見下しながら「解呪の方法がわからなければいつでも頼ってこい」と述べて帰っていった(実際には彼自身解呪のアテはついておらず、その調査も息子に無茶振りした状態で「トロルや骸骨風情よりは先に見つけられるだろう」という皮算用だった)。

この二人の家臣は律義者であった上、若き獣王もザボエラの依頼の下で動いたことはしっかり伝えていたため黙っていても十分な感謝と恩義は得られたはずであったのに、それを自らの言動で台無しどころかマイナスにまで持っていくのは如何にもザボエラらしいと言える。


妖魔師団長ザボエラ

初登場時はハドラーすら凄まじい衝撃と共に打ち破ったデルムリン島の光の魔法結界を音も立てずに通り抜けるというなかなかのインパクトを見せた。


デルムリン島へ侵入後、ダイの親であるブラスを掻っ攫う。

その後、ダイとの戦闘で、片目を失ったクロコダインの前に現れ、ダイに撃退された彼に対して「このままでは魔王軍に居場所がなくなるぞ」と脅しつけ、誘拐したブラスをダイに襲わせるという汚い人質作戦に協力させる等、序盤から下劣な策を取った。


表舞台に立つのはクロコダインだが、策を授けたのは自分であるため地位の向上に繋がると部下と共に笑っていたが、彼は戦士としての誇りに迷いを生じた末に敗北。密かにその遺体を回収し、復活させるために蘇生液に浸からせたが、再び見に来た時にその姿はなくなっていた。


ハドラーと共に地底魔城を訪れた際は、ヒュンケルが「バーン様に気に入られている」という話を聞き、取り入ろうと目論む。手始めにマァムを弄べるようにすることをほのめかすが一蹴されて逃げ帰った。


バルジ島の戦いではミストバーンと共に自ら出撃し、初めてダイと対面。バダックザラキを放って苦しめる。しかしダイに合流したクロコダインの加勢により形勢は逆転、クロコダインから卑劣者として殺意を向けられるが、部下の妖術師をモシャスで自分の姿そっくりに変身させ身代わりにして逃げ去った。


その後、カール王国へ侵攻中のバランと合流。わずか5日でカールを滅ぼしたバランに恐れを抱く。その際にダイの話をしたことで、バランにダイの正体を気づかせる要因となった(ハドラーも一目置くバランには敬語を使っていたが、その厳格さも見抜いていたのか彼には取り入ろうとしたことはない)。


そのバランがダイたちに撃退された後、休息中のダイ一行をハドラーと共に襲撃。魔香によって彼らを眠らせ、効かなかったポップにはマァムに化けて接近し麻痺毒による不意打ちで戦闘不能にした。

ポップにトドメを刺そうとするが、駆けつけたマトリフによって片腕を切断されて阻止される(2020年版では切断はされず、炎系の呪文で焼かれる形に変更されている)。マトリフと戦うハドラーに加勢して優位に立つも、復活したダイによって呪文を跳ね返され撃退される。


自身だけはルーラで脱出し、ハドラーに対し「力添えを続けてきたのに役立たずが!」と吐き捨て次はミストバーン辺りに取り入ろうと画策するザボエラだったが、咄嗟に彼の足を掴んで共に脱出していたハドラーから「オレとお前は最早一蓮托生。他の者に取り入るなら命はない」「超魔生物の研究をオレのために使え」と脅しつけられる。

以降は「魔王軍の科学者」というポジションが強調されるようになる。


魔軍司令補佐ザボエラ

ハドラーの肉体を改造した後は妖魔師団ごともはや忘れ去られたように扱われ、ダイ達の眼中からも消えてしまった。功を焦ってハドラーと交戦した直後のダイを始末しに向かうが、その際クロコダインに自分の汚点を糾弾され逆上する。


集束魔法(マホプラウス)を一行に向けて放つが、ハドラー親衛騎団兵士ヒムに遮られ、魔牢に幽閉される。本来ならそのまま処刑になるはずだったが、ハドラーは自分のパワーアップに貢献した事と、その為にザムザが死んだという負い目から見逃している。


その後、黒の核晶の大爆発で魔牢が壊れたのか脱出し、大魔王バーンとハドラーの戦闘に割り込む。ミストバーン達が足止めされ孤立したバーンに止めの一撃が放たれる瞬間、ハドラーの動きを封じ逆転勝利に寄与した。


この功で魔軍指令補佐の地位を与えられ、今度は自らの上司となったミストバーンに取り入ろうとする(もっとも、実際の地位は魔王軍結成時からミストバーン>バラン>ハドラー>残りの4人くらいの扱いだったが)。

しかしミストバーンから「ハドラーを超魔生物に改造した時、黒の核晶に気づかなかったのか?」と問われ、気付いていたが放置していたと事も無げに明かし、さらに「いずれはバーン様のためにくたばる奴。巻き添えさえ喰らわなければいい」とハドラーを侮辱。

決別はしても内心ハドラーへの情は失っていなかったミストバーンはこれに激昂し、媚びを売るザボエラを一蹴。「カスがっ!貴様にハドラーを侮辱する資格は無い!」とかつて彼の弟子であったヒュンケルと同様に突き放されてしまった。更には『裏切る素振りを見せれば殺す』と事実上の死刑宣告までされている。


最終決戦の際、ヒュンケルとクロコダインの処刑場に現れ凄まじい数の魔界の魔物を呼び寄せ、更なる出世を狙って大破邪呪文ミナカトールの五亡星を阻止しようと、一かすりで死に至る「毒牙の鎖」でポップを狙う。

しかし寸前でメルルに阻まれ、それがポップを勇気の光に目覚めさせ結果として破邪呪文の完成に一役買ってしまう。皮肉にもかつて行った「汚ねえ人質作戦」でポップの勇気を奮い起こしたのと同じ結果になってしまった。


魔物達も全滅させられ、ミストバーンに後を押しつけて大魔宮へ戻ろうと苦しい詭弁で誘導を図るが、既に魂胆を見透かしていた彼からは軽蔑を通り越して滑稽にしか映らなかった。

そして「何の成果もないまま逃げ帰れば、待っているのは処刑だ」と突き放され、


「ミストバーン様っ……いやっ! ミストバーン!!」

「あんまりじゃあっ!! ワシらは、元は同じ六団長!! 共に戦ってきた仲間ではないかっ!!」

「それをっ…それを、見捨てるのか!!? ええっ!!?」


ザボエラは言うに事欠いて「仲間」という正義の味方の金看板を持ち出してまでミストバーンに縋るが、「仲間」故にバーン様最優先という自分の信念を知っているだろうと問い返され、もはや何も言い返せず膝を折った。


今まで人を利用するだけ利用し使い捨ててきた小男が、ついに「使い捨てられた」形である。それはまさにその場でミストバーンが言ったとおり「人生のツケというやつは最も自分にとって苦しいときに必ず回ってくる」状況でもあった。

同情したクロコダインから「この人数を相手に勝てると思うほどおまえもバカではあるまい」と降伏を勧められるが……


「笑わせよる!! 笑わせよるわあっ!!!」

「よりによってバカの代表みたいなおまえに、このワシがバカ呼ばわりされるとはなァッ…キィ~~ッヒヒヒッ!!!」


逆に彼をバカにしながら哄笑。ついに切り札を展開し、最後の戦いを演じる。

魔法陣を守るクロコダイン、ノヴァ、そしてミストバーンと互角に戦ったロン・ベルクさえ圧倒したが、ノヴァの決死の行動に心を動かされたロンの必殺剣の前に破れ、自慢の切り札はバラバラに分断され、自身も満身創痍となる。


密かに戦場から逃れるも魔力もアイテムも尽きており、岩陰に隠れて這いずるという有様だった。そのまま逃げようとするが、それを見越していた因縁深いクロコダインが目の前に。まだ策を残しているとはったりを仕掛けるが、性格を熟知していたクロコダインに通じるはずもなかった。


(なんとかするんじゃ!! まだ…まだ手はあるはずっ!!!)

(ワシがこんなデクの棒と知恵比べして負ける筈が無いんじゃ…!!!)


そこでザボエラは「六大団長の中ではワシだけが余りにも非力」「策を弄する以外生き抜く道がなかった」と語り、同情を引く芝居をしてから魔王軍と手を切ると頭を下げる。


「自らの切札、超魔ゾンビを破られ痛感した…やはり、ワシは人にすがらずには生きていけん奴だったようじゃ…」

「それがわかった今、恥を忍んでおまえに頼むっ!!」

「この場は見逃してくれいっ!!! 今後は、魔王軍には、決して協力せんと誓うっ!!!」

「もはや…ワシはおまえにしか縋れんっ!! 魔王軍から見捨てられ人間たちにも受け入れられない男なのじゃあっ…!!」


一方でわずかに体内に入っただけでも相手を意のままに操れる毒を体内で製造。和解の手を伸ばしたクロコダインを、まんまと策に引っかかったと内心で嘲笑う。


(やっ…やったァ~ッ!!! かっ…かかりおったぞこのバカめがっ!!!)

(う~~っくくくくくっ…!! クロコダイン!! やっぱり、おまえは底無しの愚か者よっ!!)

(ウドの大木!! いやっ…!! ワシの人生の踏み台をつくるための…材木じゃああっ!!!)


クロコダインの掌を狙って猛毒の爪を突き立てようとするが、それすらも見越されていたため失敗。

逆に斧の柄を叩き落とされ、ロン・ベルクの意趣返しとばかりに両腕をへし折られて身動きが取れなくなる。


ザボエラ「きッ…貴様ァッ…!! ワ、ワシにだまされたフリをっ…!!!」

クロコダイン「……ザボエラよ。頭の悪いオレだが、騙され続けたおかげで、一つ物を知った…」

クロコダイン「それは……! この世には、本当に煮ても焼いても喰えぬヤツがいる! ……という事だ!!」

ザボエラ「まっ…待ってくれェッ!!! クロコダイッ…」


策に溺れたことを悟って今度こそ本当の命乞いをするも、最後まで言う間も与えられず今度こそトドメを刺された。遺された遺体は生命活動の停止による体内毒素の暴走により、程なくジュウジュウと溶け果ててしまった。


クロコダインを終始「バカの代表」と見下していたザボエラだが、上記の言葉を本気で言っていれば、情に深いクロコダインなら命だけは見逃してもらえた可能性が高かった(ロモスでダイたちに敗れた後、彼を回収し蘇生液に漬ける処置をした恩がある)。

しかし「バカを利用し安全に手柄を立てる賢い自分」という理想像に固執し、生き残る最後のチャンスを自分でフイにしてしまうという皮肉な顛末となった。

単なるバカ』と『歴戦の獣王』の区別もつかなくなってしまったザボエラと、『無力な敗残兵』と『牙を隠した難敵』を間違えなかったクロコダイン。

常に他者を見下し相手を理解しようとしなかった前者と、他者の長所を見出し本質を理解するのが上手い後者。それが両者の明暗を分け、この最期につながってしまったのである。


策謀

  • 鬼面導士ブラス

クロコダインに授けた策。ポップ曰く「汚ねえ人質作戦」。

ダイの育ての親であるブラスをマホカトールの保護下にあったデルムリン島から連れ去る事により魔王の邪気の影響で凶暴化させ、クロコダインと共にダイたちと戦わせた。

ポップの機転でブラスが救い出されるまで相当に苦戦させており、かなり効果的な策であった。

驚くべきはその時言ったザボエラの言葉。


「子供が絶対に逆らえんもの・・それは“親”じゃっ!!育ての親に手出しはできまい!?ダイに対してこれ以上の刺客は考えられんて・・!!キィ~ッヒッヒッヒッ!!!」


普通に聞いても最低な台詞なのだが、なんと後にザボエラ自身もザムザという子を持つ父だと判明。この発言に違わず、情を捨てきれぬザムザを利用し倒す毒親であったことが発覚する。

後に判明したストーリーで序盤のセリフの印象や意味合いが変わることは珍しくない展開だが、コイツの場合最低だった印象をさらに下げるという、とんでもない台詞である。


  • バラン決戦後の夜襲

ハドラーに授けた策。バランとの決戦を終えた夜、疲れ果てたダイたちに共に奇襲をかける。

ダイ達を魔香で眠らせ、効かなかったポップにはモシャスでマァムの姿になり毒を与えることで麻痺させたが、助けに駆けつけたマトリフと交戦する羽目になり失敗に終わる。

2020年版では妖魔師団と親衛隊を動員してダイを討つと言い放ったハドラーに対し「これまでのような正攻法では勝てませぬ」「どんな手を使っても最後まで生き残っていれば勝者と呼ばれる」と甘言するシーンが追加されている。


  • 勇者ダイ抹殺

ハドラーと交戦した直後の体力を消耗したダイの抹殺を狙い、部下を引き連れ捜索に乗り出した。

あと一歩の所まで行ったが、ヒムの妨害を受け魔牢に幽閉される。

もう少しでダイにトドメを刺せたのを「勇者は自分が倒す」という理由で止めたハドラーが非難されることもあるが、この方針は大魔王バーンに申し出、魔王軍全体の方針として直々に認められていたものである。そもそも、ハドラーが打倒ダイに拘っていることはザボエラもよく知っているはずなので、上司の顔に泥を塗る真似をしていると言えなくもない。


ザボエラがやったのは手柄の横取りなことを棚上げしても出撃のために名乗り出た訳でもなく完全に独断専行であり、大魔王バーンや総指揮代行を任されていたミストバーンから勇者ダイ達にトドメを刺すよう命令を受けての行動ではなく、バーンを含めた魔王軍上層部の会議で決まった方針に喧嘩を売るも同然。組織という観点から考えると咎められて然るべき行動なのは間違いない。

仮に無断で行動しても魔王軍のためなら許される、魔王軍のためになると理由がつければ何をやってもいいと言う暴走に繋がりかねないからである(極論、ただ競争相手だった同僚を裏切っている「かも」しれないと陥れ独断で処刑したとして、それも魔王軍のためと理屈を付ければ許されるという理屈も成り立ってしまう)。


また、ハドラーに代わり総指揮を任されていたミストバーンに処罰されていれば幽閉では済まなかったことは想像に難くない為、彼が動く前にヒムを向かわせたのはハドラーからの最大限の慈悲に近い。

しかもザボエラを連れ戻すためにヒムが出張った結果、「超金属の敵」という脅威をポップとクロコダインに知らしめ、新たな魔法新たな技の習得に至らせる遠因となってしまった。


また、この行動の動機であった「バーン達の会話で妖魔士団の存在に触れられていなかった。このままでは魔王軍に自分の居場所がなくなる」も、そもそもハドラーのパワーアップに貢献した第一人者はザボエラである事を考えれば見当違いと言わざるを得ない

ハドラーは自分のパワーアップに貢献したザボエラを評価していたどころかその過程で息子ザムザを死なせてしまった事に負い目を抱いており、上記の独断専行にもそれを理由に温情を見せている。

これらを鑑みればザボエラを切り捨てるつもりはなかったのは明らかであり、ここで下手な動きを見せずに自分の功績も主張していればおそらく普通に認められた

ザボエラは自身が他者への恩義など感じぬ性格であるが故、自身のどの行動が相手に恩義と受け止められるか理解できていない節がある。この焦りもそうした情への無理解が招いたものと言えるかもしれない。


  • 見苦しい言い訳による大魔宮への逃亡

ミストバーンにクロコダイン達の相手を任せて大魔宮へ逃げ込もうとしたが、逆に論破され到底勝ち目のない戦場にただ一人取り残されてしまった。


ただしミストバーンもただ見捨てたわけではなく、策を弄し保身に徹するザボエラが自ら前線に出た時点で何かしらの切り札は用意していると見抜いてた為、ケツを蹴っ飛ばす意味合いもあった。

そして前述の切札を持ち出した際には「叩かれてようやく手の内をみせおった」「これで地上は収まるかもしれん」とザボエラに勝ちの目があると見ている台詞を言い残している。

実際ロン・ベルクが予想以上に人間に入れ込み「両腕をつぶす」という選択をしていなければ人間側に打つ手は無かったため、ミストバーンの見立ては間違ってはいなかった。


  • 嘘の命乞い

超魔ゾンビが破壊され、満身創痍で逃げ帰ろうとした矢先、クロコダインによって阻まれたため騙し討ちを計画する。体内で「相手を意のままに操れる毒」を製造し、隙を突いてクロコダインに爪を突き立てようとするが失敗に終わり、その生涯を閉じることとなった。


そもそもクロコダインは『策謀を好まない』ことはあっても、咄嗟の機転は良く利くタイプであり、断じて腕力だけが取り柄の『脳筋バカ』などではない(むしろ分析や判断力という点に関しては優れており、頭の回転はかなり速い)、十分な人格と知恵を持ち合わせた男である。

ザボエラが毒を調合した際に爪から汁が垂れており、クロコダインがこれを見逃すとはとても思えない(気づいていることを示唆するような描写があり、直後にクロコダインは嘘の命乞いに乗っかって来た)。


「非力だから他人にすがるしかなかった」と本人は嘆いたが、クロコダイン自身は彼の力量(魔法力)は初めから評価しており、弱者と見たことは一度もない。

初期にはハドラーからも「ザボエラが軍師としてついているなら安心」と独断専行を咎めていない等そこそこ信頼はされていた。ザボエラも当初は内心でも「ハドラーさま」と呼んでおり、怒りの感情抜きで罵倒したことはない(ただしバランがダイを仲間に引き入れれば出世コースに乗ると聞き、取り入る相手を乗り換えようと考えていた)。

また軍団長結成時には、ミストバーンやバランでさえも手にするのを戸惑った炎の中にある「暴魔のメダル」を取って忠誠心を示そうともしていた。

この結末は、そんな周囲の信頼を踏みにじった彼自身の因果応報だったのだ。


この場の最大の失策は何と言っても実力不足だろう。

というのも最後のやり取りの際、クロコダインはザボエラが爪を突き立てようとするのを見てから反撃している。これは(不意を突いたつもりでも)ザボエラにはクロコダインに指一本触れる実力もなかったことを示している。

そもそもにして、「直接戦うのはバカ」と嘯き安全圏で策を練りまわしていた男に、常に最前線で戦い続けた戦士に正面切って一矢を報いるだけの実力が備わっている筈もない。

策謀家という言葉に溺れ実戦から遠ざかっていた「人生のツケ」が、ここに至って実力不足という形で回って来てしまったのだ(無論、クロコダインとて今まで散々騙されてきたザボエラの言葉を全面的に信じていた訳も無いであろうが)。


そもそもグレイトアックスの斧柄でへし折られるような細腕で、クロコダインの鋼鉄の皮膚を貫けるかも疑問である(皮膚からも効く毒、という可能性も無い訳では無いが)。

あるいは、これらのことが頭から抜け落ちる程に追い詰められていたからこそ策に溺れてしまったのか。

ちなみに2020年版アニメでは、両手の爪で挟むようにしてクロコダインの手を狙っている(確実に皮膚を貫くつもりだったことが窺える)。


総評

あまりにも作中での評価が低かったせいか、一部の読者で評価しようという声がなくもない。


ザボエラの能力自体は、先述した通り決して低くはなく、超魔生物など数々の兵器を作り出したその技術力は序盤どころか終盤に至るまで脅威となっていた。

周りから散々こき下されていたのも主に手段といった「人格面」ばかりで、実は「弱者」や「無能」と罵られた事は一度もなく、彼を心底蔑んでいたミストバーンですら「能力や成果」に限っては最後まで評価し続けていた節がある。

実のところザボエラが関わった戦いでは常にダイ達をあと一歩のところまで追い詰めており、失敗した原因も味方に足を引っ張られたり、想定外の事態が起こったりと、ザボエラ自身に落ち度があったとは言い難いものが多い。


クロコダインとの仲に関しても、同僚だった頃のザボエラは(都合よく使える駒とは見つつも)特に彼を卑下しておらず、ダイに敗北した後も遺体を回収して蘇生液に浸からせたり、フレイザードに「情けねえ野郎だ」と呼ばれた時も擁護していた(ただし擁護内容が「ワシが策を授けたのに負けた。ダイという小僧は大したものじゃ」とどこか自分を持ち上げるような内容。また卑劣な男ということでクロコダインには一方的に嫌われていた)。


炎魔塔の戦いでクロコダインの裏切りが露見した際に「気でも触れたか!?」と驚いており、彼が裏切るとは思っていなかったようだ(ここからクロコダインを卑下するようになった)。

自分の汚点を棚に上げながら正論を言う合理性も窺え、なんだかんだで最後まで魔王軍の一員として戦っており、部下や上司は斬り捨てたが組織自体に対する背信行為は一度もしなかった。


それでもザボエラだけが徹底的に貶められ凋落していったのは、周囲を利用して自分だけ甘い汁を吸おうという精神性が周囲にダダ漏れであったことに他ならない。

如何に残酷な悪の組織であっても、如何に有能であっても、味方すら利用する捨て駒だと平然と公言し、本当にやり続けている様なヤツに重要なポジションを任せたいとは思わないだろう。


更に言うなら、ザボエラの策は成功すれば多大な貢献と言う点においては誤っていないが、逆に部下を使い捨てに一時は勝てても長い目で見ればトータルではマイナスになるリスク管理が抜けており、しかも自分の功績ばかりに目が行っており、それ故に失敗してももう一手を打って押し切るに至らぬ実戦勘の鈍さが目立つ。


実際の所、大魔王バーンを裏切ること無く魔王軍に留まっていたのも忠節からでは無く、徹頭徹尾自己保身のため、最終的に勝つのは魔王軍と見ていたからであった。そのためにザボエラの意識は「自分の成功が魔王軍の勝利に近付く、もたらす」ではなく「勝ち確の中で功績をあげる」と言う無自覚の甘さを垣間見せている。

彼の性格を鑑みれば、バーンの旗色が悪くなったと感じればダイ達に寝返ろうとした可能性もすらも現実味を帯びてくる。頭の中で他者を都合よく動かす彼ならば『魔族のロン・ベルクや自分と同じ軍団長のヒュンケルとクロコダインが受け入れられたのならば自分も大丈夫』などと考えだしても不思議ではない。無論そんなことを考えそうな時点で誰からも信用はされないだろうが…。

むしろどこまでも落ちていくザボエラを魔王軍(厳密にいえばハドラー)が粛清しなかったのは、彼のために命を落としたザムザへの義理立てによる部分が大きかった。


本人は自身を世渡り上手と思っていたが、相手を理解しようとする意識の乏しさから取り入ろうとする相手を悉く怒らせ、最後は完全に孤立した様を見ればむしろ逆だったと言え、周りが相性の悪い武人肌な人物ばかりだった点を加味しても、策士として詰めが甘かったとしか言いようがない。

その辺りはバーンにすら気づかれない暗躍を行えていたキルバーンの方が役者が上であり、最後の大慢心を除けば演技力などの立ち回りでは彼を凌いでいた。


相手の本質を理解し美点を見出すのが上手く、魔王軍の誰もから評価されていたクロコダインとはこの点真逆である。

「愚直で、誠実で、他者への理解が深く、献身的な戦士」であるクロコダインと「狡猾で、計算高く、他者を見下し、利己的な策謀家」であるザボエラは対比であるかのように作中通して相対し続けた。

ちなみに「ザボエラが余計な策謀を授けなければ、クロコダインとの2戦目はクロコダインが勝っていた」というのはヒュンケルの皮肉のみならず原作者の公式見解である(過剰な怒りを煽ることも無い上、闘志万全のクロコダインのタフネスを突破する手段を当時のダイ達は持っていない)。

万一ダイ達が勝ったとしても、納得尽くの戦いであれば作中程には恩義と感銘を抱くことも無いためクロコダインは裏切らない。その後の活躍まで踏まえてしまうとザボエラは結構な戦犯行為を働いたことになってしまうのだが…


クロコダインと組むのであれば保身のような後ろ向きな感情を煽るのではなく、彼の誇りを満足させる決戦の舞台でも用意してやればよかったのだが、誇りや美学といったものを解さず利己的な感情しか理解できないザボエラは相手に合わせる発想に思い至らなかったのだろう。当時のザボエラは(上手く利用して手柄の相乗りをしようという心算はあっても)クロコダインを蹴落としてやろうなどとは思っていなかったにも拘らずこの結果なのだから、二人は根っから相性が悪いとしか言いようがない。


最後の命乞いを見返せば、彼に比較して若く心身の充実した他の六大団長への劣等感が窺える。同情を引く意図があった以上どこまで本気だったかはわからないが、超魔ゾンビでクロコダインと戦った時には「巨人の気分はいい」「クロコダインにはわしが小さく見えていたのだろう」という旨の台詞を吐いており、全てが嘘というわけでもなさそうである。

無論だからといって他人を踏み台にしてもいいという理屈にはならないが。

彼の言とは裏腹に、クロコダインによればかつて六大団長が揃ったときは絶大な魔力で一目置かれた存在だったらしい。評価も期待も寄せられていたが、出世欲に目がくらみ他人の力ばかりを利用している内にこんな小物に成り果ててしまったと、哀れみをもたれている。

誰からも見捨てられたザボエラに最後まで思いを馳せてくれていたのは、皮肉にも終始見下していたクロコダインのみであった。


ダイの大冒険」とは、仲間との出会いや強敵との戦いで登場キャラクター達が成長してゆく物語であり、勇者一行は勿論、魔王軍の幹部でさえも己の殻を破って成長する逸材がいた。

そんな中、むしろストーリーが進む毎に人格が悪化していったザボエラは「成長出来なかった人物」の典型例として描かれており、ある意味本作のテーマの一つである「成長」に対するアンチテーゼ(堕落)とも言えよう。


もしもザボエラがバダックのように「非力でも役に立とうとする気概」や「他者に対する度量」「他者と共に歩もうとする心」があれば、クロコダインの隣に立っていたのはザボエラだったのかもしれない。

クロコダインにとってザボエラは「自分もこうなっていたかもしれないという可能性の一つ」であるが、ザボエラにとってバダックもまた「自分もこうなっていたかもしれないという可能性の一つ」だったと言える。


ある意味では、彼自身もまた 「力こそ正義」 という魔王軍(或いは魔界そのもの)の歪んだイデオロギーの犠牲者だったのかもしれない。


漫画版クロスブレイド

4巻に登場。お供にはギガンテスの武人ギガンを従えている。キルバーンと同じく「子供から見て尊敬出来ない悪役」にされている。

初登場でいきなり食い逃げをかまし、見咎めた少女店員の抹殺をギガンに指示する、(実行したとウソを吐いた)ギガンにウスノロと吐き捨てるなど非常にタチの悪い性格になっている。このため内心ではギガンにも軽蔑されていたが、武人だからこそザボエラを見限れないという状態。

逆に原作で見られた、鼻水を垂らして逃げ惑う小者のような面はまったくない。むしろダイたちやロムドラドに対して不遜な態度を崩しておらず、なかなか肝が据わっている。


時空の武術大会にて主人公チームと激突。ポップと頭脳戦を繰り広げる。

ザボエラはギガンを捨て駒にすることでポップの注意を引き、自身は背後に回り込んでナイフを突き立てようとする。しかしポップには「卑怯者は背後から襲って来る」と読まれており、ギガンの攻撃に耐え抜かれたことで反撃される。形勢不利を悟ったザボエラはルーラで逃げ出した。

ギガンも本心ではザボエラを軽蔑しており、主人公たちに敗れたことから「卑怯者のザボエラに仕えていたギガンは死んだ」として離反された。


7巻(最終巻)にて再登場。バーンたちと共にこの世界から去ったと思われていたが置き去りにされたのでロムドラドに取り入るべく主人公ユウキの抹殺を目論む。

幻影効果のある霧を利用して配下共々ユウキの家族に化け“迎えに来た”という体で近づく。だがその先には無数のトゲが用意された崖があり、ついて行けばユウキは串刺しになってしまう。

ユウキの心はかなり揺れたがこの世界を見捨てられないと拒否される。強引にでも連れて行こうとしたことから心無い発言ばかりするようになり、とうとうユウキに偽物と見抜かれる。

最後はユウキから「ありがとうザボエラ。偽者でも家族と併せてくれてうれしかった。でも同じくらい許せない!!!」と激怒され怯懦を露わにする。そして駆け付けたダイたちも加えた全員のパンチによってどこかへ飛ばされてしまった。捨て台詞に「貴様は二度と自分の世界に帰れず朽ち果てる」と言い放ち、ユウキの心に少なからず傷を残した。


バーン側の関係者では最後の刺客となった。


小話

  • ザボエラの基地

ダイとマトリフに撃退された後、自身の基地でハドラーを超魔生物にしたことがオフィシャルファンブックにて語られている。ザボエラはここで超魔生物に関する研究をしていたのだろう。


  • 下衆の金字塔

仮にも少年漫画で初期から終盤まで出番があったレギュラーキャラでありながら、終始一切の美点なく凋落していき、かつ頭抜けて強い・怖いといったカリスマと成り得るポイントすらない、ひたすらに小狡い下卑た人物という意外と珍しいキャラクター。

それ故か後の世代の作品では下卑た悪役の造形について「モデルはザボエラ」と語られる場合もあるなど、創作界隈に与えた影響は意外と大きい。


  • 悪意の家族

息子ザムザがいるということはこんな彼にも妻がいるのだろうか?

原作者によれば「美人だがザボエラと同等以上の悪辣な性格を持つ魔族」「愛情などは無く、互いに相手を利用するためだけに近付いた」「最終的には夫を謀殺しようとしたが、ザボエラに上手を取られて逆に謀殺された」といったイメージだという。

…ザムザだけが人並みに家族の情を抱いていたことが奇跡に思える。或いはそのことがザボエラの親子関係の認識に繋がったのかもしれないが。


  • 声優ネタ

1991年版でザボエラを演じた龍田直樹氏は、CDシアター版「ドラゴンクエストⅢ」でザムスという商人を、「ドラゴンクエストⅣ」ではアシペンサ(ピサロのてさき)を演じた。


2020年版でザボエラを演じた岩田光央氏は、DQ10Ver.6でカブを演じる事が決定した。


  • 原作者とザボエラ

インタビューにて三条は、

連載当時、この作品では珍しく完全な嫌われ役として書きました。自分の嫌いなものを集めたキャラクターだったんです。でも、ここまで生きてきて、周りを見ると、こういう人って多いんですよね(笑い)。『俺がやった!』と自分の手柄にしようとしたり、嫌なことを言う人の気持ちが分かってきたんです

と述べている。該当記事リンク

もしかしたらあなたの傍にも、そしてあなた自身の心の内にも、ザボエラは潜んでいるのかもしれない…


関連タグ

ダイの大冒険 クロコダイン ミストバーン ヒュンケル ハドラー

マッドサイエンティスト 卑劣漢 狡猾 ジジイ


他作品の類似・関連キャラ

冥王ゴルゴナロトの紋章に登場する敵幹部の一人。小柄で卑劣な性格をしており、死者すらも利用する為、主人公のアルスからは「クズ野郎」と言われたことがある。


妖魔ゲモンドラゴンクエストⅧの登場人物。妖魔という肩書繋がり。レティスの卵を人質に取り村を襲わせるなど「家族を人質にした汚ねえ人質作戦」を行った卑劣漢。ただしこちらは上司に対する忠誠心は本物。


リュムナデスのカーサ聖闘士星矢に登場するで大事な人の姿と仕草を象ることで相手の警戒心を解きスキをついて仕留めるという卑怯な戦法を使う。但し仲間を盾にして自分だけ甘い汁を吸おうとする態度は見せず卑怯なりに柱を護ろうという責務を全うしようと戦ったため、同僚から嫌われてはいない。


外部リンク

ニコニコ大百科のザボエラの記事

アニヲタwikiのザボエラの記事

ドラクエ用語まとめwikiのザボエラの記事

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