「遊びは終わりだ!」
概説
名前の由来は恐らく伝奇小説「変身」の主人公グレゴール・ザムザ。
プロフィール
人物
2020年アニメ版ではダイと空中戦を繰り広げており、トベルーラおよび元となったルーラも使用できると思われる。
性格や笑い方はザボエラと似通っており、人間をモルモット扱いする冷酷な科学者であるが父親よりは数段まともな性格をしており、彼なりの信念やプライドを持つ。
父と同じく謀略を好むが、自ら前線に赴いて戦闘し多少の不利でも撤退しない、自分の肉体を超魔生物研究の素材とするなど、自身へのリスクを厭わない点が父とは異なる。
むしろ、それを分かっていてなお成果を求めんとする程に彼の承認欲求のコンプレックスは深かったのかもしれない。
また、武術大会でモルモットに人間を集めた理由に「実験の度に部下の魔族を犠牲にしていられない」と挙げており、自身さえ無事なら自軍の消耗を意に介さない父とは対照的。
それ故か、打ち倒されて後述の父ザボエラへの心情を吐露した後マァムが回復呪文で治療しようとしたり、死後ハドラーがザムザの功績も考慮してザボエラを減刑するなど、武人的気質の持ち主たちには理解された。
戦歴
ロモス王国に人間の賢者として潜入。
魔王軍の脅威に対抗できる人材を集めることをロモス王に説き、自ら企画した武術大会での優勝商品の覇者の剣を餌に決勝進出者を実験材料にしようと目論む。頃合いを見計らって正体を現し、決勝進出選手達を捕らえるものの、賢者の剣を求めて偶然居合わせたダイ一行と遭遇、そのまま交戦に入る。
超魔生物の姿となってダイを一度は倒し、武闘家となったマァムの閃華裂光拳に苦戦しながらも技が短時間に拳から出ていると読み、両手を皮膜粘液で封じ握り潰すなど優位に持っていく。だがポップのメラでマァムが両手の粘液を溶かした後に閃華裂光拳を放たれ、覇者の剣(偽物)を手にしたダイの渾身の一撃で敗れた。
致命傷を負って仰向けに倒れ伏した彼は、武術大会の賞品である覇者の剣を既に横領していた事実を明かし、最後の力で超魔生物の研究データをザボエラの元に送り届ける。
ザボエラの性根を知るポップから「そんな事してもあいつが感謝するタマかよ!」と諭される。
ザムザも「父は他者を道具としか思っておらず、息子であるオレが死んでも涙一つ流さない」と認めたが「それでもオレの父であることには変わりがない」と返し、自分のした事は無駄ではなかったと満足気に呟き、黒い灰となって散っていった。
心の底では父の愛を求め、認めてもらいたかったようで、父と確執があるダイも「なんとなくわかる」と共感を呟いている。
ザムザの研究成果と覇者の剣は後にハドラーを大幅に強化しており、このことからも彼の戦いは決して無意味なものではなかっただろう。
そして案の定ザボエラは息子の死を知っても全く悲しまず、むしろ哄笑しながら「おまえの人生は、わずか200年足らずの短いものだったが、実に有意義なものだった」と、息子の人生すら便利な道具扱いしていた。
ザムザにとっては最低の父親にゴミ扱いされず、最期に褒めてくれただけでも破格の待遇だったのかもしれない。
未完成超魔生物
100種類以上のモンスターの長所をザムザの体に移植して作られた、超魔生物のプロトタイプ。
元の姿を遥かに上回る巨体と異形の姿は、参考にした竜魔人の姿より怪物的である。あらゆるモンスターの集合体とも言える為、変身前からその気配を感じ取っていたチウを怯えさせた。
ザムザ自身が完成度は90%近くと称しており、変身能力を有するも魔族の姿に戻った際に体毛や腹に腹の口の名残が残るなど不完全で、変身後は呪文が使えなくなるという欠点がある(変身とその維持に魔力を使い続けるためとも思われるが詳細不明)。
一方で魔族の姿でも闘気を操る能力を使えるなど戦闘能力は強化されており、防御力、耐久力も紋章の力を発動したダイの打撃に耐えるほど強靭。
本人の台詞から大猿系モンスターの筋肉組織が移植されていることが判明しているが、他に素材となったモンスターは不明。
変身後は左手が蟹の鋏のように変化し、強力な武器になる。腹には第2の口があり、鋏で捕えた獲物を放り込んで吸収する。ダイとの戦いでは疲労した彼をこの口に放り込み、食らおうとした。
高い再生能力も備えており、大抵の傷はすぐに治してしまう。しかし相手の生命力を暴走させ自壊させるマァムの閃華裂光拳とは非常に相性が悪い。
15年前
人間界の辺境で父と共に研究をしていた模様。ハドラーが父を勧誘しに来訪していたため彼とも顔なじみだった。自身が禁呪法の超魔生物学を用いておおめだまとあくまのめだまを融合させたモンスター「あくまのおおめだま」をザボエラに『ワシの研究成果です』と紹介されてしまった際にショックを受けていた。真実をハドラーに伝えることもできなかったため、今までも自分の研究成果を父に横取りされていたと思われる。単行本のオマケによると特定の分野(おそらくは超魔生物の研究)等においては父をも上回る優秀さを誇っていたという。
またハドラーが未知の呪法で封印された際には恩を売るために解除法の発見をしろと言う無茶ぶりを命じられた。
ハドラーがアバンに敗れ世界が平和になった後は、バーンの魔力で暗黒闘気による悪霊化したハドラーの命令(強制)により父と共にバーン率いる新たな魔王軍の一員に参加することを決める。このまま父の言いなりになるのでは駄目だという気持ちもあったようで魔王軍で父を上回る野心を抱いていた模様(生き残って出世していればハドラーやバーンやミストバーンはザムザの偉業を認め、父を超えたと証言して認められる可能性は高かった。実際、本編でザボエラが独断専行を犯して捕縛された際に、ハドラーは本来なら処刑するつもりだったが、ザムザの功績に免じて助命しており、ここからもザムザを重んじていたのがわかる)。
彼の母親、ザボエラの妻について
作中ザムザの母親、つまりザボエラの妻については情報が無く一切不明であった。
それ故そもそも存在するのかどうかも怪しいと読者に色々な可能性を予想されていたが、
Youtubeで配信されているダイ好きTVにおいて、作者の三条陸は夫の命を狙いかねない極悪な美女魔族で、ザムザは母の事をほとんど覚えてないだろう、父の事だけを親族と認識していただろうと答えている。
オフィシャルファンブックでは「母親はザボエラの命を狙って返り討ちに遭った。ザムザにとって肉親と認識しているのは父親だけ」とも述べている。
余談だが、ヒュンケルが不死騎団長時代にマァムを捕えた際に、ザボエラはマァムを自身の魔法(洗脳等)でヒュンケルの虜にしようかと取り入ろうとしており、この言葉に嘘がないなら、真っ当ではない関係であった可能性も否定出来ない。